国内最大級の写真プリントショップチェーンを展開するプラザクリエイトが、クラス最高水準の性能と拡張性を誇るインテル® Xeon® プロセッサ E5-2600 v3 製品ファミリー搭載のハイパーコンバージド製品「HPE Hyper Converged 250 System」を採用し仮想化基盤を刷新。パブリッククラウドサービスを超えるビジネスアジリティをオンプレミス環境で実現し、導入・運用・保守を含むトータルコストを劇的に削減した。処理要求の急増に即座に対応するため商用クラウドサービスとの連携も実現。優れたビジネスアジリティを達成したハイブリッド・インフラの先進事例である。
「パレットプラザ」や「55ステーション」を展開するプラザクリエイトが、攻めのビジネス戦略を加速させている。掲げるスローガンは「論より、スピード」である。新しいコンセプト「PHOTO & MORE」で付加価値の高い店舗展開を推進し、世界的なオンラインプリントサービス企業Cimpress社との合弁事業「VISTAPRINT」も本格化させた。テクノロジー部 経営基幹システムグループ グループリーダーの佐々木雄一氏は、次のように話す。
「全社一丸となってビジネスのスピード化に取り組んでいます。新しいアイデアや企画をいち早くカタチにして、成功したモデルを一気に成長軌道に乗せるチャレンジです。私たちテクノロジー部は、多様な写真プリントサービスを支えるIT基盤の刷新に取り組んできました」
新しいショップやサービスの開発・展開には数多くの試行錯誤が伴う。プラザクリエイトのチャレンジは、試行錯誤のプロセスをデジタルエコノミー時代のスピードまで高めようというものだ。次世代のサービス系IT基盤にはどのような要件を求めたのか。2010年構築の仮想化基盤の刷新をリードしたテクノロジー部 事業システムグループの茂木裕行氏は次のように説明する。
「従来のシステムアーキテクチャにこだわらず、最新のテクノロジーを採用して優れた俊敏性・柔軟性を備えた次世代基盤を目指しました。もちろん、導入・運用・保守にかかるトータルコストを削減することも重要な要件です。当初、私たちはパブリッククラウドへの全面移行を考えていました」
だが、パブリッククラウドへの移行を検討する過程でいくつかの問題が明らかになったという。
「従来の環境では、16台のブレードサーバ上にVMware vSphereによる仮想化基盤を構築し、120を超える仮想マシンを稼働させていました。Windows Server、Red Hat Enterprise Linux、Cent OSなど多様なOSが混在する環境です。パブリッククラウドサービスとVMware製品との互換性の問題がひとつ。もうひとつは予想できなかったほどのコストの増大です」(茂木氏)
オンプレミスで稼働させてきたアプリケーションをVMware製品との親和性が低いパブリッククラウドへ移行するには、複雑な手順を踏まなければならないことがわかった。また、VMware製品との相互運用が可能な商用クラウドサービスでは、大幅なコスト増となることが判明したのだ。
「私たちは、クラウドライクな使い勝手を実現するハイパーコンバージド製品に着目しました。そして『HPE Hyper Converged 250 System』を採用することに決めたのです」(茂木氏)
プラザクリエイトが採用した、クラス最高水準の性能と拡張性を誇るインテル® Xeon® プロセッサ E5-2600 v3 製品ファミリー搭載「HPE Hyper Converged 250 System(以下、HPE HC250)」は、15年9月に登場したハイパーコンバージド製品。高密度型サーバ、仮想化ハイパーバイザー、ソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)、セットアップや運用を自動化するツール群から構成される統合型プラットフォームである。サーバ内蔵ストレージをクラスター構成してスケールアウトを容易にするとともに、仮想サーバ環境で不可欠だった外付の共有ストレージを不要にしている。
「従来の環境は、16枚のサーバブレード、6台のストレージ機器を中心に構成され、データ容量はおよそ30TB。データセンターの1ラックをほぼ占有していました。これをハイパーコンバージドシステム『HPE HC250』への移行で、わずか2Uのスペースに集約できました」と茂木氏は驚きを隠さない。
「HPE HC250」は、2Uに4サーバノードを集約する高密度型サーバ「HPE Apollo 2000 System」をベースに、SDS製品としてわずか8年間で200万ライセンスの導入実績を誇る「HPE StoreVirtual VSA」を統合している。プラザクリエイトが採用した「HPE Hyper Converged250 System」は、2Uのシャーシに計8CPU/96コア、1TBメモリ、7.2TBのストレージ実効容量を搭載している。
「複数ブランドのハイパーコンバージド製品を慎重に検討しました。ビジネス要求に応じてサーバ/ストレージ環境を迅速に構築できるか、性能と容量は十分か、従来の手順を変えずに運用できるか、そして最も重視したのが3年間の運用を見通した総コストです。評価の結果、HPE HC250は導入から保守までを含む3年間の総コストで、他のハイパーコンバージド製品の3分の1〜2分の1という非常に優れたコストパフォーマンスを実現することを確認しました。商用クラウドサービスと比較しても2分の1以下のコストに抑えられます」(茂木氏)
「サイジングや機器構成に検討時間を要することなく、短期間でシステム構築を行えることもハイパーコンバージド製品の大きなメリット」と佐々木氏は指摘する。プラザクリエイトでは、HPE HC250の導入を決定してからわずか4週間で次世代サービス系IT基盤の構築を完了させた。
「HPE HC250」は、クラウドライクに使えるオンプレミスシステムとして好調な売れ行きを示している。ビジネス要求に迅速に対応できる能力が高く評価されるポイントだ。茂木氏は、「実際に運用を開始してHPE HC250の優れた俊敏性を実感できた」と話す。
「必要なITリソースを即座に提供するという観点では、実際のところパブリッククラウドよりも、自分たちで管理できるオンプレミス環境の方が使い勝手が良いと感じています。急ぎの要求に際しては、数分〜数時間単位で仮想サーバ環境を用意したりストレージ容量の拡張に対応可能になりました」
「ネットプリント」「パレット55プリント」「お名前シール」など、プラザクリエイトが提供する多彩な写真プリントサービスは季節的な需要変動が大きい。そこで佐々木氏と茂木氏は、HPE HC250を設置した同一のデータセンター内で提供される商用クラウドサービスとの連携を図った。
「通常時はHPE HC250の仮想化基盤で運用し、負荷状況に応じて商用クラウドのリソースを利用できる仕組みを採用しました。これにより、オンプレミスシステムをコンパクトに抑えつつ、需要変動に柔軟に適応できる合理的なハイブリッド・インフラを実現しています」(佐々木氏)
パレットプラザでは、店舗運営システムをはじめ主要な業務システムを商用クラウドサービスに積極的に移行してきた。オンプレミスシステムに「クラウドライクな使い勝手」や「クラウドと同等の俊敏性」を求めるのは、クラウドとオンプレミス環境のシームレスな統合運用を見通してのことである。
「ここ数年、新しいシステムの構築に際しては“クラウドありき”で考えてきました。しかし、クラウドと同等の使い勝手や俊敏性が得られ、クラウドとの連携が可能で、経済性・投資対効果の面でメリットがあるなら迷わずオンプレミスを選択します。HPE HC250はまさにこの基準で選ばれました」(佐々木氏)
16年3月に環境が構築され、次世代サービス基盤は順次データ移行を進めながら運用を開始している。1ラックを占有していたシステムはわずか2Uのスペースに集約され、1ラック分のデータセンター契約を解除できる見通しも立った。
「サーバのリソースとストレージ容量のバランスを、自社要件に合わせて最適に構成できることもHPE HC250のメリットですね」と茂木氏は評価する。一般にハイパーコンバージド製品は、サーバとストレージが統合された「アプライアンス単位」で増設・拡張するが、HPE HC250はストレージノード「HPE StoreVirtual」だけを追加できる特長がある。
「監視対象がHPE HC250だけになったので、運用も容易になりました。使い慣れたVMware vCenterから監視や操作を行えますので、手順を変更することなく新しい環境を運用しています」(茂木氏)
「HPE HC250」は、世界トップシェアを誇るx86サーバ「HPE ProLiant Gen9」の優れた運用管理機能を継承している。サーバ内蔵の「iLOマネジメントエンジン」はサーバ内の主要コンポーネントを監視し、問題の予兆を検知して自動的に通報する。障害が発生する前の対処を可能にするこの機能は、オンプレミス環境の運用に欠かせないものだ。
「HPE製品の品質と保守サービスには大きな信頼を感じています。HPE HC250では、ハードウェア障害に際して24時間365日・オンサイトで4時間以内の対応復旧をSLAとする『ファウンデーションケア』を採用していますので、私たちの運用負荷はさらに軽減され、より生産的な業務に集中して取り組むことができます」(茂木氏)
プロジェクトを振り返って、佐々木氏が次のように話し締めくくった。
「今回のサービス系IT基盤の刷新により、合理的なクラウドとオンプレミスのハイブリッド環境を実現できたと考えています。オンプレミス環境の重要性は変わりませんし、オンプレミスがなくなることもありません。だからこそ、HPE HC250がクラウドと同等の使い勝手や俊敏性を提供し、クラウドと連携可能なことに大きな意義があるのです」
業界:
流通・サービス
目的:
多様な写真プリントサービスを支える仮想化基盤の刷新。ビジネス戦略を支える柔軟で俊敏性に優れた環境を実現するとともに、運用・保守を含むトータルコストの削減を図る。
アプローチ:
仮想化基盤を実現するテクノロジーを見直し、よりシンプルな構成で省スペース化が可能なインフラ機器を採用。パブリッククラウドとの連携により変化するビジネス要求に対応する。
ITの効果:
ビジネスの効果:
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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2017年5月20日
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