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» 2019年06月28日 10時00分 公開

IFRS16対応の“誤解”とは? 2019年はグローバル対応「元年」、どう進めるべきか

IFRS16の適用年度となる2019年を迎えたものの、多くの企業の対応はいまだ道半ば。加えて「2019年の課題」として持ち上がっているのが海外子会社のIFRS16対応だ。それを欠いては、思わぬ不利益を被りかねない。どう向き合い、対応するべきなのか。

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 2019年1月以降の開始事業年度から強制適用が始まった、国際財務報告基準「IFRS(International Financial Reporting Standards、イファース)」の最新基準であるIFRS16号(IFRS16)。日本でも、多くの企業が新たな事業年度を迎えた4月以降、新基準での決算報告に向けた動きが着実に広がっている。

photo (写真提供:ゲッティイメージズ)

IFRS16対応を完了した日本企業はまだ半数

photo プロシップ システム営業本部 FS営業2部2グループ グループリーダーの葭葉類氏

 だが、「現状を概観すると、IFRS16に関するシステム対応作業を終えた企業は、まだ全体の半分ほどのように見受けられます」と、プロシップのシステム営業本部 FS営業2部2グループでグループリーダーを務める葭葉類氏は語る。

 背景にあるのが、IFRS16の会計実務に与えるインパクトの巨大さだ。IFRS16は原則、全ての借り手リース契約のオンバランス化を要求しており、適用後の決算開示資料は2倍、仕訳パターンは4倍以上に増加すると見込まれている。その対応にあたっては、借り手リース契約を一元把握するための仕組みの整備とともに、経理業務の負担軽減に向けたシステム側の対応も不可欠だ。

 「ただし、これまではオフバランス処理でよかったオペレーティングリースに関する業務は現場に一任していたという企業が多く、リースを一元把握するための業務フローの作成は一筋縄ではいきません。また、システム対応でも対象業務が広範で、少なからぬ手間暇を要することが、結果として対応の遅れを招いています」(葭葉氏)

 無論、決算報告に必要な数値さえ算出できれば、決算作業自体は進められる。プロシップも、IFRS対応の支援の一環として、契約/支払い期間や支払いリース料などの入力によって、10年先までの影響額やBS項目(資産と負債の簿価)、PL項目(償却費と利息)を算出可能なExcelベースの「IFRS新リース会計影響額試算ツール」を提供している。とはいえ、「ツールで算出できるのは、決算に必要な断面のデータです。日常業務の中で発生する契約変更や見積変更、減損への対応など、日々状況が変化する中での適切な経理処理のためにも、システム対応作業を早急に完遂する必要があります」と葭葉氏は説明する。

海外子会社のIFRS対応における“誤解”とは

 一方で、「IFRS16対応における2019年の課題」と葭葉氏が指摘するのが、海外子会社の対応である。企業会計基準委員会(ASBJ)の実務対応報告18号では、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」について、「連結財務諸表の親会社と子会社における会計方針の統一」を原則として要求している。在外子会社の連結決算手続きで利用が認められている財務諸表は、「IFRS、または米国会計基準に準拠して作成されているもの」。IFRS16の適用企業であれば、海外子会社の会計基準にIFRSを採用するのが自然な流れだろう。

 だが、少なからぬ企業が国内対応に手をこまねき、また、現地でIFRSに精通した人材を確保することが困難なこともあって、この要求への対応も実態として遅れているという。ただし、「そこには別の深刻な問題も潜んでいます」と葭葉氏。それが、「IFRSへの各種の“誤解”」だ。

 IFRSは05年のEUでの導入を皮切りに、すでに100以上の国と地域で利用されている。それらの地域の子会社については「すでに対応を完了済み」と捉えてしまったり、現地基準がIFRSと大差がない場合、海外子会社でのIFRS適用について厳密に考える必要はないと判断してしまったりといったことが代表例なのだという。

photo 海外子会社におけるIFRS16対応の“誤解”

グローバルでの判断を統一すべき必要性

 では、なぜこれらが問題となるのか。それは、IFRSのそもそもの狙いの1つが、投資家保護に向けたグローバルでの会計基準の共通化にあることと大きく関係する。

 IFRS16対応の肝は、すでに述べた、全ての借り手リース契約のオンバランス化だ。ただし、その内容を詳しく見ると、実は「契約期間が1年未満の短期リース」と「少額資産」の2つを対象にした「免除規定」も設けられている。また、免除規定とは別に、事業活動における重要性の観点から、監査法人の了解を取り付けることで、借り手リース契約であってもオンバランスの対象外とすることも可能だ。

 言い換えれば、借り手リース契約がオンバランス化の対象に含まれるか否かは、企業の判断に委ねられる部分も多分にあるということだ。そして、IFRSの狙いを考慮すれば、オンバランス化すべきかどうかの判断基準は、同一企業グループであればグローバルで統一すべきことは明らかだろう。

 「そもそも海外子会社の会計処理は現地任せというケースが少なくありません。そうした状況で統一的な判断を下せるかどうかを検証すれば、現状を手放しにはできないことは容易に理解できるはずです。万一、統一性の欠如、すなわち会計におけるガバナンスの不備が明らかになった場合には、財務諸表の信頼性が大きく毀損され、企業価値に少なからぬ影響を与える可能性も否定できません」(葭葉氏)

 葭葉氏によると、国内外を問わない統一した会計処理の実現にあたっては、特にシステム面では、(1)IFRS対応、(2)統一した判断/処理のためのグローバル対応、(3)現地税制や言語などのローカル対応、という3要件を満たせるかどうかが鍵となるという。

グローバル対応の現実解は「ERP+ProPlus」

 だが、市場を見れば、上記の3要件の全てを高いレベルで満たすツールは現時点において皆無だ。IFRS対応をうたう大手ERPベンダーのパッケージであっても、各国の税制による減価償却の違いや、IFRS16で求められるリース管理要件への対応については十分にカバーされているとは言い難い。

 こうした中、海外子会社のIFRS対応を推し進める“現実解”としてプロシップが提案するのが、大手ERPパッケージと、プロシップが提供する資産管理ツール「ProPlus」の組み合わせによる適用だ。

 IFRS適用で厄介なのが、既存の会計処理が置き換わるのではなく、そこにIFRSの会計処理が加わることである。決算開示資料が2倍、仕訳が4倍以上になると見込まれている原因もその点にある。

 対して、ProPlusは「自動仕訳機能」により、1つの入力から両方の会計基準の仕訳作成を自動化。また、「複数帳簿機能」や「自動判定機能」により、両者の帳簿を同時に作成/保持することや、両基準にのっとり、契約ごとにリースの種類を自動的に判定することなども可能だ。

photo 自動判定と複数帳簿対応

 加えて、グローバルでの固定資産管理のために、世界24カ国の減価償却にも対応。9月には、リース管理モジュールに関しても、多言語・多通貨への対応が予定されている。

 こうしたIFRS対応の機能の充実ぶりを原動力に、ProPlusはすでに多くの企業から支持を獲得。そのユーザーには、IFRSへの早期適用を表明している企業も含めた63社が名を連ねる。

 「グローバルでの企業活動の可視化に向けたERPによる会計/経理業務の統合があらゆる業界で進みつつあります。その固定資産やリースの管理モジュールとしてProPlusを採用し、各国に横展開することで、現地システムに個別に手を加えるよりも格段に低コストかつ短期間でシステム対応を完了できるわけです」(葭葉氏)

海外対応の支援実績は18カ国・135社

 海外子会社のIFRS対応での作業は「現状把握」「方針決定(業務/システム)」「導入」「運用」と進む点で国内と大きく変わらない。ただし、方針決定フェーズでは少なからず配慮も必要になる。税法や商慣習など現地法人の置かれた状況はさまざまであり、グローバルでの基準統一は現実的に極めて困難。ただし、国ごとの自由度を認めすぎてしまうと、逆に各国の判断のブレが大きくなり、統一性が揺らいでしまうためだ。

 この点を念頭に、「統一性を担保するためにも、共通基準は国内本社の強いリーダーシップを基に策定する必要があります。それを欠いては、統一性が削がれ、コストや手間もそれだけかさんでしまいます」と葭葉氏は助言する。

 海外子会社のIFRS対応は多くの企業にとって初めてのことだけに、当然、戸惑うことも多いはずだ。プロシップはそうした企業のいわば右腕となる。そこでの同社の強みが、18カ国・135社(19年4月末時点)の海外対応の支援で培ってきた豊富な知識とノウハウだ。

photo 「ProPlus」のグローバル展開・導入実績

 「例えば、将来のことを考えれば、勘定科目のコード体系はぜひとも統一しておくべきです。それを欠いては、連結する海外拠点が増えるほど、コード変換のためのコスト負担が求められ、また、ERPのバージョンアップに起因する思わぬトラブルに直面してしまいかねません。こうした実践的なノウハウの提供をわれわれは決して惜しみません」(葭葉氏)

 葭葉氏によると、海外子会社のIFRS対応に要する期間は、一般的に共通基準の策定だけで約半年、ERPの導入まで合わせると、拠点数が多い企業では2〜3年を要する場合もあるという。これほどの期間を要し、しかもその不備がガバナンスの欠如につながりかねないとなれば、できる限り早急に対応に取り掛かるべきなのは明らかだ。

 「海外対応を推し進める過程では、国内対応とは別の苦労に直面しがちです。そうした中での最適な仕組み、さらに作業の進め方の見極めは骨の折れる作業ですが、当社はこれまでのノウハウを生かし、さまざまな側面から対応を支援します」(葭葉氏)

 国内、さらに海外でのIFRS対応に向け、プロシップの存在感は今後、さらに増していくことになりそうだ。

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提供:株式会社プロシップ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2019年7月23日