NTT西日本がDaaSビジネスに参入 「ソーシャルICTパイオニア」を掲げる同社の狙いは?

通信インフラ企業であるNTT西日本がDaaSビジネスに参入した理由は何か。その狙いやサービスの特徴について、同社スマートビジネス推進部の磯村部長に伺った。

» 2020年03月02日 10時00分 公開
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 2020年4月、残業時間の上限を定めた働き方改革関連法案が中小企業にも適用される。残業時間削減のための業務効率化は喫緊の課題となっている。政府は同時にBCP対応も推進しており、企業はBCP、セキュリティ対策、さらにOSがWindows 7からWindows 10へとなり、新しくなった更新サイクルへの対応も求められる。

 しかし、専任のIT部門を抱える企業は少ない。「1人情シス」という言葉があるように、担当者はいても1人か2人、多くは本来別の業務に従事すべき「PCに詳しい人」が兼任しているという状況だ。PCの運用管理に時間を取られて手が回らないという話はよく聞くところだ。「対応しなければならない」と分かっていても手を打てないでいる経営者の方も多いだろう。

 こうした中小企業の悩みをまとめて解決できるソリューションとして注目を集めているのが「DaaS(Device as a Services)」。「PCを所有するのではなく、サービスとして利用する」というコンセプトに基づくPCの運用・管理スタイルだ。

 中小企業向けにさまざまなICTサービスを展開しているNTT西日本も、19年7月からDaaSビジネスを展開している。通信インフラ企業である同社がDaaSを始めた理由は何か。その狙いやサービスの特徴について、同社の磯村勝之氏に伺った。

西日本電信電話 ビジネス営業本部 スマートビジネス推進部長の磯村勝之

電話、インターネットからICTソリューションへと事業拡大

―― NTT西日本の事業内容を簡単に教えてください。

磯村 当社の事業は、電話、インターネット回線という大きな柱がありますが、近年はそれに加えて、いわゆるICT領域にかかるソリューション事業に力を入れています。

 当社を含むNTT西日本グループ全体で「ソーシャルICTパイオニア」というテーマを掲げ、ICTの力でお客さまの課題を解決していきたいと考えています。われわれのスマートビジネス推進部は、そのICTソリューションを、主に中堅、中小企業向けに展開している部署になります。

―― 「ソーシャルICTパイオニア」を目指したのはなぜですか?

磯村 背景にあるのは労働人口の減少です。これに伴い、今後は中小企業の方がITリテラシーの高い人材を確保するのが難しくなっていくでしょう。

 となると、こうした課題に対してアウトソースでどこか任せられるところが必要になってきます。電話や回線で地域のみなさまと長くお付き合いさせていただいているわれわれがそのお手伝いできるのではないかという発想に基づいています。

―― 具体的にどんなソリューションを展開していますか?

磯村 具体的には、回線というインフラの先にある部分です。例えば、Wi-Fiアクセスポイントから徐々に幅を広げて、セキュリティ(UTM)、ファクスや複合機、ストレージサーバもご提供しています。また重要なのは、単に“モノ”としてだけでなく、運用、サポートまで含めて、いかに便利にするかというソリューションとして提供している点です。Wi-Fiアクセスポイントは設定をクラウドのサーバに保管していまして、万一トラブルがあったときはすぐに代替機を送付し、届いたらすぐに使っていただけるような形にしています。

ICTをワンストップでおまかせ 全国に広がる保守拠点が魅力

―― DaaSビジネスを開始したきっかけは?

磯村 ソリューション事業を進めてお客さまとお付き合いさせていただく中で、通信回線を利用するPCの方もお願いしたいというご要望をいただくようになったことです。

―― 顧客ニーズを背景に始まったとのことですが、DaaSを展開している他社に比べて、NTT西日本としての特徴はどんなところにあるのでしょう。

磯村 電話や光回線といったインフラ部分から、ルーターやPCなどのハードウェア、そしてセキュリティ、サポート、サービスまで含めて、オフィスのIT機器をワンストップで提供できることがわれわれの一番の強みであり、実際に喜ばれているポイントです。

 さらに、全国にサポートセンター、コールセンターを展開している保守拠点の多さは、インフラ企業ならではの大きな強みといえます。ICTのお困りごとがあればお近くのNTT西日本へご相談いただければ、おまかせていただけるという体制が整っています。

―― お客さまのこんな課題が解決できた、という事例があれば教えてください。

磯村 電話やインターネット回線の請求とあわせて、PCも含めて月額サブスクリプションで支払いを一本化したいというお声は以前からいただいていました。会計処理が楽になるという要素もありますし、例えばインターネットに接続できなくなったときに、故障の原因が分からず、たらい回しにされてしまったなど、サポート面でもお困りごとがあったようです。実際に開始してみて、ワンストップでご提供できることはわれわれが思っていた以上に需要があることを実感しています。

企業の困りごとをワンストップで解決できるインフラ企業ならではのサポート力が強み、と語る磯村氏

データレス仕様で台風・水害時のBCP対策にも有効

―― NTT西日本のソリューション事業では、昨今の働き方改革への対応で相談されることも多いのでしょうか?

磯村 多いですね。働き方改革法案の影響が大きいと思います。経営者の立場から、残業を抑制しなければならない、有給休暇を取得してもらわないといけないというのはもちろんですが、(不当な)残業代不払い事由などで訴えられる場合に自分を守る手段がないことに不安を感じていらっしゃる方もいます。

 当社では働き方改革対策として「働き方みえ〜る」というソリューションを用意しています。いわゆるPCログの分析ツールなのですが、NTT西日本グループ独自のAI分析により、どのようにPCが使われているか、繰り返し行われている定型作業がどれだけあるかなどを洗い出し、業務の課題解決につながるレポートを提供します。繰り返しの業務はRPAで効率化しやすい部分ですので、そこからRPAの「WinActor®」をご提案するなどもしています。

※「WinActor®」はNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です


―― デバイスについてはどうでしょうか。

磯村 デバイスはデスクトップPCとノートPC、それぞれのプランを用意しており、今後お客さまの需要動向を見ながら、ラインアップの追加も検討しています。

 ただ、現状では当社のお客さまの場合、価格的に安いということもあってデスクトップPCのプランをお選びいただく方が圧倒的に多い傾向があります。画面が大きく、キーボードも打ちやすいという理由もあるようです。

―― それは意外ですね。BCP対策でテレワークをしたいといった需要は?

磯村 近年、西日本地域は台風や豪雨による水害が多く、BCP対策は非常に関心が高い経営課題です。ただ、首都圏ですと交通網の異常などからテレワークということになるのかもしれませんが、当社のお客さまは「データを守りたい」ということを優先にお考えになられる傾向が強いようです。当社はクラウドバックアップ機能付きファイルサーバのソリューションもご用意しているのですが、水害発生後にはこちらの問い合わせが増えました。

―― 西日本では毎年のように被害がでているので関心もより高いのですね。

磯村 当社のDaaSサービスは横河レンタ・リースとの提携によって実現しています。同社の「Passage Drive」を利用した「データレスPC」は、通常のPCと同じように使えるにもかかわらず、ローカルにはデータを残さない仕様です。つまり、データは常にクラウド上にありますので、データのバックアップという意味でも、モバイル時のPC盗難・紛失の際の情報漏えい防止という意味でも、BCP対策に有効です。

「ソーシャルICTパイオニア」として地域のみなさまを支援していきたい、と力強く語る磯村氏

地域のIT課題を解決する「信頼されるパートナー企業」を目指す

―― 今回のDaaSに続く、将来の展開、展望を教えてください。

磯村 映像を使ったサービスを検討しています。例えば、クラウドにデータを保存して管理する監視カメラなどは、犯罪防止だけでなく、顔認証でVIPを検知する、あるいは社員の表情からストレスを読み取って働き方をより可視化するといったサービスなどにも可能性があると思っています。

―― 最後にメッセージをお願いします。

磯村 ITを取り巻く環境が大きく変化する中、お客さまの課題も多様化しています。NTT西日本グループでは「ソーシャルICTパイオニア」として、地域の方々と一緒に、社会や企業の抱える課題解決を行っていきたいと考えています。今後も地域の皆さんに寄り添いながら、「信頼されるパートナー企業」を目指して取り組んでまいります。ITに関するお困りごとなどがあれば、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

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