バックオフィスから会社の成長エンジンへ――83年の歴史を持つ老舗が「管理部門改革」を成功させた秘訣

» 2020年03月17日 10時00分 公開
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 「働き方改革」「リモートワーク」「同一労働同一賃金」など、企業のルールが大きく変わろうとしている昨今。一足先に“管理部門改革”に着手し、成果を大きく挙げているのが大都だ。

 大都はDIYに必要な電動工具やガーデニンググッズなどの通信販売事業を手掛ける大阪の企業である。百数十万点の品ぞろえを誇るDIY通販サイト「DIY FACTORY ONLINE SHOP」の運営や、ワークショップ、DIYレッスンの開催など、住まいをDIYで楽しめるような発信を続けている。

 創業から83年の老舗が、時代の先端をゆく“管理部門改革”をどうやって成功させたのか。キーマンの一人である、大都CFO(最高財務責任者)の山内智和氏に話を聞いた。

大都のCFO(最高財務責任者)を務める山内智和氏。昭和12年に創業した大都(大阪市生野区)は、従業員数31名、売上高42.7億円(2019年12月度)。 「らしさがあふれる、世界を。」をビジョンに、ECサイト事業などを手掛ける

“カオス”状態だったバックオフィス業務

 山内氏は上海でECサイトの中国現地法人を設立し、中国人向けにフィッシング用品を販売していた。事業も軌道に乗っていた2015年、大都代表取締役の山田岳人氏から誘われたことをきっかけに、上海から日本に戻り、大都に入社する。山田氏が山内氏に依頼したのは、管理体制の立て直しだった。

 山内氏が大都に入社した当時、主に経理を担当する管理部門は一言で表すと「カオス」だったという。そのころ大都はECサイトが急成長し、売上が急増していた時期だった。そのため、売上を支えるための管理体制が事業規模に対して追い付いておらず、ノウハウや仕事内容が全く構築されていない状況だった。

山内智和氏の社内での愛称は「トニー」。出版社勤務を経て、アウトドア用品やフィッシング用品を扱うオンラインストア「ナチュラム」のECサイト運営、経営企画を経験。中国現地法人である上海ナチュラムの設立、事業拡大に貢献したのち、2015年より大都CFOを務める

 「会社の口座に入金があったら、請求が来ている業者へ支払いを済ませる業務だけで手一杯という状態でした」(山内氏)

 それまで山内氏は中国現地法人の代表取締役を務めており、会計や経理畑にいたわけではなかった。しかし、大都ではCFOとして手腕を発揮することとなる。

 当時、大都は上場のためにベンチャーキャピタルから資金調達が実施されるフェーズだった。しかし、急成長するビジネスに販売管理のシステム整備が追い付いておらず、年間20〜30箱分にも及ぶ伝票を手作業で確認するような状況。監査法人からも「このままでは上場できない」と言われていた。そこで全社一丸となって立て直しを進め、販売管理システムの自社開発を実施した。

 もちろん、全てが初めから順調だったわけではない。代引きの注文にもかかわらず代引きになっていないなどのバグで「代引き希望のお客さまに、商品を無料でプレゼントしているような状態」(山内氏)も経験したという。

 そして、ようやく自社開発の小売システムが安定的に動くようになってきた18年、次に取り組んだのが管理部門の改革だった。これまで使っていたスタンドアロン型の会計ソフトを、クラウドERP(統合基幹業務システム)として利用できる会計ソフト「freee」に切り替えて運用を開始――“裏方”と見られがちな管理部門を会社の成長エンジンに生まれ変わらせることが狙いだった。

月次決算にかかる日数が15営業日から6営業日以下に

 会計管理システムの導入にあたり、山内氏が重視していたのが自社の小売システムとの連携だった。そこで、API連携(外部サービスの機能を自社システムに呼び出して利用できる)機能が充実した「freee」の導入を決めた。

 また、承認フローを会計データとひも付けて可視化できる点も好印象だった。同社の従来の業務では、経費精算用システムと会計システムが分かれており、経費精算明細をもとに会計システムに入力していた。このため、会計システムで仕訳は見えても承認フローを確認することができない。

 一方、freeeでは稟議機能や経費精算機能、証憑管理機能、仕訳機能が1つのシステムで完結しており、承認された経費申請データから仕訳を自動生成して記帳できる。また、仕訳データにひも付く稟議や経費精算の承認フローを即座にさかのぼって確認可能となる。

 「稟議・経費精算・支払依頼といった承認ワークフロー系の機能がきちんと作られているところに魅力を感じました。会社を経営するにあたり、誰がどの権限で稟議を上げているのか、それがきちんと会計に落とし込まれているか、営業の売上と連携できているかなど、思い描いた経営管理体制をfreeeなら構築できると感じたのです」(山内氏)

freeeの魅力を語る山内氏

 freee導入前は、請求書や領収書を見ては「これは何の経費だっけ?」と確認しなければいけない無駄な時間もあった。しかし現在では稟議や経費などの申請をスムーズに管理でき、承認の有無や責任の所在も明確になり、内部統制のレベルは格段に向上した。また、自社システムとの連携により、予算と実際の経費を比較して予算に対して金額がオーバーしていれば一目で分かるようになった。

 山内氏はもう1つの成果として、月次決算を出すスピードが格段に向上した点を挙げる。承認ワークフロー機能や自動仕訳機能などを活用し、業務を効率化。その結果、月次決算に15営業日かかっていたところ、6営業日程度で出せるようになったのだ。

 「freee導入前で整っていない頃は、請求書や経費の領収書もスケジュール通りそろわず、経理担当が月次決算に何日もかかっていました。しかしfreeeの導入で内部統制が整理され、ルーティーンの作業をfreeeに任せることで、月次決算にかける時間を削減でき、その結果として経営に関する意思決定のスピードが上がったのです」(山内氏)

「管理」部門ではなく「支援」部門と呼ぶ理由

 freeeの活用による成果は、月中の意思決定にも現れた。経営陣もfreeeで会計の数字を見て、リアルタイムに管理や確認ができるようになったのである。これまでは経理担当が作る月次決算で数字を見て、不明瞭な部分をチェックしていた。しかし、今は月中にタイムリーに確認できるため、判断のスピードも精度も向上した。

 また、大都では、全社員がfreeeを使っている。そのため、予算を任せている各チームの従業員が、自分で入出金を確認したり、予実を管理したりできるようにもなった。社員が「自分ごと」として会社の会計を捉える環境が生まれたのだ。

 freee導入時は、会計システムが変わることに積極的ではない社員もいたが、今は全社員が活用している。このように「誰もが使えるソフトウェア」こそが、ERPの理想形だと山内氏は語る。

 大都では、管理部門のことを「支援部門」と呼んでいる。フロントオフィス、バックオフィスと分けるのではなく、営業と会計が連携して利益を作っていくのが山内氏の理想形だ。そのためには、同じ管理システムを使い、同じデータを見ながら一緒に戦略を練っていける環境が必須となる。freeeの思想は大都の理想にピッタリとはまっていた。

 「freeeは会計の知識がない社員も一緒に使いやすい設計になっています。他の会計ソフトと違い、『会計担当者』の目線だけで作られていないからでしょう。思想が他の会計ソフトと違うのです」(山内氏)

 現在、すでに営業担当は、バックオフィス側が出した数字をfreeeで見て動いている。

「管理部門の理想は、営業と連携して企業を成長させる“支援部門”であること」と山内氏

 「スタッフには単なる経理担当、会計担当にはなってほしくありません。営業担当と連携し、一緒に会社を成長させるパートナーとして行動できるようになってほしいのです。そのためには日々の業務からルーティーンワークをできるだけ減らし、数字からの改善提案をできる環境が必要です。バックオフィス、フロントオフィスと切り分ける必要はないと思っています」(山内氏)

 ルーティーンワークから脱出すれば、「支援部門」と営業でコミュニケーションを取る時間も必然的に増えていく。まだ大都でも途上段階だというが、5年前の“カオス”と比べれば、理想の実現はすぐそこまで近づいてきている。

 「今は私が改善案を出していますが、現場のルーティーンワークが減れば、スタッフが課題解決といったクリエイティブな思考に時間を割けるようになります。むしろ、今まではそういった能力がある人がルーティーンワークに時間を割くしかなかった状況だったとも言えます」(山内氏)

 大都のコアバリューの1つは「ENJOY」だ。「ルーティーンワークをコンピュータに任せれば、どの職種でもクリエイティブに、楽しく仕事できるはず」と山内氏は笑う。クラウド型ERPを活用した管理部門改革によって、大都はこれからもスタッフ全員が楽しみながら成果を上げていくだろう。

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