「テレワーク歴20年」の先進企業から学ぶ、「新型コロナ緊急事態」でも生産性を高める組織づくりのコツ

» 2020年05月21日 10時00分 公開
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 セキュアなWeb会議の実現や、テレワークで不足しがちなコミュニケーションを活性化できるクラウドサービス群「Cisco Webex」を提供しているシスコシステムズは4月17日に「シスコ テレワーク EXPO」と称して、「セキュアで快適なテレワーク」をテーマにしたバーチャルイベントを開催した。全13回のセミナーでは、多くの企業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて緊急的にテレワークを導入したことで直面している課題などが明らかになった。

 本記事では、テレワークEXPOで開催したセミナーのうち、おもに「生産性高く、健やかにテレワークを 行うためのヒント〜会社・管理職・社員それぞれの観点から〜」「Cisco Japanの働き方改革の取り組み -制度・文化・テクノロジー三位一体の改革-」「会議も研修も授業もオンライン化できる!オンラインコミュニケーションを実現するCisco Webex」の3つを取り上げ、緊急事態でも「セキュアで快適なテレワーク」を実現するための情報をお届けする。

「セキュアで快適なテレワーク」をテーマに、Web上で全13回のセミナーを実施

突然の在宅勤務、多くの企業が困っていることは?

 「生産性高く、健やかにテレワークを 行うためのヒント〜会社・管理職・社員それぞれの観点から〜」では、テレワークの導入によって多くの企業が困っているポイントとして5点が挙げられた。

 まず1つが、「職務内容」だ。当然ながら、職務内容によっては、テレワークに向いていない、あるいはそもそもテレワークでは不可能な業務もある。最近では、「契約業務」として、押印するために出社する人の姿がニュース番組で流れると、大きな話題を呼んだ。印鑑だけでなく、普段から書類をデジタル化していない職場などでは、必要な書類のためだけに出社しないといけないケースも出てくるだろう。

 2つ目が、「執務環境」だ。海外と比較すると、都市に人口が集中しがちな日本の住宅環境は、テレワークに適していない傾向にある。書斎などが自宅にない場合は、居間で仕事をせざるを得ない人もいるだろう。個々人によって異なるが、人によっては家族がいると集中しにくいケースもありそうだ。また、緊急事態宣言により学校や保育園が休校・休園して子どもが行けなくなった家庭では、子どもの相手をしつつ仕事をする必要がある。そうなると、これまでの「1日7時間」のような形で働くことにも無理が生じてくる。

 加えて、メンバーの仕事ぶりを物理的に見ることができないことで、労務管理に困っている、という声も多く挙がっているという。具体的には、「サボり」や、反対に真面目過ぎるがゆえに際限なく働いてしまう「長時間労働」の2点が問題になっている。

 さらに、「雑談」がなくなっていることも悪影響を及ぼしているという。「非公式な会話から生まれるものは結構ある」とシスコシステムズの宮川愛業務執行役員人事部長は雑談に隠れたメリットを話す。しかし、在宅勤務になることで突発的な雑談は減少する傾向にある。そうなると、コミュニケーション不足という1つの問題が、業務の円滑な進行を阻害するなどの二次的被害を生み出してしまうこともあるのだ。

 最後に、新型コロナという「未知の感染症」に対する不安感や孤独感をどう解消するかも、今回のテレワークで浮上した課題に挙がった。

多くの企業がいま、直面している課題

最初から「完璧な状態」を目指さないことが重要

 これらの課題に対して、会社側、管理職側、そして従業員側それぞれがやるべきことはどういったことなのだろうか。

 会社側がやるべきことは「発想の転換」だ。新型コロナによる緊急時だからこそ、通常時とは異なった発想を心掛ける必要があるのだという。具体的には、「完璧な状態」を最初から目指さないことが重要だと宮川氏は話す。

 何か新しいことを始めようとすると、日本企業では「できない理由」を探しがちだ。しかし、業務の存続すら危ぶまれる今の事態では、ひとまず「業務継続性」を最重要視して、「できない理由」を見つけるのではなく、「できること」から少しずつトライアンドエラーを繰り返して改良を重ねていくことが肝要となる。こうした姿勢を、トップから積極的に発信していくことが求められる。

 ふだんの業務フローを見直すとともに、通常時では認めていないような、インターネット環境やプリンタなどの購入に費用補助など、従業員の在宅勤務環境を構築する支援も必要となってくるだろう。

密なコミュニケーションを心掛けるのも重要

 管理職、従業員にとって重要なものとして挙がったのが「コミュニケーション」だ。

 みんながオフィスで一律に働く環境と異なり、子どもの世話や家事などをこなしつつ仕事する必要がある在宅勤務では、従業員それぞれによって環境は千差万別だ。そこで、場合によっては、生活に合わせて早朝や夜に働けるよう柔軟な勤務時間帯を設定するなど、個々人のニーズに合わせた対応が重要になってくるのだという。先にも述べたように、今の状況では全社で何よりも「業務継続性」を意識する必要があり、「従来の働きぶりを『100%』とすると、『30%』でもいいからしっかりと業務にコミットしてもらう仕組みが重要」(宮川氏)だからだ。

 そのために、密なコミュニケーションが必要になってくる。マネジャーは個々人の置かれた環境を理解し、その上で、全員が「フェア」になるような対応をとることを心掛けてみよう。日常的にコミュニケーションをとれば、部下の進捗やスキルをリアルタイムに管理でき、サボりや長時間労働を防ぐこともできるだろう。

「仕事一辺倒」とならないように

 従業員側は、上司や同僚とのコミュニケーション以外に、家族とのコミュニケーションを密にとることも必要だという。1日中家にいるようになると、何をするにも「分かってくれているだろう」という考え方をしがちになり、意思疎通がなおざりになってしまう。これが積み重なると、小さいすれ違いでもトラブルに発展することもある。そして、家庭内でトラブルが起きれば業務にも悪影響を来たす。こうした事態を未然に防ぐためにも、これまで以上に家庭内コミュニケーションの重要性は高まっている。

 また、自分なりの「オン/オフ切り替え術」を見つけることも急務といえるだろう。さまざまなメリットがある在宅勤務だが、意外と問題になっているのが「仕事をする時間」と「仕事をしない時間」の切り替えだ。切り替えるためには、業務が終了したら仕事に関するものは見えないところに収納し、家の中にいても「仕事モード」と「オフ」を明確化するなどが有効だろう。このように、在宅勤務では自分のスイッチを入れたり切ったりできるようなルーティンを作って守るようにすることが重要になることも強調された。

それぞれがやるべきこと

「テレワーク歴20年」のシスコシステムズはコミュニケーション不足をどう解消したか

 ここまで、緊急事態に際してテレワークを導入した企業においてさまざまな問題点が浮かび上がっていることが明らかにされた。続く「Cisco Japanの働き方改革の取り組み -制度・文化・テクノロジー三位一体の改革-」の回では、「テレワーク歴20年」に及ぶシスコシステムズがどのようにコミュニケーション不足を解消したり、生産性を高めたりしているかの具体的事例が明かされた。

 同社では、業務継続性の観点から2001年に在宅勤務制度を導入し、07年には制度の対象を拡大。11年の東日本大震災では、通勤が困難な人も多かったことから2週間を全社リモート期間とし、この期間を通して「リモートでも普通に業務を回すことができる」という認識が社内で広がったのだという。現在、「フレキシブルワーク規程」として、回数制限なく、上長との合意があれば人事部の承認が不要なテレワーク体制を構築している。なお、新型コロナの影響を鑑み、同社では3月下旬からほぼ100%、テレワーク体制へ移行している。

シスコシステムズは「テレワーク歴」20年

 18年には、Great Place to Work Institute Japanが毎年選出している「働きがいのある会社ランキング」で、従業員1000人以上の企業を対象にした「大企業部門」の1位にも輝いている同社は、企業文化の根底に「インクルージョン&ダイバーシティ」というテーマを置き、経営戦略にも組み込んでいる。本回のスピーカーである田邊靖貴氏は「テレワークを進めるために必要なのは、柔軟な働き方を促進させるチームの存在」と話す。

チーム内外のコミュニケーションを活性化

 そうしたチームを実現するために、同社では週1回〜月1回のペースで上司と部下の「1on1」を実施している。業務内容やキャリアの話、またプライベートの話や「直近でやる気を感じたこととやる気をそがれたこと」まで、ざっくばらんに話し合う場として活用されているという。さらに、人事評価の際には、個人の成果だけでなく、「チームや組織への貢献度」といった点も重視している。

 所属するチーム外とのコミュニケーション活性化にも注力する。同社で特に人気を博しているコミュニケーションに関する取り組みが、「Connected Recognition」だ。これは人事評価の一環として、自身の所属するチームや組織の枠を超えたコラボレーションを推奨するもので、一定までの金額であれば上長の承認を必要とせず、コラボレーションを活性化した従業員に対して報奨金を送りあうことができる。

 また、「テレワークやリモートが標準になると、オフィスが変わる」(田邊氏)という考えから、19年にはオフィスリノベーションを実施。これにより、「業務・作業をする場」から「コミュニケーションを通してアイデアやイノベーションを生み出す場」へとオフィスが変貌した。何かあった際でもオフィス外にいる人とすぐコミュニケーションをとれるように、予約不要な会議室を充実させ、Web会議をしやすいスペースを拡充するなどしている。

Web会議のセキュリティ問題、どう解決する?

 シスコシステムズが、Web会議で活用しているのが「Cisco Webex Meetings」だ。Cisco Webex Meetingsは、シスコシステムズが提供しているクラウドサービスの一つで、いわゆる「Web会議ツール」。Web上にバーチャルな会議室をつくり、社内外のどこからでも参加できる会議体制を構築できる。

 PCからだけでなく、モバイル端末からも簡単に操作できるのが特徴だ。設定された会議に参加する場合に必要な操作はURLをクリックするだけ。単純な操作で済むので、社内の会議だけでなく、社外のメンバーが参加する際にも利用しやすい。

 最近では新型コロナの影響を受け、バーチャルで授業やセミナーを行うケースも増えてきた。Cisco Webex Meetingsは最大で1000人まで参加できるため、小規模な会議から大規模なものだけでなく、こうした授業やセミナーにも対応できるだろう。録画機能も有しているため、オンタイムで参加できない人のオンデマンドニーズも満たすことができる。

Cisco Webex Meetingsの特徴
さまざまな機能を有している

 現在は、Cisco Webex Meetings以外にも多くのWeb会議ツールが世に出ている。しかし、Web会議中に第三者が乱入してきて会議を荒らしてしまうケースや、IDやパスワードが流出してしまうケースも出てきている。コミュニケーションを活発化させながら、どうセキュアな環境を維持するのかは、多くの情報システム担当者が悩んでいる課題の一つだろう。

 Cisco Webex Meetingsであれば、セキュリティ面にも安心して利用できる。シスコシステムズでは、海外法人なども合わせると、最近3年間で50億ドル以上をセキュリティに投資。チャットや資料共有機能を有している「Cisco Webex Teams」とともに、機密情報を扱う金融業界のセキュリティ指針である「FISC安全対策基準」を満たしている。実際に、セキュリティに厳しいことで知られる金融機関や自治体でも導入が進んでいるという。

コミュニケーションチャネルを統合して、担当者の負担も軽減

 その他、シスコシステムズでは、オフィスの外にいるときでも、スマホやPCなどでオフィスの固定電話番号を受発信できるクラウドPBXサービスのWebex Callingや、チーム間のちょっとしたコミュニケーションを簡単かつ安全に行うことができるWebex Teamsなど、在宅でもオフィスに近い状態で仕事ができるような環境構築を支援するサービスを展開している。また、必要に応じて、より安定した高品質な会議を実現するWebex Devicesとしてビデオ会議専用端末も提供している。

 こういったさまざまなサービスを1社で提供していることで、セキュリティ面でも連携でき、業務上必要なコミュニケーション環境の構築をトータルにサポートすることが可能だ。

幅広いソリューションを提供している「Cisco Webex」

 最近では、「セキュアな環境」だけでなく、「担当者の業務負荷」もテレワークの課題となっている。なぜなら、「新型コロナウイルス」という差し迫った問題に対し、場当たり的に「Web会議ツールはこれ、チャットツールはこれ」と、コミュニケーションのチャネルごとにさまざまなツールを採用してしまうケースも多いからだ。これでは、管理する側の手間は増大してしまう。

 Cisco Webexを活用すれば、ウィズコロナの現下も、そしてアフターコロナの時代でも、セキュアで快適なテレワークを実現できるはずだ。

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