石油小売販売会社が“未知の領域”EC事業を開拓 成功の裏にあった新時代のビジネスマッチングサービスとは?

» 2020年07月01日 10時00分 公開
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 近年の新規事業で重視されるのが、企業同士が互いの得意分野を組み合わせて価値を生み出す企業間のコラボレーションだ。しかし、新規事業創出のために新たなビジネスパートナーを開拓するには、従来の“足で稼ぐ”手法だけでは限界がある。ノウハウや人手が不足している現場では、営業スタイルの変革も難しい。

 新しい事業を立ち上げる際、少ないリソースでこれらの課題をどうやって解決できるのか。そこで近年注目を集めているのが企業間をつなぐビジネスマッチングサービスである。その中でも、三井住友銀行が提供する「Biz-Create」には約3000社の企業が登録されており、国内有数の大企業から中堅中小企業、スタートアップ企業まで多くの企業に利用されている。企業同士がWeb上で直接商談できるほか、企業の検索から取引成約まで全てのサービスを無料で利用できることも人気の理由の1つだ。

 石油小売販売大手の宇佐美鉱油は、このBiz-Createを活用して、新たに立ち上げた“畑違い”のEC事業を軌道に乗せたという。EC事業プロジェクトをどのようにして成功に導いたのか、宇佐美鉱油経営企画本部EC事業部次長の近藤洋英氏に話を聞いた。

477店舗のサービスステーションを全国に展開する宇佐美鉱油

EC事業参入の原動力は900万人の会員数を誇る「Usappy」ポイントカード

 宇佐美鉱油は、高速道路のサービスエリアやインターチェンジ付近の主要幹線道路沿いに、全国477店舗のサービスステーション(以下、SS)を展開する石油小売販売会社だ。年間来車数は約8600万台、軽油販売の国内シェアは14%に及ぶ。70年の長きに渡り、給油を通じて日本の流通を支えてきた。

 EC事業を検討したきっかけは、既存の物流ネットワークや会員制ポイントカードの知見を生かせるという判断からだった。同社の強みの1つに自社が抱える会員数の多さがある。法人カードは8万社、個人のポイントカード「Usappy会員」は900万人の会員数を誇る。ポイントカードを発行する競合他社は少なくないが、そこにポイント利用が可能なECサイトを絡めることで既存顧客に新たな価値を提供し、差別化による企業競争力の向上にもつながると考えた。

“畑違い”のEC事業を開拓した宇佐美鉱油経営企画本部EC事業部次長の近藤洋英氏

 また、EC事業部が設立されたことで、全国のSSで販売する商品の仕入れを一括管理に切り替えるプロジェクトが進行。各メーカーやベンダー、約400〜500社から仕入れた商品は倉庫管理システム(WMS)で全てデータ管理し、物流センターを拠点として店舗へ配送する仕組みを構築した。

 同社にはグループ会社として、SS運営会社の「東日本宇佐美」「西日本宇佐美」があり、その下にはさらに13支店がぶら下がっている。物流センターが構築されるまでは、それぞれの支店が個別に店舗で使う商品を仕入れていたため、各店舗で発注から仕入れ処理までの作業が発生していたが、「物流ネットワークを宇佐美鉱油本部に一元化したことで、各店舗の仕入れ処理や商品コードの登録作業がなくなり、現場の負担が軽減しました」と近藤氏は振り返る。EC事業という新たな挑戦が物流改革としての効果も生んだわけだ。

SSへの来店動機を作るオムニチャネル戦略

 現在EC事業部には22人が在籍するが、発足当時はわずか2人。人も時間もない中でECサイトの構築に着手し、会員連携、与信管理、ポイント管理などを一元管理できるよう、スクラッチで1年かけて基幹システムを開発した。そして2018年、ECサイトの「うさマートジャパン」(以下、うさマート)を開設。個人会員だけでなく、法人会員への小売および卸売販売、全国SSへの仕入れ購入や備品購入機能も備えた。

 うさマートの特徴は、会員が給油などで貯めたポイントを利用できる点にある。ネットで注文した商品はSSでも受け取れるため、来店機会を生む要因にもなる上、車への取り付けが必要な商品については、会員情報に登録された車種などと照らし合わせて適合する商品が即座に分かる仕組みになっている。

会員が給油などで貯めた「Usappy」ポイントを利用できるECサイト「うさマート」

 ただ、カー用品の取り扱いは長年の取引実績から充実していたものの、個人向けのECサイトで重要な品ぞろえに関してはまだまだ足りなかった。会員のロイヤリティー向上のためには、扇風機や加湿器、日用品といったカー用品以外の商材を幅広く仕入れる必要がある。うさマート成功のためには、新たなパートナー開拓が急務となったが、ECサイト運営経験がなく、人的リソースも少ないなか、未知の領域でパートナー開拓を続けなければならない苦悩の日々が続く――それを救ったのが、三井住友銀行のビジネスマッチングサービス「Biz-Create」だった。

ECサイト成功の裏にビジネスマッチングあり

 三井住友銀行はもともと顧客同士の引き合わせに力を入れている。宇佐美鉱油も三井住友銀行とはほぼ取引がなかったが、EC事業部とは別の部署が近藤氏に三井住友銀行の担当者を紹介したことがきっかけで、18年より顧客紹介が始まることとなる。

 最初の紹介顧客は、ペット用品取扱い最大手企業だった。この商談が極めて良好に進んだこともあり、その後もニーズに合わせて、家電やアパレルなど各業界大手企業から中小企業まで8社の紹介を受けた。

 「カー用品以外はうさマート内に競合商品がないため、ほとんど断られることはなく成約率も高かったです。メガバンクなので紹介される企業の地域や事業規模が幅広いですし、企業の属性がすでに確認済みだという信頼の高さもありました」(近藤氏)

 その後、ローンチしたBiz-Createにうさマート掲載の商材を募集したところ、すぐに25社から応募があったという。Biz-Createは国内大手から新興ベンチャーまで約3000社が利用しており、幅広い企業とつながる機会を創出できる。チャット機能で商談ができる簡便さもあり、テレワークといった職場環境にあったとしても機動的な営業ツールとして使え、近藤氏も三井住友銀行の担当者を介さず、チャット上でやりとりする企業があるという。

Biz-Createでは企業同士が直接メッセージを交わして商談できる

 さらに、三井住友銀行はオンラインでのビジネスマッチングだけでなく、リアルでの商談会もサポートしている。19年11月にはうさマートの商材仕入をテーマに、オーダーメイドの一括マッチング商談会を開催。うさマートに仕入れたい商材をペーパーにまとめて三井住友銀行の取引先に紹介してもらい、計4日間で約200社との面談が実現した。

 「商談会では北海道のお米から九州の地酒までたくさんの商材が集まりました。商談会やBiz-Createでのマッチングを通して、どんどん取り扱い点数が増えています。うさマート開設時は1万5000アイテム程度でしたが、今は6万アイテム以上。カー用品以外は、8〜9割の商材が三井住友銀行経由の紹介がきっかけです」と近藤氏。「Biz-Create上に掲載したい商材を書いておくと問い合わせがありますし、書いていない商材でも提案が来ます。新規開拓がオンラインで簡単便利にできるのがいいですね」

 取り扱い点数が飛躍的に伸びたことで、EC事業の売り上げは右肩上がりとなり、毎月のように前月超えを記録し続けている。宇佐美鉱油は今後、EC事業も収益のもう1つの柱に位置付け、ネットとリアルの融合を経営戦略の指針として打ち出していく。そのためにはBiz-Createで取引先をさらに増やし、取扱商品を拡充していくことが重要だ。

 「小売は仕入れが一番大事なので、Biz-Createをもっと活用していきたいと思っています。例えば、40〜50代のUsappy会員の40%は女性なので、女性用コスメやアパレルなどの品ぞろえを増やしたいです。あとは産直コーナーも作りたいですね」(近藤氏)

Biz-Createを活用してパートナー企業を開拓。結婚式の引き出物や入学・卒業シーズンなどのギフトを取り扱うECサイト「うさマートギフト」も展開し、現在うさマートは6万アイテム以上の品ぞろえを誇る

 三井住友銀行もBiz-Createの機能拡充を目指して開発に力を入れている。今後は地方銀行との連携にも対応していく予定という。「全国にネットワークを持つ三井住友銀行と、さらに地域に根ざした地方銀行の双方の強みを生かして、地域を超えて全国の企業がつながるプラットフォームづくりを目指しています。お客さまから『こんな便利なサービスを無料で使っていいの?』とよく言われるのですが、私たちは地方を活性化させることで日本全体のビジネスを支えたいと思っています」(三井住友銀行法人戦略部営業支援グループ 菅野穣氏)

 宇佐美鉱油の事例は、Biz-Createでマッチングした企業のほんの一例にすぎない。新規ビジネスの創出や、ビジネス領域の拡大を経営戦略に位置付ける際、三井住友銀行のビジネスマッチングサービス、Biz-Createが心強い味方になってくれるはずだ。

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提供:株式会社三井住友銀行
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年7月14日

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