新型コロナのはざまで――地域密着型ミニスーパー「こだわり商店」の挑戦

» 2020年10月14日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で人々の生活が大きく変わる中、特に中小店舗は「3密」(密閉、密集、密接)の回避や接触機会の低減など、来客者の感染拡大を防止する取り組みに追われている。飲食店などを対象とした営業短縮要請の終了や、10月から「Go To トラベル」キャンペーンが東京都も対象エリアになるなど、ようやく経済活動への制限が緩和されつつあるが、今後も「ニューノーマル」(新常態)への対応は継続的に行うべき課題として小規模事業者に重くのしかかっている。

 例えば、厚生労働省が公開した「新しい生活様式」の実践例では、日常生活の買い物で「通販も利用」「1人または少人数であいた時間に」「電子決済の利用」「レジに並ぶときは、前後にスペース」などが挙げられており、店舗側もこれに対応する自主的な対策が求められる。そこで注目されているのが非接触型のキャッシュレス決済だ。

 西早稲田の大隈通り商店会にある「こだわり商店」では、新型コロナウイルスの影響で売上の約4割がキャッシュレスへ移行したという。感染への不安から「現金やクレジットカードに触りたくない」という声が多く、特に高齢者でキャッシュレス決済の利用が増加しているそうだ。

西早稲田の大隈通り商店会にある「こだわり商店」

全国を回って店長が目利きした産地直送の食材が並ぶ「こだわり商店」

 こだわり商店は、全国の特産品約1000アイテムをそろえた地域密着型のミニスーパー。店長の安井氏が自ら全国を回り、地域の人へ本気でオススメできる商品だけを並べている。もともと父親の代では、都内に11店舗を展開するスーパーマーケットだったが、安井氏の代でネットスーパーの台頭や他店舗との価格競争に伴い全店舗を閉店。2009年から「安売りではなく店長のこだわり」を追求した「こだわり商店」1店舗で勝負することを決断したという。

 その決断を支えたのは地域の人に恩返しをしたいという思いだ。大隈通り商店会で生まれ育った安井氏は、「近所の人におしめを変えてもらったこともある(笑)」といい、現在は商店会の会長を務めるなど人生の多くを大隅通りで過ごしてきた。価格競争が激化する中、商品の価格ではなく「自分が食べておいしかったものを、レシピやアレンジの紹介も添えて丁寧に販売したら地域の人に喜ばれた経験」が現在の経営スタイルの根底にある。

店内に並ぶのは店長が全国から集めてきた「こだわり」の商品

 そんなこだわり商店だが、19年にQRコード決済の認知が世間一般に広がるにつれ、「何をどうすればいいのか」など商店会メンバーからの相談が増えたことで、会長である安井氏自らが率先して「Airペイ」を導入した。Airペイでは国内でメジャーなQR決済サービス(d払い、PayPay、LINE Pay、au PAYなど)を網羅するほか、中国最大級の決済サービスであるAlipayやWeChat Payにも対応しており、計35種類という決済手段の多さと入金の一元化が可能な点を評価したという。

 その結果、比較的高価な特産品のお酒などをキャッシュレスで決済する客が増え、Airペイを導入してすぐに客単価が16%ほどアップ。キャッシュレス比率も3割を超えたという。「各社が実施しているポイント特典などを踏まえると、今では手数料というよりも“広告宣伝費”として捉えられると思います」(安井氏)

コロナ禍で高齢者のキャッシュレス利用者が急増

 商店会を巻き込むこうした取り組みを行っているさなかに世界中を襲ったのが新型コロナウイルスだった。一時、商品を卸している飲食店が休業を余儀なくされたことでこだわり商店全体の売上は減少したものの、外出自粛の影響で巣ごもり需要が増え、スーパーに来店する人は増加したという。とはいえ、「3密」対策はもちろん、一定時間毎の換気や消毒、マスクやフェースシールドを着用しての接客など、徹底した対策は欠かせない。また、来店者の不安を払拭するために店舗内に感染防止対策を張り出すなど「対策の可視化」に特に気を配って営業を続けている。

 こうした状況下で、感染リスクの不安軽減に一役買っているのがAirペイだという。「現金での支払いを避けたり、キャッシュカードのカードリーダーを見たお客さまから『それ拭いてある?』と聞かれたり、感染予防に対する意識が高まる中で、既に導入していたAirペイが非接触型決済に対応できていたことから、感染リスクを気にされるお客さまにも安心してお買い物いただけていると感じています」と安井氏は語る。

新型コロナ対策の意識が浸透したことでキャッシュレス決済が急速に浸透しているという

 「実際、高齢のお客さまが使用するキャッシュレス決済も、これまではクレジットカード利用がほとんどでしたが、コロナ以降では非接触決済のQUICPay やSuica、d払いを利用する方が増えています。以前は60代以上の方の利用は2割ほどでしたが、今では4割ほどにまで上昇しています」

 さらにキャッシュレス決済の割合が増えたことで、会計にかかる時間や釣り銭の受け渡しミスといったトラブル対応に割く時間も大きく減った。「特に高齢のお客さまには、感染リスクからお孫さんに会うのを我慢したりして、孤独感を抱いている常連の方もいらっしゃいます。そんなとき、こだわり商店が地域の方のよりどころになれるように、お客さまとの会話に時間を有効活用できるようになったのはいいですね」

ニューノーマル時代に商店会をリードしていく

 「これからは新しい生活様式に沿って、最善の対策をしながら営業を続けるために動いていかなければ」と語る安井氏。こだわり商店では以前から高齢者への配達を行っていたが、感染リスクから対面を嫌う方には“置き配”を提案するなど試行錯誤を続けている。「今後は、配達でもAirペイの利用を検討しています。これ1つでさまざまな決済手段がポータブルに実施できるので、Airペイの存在はこだわり商店にとってますます重要な存在になっていくと思います」

 また、商店会の会長として、ニューノーマルを見据えながら大隈通りを活性化させる使命感も感じている。「キャッシュレスに対応していくことをためらうお店があるのは事実です。しかし、コロナ禍であることに加えて、JPQR(キャッシュレス推進協議会が策定した決済用QRコード・バーコードの統一規格)やマイナポイントなど、国策の後押しを受けて今後キャッシュレスはますます加速するはずです。これまで以上に自分自身が率先してさまざまな取り組みを実践し、『問題や聞きたいことがあればこだわり商店に聞けばいい』という存在になれたらと思います」

自分を育ててくれた地域に貢献したいと語る安井氏。自転車で自ら荷物を配達しに行く

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