クルマの未来を作る、「カーエレクトロニクス開発」最前線

» 2020年11月25日 10時00分 公開
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 人類の歴史を作り、社会の仕組みを転換し、人々の暮らしを変えてきたのはテクノロジーだ。移動のエネルギー効率を飛躍的に高めた車輪、情報の拡散速度を加速させた活版印刷、針路を示し旅のリスクを低減させた羅針盤などは、人類にとって重要な発明としてよく知られている。その延長線上には、インターネットやスマートフォンの普及による情報革命もある。現在では“宇宙に浮かぶ目”をもって現在地を知り、驚くほど詳細な地図を参照しながら旅ができるようになった。

 このように、人々の生活を大きく変革してきたテクノロジーのなかで、昨今特に注目度が高まっているのが自動運転技術だろう。目的地を告げれば眠っていても目当ての場所に運んでくれる――映画やアニメで描かれてきた「未来のクルマ」の実現は、そう遠い未来のことではないかもしれない。

 実際、政府が閣議決定した2020年度策定の成長戦略に基づく「成長戦略フォローアップ案」でも、モビリティ分野では2025年をめどに「高速道路上でレベル4の自動運転」、2030年までに「地域限定型の無人自動運転移動サービス」の実現を掲げており、いつか見た“近未来の社会”がいよいよ現実味を帯びつつある。

 しかし、ヒトが運転席に座り、いつでも運転を代わることができる「レベル3」の自動運転から、エリアを限定しつつも完全自動運転を実現する「レベル4」、さらにその先にある「レベル5」を実現するためには、インフラや法律の整備が複雑に絡み合う、政府をも巻き込んだ取り組みが必要になる。また、いまだ技術面でのハードルも少なくない。私たちはいつ「未来のクルマ」が当たり前の社会で生活するようになるのだろうか。

運転自動化レベルの定義の概要(官民ITS 構想・ロードマップ2020より引用)

 自動運転と聞いてまず「車」をイメージする人は多いと思われるが、自動車と自動運転車の大きな違いは(最終的には)ドライバーの有無、簡単にいえば車を操作する人の能力をシステムで代替できるかどうかだ。このため、走行時の状況や環境を把握する「認識」、状況から次のアクションを決定する「判断」、そして判断した結果を実際の運転に反映する「制御」の三段階を人と同じようにシステムで自動化する必要がある。

 このため、車体の駆動や制御をつかさどる“ハードウェア”以上に、環境情報を捉える各種センサーやその情報を処理するAI、サーバとのやりとりを行うネットワーク技術など、最先端のソフトウェア技術が求められる。いわば自動運転車は、車の形をした先進テクノロジーの塊といってもいい。

自動運転の実現を陰から支えるソフトウェアデベロッパー

 そこで活躍しているのがカーエレクトロニクス分野の設計・開発を行うソフトウェア開発者たちだ。もちろん、自動運転車を作っているのは自動車メーカーだが、全てを独自で開発しているわけではなく、メーカーに部材を供給するサプライヤーと協業する形で自動運転の要素技術を持つソフトウェアメーカーが受託開発に携わっている。例えば、「SKYSEA Client View」などのテレワーク関連ソリューションで知られるSky株式会社もそんな会社の1つだ。

 同社は自社パッケージ商品の開発・販売を行うICTソリューション事業と並び、もう1つの柱としてソフトウェアの受託開発・評価/検証を行うクライアント・システム開発事業を展開している。同事業は1990年に車載開発に本格参入、車載ECU(Electronic Control Unit)では15年以上の歴史を持ち、20社を超える国内自動車部品メーカーとの取引実績がある。同社は開発と評価をあわせて4000人弱のエンジニアを抱え、車載系開発だけでも1400人を超える開発体制となっている。主に車載カメラやセンサーを用いたADAS(先進運転支援システム)、電気自動車やハイブリッドカーといった電動化に対応するECUに搭載されるソフトウェア開発を行っており、自動運転に関する要素技術も保有する先端テクノロジー企業だ。

カーエレクトロニクス開発に関してSky株式会社が保有する領域毎の要素技術

 例えば、車両が自律的に移動するには、周辺の状況をマッピングし、自分の位置を推定する必要がある。これにより道に沿って前方の車に追従し、信号や白線を検知して運転を制御する。そのために、カメラで撮影した画像から特異点を抽出し、マッピングと自己位置推定を同時に行うのがSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる技術だが、天候や周囲の素材(木など)によっては前方の状況を正しく認識できないケースもある。その際はLiDARやミリ波レーダーなどを組み合わせ、情報を統合して「認識」と「判断」を実行する。また、(レベル3の場合は)運転席にドライバーが座っているか、ハンドルを持っているかといった車内環境に加えて、GPSや地図情報、走行道路(レーン情報)など通信で取得するデータもある。Sky株式会社はこうした各種の情報を統合する高度なシステムの開発で多くの実績があるという。

 「自動車部品のサプライヤー様から自動運転に関わるECUの一部分を請け負う形で開発しておりますので、あくまで裏方としてではありますが、長年車載ECUに携わってきたソフトウェア開発専業メーカーとして技術力の高さに自負はあります。求められる仕様は車によって異なるので都度開発になりますが、そのノウハウや要素技術は共通しているのでこれまで培ってきた経験は大きいと思います」(Sky担当者)

 なお、自動運転に関わる車載ECU開発の多くは、現在ほぼ全てモデルベース開発で行っているという。従来型の組み込みシステム開発(V字プロセス)では、検証にハードウェアが必要なため、開発期間の長期化やコスト増の原因となりやすい。しかし、自動運転では実走による検証に多大なコストがかかるため、シミュレーターを活用した評価環境の構築が重要になる。そこでSky株式会社では、エンジニア育成施策の中でも特にMBD(Model Based Development)エンジニアの育成に力を入れているそうだ。

モデルベース開発の特長とSky株式会社の実績

 「もはや車は1億行を超えるソフトウェアコードが組み込まれているといわれるほど巨大なシステムです。自動運転に関しては、開発ではなく、評価・検証だけの依頼もあり、高度なシミュレーション環境をそろえているのは当社の強みです。自動車メーカー様やサプライヤー様の垣根を越えた効率的な開発環境によって、『未来のクルマ』の実現に貢献できればと考えています」(Sky株式会社)

 これまで日本を支えてきた自動車産業は、先進運転支援システムや将来的な完全自動運転技術を取り入れながら進化する中で、自動車メーカーやサプライヤーだけでなく、高度なソフトウェア技術を持つ企業との協業が必須となりつつある。最先端テクノロジーの粋(すい)を集めた「未来のクルマ」に、Sky株式会社が果たす役割は大きくなりそうだ。

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提供:Sky株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年12月14日

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