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» 2021年01月13日 10時10分 公開

変革期を迎える朝日新聞社のDX戦略 フリーランスエンジニアの採用に活路

[PR/ITmedia]
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 変化の激しいビジネス環境において、事業を継続し、競争力を高め、さらなる成長を遂げるためには、テクノロジーを活用した新しい価値の創出が必須だ。折しも新型コロナウイルスの影響によってその傾向はますます加速している。ただしその一方で、多様なワークライフバランスに価値を置く考え方や人材の流動化、将来的な生産年齢人口の減少などから、特に今後のDXを担うべき高度なITスキルを持つ人材の不足も懸念されている。

 従来の産業分野全体にわたってデジタル化の波が押し寄せるなか、IT経営戦略の中核を成す優秀な人材を確保するためにはどうすればいいのか。こうした課題を抱える企業にとって大きなヒントとなる事例に、朝日新聞社が運営するニュースサイト「朝日新聞デジタル」がある。今回、朝日新聞デジタルのスマートフォン向けアプリ(以下、アプリ)で開発体制の内製化を主導したデジタル・イノベーション本部カスタマーエクスペリエンス部次長の守安克二氏と、同部で開発リーダーを務める西川哲矢氏およびマーケティングやビジネス側を担当する鶴田未奈美氏に話を聞いた。

読者ニーズに合わせてサービス改善を高速化

 朝日新聞デジタルは、1995年に開設されたasahi.comを前身とするニュースサイトだ。2011年に朝日新聞デジタルへブランドを改め、速報や新聞記事の一部を読める無料版と、より充実したコンテンツを配信する有料版の2軸で展開している。インターネット黎明期から顧客(読者)接点の変化をいち早く捉え、読者ニーズにあわせて生活を豊かにする情報を届けるため、Webでのニュース配信に取り組んできた。現在は広告収入、課金収入、そして法人向けのデータベース販売と、同社のデジタル戦略の中核をなす事業に成長している。

 一方、急速に事業が拡大する中でさまざまな課題も生まれた。これまでサービスを提供するためのシステムは外部に委託して開発することが多く、社外との受発注の関係では、新たな機能の実装や細かなサービスの改善に時間がかかってしまう。

 守安氏は「お客さまに新しい価値を提供し続けるためには、サービス改善のスピード感がとても重要になります。このため、事業部門が主導する形で優先順位を決め、機能改善に即応できる開発体制が必要でした。これまでのような、最初に決めた要件の実現を重視するトップダウン型の開発ではなく、事業部門の要求に柔軟に応えられる開発体制が求められていました」と当時を振り返る。

朝日新聞デジタル・イノベーション本部 カスタマーエクスペリエンス部次長の守安克二氏

 そして2020年、朝日新聞デジタルのアプリは大幅なリニューアルを果たす。「見たい情報になかなかたどり着かない」「操作性がイマイチ」といったユーザーの不満を解消し、ユーザーインタフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるのが狙いだ。そのリニューアルに向けて、開発体制の見直しに取り組んだという。

 「まず、それまでは外部に開発と保守を委託していたアプリのサーバ機能等のバックエンド開発を内製化する体制を目指しました。そしてさらに、2020年4月のリニューアル以降、アプリ開発についても内製化を計画しました」(守安氏)

 しかし、そこには大きなハードルがあったという。「システム開発を外部に委託するケースが多く、一から開発する経験やノウハウも少ない状況で、開発体制の内製化を社員だけで実現するのは難しいと感じていました。さまざまな方法を検討した結果、スクラム開発に慣れたテックリード的な人材を、短いリードタイムで採用するために、フリーランスのエンジニアに参画してもらおうという結論に至りました」と守安氏は語る。そこで利用したのが、ITエンジニア特化でフリーランスの紹介を行うエージェント「レバテックフリーランス」だった。

レバテックフリーランスで人材を確保 フリーランス枠をさらに拡大

 アプリのバックエンド開発エンジニアとして、レバテックフリーランスを通じて19年夏に初めてフリーランス人材を採用。その後、開発体制の内製化を本格化し、20年4月からはiOS/Androidのアプリ開発も内製化をスタートした。バックエンド開発を合わせ、1年ほどの短期間で10人体制のチームが出来上がった。

フリーランスエンジニアのメリットを語る守安氏

 「エージェントサービスを通じてチーム作りを行ったメリットはいろいろありますが、まず1つはわれわれの方で人材を探す手間が省けたということ。また、当社が求めている人材は、言われたことをやるのではなく、プロジェクトを主体的にリードできるスキルを持つ方なのでハードルは高いのですが、(レバテックフリーランスは)要件提示から1〜2週間のうちにご紹介いただき、人材の質も数も十分だと感じました。特に当初私たちが期待していた、スクラム開発手法やモダンな開発プロセスを吸収できた点は非常に大きかったと思います。ここで得られたノウハウは他のチームにも広がっています」(守安氏)

 「また、フリーランスというと、個人契約をイメージしますが、個人と業務委託契約を締結する場合、契約ごとに取引口座の確保など事前準備に時間がかかってしまいます。その点、レバテックは法人契約になりますので、社内手続きをスムーズに進められたのもよかった点です」(守安氏)

 とはいえ、会社に属さず、一般的には事業へのコミットメントも低いと考えられがちなフリーランスを中心に、新たな開発体制を築くことに対して不安はなかったのだろうか。特に現在は新型コロナの影響から在宅ワークが常態化しており、チーム内のコミュニケーションやコラボレーションが難しい状況でもある。

 開発リーダーを務める西川氏は「一緒に働いていてフリーランスと正社員の違いを意識することは全くない」と断言する。「チームを運営する上で、社員と同じ情報をきちんと共有し、良いもの、悪いものに対してずばずばと意見をいえる、心理的安全性が担保された環境を心掛けています。実際、参画していただいている方からは働きやすいと聞いています。もちろん仲良しクラブではないのでバランスは大事ですが、働きやすい=楽ではなく、各人の能力をフルでアウトプットできる環境になっていると自負しています」

デジタル・イノベーション本部カスタマーエクスペリエンス部の西川哲矢氏は、開発チームのリーダーを務める。社員もフリーランスもその違いを意識することなくチーム一丸となって開発に取り組める環境だという

 「現在は10時から18時をコアタイムにリモートで働いて頂いていますが、チケットシステムで進捗を管理し、ビジネスチャットツールやWeb会議を使ってコミュニケーションは密に取っていますし、チームとしてフリーランスだからという制約はありません。一方、業務時間等の管理は月単位でレバテックから稼働報告書が提出されますので、稼働時間を管理する手間がないのも大きなメリットです」(西川氏)

アプリのリリースを高速化 音声や動画を活用した新機能にも期待

 レバテックフリーランスを活用することで、開発体制の内製化を実現させた朝日新聞デジタル。これまでウォーターフォール型の大きな開発案件や、アプリの細かい修正などもある程度まとめて外部に委託する必要があったが、フリーランス常駐の開発体制によって小さなものも次々とリリースできるようになり、結果リリースの頻度が高くなった。さらに当事者として主体的に事業に取り組む意識も芽生えたという。

 カスタマーエクスペリエンス部の鶴田氏は、現在の開発体制によって「事業をドライブする力が増した」と感じている。「例えば、読者のレビューやアクセス解析の結果から、どこをどう改善すればいいのか、そのためのコストはどれくらいか、といった具体的な議論がスピード感をもってできるようになりました。朝会で10分ほど話し合って、すぐ次のリリースにつなげるといったこともあります。いつ誰が担当してもいいようにきちんとドキュメントを残す文化もできました。これまでの外注開発では、フロント(アプリ開発)とバック(バックエンド開発)で委託先が違った場合などに連携するのが難しかったのですがそれもなくなり、また進行を自分たちでコントロールするようになったため、かえって仕事に対するモチベーションは上がっていると思います」(鶴田氏)

デジタル・イノベーション本部カスタマーエクスペリエンス部の鶴田未奈美氏。開発体制の内製化により当事者意識が高まり、仕事に対するモチベーションも向上したと話す

 20年4月にスマホ向けアプリをリニューアルした朝日新聞デジタル。その後も継続して機能改善を続けているが、開発体制の内製化に向けた取り組みはさらに拡大していく予定だ。

 「リリース頻度は2週間に1回程度と、細かい改善のPDCAを回せる体制になりつつありますが、音声や動画を活用した新機能、デジタルならではの見せ方の実装など、新しいチャンレンジはまだこれから。今後は、アプリだけでなく、朝日新聞デジタルのWebフロントでも開発体制の内製化に取り組んでいきます」と守安氏。その実現に向けては、やはりフリーランスエンジニアは欠かせないと話す。

 「フリーランスの方は向上心が高く、知見が広い方も多い。そうしたノウハウを共有できる波及効果は単なるリソースの確保という以上の意味を持ちます。われわれは『レバテックフリーランス』を利用しましたが、フリーランスエージェントは通常の採用活動では出会えない経験豊富なエンジニアと巡りあわせてくれるサービスです。われわれ新聞社は変革期を迎えている業界であり、新しい領域にチャレンジして成長できる環境だと考えていますが、そういったところに魅力を感じてくれるエンジニアの方々と出会うことができました。新しい事業、新しいサービス、新しい価値を創出するためにはエンジニアの力が重要です。そのために必要な人材やノウハウを求めているのであれば、フリーランスという選択肢を視野に入れた人材活用が求められる時代になっているのではないでしょうか」(守安氏)

 今回取り上げた朝日新聞社の例に限らず、現在、あらゆる産業でDXが経営戦略の1つになっている。特に2025年の崖を前にレガシーなシステムを抱える大企業こそ、DX戦略を遂行し、ビジネス環境の変化に強い企業へと生まれ変わることは喫緊の課題だ。そのためには、即戦力の人材を素早く採用できるフリーランスの活用が決め手となるだろう。大企業の人事担当者は「会社に属さないフリーランス人材は採用しづらい」と考えるかもしれないが、熾烈な企業間競争を生き抜くためにも、もはやその古いイメージを改める時期に来ている。あなたの会社はどうだろうか。

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