Special
» 2021年01月29日 10時00分 公開

丁寧メール・内線文化がなくなる? 神戸市役所に学ぶ、自治体のチャット活用成功例カギは「機能性と安全性の両立」

自治体として先進的なIT活用をしていることで知られる神戸市役所。1万人以上のコミュニケーションを円滑にし、高い生産性を維持して働くための基盤として導入したのが、ネオジャパンのチャットツール「ChatLuck」だった。自治体ならではの課題や、セキュリティ面の不安をどうChatLuckで乗り越えたのか。

[PR/ITmedia]
PR

 市役所などの自治体には多数の部署があり、それぞれが連携して業務を進めている。その際、メールや電話などを多用するため、さまざまな課題が発生している。例えば、メールであれば「相手がいつ見ているのか分からない」や「迷惑メールに重要なメールが埋もれてしまう」という課題がある。電話では「相手の時間を強制的に拘束し、業務の手を止めさせてしまう」などが問題だ。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進める神戸市役所も、同様の問題に直面していた。庁内で利用しているコミュニケーション基盤が使いづらく、勝手に自身のスマートフォンアプリなどで“野良チャット”を利用していた人もいたのだという。そこで、神戸市役所はチャットツールとグループウェア、Web会議システムをまとめて導入することに。そこで選定・導入したのがネオジャパンのビジネスチャット「ChatLuck」やグループウェア「desknet's NEO」だ。

「ChatLuck」でコミュニケーション基盤を整備した神戸市役所(市庁舎外観)

 神戸市役所が抱えていた自治体ならではの課題を、ChatLuckでどのように解決したのか、神戸市役所の横尾健太郎氏(企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当 係長)と加藤麻里江氏(企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当)に聞いた。

1万人以上が働く神戸市役所、コミュニケーションは「ハブ」

 神戸市は自治体の中でもいち早くDXに取り組み始めたことで知られる。20年9月には「行財政改革方針2025」を策定し、25年度までに市民が「いつでも、どこでも、早く、簡単に」行政サービスを利用できるようにするという目標を掲げている。具体的には、行政手続きの7割をスマート化するなどを目指している。

*スマート化:電子申請のほか、Webサイトを通じた郵送申請の支援や、申請内容の事前登録など窓口滞在時間を短くする窓口申請の仕組み

 そんな神戸市役所のICT基盤を支えているのが、横尾氏や加藤氏が所属する情報化戦略部だ。横尾氏を筆頭に10人ほどが所属するチームで、グループウェアをはじめ、Microsoft 365などの庁内活用を進めている。その中でも重視しているのが、コミュニケーション基盤だ。

右から、神戸市役所の横尾健太郎氏(企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当 係長)、加藤麻里江氏(企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当)

 神戸市役所には多数の部署があり、その数は400以上にもなる。窓口だけでなく、住民サービスや福祉、子育てなど業務内容は多岐にわたり、それぞれがコミュニケーションを取りながら仕事をしていることから、コミュニケーションの重要性はうかがい知れる。

 「一口に電子化と言ってもさまざまな部署が関連しており、まず円滑なコミュニケーションが必須となります。中でも、市民の声を生で聞いているのは窓口の職員ですので、特に現場の意見を大事にしていかなければなりません。コミュニケーションをしっかりとらずに上から命令するだけでは市民サービスの低下につながってしまうこともあるのです。そういう意味でも、コミュニケーションは各部署のハブになるような、重要なものとなっています」(横尾氏)

 コミュニケーションの重要性は明らかな一方、以前の神戸市役所では基盤が整備されておらず、非効率的な手段に頼らざるを得なかった。主にメールや電話で業務を行っていたのだ。そこで、まず電話を多用することによる無駄を解消すべく、内線電話をかける回数を減らそうと考えたという。

 横尾氏は過去、民間企業へ1年間出向した経歴を持つ。出向先では、ビジネスチャットを導入し、業務改革に役立てているところを目の当たりにしてきた。その経験を参考に、神戸市役所でもビジネスチャットの導入をすることになったのだ。

自由なコミュニケーションの実現に向けたセキュリティの確保

 そこで17年に、チャットツールとグループウェア、Web会議ツールをセットにして入札を受け付けることに。条件は、リアルタイム通信ができることと職員が簡単にチャットルームを作成できるということなどを挙げていた。それに加えて重要視していたのが、セキュリティの十分な担保による運用である。

 自治体は総務省からの指針により、3層分離したネットワークを利用している。具体的には、マイナンバーなどの個人情報を扱う「基幹系ネットワーク」と、庁内で利用する「LGWAN」と呼ぶネットワーク、そして「インターネット」の3つを分けて利用することで、機密情報などのセキュリティを担保しているのだ。

 こうしたことを背景に、神戸市役所としては、業務で使うビジネスチャットにおいて一括でクラウドに置くことは、自由な情報のやりとりに制限がかかるため難しいと判断し、オンプレミスで運用することにしたのだという。オンプレミスとは、サーバを自社に設置して管理する運用形態のこと。サービス提供会社に運用をまかせるクラウド型と異なり、コストや手間はかかるもののデータが漏えいしにくいというメリットがある。

 「これらの条件を満たしたものとして、ネオジャパンさんのChatLuckとdesknet's NEOを提案していただきました。選定にあたっては、機能面だけでなく価格も含めた総合的な評価で導入を決定しました」(横尾氏)

 庁内でPCを使っているユーザー1万2000人ほどに加え、保育所の保育士やアルバイトを含め、現在は約1万6000人が利用しているという。

自治体ならではの非効率が、ChatLuckで解決

 ChatLuckを導入したことで、コミュニケーションの質が大きく変化した。これまではメールと電話でばかりコミュニケーションしていたため、さまざまなトラブルが起きていたという。

 例えば、大量のメールをやりとりすることで、業務のメールを見落としてしまうことがあった。また、スケジュール調整をする際は「この日のこの時間、空いていますか」と複数人に対して何度ものやりとりが必要で、効率が悪かった。電話をかけるとお互いの業務が止まってしまうのも課題だった。不在の場合は伝言を頼むことになるが、これも負担になっていたそうだ。

 「庁内では内線電話を使うのが当たり前になっていたので、すさまじい量の伝言メモを残していました。伝言メモを書いている間にまた電話が来て、前の人の名前を忘れてしまったとか、電話番号を忘れてしまうというトラブルが頻繁に発生していました」(加藤氏)

 一方、ChatLuckであれば、メッセージを送ればリアルタイムに相手へ届く。対面で会話するようにコミュニケーションすることも可能だし、相手がPCの前にいなければ都合の良いタイミングで見てもらえばいい。既読かどうかも分かるので、相手がメッセージを読んだかどうか分からない、というストレスも生まれない。お互いの時間を束縛せず、確実に要件を伝達できることで業務効率が向上したという。

 また、従来のように伝言を書いたメモをデスクやPCに貼る場合、第三者の目に入ってしまうことで情報が漏えいするリスクがある。ChatLuckを使えば相手にしか見えないので、リスクを低減できるという効果も得られた。

セキュアに、時間を束縛しないやりとりを実現するChatLuck

 一方、スケジュール調整はそのままチャットで行っても効果は変わらない。そこで、desknet's NEOと連携し、スケジュールを見える化した。空いている時間を最初から指定することで、やりとりの回数を削減したそう。

「お土産置いておきました!」 気軽なコミュニケーションもOK

 新しいICTサービスを導入する際、組織への普及が課題となることも多い。そんな中、神戸市役所は大きなトラブルもなく全庁導入を実現した。これは情報化戦略部の活躍に寄るところが大きい。

 「各部署に管理者を立てて、その管理者向けに5日間の研修を行いました。管理者には、自分の部署でChatLuckの活用法を周知してもらうようにしました」(加藤氏)

 使い方だけでなく、運用ルールもコミュニケーションの活性化を主眼として定めた。導入に当たり、多くの職員は業務上のコミュニケーションだけではなく、日常会話などの気軽なコミュニケーションもしていいのかどうかをかなり気にしていたそうだ。しかし、業務連絡だけに使うのでは、チャットツールの良さが損なわれてしまい、職員間のコミュニケーションの活性化につながらない。そこで横尾氏は、気軽にコミュニケーションを取るように口を酸っぱくして説明したそう。

さまざまなトークルームを開設し、コミュニケーションの円滑化が進む

 また、自治体は儀礼にこだわる傾向にあり、これまでメールでは「お世話になっております」から始まり、職員間でも「○○様」と書き、「今後ともよろしくお願いします」というような結びの文言を必ず入力していた。

 「形式張ったあいさつは省くよう、ルールに近いような形で広めました。そして、『体調どう?』や『お土産を買ってきたのでテーブルに置いておきます』といったコミュニケーションは取って構わないと、具体的な事例を示しました。肩肘張らないコミュニケーションをしてください、と最初の研修から話し続けて、何とか定着しました」(横尾氏)

不測のコロナ禍でも活躍したChatLuck

 コロナ禍においてもChatLuckは活躍した。

 多くの自治体同様、神戸市役所でも新型コロナウイルスに対応する人員を厚く配置することになった。引き継ぎもないまま突然異動することになるので、在籍していた部署でトラブルが発生してしまうこともあったという。とはいえ、新型コロナ対応に追われ、庁内でもかなり忙しい部署の人へ電話をかけるのはナンセンスではある。そこで「手の空いたときに教えてください」とChatLuckでメッセージを送るようにした。

多くの自治体と同じく、神戸市役所もコロナ対応に追われている

 コロナ禍を巡り、神戸市役所でもリモートワークが広がった。役所へ出勤している人と、家で働いている人との間でコミュニケーションのギャップが生まれてしまうことは、リモートワークの課題としてよく挙げられるものだ。ChatLuckを活用することで、こうしたギャップをうまく埋められている。

 「ChatLuckは、トークルームの過去レスをたどっていけるのも便利です。リアルタイムに議論に参加していなくても、話の流れを確認できるのはありがたいところですね」(横尾氏)

自治体ならではの課題を解決したChatLuck 導入を成功させる秘訣は?

 ChatLuckを導入したことで、“野良チャット”を撲滅でき、内線電話の数も削減できた。「正確な数は分からない」と前置きした上で、横尾氏の肌感覚ではチャットベースでのやりとりが増え、内線電話の数は激減したと感じている。部署内だけでなく、各部署を横断したプロジェクトなどを運営する際にも立ち上げるトークルームも、現在では6500ほどが生まれるなど、定量的な効果も生まれた。

 電話と同じようなリアルタイム性、相手の時間を奪わない柔軟性だけでなく、セキュアなオンプレミス環境で運用できるChatLuck。情報化戦略部が主導した神戸市役所の導入プロジェクトは、多くの自治体にとってロールモデルともいえる成功事例だろう。

 「われわれ自治体が気にするのは、個人情報の扱いです。セキュリティを担保するためにオンプレミスで運用しても、クラウドと何ら変わらない便利なサービスを使えるのがChatLuckの特徴です」と横尾氏はChatLuckのメリットについて話す。コミュニケーションに悩む自治体にとって、ChatLuckは一つの選択肢になるはずだ。

 最後に、チャットツールの導入を検討中の、他の自治体へのアドバイスを聞いてみた。「肩肘張らずにチャットするというのは、なかなか勇気がいります。しかし、そこはルールを整備し、割り切るところを割り切れれば乗り越えられるハードルだと思います。判断の迅速化やコミュニケーションの円滑化という余りあるメリットがChatLuckによって得られるので、非常に有効な手段だといえるのではないでしょうか」(横尾氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社ネオジャパン
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年2月13日