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» 2021年03月05日 10時00分 公開

「ひとり担当者」でも始められる! 専門家と成功事例に学ぶ、動画マーケティングのコツ「コスト」「専門知識」より必要なもの

重要性を増す動画マーケティングだが、「コストがかかる」「専門的で大変そう」というイメージから、なかなか手を出しづらいと感じている担当者も多い。そこで今回は、動画マーケティングに詳しい、電通メディアイノベーションラボの天野彬氏に「ひとり担当者」のような部署でも動画マーケティングを成功に導くためのカギを聞いた。

[PR/ITmedia]
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 コロナ禍の影響でさまざまなもののデジタルシフトが鮮明になっている。その中で、マーケティングのデジタル化/動画活用も、喫緊の課題だといえるだろう。とはいえ、リソースが不足していてなかなか手を出せていない企業も多いはずだ。

 そこで、本記事では、電通メディアイノベーションラボの主任研究員で、SNSを中心とした動画マーケティングに詳しい天野彬氏が、動画マーケティングの役割や、プラットフォームの特質を解説。また天野氏がチョイスした「動画マーケティング成功事例」の中から、「ひとり担当者」や、マンパワーの不足している部署でも参考になるコツを伝授する。

天野彬:株式会社電通 電通メディアイノベーションラボ主任研究員。1986年生まれ。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了(M.A.)。2012年電通入社後、マーケティング・新規事業開発部門を経て現職。著書に『シェアしたがる心理』『SNS変遷史』『情報メディア白書』など。SNSのトレンドやマーケティング活用についての研究開発やコンサルティングを専門とする。

意外と簡単に、動画マーケティングは始められる

 「動画を制作するのには高価な機材や使いこなすための技術や知識、それにクリエイティブな発想が必要なのでは」というイメージから、動画マーケティングへ尻込みしてしまう人もいるのではないだろうか。

 こうした人に対して、「動画といってもさまざまな種類がありますよね。実写動画はハードルが高いですが、テキスト・写真を切り貼りしてつくる紙芝居のようなモーショングラフィックスなどは、構成をしっかり練れば費用もかからずにつくることができます」と天野氏は話す。動画だからといって構えずに、取るべき施策と合わせて検討すれば、意外と簡単に動画マーケティングは始められるのだという。

 自社が取るべき施策については、マーケティングのフェーズをいくつかの段階に切り分け、そのファネルごとに考えると分かりやすくなる。具体的な例として、天野氏は「3H」や「3S」という、認知から購買に至るまでのフレームワークを紹介した。本稿では3Sを基に、動画マーケティングの基本的な考え方を紹介しよう。

 3Sは、「Show(認知を広げる)」「Story(自分ゴトを促す)」「Sale(購買を後押しする)」という3つの単語の頭文字からとったフレームワークだ。例えば、第1段階の「Show」では、商材やブランドの持つ世界観を表現したり、視聴した人にインパクトを与えたりするような見せ方の動画がマッチする。次に、第2段階の「Story」では、ストーリー性を持った具体的な活用シーンの動画などが適しているだろう。最終段階の「Sale」では、動画の最後で資料請求につなげたり、あるいは自社サイトに来てもらうといった、顧客の背中を押したりするようなつくり方が求められるのだという。

プラットフォームの特性を知るのも重要

 動画マーケティングをする上でもう一つ必要なのが、動画プラットフォームへの理解だ。最近では何かを検索する際にGoogleではなく、SNSなどのプラットフォームで検索する(天野氏はこうした現象を「『ググる』から『タグる』へ」と表現している)人も増えてきており、狙った顧客へと動画でしっかり情報を届けるためには、プラットフォームの理解が重要なのだ。

 天野氏がまず紹介したのは、YouTubeチャンネルだ。今や老若男女問わず利用されているプラットフォームであり、「認知度を高めるようなものもあれば、コンバージョンにつながるような動画もあります」と天野氏が話すように、コンテンツの幅が広いことも特徴だ。また、YouTubeはGoogleと連携しており、購買意欲が高そうなユーザーをターゲティングして、ユーザーに応じた検索結果を表示する「カスタムオーディエンス」にも対応していることから、動画マーケティングをする上で、まず利用するべきプラットフォームだといっても過言ではないだろう。

 次に、若い世代を中心に多くのユーザーを抱えるTwitterについては、「面白いコンテンツであればユーザーが拡散してくれますし、広告表示を検索キーワードに振り分けられるので、カスタムオーディエンスのような運用も可能です」と天野氏は解説する。

 これに似ているのが、TikTokだ。「『どんな動画でもエンターテインメントになるか』がテーマ」と天野氏が話すように、短い時間で起承転結をうまく組み立てれば、フォロワー数にあまり左右されずにコンテンツが拡散されやすい傾向にあるという。プラットフォームを運用する上でフォロワーを集めるのは時間がかかり一苦労だが、TikTokはコンテンツ次第ですぐに成果が出るプラットフォームといえるだろう。

 Facebookについては「ユーザーの年齢層が高めになり、ビジネスの話題なども増えてきているように感じます」と天野氏。実名中心のコミュニティーであるため、ターゲティングの精度が高く、ビジネス関係の広告も違和感なく受け入れられがちな点が特徴だという。Instagramについては、「Facebookと同様にターゲティングの精度が高いのも特徴ですが、ビジュアルメインのコンテンツが主流です。動画を活用した機能など、新たな取り組みに積極的な印象です」と話す。Instagramらしいビジュアルを意識しつつ、効果的に新機能を使いこなしていくことがカギになりそうだ。

 このように、各プラットフォームで特徴が異なっており、それぞれの雰囲気やユーザーが求めるものへいかに対応できるかが、動画マーケティングをする上でカギとなってくる。

成功事例から学ぶ、動画マーケティングのコツ

 では、実際にこうしたプラットフォームの活用などを通して成功している動画マーケティングにはどういったものがあるのだろうか。天野氏が選んだ4つの事例と、そのポイントを聞いた。

(1)クラフトボス(サントリー食品インターナショナル):Flash Back Memories

 「フラッシュ動画」で有名なアドビの「Adobe Flash Player」が20年末でサポート終了というタイミングに合わせて、かつて制作された動画などを振り返りつつ、現在までの道のりを描いたクラフトボスのCM「Flash Back Memories」。「自分がフラッシュ動画世代だったこともありますが、特定のコミュニティーに強く刺さる、という点が素晴らしかったです。クラフトボスは有名なブランドですが、そのブランドだけでは届かないような層にまで届く、SNSならではの意義がある取り組みでした。また、動画はエモーショナルな部分を刺激するのに適した手段ですし、世代の共通基盤である『思い出』に迫るという意味でも、動画ならではのマーケティングです」(天野氏)

(2)ポカリスエット(大塚製薬):NEO合唱

 「SNSを活用してユーザーと共創するのがうまいので、昔から注目しています」と天野氏が話すのが大塚製薬のポカリスエットだ。20年は、コロナ禍でなかなか集まれない学生たちが、遠隔で合唱した動画を組み合わせたコンテンツの「NEO合唱」を手掛けた。そのメイキング映像をYouTubeへ投稿したり、TikTok上でユーザー参加型のキャンペーンも実施したりと、プラットフォームを横断したキャンペーンも実施。「外出が制限された若者のためになっていますし、TikTokを活用しているのも今風で、時宜性を捉えた素晴らしい取り組みでした」(天野氏)

(3)COHINA(newn):痒い所に手を届かせる

 ここまでは、大企業の事例が続いたが、アパレル企業「newn」が手掛ける、小柄女性向けD2Cブランド「COHINA」の事例も話に挙がった。同社はInstagramのさまざまな機能を駆使している。例えば、ライブ配信では、配信ごとにカラーやアイテムなどきっちりとしたテーマを設定。「ライブ配信はテーマがふわっとしているとなかなか見に行きづらいですよね。この点が素晴らしいと思います」と天野氏。また、配信はアーカイブしており、「動画マーケティングは、こうしたユーザー側に立った『痒い所に手が届くかどうか』が重要なポイントです」と天野氏は話す。

(4)和気文具:コストをかけず、効果的にマーケティング

 創業1926年の同社は、老舗ながらInstagramやYouTubeを活用している企業として有名だという。実際にユーザーが文具を使用している視点での動画を投稿したり、文具が好きな人のためのニッチな情報を発信したり、3SでいえばStoryに近い動画マーケティングをしている。コストを過度にかけず、本当に役立つ情報を、さまざまな表現を通して発信している点を天野氏は評価しているという。

動画マーケティングを成功に導く、3つのキーワード

 挙がった事例の中から、動画マーケティングをする上で企業規模を問わずに参考となる重要なキーワードを3つ、天野氏に挙げてもらった。

 まず挙がったのが「自社」というキーワードだ。これは、自社や商品の良さ/強みを動画表現に適した形で提供することを指す。「ポカリスエットやクラフトボスの事例はかなりつくり込まれたものでしたが、例えば和気文具の事例だと、『文具に詳しい人はこんなことまで知っているのか!』と気付かされることがあります。自分たちは当たり前だと思っていても、他の人から見れば価値になることは多々ありますよね。こうした知られざる強みを発掘して表現することは、特に動画マーケティングで効果を発揮するはずです」。例えば、自社社員のインタビュー動画などでも、切り口次第ではコンテンツとなり得るだろう。

 また、どう拡散するか、という観点で「ユーザー」施策も重要になるという。「ユーザーの力をどう借りるのか、どう一緒につくり上げていくのかを考えることも、動画マーケティングで重要な要素です」と天野氏。最後の3つ目には「テクノロジー」が挙がった。「COHINAさんの事例で顕著ですが、Instagramで新機能が出るとすぐに使っています。動画プラットフォームには、最初に注目を集めればその反響がどんどん大きくなっていくという先行者利益があります。どんどん挑戦することでナレッジがたまっていきますし、単なる精神論ではなく、『新しくチャレンジする』ことの意義は間違いなくあるはずです」

「軽い気持ちでたくさんつくる」 まずは始めることが重要

 最後に、動画マーケティングを始めたいと思っている人へのメッセージを聞いた。

 「生活者の動向などを踏まえると、今はまさに『動画の時代』で、幸か不幸かコロナ禍がそれを加速させています。また、動画というとコストをかけて豪華なものをつくる特別なもの、というイメージもありますが、お話したように、自社の取るべき戦略やプラットフォームの特性を理解すれば、コストをかけずに高い効果を出せる方法もたくさんあります。実際に、動画マーケティングはどんどんと『たくさんつくって出す』という方向へシフトしてきています。

 『1打席で必ずヒットを打て』といわれると気後れしますが、1試合5打席のどこかで1本打てばいいのなら気は楽ですよね。プラットフォームも発展した今、『軽い気持ちでたくさんつくる』という戦略で、どんどんPDCAを回していってほしいですね」

無料体験版もあり 始めるならアドビの「Premiere Pro」がおすすめ

 以上が天野氏へのインタビューだ。インタビューの中では、「これまではブログに情報をまとめて発信していたのが、今後はより気軽に動画で発信していくことが主流となっていくだろう」という予測が出たことも印象的だった。実際に、ブログ感覚で動画を発信できるプラットフォームや、ポッドキャストなどを活用すれば、これまで以上に企業の情報発信を手軽に行えるようになってきている。アドビの調査でも、動画セミナーに参加した企業のうち4割ほどの企業が「動画の内製化」をすでにしているとの結果も出ており、今後はこうした流れもどんどんと進むはずだ。

 天野氏がアドバイスしたように、軽い気持ちで動画をつくる、という意味では、7日間の無料体験ができる、アドビの動画編集ソフト 「Premiere Pro」や動画編集に必要な全てのアプリが使える「Creative Cloud」がおすすめだ。Creative Cloudは、法人向けとしてエンタープライズ版とグループ版があるが、高いパフォーマンスを発揮したいひとり担当者のようなケースでは、グループ版を使うとよいだろう。

 もちろん、コストを抑えるという観点からは無料のソフトを活用するという手もある。Premiere Proは有料ではあるが、人工知能で動画処理を行う「Adobe Sensei」の機能で、ノイズ除去や音声処理を効率化できる。また、オプションの「Adobe Stock」を活用すれば、動画や音源素材の利用もできるなど、大局的に見れば時短効果や高クオリティーな動画を作成できる点など、無料ツールでは享受できないようなコストパフォーマンスで、動画の効果を引き上げることができるはずだ。

 これから動画マーケティングを始めたい人も、既に動画マーケティングをやっていて改善したい人も、まずは「軽い気持ち」で、無料体験版を使ってみることをおすすめする。

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提供:アドビ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年3月18日