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» 2021年03月12日 10時00分 公開

NECとAWSの強力タッグでデジタルガバメントを推進 「デジタルファーストで社会を変える」特別対談

[PR/ITmedia]
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 少子高齢化に伴う労働人口の減少といった社会課題を解決し、さらなる経済成長を実現するために、デジタル技術の徹底活用と官民協働を軸に、行政の在り方そのものを変革する「デジタルガバメント」の実現に向けた取り組みが加速している。その1つがクラウドの利活用だ。

 組織の垣根を越えたリソースの共通化を目的として、多くの省庁や政府機関でクラウドの導入が進んでおり、周辺業務だけでなく、行政サービスの根幹を成す重要な業務においても、クラウドを前提としたシステム調達から構築、運用へと移行しつつある。

 そこで重要な役割を果たしているのがNECとアマゾン ウェブ サービス (AWS)だ。両社は2020年11月に、日本で初めてコーポレートレベルの戦略的協業(SCA)を締結。全社を挙げた協業体制でデジタルガバメントの推進に取り組んでいる。NEC執行役員の林良司氏とアマゾン ウェブ サービス ジャパン 執行役員の宇佐見潮氏に話を聞いた。

アマゾンウェブ サービス ジャパン 執行役員 パブリックセクター 統括本部長の宇佐見潮氏(写真=左)とNEC 執行役員の林良司氏(写真=右)

日本のデジタルガバメントのトレンド

AWS宇佐見氏(以下、宇佐見) 日本のIT政策を主導する平井デジタル改革担当相のもと、国家プロジェクトとして行政のDXが加速しています。NECはこの動きをどう捉えていますか?

NEC林氏(以下、林) デジタルガバメント推進に関する平井大臣の発言に「人間中心の視点から全てを見直すこと」「小さく生んで大きく育てる」などがあるように、新たな行政サービスを素早く展開してより良いものに改善していくという「アジャイルガバメント」の手法を取り入れているのがポイントだと思います。

 その司令塔としてデジタル庁があり、主にデータドリブンとマイナンバーの2つを軸として「誰も取り残さないデジタル社会」を実現していく。そのための土台として「デジタル・ガバメント実行計画」(2018年1月に政府のeガバメント閣僚会議にて決定された計画、2020年12月改訂)があり、政府情報システムや行政サービスをクラウドで実現するクラウド・バイ・デフォルト原則の徹底が推進されています。

宇佐見 AWSもこのクラウド・バイ・デフォルト原則と、2019年に成立した「デジタルファースト法」(行政手続き原則的に電子化する法律)が昨今のトレンドの後押しになったと認識しています。これにより、前政権下からすでにさまざまな政策が立ち上がっていました。また、こうした動きは社会全体を大きく変えていくと予想しています。

 例えば、内閣府が提唱する「Society 5.0」では、これまでカーナビを見ながら人が運転していた自動車が、自動走行車に代わる未来が描かれています。カーナビも自動走行車も、必要な情報をクラウドから取得している点は同じですが、後者はAIやIoT、エッジコンピューティングなどにより人がわざわざ検索してクラウドにアクセスしたり、情報を分析したりする必要がなくなります。いわば現実のフィジカル空間とサイバー空間の境目がなくなるイメージですね。ちなみに林さんは、昨今のデジタルガバメントに関する取り組みで何が大きく変わると思いますか?

 2つあると考えています。1つが視点の違い。これまでにも電子政府の構想はありましたが、従来は官公庁の業務をデジタル化して効率化する事で職員の負荷を下げるという視点でした。今後はこうした“内向き”の視点ではなく、行政サービスの利用者、つまり国民がどうサービスを便利に活用できるかという、UX/UIに重点を置いた“外向き”の視点に変わっています。

 もう1つはスピードです。これまで新たな行政サービスの開発には、まず政策検討からスタートし、法改正の議論があり、それから予算取りやウォーターフォール型のシステム構築と、数年かけていたものが、今後はこれらが同時に動き出し、もしかしたらいきなりシステム実装から始まるかもしれません。これは来年になったら景色が変わってしまうほどのスピードです。

宇佐見 視点が変わるというのは面白いご指摘ですね。おっしゃる通り、クラウドの導入目的も、単に基幹システムをクラウド化するというだけでなく、その結果として縦割りの組織で分断されていたデータの流動性を確保し、国民にとって行政サービスをより使いやすいものに変えるため、というのはまさにその通りだと思います。

パブリックセクターにおける取り組み

 AWSのパブリックセクターのお客さまでは、どんな領域での取り組みが先行していますか?

宇佐見 大きく「教育」「医療」「行政」という3つの領域でクラウド利用が進んでいます。まず教育分野での取り組みですが、大学では早期から、クラウドの持つ俊敏性、柔軟性、経済合理性から導入が先行しました。この流れが初等教育や研究領域に拡大し、教育のデジタル化に伴って教育産業や教育系スタートアップのお客さまのご利用も加速しています。

 また、医療分野では、国家予算の4割が医療や保険に使われている現状や、ますます進む少子高齢化など多くの課題がありますが、こうした課題に対して質を下げずにどう取り組むのかが重要になっています。そこで、研究と臨床の分断をなくし、相互が補完して問題解決に当たるべく、医療・介護施設、研究機関、保険者、ヘルステック企業、製薬、医療機器、規制当局のそれぞれにおいて、現実のデータを用いた「データ駆動型社会」における次世代ヘルスケアの準備が着々と始まっています。

宇佐見 最後に行政の分野ですが、中央省庁においては、ほぼ例外なくクラウドの導入が本格的に開始されました。この動きは、クラウド・バイ・デフォルト原則の直接の対象領域でない、独立行政法人や地方自治体、公共公益法人へも広がってきています。NECさんではいかがですか?

 NECは2020年7月から官庁や関連機関に向けて、クラウド基盤サービスやセキュアなクラウド環境を実現するネットワーク接続サービス、運用管理サービスなどを提供しています。

 第1弾はご存じの通り、AWSなどのクラウドを安全に利用するための閉域網による接続サービスです。これから広帯域の回線を引くのはコストも時間もかかりますが、NECでは1回線で複数のクラウドにセキュアにアクセスできる環境が整っています。また、NEC Cloud IaaSを強化して、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)やFedRAMP Moderate(米国政府機関におけるクラウドセキュリティ認証制度)相当のセキュリティ基準に順次対応するほか、ServiceNowを活用した運用管理サービスの提供や、政府向けのSaaS、PaaSを今後拡充予定です。

 それと、先ほど宇佐見さんから出た教育分野の取り組みでは、ちょうど面白い事例があります。GIGAスクール構想で何百万台の端末が配布されていますが、これをしっかりと活用するためには、生徒の学習や教材を管理しクラウド上でモニタリングするプラットフォームが必要です。2020年7月から教育プラットフォームを稼働し、同9月から本格的に運用する段階に入っています。

 また、テストで把握できる能力だけでなく、グループディスカッションでの生徒の様子を、教室に設置したIoTデバイスでモニタリングし、リーダーシップやコミュニケーションスキル、感情などの非認知能力をAIで定量分析するような協働学習支援システムも提供しています。これは、各分析エンジンで解析された情報をAWS基盤上に集約する事で実現したものです。現在150万IDの申込みをいただいていますが、今後規模を2倍にする予定です。

宇佐見 この教育現場における取り組みも、管理の効率化ではなく、生徒がより良い学びや体験を得るための、まさに先ほどおっしゃっていた“視点の違い”を体現した好例ですね。

より良いクラウド活用に向けて

 今後パブリックセクターに向けて、AWSさんではどのような方針でクラウドを提案していきますか?

宇佐見 中央省庁や自治体関連ではやはり、国民や住民の生活、サービスに直接貢献するようなITの活用として、基幹システムをはじめ、マイナンバー系の国と自治体を結ぶ情報連携基盤のモダナイゼーションが中心になるでしょう。教育・研究関連では、ITを活用した教育や学習など、初等教育におけるEdTechのさらなる利用拡大と、児童や生徒の使い勝手を第一に考えた学習環境の実現、また日本の根幹を支える科学技術領域での先端的なクラウド活用です。

 医療分野では、オンライン診療の本格化やAPI連携によるヘルスケアエコシステムの構築支援など、官民のお客さまへの新型コロナへの対応を支援してまいりました。さらにその先を踏まえて、パブリックセクターのお客さまが抱えるさまざまな課題解決を提案していきたいと考えています。ここで重要なのは、お客さまそれぞれに最適なクラウドジャーニーをどう提案し、支援していくのかという点ですが、これはわれわれAWSだけではできません。その点でパートナーであるNECさんに大いに期待しているところです。

 今回の協業によって、グローバルに展開し、豊富なサービスを持つAWSさんのアセットを背景に、われわれはパブリックセクターに対して、クラウドジャーニー(導入目的の明確化)計画やKPI設定から、実績をもとにしたアーキテクチャの最適な組み合わせ、自動化・効率化部品やスペシャリストの知見など、運用まで見据えたサービス設計を提供していくことができます。特にNECのクラウドソリューションで重視しているのが「作らず使う、素早く試す」というコンセプトです。

宇佐見 確かに、先ほど林さんが「スピードが大きく変わる」というお話をされていましたが、官公庁においてもアジャイル的な手法とともに、内製化が強く求められていると思います。ただ、そうすると人材不足も課題になりますね。

 おっしゃる通りで、「作らず使う、素早く試す」という視点から、最小限のプログラミングでアプリケーション開発ができるように、ローコードプラットフォームで、われわれが職員の方々と一緒に、使い勝手を確認しながらシステムを作る世界を目指しています。また、例えば帳票基盤といったさまざまな業務に共通する機能は組織ごとに開発する必要はないので、政府全体の共通アセットとして再利用できる仕組みにしています。その上で、固有の業務用アプリケーションだけを各ベンダーまたは内製、あるいはわれわれが担当して開発する形です。

 このほか、パブリックセクターにおけるクラウド利用ではセキュリティも非常に重要ですが、NEC内部に専門部署としてサイバーセキュリティ戦略本部を設置しています。また、NECグループ内にもインフォセックやサイバーディフェンス研究所を抱えていますので、トップレベルの人材によるセキュア開発、診断サービス、またインシデント発生時のフォレンジックも含めて、幅広いセキュリティメニューを提供できるのがわれわれの強みです。

デジタルガバメントの実現に向けた強力タッグの結成

宇佐見 強みといえば、NECさんとは非常に古くからお付き合いがあり、AWSの認定資格者を最も多く育成いただいているパートナーです。また、システムインテグレーターとして官公庁をはじめ、公共のお客さまと長く深い信頼関係を築かれています。われわれもパブリックセクターのお客さまへの提案活動を進めていますが、まだまだ実績も経験も足りていません。特に官庁系でのNECブランドへの信頼を実感しています。こうした面でも今回の戦略的パートナーシップには非常に期待しています。

 ありがとうございます。ちなみに今回の協業を機に、AWS認定資格保有者を現在の1500人から3000人に倍増させる計画です。また、官公庁や医療に加え、金融などの分野でも業種特有のレギュレーションに対応したマネージドサービスを展開するほか、パートナーであるABeam Consultingとともに、自社利用のSAPシステムのプラットフォームに対するAWS導入ノウハウをお客さまに提供していきます。デジタルガバメントの実現に向けて、政策提言からサービス運用まで、一気通貫で行政のデジタル化を支援していきたいと思います。



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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年3月25日