“ちょっとした翻訳作業”が生産性を下げている? 企業向けAI翻訳ツールが注目される理由とは

» 2021年03月23日 10時00分 公開
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 コロナ禍により海外への自由な往来が制限されて1年以上が経過した。日々の情報収集や遠隔でのやりとりにネットを活用する場面はますます増えているが、そうした海外とのコミュニケーションにおいて、AI翻訳ツールを利用している人は多いのではないだろうか。

 実際、昨今は無料のAI翻訳ツールがインターネット上で多く提供されている。しかし、そこにはワナがある。

 インターネット上の無料翻訳ツールに入力した文章はそのサービスを提供する企業のサーバに蓄えられ、AI翻訳エンジンのさらなる精度向上に活用されている。つまり、このような形で業務文書を無料翻訳ツールにかけたとき、もしその文章が社外秘の情報であったり、交渉中の商談の情報であったりすれば、その情報が無料翻訳ツールを介して社外に漏れてしまう危険性があるわけだ。

 普段何げなく行っているちょっとした行為が、実は情報漏えいの発端となる。電子メールやクラウドストレージ、フィッシングサイトのような経路は警戒していても、意外とこうしたツールを介して重要なデータが日々入力されている可能性は盲点かもしれない。

 そこで登場するのが企業向けAI翻訳ツールだ。データの二次利用はなく、企業内で閉じた運用が可能なため、情報漏えいのリスクは少ない。また、インターネット上で提供されている無料のAI翻訳ツールでは、一度に翻訳できる文字量に制限があったり、対象となるのがテキストまたはWebページのみで、PDF文書を含むファイル単位の翻訳が行えなかったりして、企業ニーズを必ずしも満たしていないという問題もある。

 今回紹介する「Mirai Translator®」は、われわれが日々慣れ親しんでいるWebブラウザベースのユーザーインタフェースで、セキュアな翻訳環境を企業に提供しているサービスだ。ISO27001、ISO27017(※)のセキュリティ要件に準拠して運用、さらに翻訳したデータも自動削除するなどセキュリティに対する徹底的な取り組みが特徴で、省庁やメガバンクなどクラウドサービスの利用に厳しい規定がある企業・組織でも多数の利用実績を有している。

 また、一般的なAI翻訳ツールでは、多言語翻訳の部分に第三者のオンライン翻訳サービスを利用するケースもあるが、Mirai Translator®は多言語の翻訳エンジンも含めて自社の国内サーバで運用しているため、情報漏えいのリスクなく利用できる。

セキュアなクラウド環境で翻訳処理を実行するMirai Translator®
※ISO27001(ISMS):クラウドサービスの情報セキュリティシステム構築が高セキュリティに実施されていることを第三者が認証する国際規格
※ISO27017:クラウドサービスに特化したクラウドセキュリティ認証の国際規格

日々のちょっとした業務のやりとりで活用

 Mirai Translator®の翻訳精度は、「ニューラル機械翻訳(NMT)」を用いた非常に高度なもので、さまざまな分野で企業活用が進んでいる。日本企業での利用が多い22言語ペアをカバーし、テキスト翻訳と、複数ファイルの一括処理も可能なファイル翻訳の両方に対応している。

 同社取締役 兼 CPO(Chief Product Officer)を務める井上氏によれば「Mirai Translator®ではTOEIC 960点のビジネスマンと同等レベルの翻訳精度を実現していますが、こうした背景には従来の『統計的機械翻訳(SMT:Statistical Machine Translation)』から、Mirai Translator®でも採用している『ニューラル機械翻訳(NMT:Neural Machine Translation)』が発展改良されたことが大きい」と説明する。

 対訳コーパスをフレーズ毎に置き換えするSMTに比べ、NMTは人間の脳を模した仕組みで、原文を丸ごと「中間表現」に置き換え、デコーダーで翻訳結果を生成するため、より自然で意味の通った訳が可能になるといわれる。翻訳精度が高いとされる翻訳ツールの多くは、このNMTをベースにしており、DeepL、Google、Microsoftなどが提供するサービスは全てNMTを採用している。実際にサービスを利用したことがあるなら、ここ数年で翻訳精度が飛躍的に向上していることを実感しているだろう。

 さらにMirai Translator®では、一般的なビジネスシーンやテクニカル文書向けの「汎用モデル」と、契約書や決算資料など専門性の高い文書の翻訳に特化した「法務・財務モデル」が提供されており、利用シーンにあったモデルを選択することで、より自然な翻訳が可能となっている。

 同氏は「Mirai Translator®は、日本語をベースとした翻訳精度では世界最高水準」と胸を張る。機械翻訳技術の開発を専門とし、社員の7割が技術者で構成されているため常に最先端の技術をサービスに取り込めるのが、Mirai Translator®を提供する「みらい翻訳」の強みでもある。

みらい翻訳の取締役 兼 CPO(Chief Product Officer)を務める井上真也氏。取材はオンラインで実施した

 同社セールス&マーケティング部の渡辺氏によれば、企業ユーザーを対象にしたアンケート調査から推計すると、750万人以上が何らかの形で普段外国語を読む機会があるという結果となった。外国語なしでの業務完結は年々難しくなりつつあり、専門家でなくとも外国語に触れる機会は増えつつあるとの認識だ。

 その内容は主にメールやチャットが中心で、無料の翻訳サイトにコピー&ペーストして済ませることが多い。翻訳1回にかかる時間はわずかなものかもしれないが、会社全体で見ると膨大な時間がこの“ちょっとした翻訳”に費やされ、生産性を損ねている可能性がある。また、無料の翻訳サイトが利用される度に、前述のセキュリティリスクが発生しているのだ。

 「自分で翻訳すると何十時間もかかるような資料や、契約などの重要な文書であれば、翻訳業務を専門に行っている部署に依頼することもあるでしょうが、ほんの数十分程度の作業をいちいち依頼していたのでは、待っている間の時間がムダになりますし、依頼される側の負担も大きくなります。そこで、メールなどで交わされる簡単な文章は翻訳サービスを使う、というのが一般的です。しかし、取引先との日常的なやりとりなど、それが機密に抵触するかを考えずに行われているケースが多いのです。そうした細かい作業においても、セキュアな環境を作らなければいけないという意識は重要です」と渡辺氏は指摘する。

みらい翻訳セールス&マーケティング部の渡辺亜美氏

画像付きPDFファイルもOCR翻訳でカバー

 Mirai Translator®は、Webブラウザを経由して利用するSaaS型のサービスだ。部署を問わず、“ちょっとした翻訳”にも使われる全社/全従業員の利用を想定すると、特定のアプリケーションをインストールすることなくすぐに導入できるWebブラウザベースの方が適している。また、UI/UXも分かりやすい。テキスト翻訳では、翻訳したい文章を画面のテキストボックス上にコピー&ペーストすることで、ターゲットとなる言語に翻訳できる。同時に、翻訳済み文章を翻訳前の言語に再翻訳して、その翻訳に違和感がないかを1画面で確認できる。

 井上氏によれば、中国語や韓国語など「外国語自体の理解度が低い」言語については丸ごと文章を翻訳させるケースが目立つが、そのような場合でも翻訳内容が全く意図しない内容になっていないか確認したいというニーズは多い。一方で、英語のように素養があるユーザーの多い言語については、AI翻訳ツールを補助的に活用するケースがみられるという。つまり、AI翻訳ツールを過信せず、一度翻訳した文書を同じツールで再翻訳してその精度や意味を確認した上で実際に利用するという使われ方がされている。再翻訳した内容も合わせて3つの文章を1画面内で確認できる機能は、こうした手間を低減することを目的としている。

Mirai Translator®のユーザーインタフェース画面。原文、翻訳、再翻訳の3つの文章を一画面で確認できる

 そしてファイル翻訳では純粋なテキストだけでなく、Microsoft OfficeのファイルやPDFファイルにも対応する。プレゼンテーション用のファイルや配布資料などもドラッグ&ドロップで、Mirai Translator®で翻訳にかけることができ、いちいちテキスト抽出を行って翻訳にかける必要はない。

 PDFについては2021年2月のアップデートで機能強化が図られており、画像として挿入されている図や、2段組で構成された文章、表組みについても、レイアウトや前後の文章のつながりを維持したまま出力を得られるようになった。視認性と翻訳精度の面で大きな飛躍といえる。図版などの文字もOCR翻訳が適用されるため、使い勝手の面では非常に便利だ。最終出力形式はWordファイルとなるが、色の変更や強調など文字装飾もそのまま維持されるようになっており、文章を読む際の一助となる。

Microsoft OfficeのファイルやPDFファイルの資料も段組を維持したまま翻訳できる。翻訳前(画面左)と翻訳後(画面右)を見ると、段落だけでなく、図版の文字も翻訳されているのが分かる

 翻訳の基となる学習データについても日々強化が行われている。例えば、2020年12月にはアンダーソン・毛利・友常法律事務所に加え、日本取引所グループから提供されたコーパスを用い、法務専用エンジン内に財務分野の表現を追加学習させた専用エンジンを開発している。適時必要なコーパスの強化を行いつつ、顧客ごとにカスタマイズした専用エンジンの提供も行っている。「良質なデータの提供を受けて、日々愚直にエンジニアがチューンアップを繰り返しています」と井上氏はMirai Translator®ならではの強みを説明する。

生産性を上げるAI翻訳ツール「Mirai Translator®

 井上氏は「翻訳はAI技術で実現した一要素にすぎず、Mirai Translator®の本当の目的は他言語コミュニケーションにまつわるコストそのものを下げること。さまざまなフォーマットのファイルを、レイアウトを保ったまま丸ごと翻訳できるのもそのためです」と話す。

 「われわれが目指すところは全社員に使ってもらえるツールです。いまはWebブラウザベースの提供だけですが、デスクトップ向けのツールや、右クリックでできる翻訳など、より使いやすいインタフェースも模索していますし、タブレットやスマートフォンといったモバイルでの活用、Web会議ツールとの連携、要約機能の提供なども検討しています。今後もAI翻訳をコア技術として、お客さまの生産性向上に貢献したいと思います」(井上氏)

 ビジネスのグローバル化が進む現在において、海外との取引を直接担当する部門でなくとも、通常業務で外国語に触れる機会は多い。企業の競争優位性を確保するためにさまざまな分野でテクノロジー活用が進んでいるが、企業DXの視点においても、AI技術をベースに生産性の向上とセキュアな翻訳環境を両立するMirai Translator®を検討する価値はありそうだ。

※本技術の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の研究成果を利用し、株式会社みらい翻訳にて製品化したものです。


Mirai Translator®_操作方法

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提供:株式会社みらい翻訳
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年4月11日