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» 2021年05月27日 10時00分 公開

チャンスか、破滅か Cookieの終焉がパブリッシャーにもたらす影響とは

[PR/ITmedia]
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 GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)など、欧米を中心に個人情報保護を目的とした法規制の動きが加速するなかで、日本においても「改正個人情報保護法」が2020年に可決されるなど、インターネット上で消費者の個人情報を収集・利用することが難しくなりつつある。

 この流れを受けて、Google Chromeをはじめとする主要なWebブラウザも、運用型広告のエコシステムを支えてきたCookieの利用を制限。これまで消費者のWeb閲覧履歴・購買履歴から、その属性や趣味嗜好を分析し、高度なターゲティングで成果を上げてきた運用型広告は大きな岐路に立たされている。

 ユーザーのプライバシー保護を前提とし、サードパーティーデータ(Cookie)に依存しない形でターゲティング広告を実現するためにはどうすればよいのか。そこで注目を集めているのがLiveRampの「ATS」=Authenticated Traffic Solution:認証トラフィックソリューションだ。LiveRamp Japanでヘッドオブパートナーシップスを務める今井則幸氏に話を聞いた。

LiveRamp Japan ヘッドオブパートナーシップスの今井則幸氏

デジタルマーケティング戦略の岐路

 LiveRampの創業は2011年。同社はもともと企業が保有するファーストパーティーデータ(会員情報などのオフラインを含むデータ)をデジタルマーケティングに活用するためのIDソリューションを展開してきた。昨今の個人情報保護を背景にサードパーティーCookieの利用が難しくなる中、その代替手段として人(ID)ベースのターゲティングを実現する同社のプラットフォームに注目が集まり急速にビジネスを拡大。2019年にはパブリッシャー向けIDソリューションの提供を日本国内でも開始している。

 今井氏は、プライバシー保護の大きな流れによって、デジタルマーケティングの仕組みそのものが大きく変わり、特にパブリッシャーへの影響は計り知れないと指摘する。その1つが運用型広告の収益性の低下だ。

 「主要なWebブラウザがCookie排除に動いたことで、これまで当たり前のように使われてきた識別子が利用できなくなり、モバイル広告ID(IDFA)のトラッキングにも大きな制限がかかります。その結果、ターゲティングの精度が悪化し、在庫の価値が正当に評価されにくくなり、収益性は落ちるでしょう。これからのデジタルマーケティングで最も重要なポイントは、きちんと同意を得た上でデータを取得し、それをいかに安全に活用するかです。この流れに何も手を打たなければ、広告主はGoogleやFacebookといった大量のIDを保有する巨大なプラットフォームへの投資を加速させてしまうかもしれません。現時点でさえ、デジタル広告費全体の約7割は“Walled Garden”と呼ばれるGoogleやFacebookに使われていますが、インターネット利用者がWalled Gardenで過ごす時間はそれ以下、約半分しかありません。すでに実態はアンバランスです」

ユーザーの全デジタル・メディアにおける1日の利用時間の比率に比べ、デジタル広告費の大部分がGoogleやFacebookといった大手プラットフォーム(Walled Garden)で使用されている

 また、デジタルマーケティングが大きな転換点を迎える一方で、日本国内ではこの問題に関する危機意識がまだまだ低いと今井氏は警鐘を鳴らす。

 「GDPRやCCPAの流れを受け、日本でも2020年6月に法改正案(個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案)が可決され、施行まで最終的な調整段階に入りました。Googleは2020年1月に『2年以内にサードパーティーCookieの廃止』を決定していますが、長くてもあと7カ月。『以内』という表現ならもっと短い可能性もあります。しかし、私たちが行った調査によると、日本の広告運用担当者のうち63.5%がこの問題の詳細をきちんと理解しておらず、現時点で新しいマーケティングの仕組みの導入など対策をしている企業はわずか46.1%ということが分かりました。先行する米国のマーケットはこの問題に対する危機感がもっと強く、Cookie終焉後の世界に向けて機敏に反応しています」

パブリッシャーの価値を高める新たな仕組み

 ポストCookie時代にパブリッシャーはいかにして広告主に自らの価値を証明していくのか。そこで注目を集めているのがLiveRampのATSだ。同ソリューションでは、ユーザーの同意を得て取得した個人情報をハッシュ化してユニークなID(RampID)を生成し、同じくユーザーの同意を得ている企業間で連携することでRampIDを広告配信などに利用する。

 例えば、CRMデータに入っている情報(メールアドレスなどのログインIDや名前、電話番号や住所など)をそのままターゲティング広告に利用することはできないが、これらの情報を暗号化した上でRampIDに変換し、パブリッシャー側と広告主側のIDをLiveRampがマッチングすることで、Webサイトを閲覧する個人を特定せずに、その人に適した、いわば「人」ベースの広告配信が可能になる。この仕組みは個人情報保護で先行するヨーロッパや米国ですでに運用されており、改正個人情報保護法の施行を控えた国内でも問題なく使われると考えられている。

RampIDの仕組み

 「RampIDはユーザーとの信頼関係を土台とした透明性の高い仕組みです。これまでのCookieベースのターゲティング広告は、いわば同意のないまま行われ、ストーカーのように広告に追いかけられるものでした。そしてノイズとしての広告はブロックされ、広告主は膨大なインプレッションを無駄買いしています。一方、ATSを使うことで適切な広告を、適切な消費者に届けることができるようになるのです。例えば、ウェアラブルデバイスメーカーのFitbitは、あるキャンペーンでRampIDを活用しましたが、Cookieによるターゲティング広告と比較して、ROAS(広告費用対効果)は2倍、ページビュー当たりのコストも減少し、平均注文額も13%向上しています」

Fitbitの事例

 とはいえ、パブリッシャーがRampIDを利用するためには、IDの元になる会員登録が必要になる。無料で記事を公開しているメディアにとっては、会員登録を求めることはユーザー体験を損ねる懸念もある。

 「確かにこれまで無料で読めていた記事を読むのに読者登録が必要になるケースもありますが、現在導入準備をしている多くのパブリッシャーは、大手新聞社のデジタル版やグルメサイトなど、すでにファーストパーティーデータ(会員情報)を保有しており、既存のCRMと連携する形で提供されています。また、個人情報保護に配慮した広告に対するスタンスは、消費者の信頼やブランド価値を向上させる取り組みにもなります。実はRampIDの導入はサイトにタグを入れるだけで容易に実現でき、それに対してはパブリッシャーに費用は発生しません。初期投資もランニングコストもかからないのです。私たちLiveRampの利益は事業主側のID生成量に応じて生まれています。つまりパブリッシャーにとっては、無料で自社の広告在庫をアドレッサブルな在庫に変え、ターゲットしてもらえる可能性が高まる仕組みなのです」

ブラウザごとのCPMの改善

 ATSの仕組みはWebだけでなく、アプリやネットに接続されたコネクテッドTV、さらにはオンラインとオフラインの垣根を越えて、人ベースのマーケティングを実現する可能性もあると今井氏は話す。

 「消費者の動向を考えると、ネットで広告を見た人がお店で買う、つまりオンライン広告のコンバージョンがリアル店舗ということは珍しくありません。RampIDはID POSのデータとも連携できるので、例えば店舗のメンバーシップカードとつなげれば、配信された広告がオフラインでどのような効果をもたらしているのかも分析できます。すでに米国ではPOSレジデータと連動してO2Oマーケティングに取り組んでいるリテールの例もあります」

全てのステークホルダーにメリットがあるオープンなエコシステム

 LiveRampが目指すのは、広告主とパブリッシャー、そして消費者の全てがWin-Win-Winの関係になる新しいエコシステムだ。これにより、前述した大手プラットフォームに偏ったデジタル広告費の不均衡を是正できるかもしれないと今井氏は期待する。

 「米国同様、『人』をベースとしたIDの利活用は日本でも大きな流れになるでしょう。LiveRampはグローバルで45社以上のDSP、25社以上のSSPと契約を結んでおり、大手パブリッシャーと連携したエコシステムができています。日本でも大手新聞社やニュースサイトとの話が進んでいますし、最大級のグローバルメディアでも採用されています。私たちが目指しているのはオープンなエコシステムです。パブリッシャー1つ1つの規模では、膨大なIDを保有するGoogleなどのプラットフォーマーにはかないませんが、RampIDがハブになることで、いわば連合軍として戦うことができるようになります。逆にプラットフォーマーにはない、パブリッシャーが持つ良質なコンテンツは、大きな武器になるはずです」

 同社は2021年度中に、国内企業各社との提携を進め、日本のインターネット人口(7500万人)の約1/3に当たる2500万IDの連携を目指すとしている。この数字だけでも非常に高い目標だが、2021年4月時点ですでに大きく前進をしており、想定を超えるスピードでエコシステムを拡大中だ。

 ポストCookie時代のデジタルマーケティングは、パブリッシャーに変革を強いる一方で、大きなチャンスにもなり得る――そう語る今井氏。「データ活用という点で日本は後れを取っていますが、ギアを一段階上に入れる時期に来ています。きたるべき世界に備えて、私たちとともに是非ビジネスを広げていっていただければと思います」

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提供:LiveRamp Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年6月10日

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