kintoneのファイル管理を「無料」でもっと便利に! 中小企業向け、Dropbox活用のススメ「仕事のための仕事」をなくす

サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」は、現場主導でシステムを作れることから中小企業でも導入が進む。一方で、「ファイル管理」の面で課題を抱えることも多いという。そんな悩みをDropboxと連携して解消できるのが、無料プラグイン「Dropbox for kintone」だ。

» 2021年07月06日 10時00分 公開
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 サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone」は現場の人間が必要とするシステムを自分たちで作れるのが人気で、すでに国内で2万社以上の導入実績がある。導入・運用コストが安価なため、中小企業を中心に活用されているのだが、一方で、標準の状態だと機能が足りずに使いづらいこともある。そんなときは、外部サービスやプラグインを活用して機能を拡張するのが、重要なポイントとなる。

 例えば、kintoneでは多数のファイルを管理するのが難しい。そこで利用したいのが、クラウドストレージ「Dropbox」だ。Dropboxを活用すれば、PCのフォルダと同期してクラウドにデータを保管でき、共有も簡単に行える。アクセス権の管理も柔軟に行えるので、ビジネスの重要データの管理に重宝されている。既にグローバルで50万社以上に利用されている、定番サービスだ。

 現在、kintoneとDropboxの両方を契約しているユーザーも多いことだろう。ただ、別々のサービスなので、ことあるごとにそれぞれのサービスをブラウザで行ったり来たりする必要があり、効率化の壁となっていると指摘するのが、kintone向けに「業務改善プラグイン」を提供している、キャップドゥの森田晃輝社長だ。

 そこで今回は、キャップドゥが提供している、kintoneとDropboxをシームレスにつなぐ無料プラグイン「Dropbox for kintone」について、森田氏、ならびにプラグインを共同開発したSazae Pty Ltd(以下、Sazae)の溝尻歩社長に話を聞いた。

Dropboxの「仕事のための仕事をなくす」というビジョンに共感

 キャップドゥは、2016年に設立した熊本県の企業で、主に中小企業へクラウドツールなどを活用した業務改善の仕組みを提供している。設立以前は海外のCRM/SFAのコンサルタントをしていた森田氏だったが、これらのツールが日本の中小企業にとってハードルが高いものだと感じており、どうすれば中小企業の業務改善を実現できるかと考えた末に行き着いたのがkintoneだったという。

 現在はkintoneのパートナーとして、全国の中小企業向けに販売している。創業から5年で4000アカウント以上の導入を支援してきたが、特に20年は、コロナ禍における情報共有に課題を感じた企業からの問い合わせが増え、販売数が伸びたという。

キャップドゥの森田晃輝社長

 そんな森田氏がDropboxと出会ったのは、16年冬に開催されたサイボウズのイベントだった。Dropboxの担当者と話す機会があり、そのビジョンや思想、文化などを説明されたという。「Dropboxを使ってもらうのが目的ではなく、Dropboxを通じて『仕事のための仕事』をしなくて済むようにしたい、というお話をされて、すごくいい文化だなと感じました」と森田氏は振り返る。その後、17年にDropboxのパートナーとなり、kintoneとDropboxを主力商品として販売してきた。

 その後、サイボウズ関連のビジネスで海外進出を見据えていたところ、19年のサイボウズ主催イベントで、Sazaeの溝尻氏と出会った。SazaeはオーストラリアのシドニーでITの開発、コンサルティングをしている企業で、キャップドゥとは逆に日本市場への進出を狙っていた。

Sazaeの溝尻歩社長

 「現在、kintoneは日本国内だけでなく海外にも進出しています。当然オーストラリアにも進出しており、当社はそのパートナーとしてkintoneアプリの開発やコンサルティングを行っています。まだ日は浅いですが、Dropboxともパートナーになっています」(溝尻氏)

 キャップドゥはグローバル展開をしたい、Sazaeは日本市場を開拓したい――ということで両者の思惑が一致。意気投合した2人は、一緒にセミナーを開催できないか、などのミーティングを重ね、それならば同じ会社でやった方がいい、と20年7月にSazaeをキャップドゥのグループ会社化する形で統合した。

徹底的なユーザー目線を意識したプラグイン

 キャップドゥは、自社でもkintoneとDropboxを活用している。その経験を踏まえ、Dropbox for kintoneは開発された。kintoneは各レコードにファイルを添付できるが、すぐにプレビューでチェックしたり、編集したりといった作業がしにくく、常に動いている業務ファイルを管理するのには適していない、と森田氏は指摘する。

 そこで、キャップドゥではkintoneにファイルを添付するのは禁止して、Dropboxを併用していた。具体的には、kintoneのレコードにDropboxのリンクを貼り付けて、そこをクリックすることでDropboxを参照していた。しかし、このような運用だと、資料が集まりにくかったり、いつの間にかリンクが無効化されていたり、というトラブルが起きてきたという。

 「当初は『必要になったらDropboxで探せばいい』という業務フローでよかったのですが、グループ会社ができて、一緒にプロジェクトを進める人が増えてくると、サービス間で行ったり来たりする中でミスが起きてしまったり、無駄な時間がかかったりするという問題点が出てきました」(森田氏)

 そこで森田氏は、kintoneの中にDropboxを埋め込むプラグインを作り、行ったり来たりをなくそうと考えた。

 「キャップドゥでプラグインの要件と設計を担当し、開発はSazaeが行いました。その際に伝えたのは、『仕事のための仕事を減らす』というポイントを大事にしてほしい、ということです。つまり、ユーザー側からは、あくまでkintoneだけを使っている意識で業務を進められるようなプラグインにしたかったのです」(森田氏)

 プラグインの開発が始まったのは21年1月。話を受けた溝尻氏も、同じような課題を感じていたので、プラグインの需要はあると感じていた。その後、無事にプラグインは完成した。ただ、そこからが大変だったという。

 森田氏に見せたところ、「やりたいことは伝わってくるが、お客さまの視点が抜けている」と指摘された。つまり、機能としては動作しているが、使い勝手が悪かったということだ。いいものを作って提供しても、使いづらければ、浸透していかない。森田氏のフィードバックをもらいながら、溝尻氏は何回も改良を重ねていった。

 「改良を重ねる上では、DropboxのAPIがよくできており、ドキュメントも見やすくて助かりました。kintoneからDropboxにあるファイルをプレビューする機能もプラグインに搭載していますが、もともとDropboxにそういった機能があることから簡単に実装でき、さらに使い勝手が高まりました」(溝尻氏)

 Dropbox for kintoneはこうしたトライ&エラーを繰り返し、2カ月半ほどを経て、ユーザー目線を徹底的に意識したプラグインへとブラッシュアップされていった。

中小企業の業務改善のため、あえて「無料」で提供

 Dropbox for kintoneを導入すると、kintoneアプリの1レコードごとにDropboxフォルダが自動生成され、ファイルを保存できるようになる。

 もちろん、サブフォルダの作成も可能だ。ドラッグ&ドロップでファイルを追加でき、共有用のURLも簡単に発行できる。さらに、さまざまな形式のファイルを画面遷移なしにプレビューできるようになった。

 キャップドゥでは、顧客管理アプリで締結した秘密保持契約書のPDFファイルを管理したり、プロジェクト管理アプリで、打ち合わせのZoom動画や、提出したPowerPointの資料を保存したりといった用途で活用しているという。

 「プラグインを利用することで、kintone上でDropboxを使うことが当たり前になりました。Dropboxをブラウザでわざわざ開くことがなくなったのが大きいですね。当社はほぼリモートワークなので、複数のメンバーが同じ画面を見ながら作業をすることができません。kintoneの中にDropboxの環境が埋まっていれば、その画面に行きさえすればコミュニケーションが成り立つので便利です。プロジェクトに関するコミュニケーションも、とてもスムーズになりました」(森田氏)

 一方、Sazaeではプロジェクトマネジメントで使っている。例えばWebサイトの作成案件であれば、ロゴデータや顧客からもらったドキュメントなどをまとめて管理している。

 「以前は、ひとつひとつダウンロードして開いていたのですが、今はプレビューができるのですごく便利になりました」(溝尻氏)

 なお、Dropbox for kintoneは「業務改善kintoneプラグインサイト」というWebページで公開されている。申し込めば、誰でも無料で利用できる。

 「kintoneとDropboxがつながる世界を喜んでもらった先に、kintoneとDropboxを使うお客さまが増えて、最終的に日本の中小企業の業務改善が進むといいな、という思いで無料提供しています。Dropboxが、単なるファイルストレージではなく、さまざまなSaaSと連携するプラットフォームになっているところを体感していただきたいです」(森田氏)

 ちなみに同サイトでは、他にも多数のプラグインが公開されており、Dropbox for kintoneのようにサービスとサービスをつなげるプラグインが多い。

無料版のDropboxアカウントとも連携可能

 Dropbox for kintoneは今後、Sazaeが中心となってグローバルで展開していく予定だ。世界中のDropboxユーザーに対して、kintoneとの連携を伝えていきたいという。

 「最近はたくさんのSaaSが登場しています。kintoneと連携すれば、相乗効果でサービスの価値がどんどん大きくなっていくはずです。Dropboxを皮切りに、英語圏で流行っているSaaSのプロダクトをどんどんkintoneとつなげていきたいです」(溝尻氏)

 なお、Dropboxはビジネス版のほかに、個人向けとして無料で利用できる「Basic」プランも用意されている。Dropbox for kintoneは、この無料版でも利用できるという。Sazaeが拠点とするオーストラリアでもDropboxは人気で、中小企業の社長がBasicプランを使っていることも多いそうだ。

 kintone上でDropboxを直接操作できると、ファイル管理が格段に便利になる。kintoneユーザーであれば、ぜひDropboxのアカウントを取得して体験してみることをおすすめする。一方、Dropboxユーザーであれば、他サービスと連携することで本領を発揮するという活用法をチェックしてほしい。

 もちろん、kintoneとDropboxの両方を利用しているのなら、迷わずDropbox for kintoneを導入しよう。無料で日々の無駄を省き、さらなる業務改善が実現できるだろう。

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提供:Dropbox Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年8月3日

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