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» 2021年10月04日 10時00分 公開

店舗セールのオンライン化で「アンダーアーマー」ドーム社が実現したデジタルシフト、その秘訣とは?セール対象外商品の売り上げは200%アップ!

コロナ禍でリアル店舗の売り上げが減る中、シークレットセールをオンライン化して成功を収めた「アンダーアーマー」で知られるドーム社。「やりたいと思ったことが全て実現できた」と担当者はうれしそうに振り返る。同社のデジタルシフトを成功に導いたのは「Adobe Experience Cloud」だ。

[PR/ITmedia]
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 新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまな業種が影響を受けている。スポーツウェアブランド「アンダーアーマー」の正規日本ライセンシーであるドーム社も、その一つだ。同社は1998年に日本におけるアンダーアーマーブランドの総代理店となっており、20年以上にわたって、急成長を続けるアンダーアーマーの国内販売を手掛けている。

 これまでアンダーアーマーブランドは、量販店などリアル店舗での売り上げが5割ほどを占めていたという。そんな中、コロナ禍によるユーザーのデジタルシフトなどを受け、逆風に直面することになった。また、アンダーアーマーブランドは、順調に拡大を続け、認知度も高まってきている一方で、ユーザーの中でブランドのポジションが曖昧になってきたという課題も顕在化していたという。

 そこでドームは次の成長フェーズに移行するため、アドビが提供するマーケティングプラットフォーム「Adobe Experience Cloud」を活用して、ブランドの立ち位置の再整理や、ユーザーとのコミュニケーション変革にチャレンジすることになった。具体的には、これまでリアル店舗で展開していた会員向けのシークレットセールをECで実施したほか、顧客基盤の構築にも乗り出した。

 本記事では、顧客とのコミュニケーションを深めるべく、シークレットセールの開催にAdobe Experience Cloudを活用した経緯や導入効果について、ドームの阿部敏氏(コンシューマーマーケティング部 Head of コンシューマーマーケティング)、間瀬有紀氏(コンシューマーマーケティング部マーケティングアナリティクスチーム)、そしてアドビの橋本翔氏(カスタマーソリューション統括本部 Experience Business Services部 シニアコンサルタント)に話を聞いた。

出所:ドーム社公式Webサイト

ブランドの壁とコロナ禍で、デジタルシフトが急務に

 ここ数年、ブランドの希薄化を課題として捉えていたドームは「UNDER ARMOUR MAKES YOU BETTER(進化をもたらす)」というミッションの下、原点に立ち返ろうと考えていた。そのためには、ユーザーの状況をリアルタイムに把握し、適切なコミュニケーションを取りながらブランドを確立していくことが求められる。

 こうしたデジタルシフトへの流れをさらに加速させたのが、コロナ禍だ。

 コロナ禍以前、国内におけるアンダーアーマーブランドは、約半分がスポーツ量販店での売り上げだった。残りの半分は自社チャネルでの売り上げだったが、そのうちECの売り上げは10%程度だったという。

 20年にはコロナ禍に見舞われ、リアル店舗の集客が激減。以前もユーザーとのオンライコミュニケーションを取ってはいたものの、さらにその重要性が高まった。ユーザーは買い物に出なくなった分、スマートフォンでショッピングすることが増え、デジタルリテラシーも向上した。こうした中、アンダーアーマーのECサイトも改善していかないと、顧客に置いて行かれてしまう。

 「ブランドのアップデート」と「ビジネスモデルのアップデート」、この2つへ一挙に対応するため、思い切ってリソースを投入し、「待ったなし」でデジタルシフトに取り組むことになった。

 その際の課題は3つあったという。

ユーザーとのコミュニケーションに課題

 1つ目が、サービスレベルの向上だ。グローバルの大手ECサイトと比べると、ドームのECサイトは在庫数が見えにくかったり、配送に時間がかかったりする点に課題を抱えていたという。ロジスティクスを含めてプラットフォームをより良くしなければならないという危機感があった。

ドームの阿部敏氏(コンシューマーマーケティング部 Head of コンシューマーマーケティング)

 「ユーザーのデジタルリテラシーが高まる中、UI/UXの質をより高めなければいけないという危機感がありました。しかし、アンダーアーマーのサイトはグローバルのプラットフォームに準拠しているので、日本独自の商流に合わせたサービスを打ち出そうとすると、グローバルと連携して開発する必要があります。コストも時間がかかってしまう、そんな課題がありました」(阿部氏)

 2つ目の課題が、直営店の会員とECの会員が別々に管理されていたことだ。最近、デジタルマーケティングを巡っては「ユニファイドコマース」というテーマがトレンドとなっている。これは、さまざまなチャネルを統合することで、ユーザーのデータを利活用し、最適なユーザー体験を提供することを指す。このユニファイドコマースという観点から見れば、販売チャネルごとにユーザー基盤が別々になっているのは好ましくない。

 最後が、コミュニケーションのレベルの向上だ。具体的には、ユーザーとのコミュニケーションの量を増やすと同時に、質も高める必要があった。ユーザーがどういうことを考えているのか、そしてアンダーアーマーブランドとは接点を持ったばかりなのか、古くからのヘビーユーザーなのか――こういったポイントを的確に判断し、最適なコミュニケーションを取れるようにする必要があった。

 「マーケティングとECの部隊が異なるので、1人のユーザーに対するメッセージがブレてしまいがちなのも問題でした。例えば、マーケティングチームからの『ワクワクして運動してください』というメッセージに触れた直後に、『この商品がセール中なので買ってください』というメッセージが届いてしまうというような課題がありました」(阿部氏)

 これらの課題を解決するために活用したのが、アドビのソリューションだ。もともと、ドームでは18年からAdobe Experience Cloudを導入しており、変革を進めてきていた。

ドームの間瀬有紀氏(コンシューマーマーケティング部マーケティングアナリティクスチーム)

 「当時は、ブランドのみならず、事業全体のデジタライゼーションをしようとしていました。そこで、スポーツ領域でもデジタライゼーションのノウハウがあるアドビさんとつながりができました。その後、18〜19年にかけてECのコンバージョンが下がってきたため、本格的にECの改善に取り組むことになりました」と間瀬氏は振り返る。

 19年前半にはECサイトを詳細分析し、何が課題なのかを洗い出し、20年には数多くのA/Bテストを実施しつつ優先度が高い課題から順にUI/UXを改善、21年にはメールを活用したマーケティングオートメーション化も実現。これと並行して、もともと年2回、リアル店舗で実施していた会員向けシークレットセールのデジタル化も進めた。

 「20年7月に、オンラインでメルマガ会員を対象にした最初のシークレットセールを行いました。ただ、そのときはオンラインで実施したというだけで、短期的な売り上げしか追えておらず、コミュニケーションとサービスのレベルを向上するために、長期的な視点も持ちたいと考えるようになりました」(間瀬氏)

「これがやりたかった!」 希望を全て実現したのがアドビソリューション

 ただデジタルで売るだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションのボリュームと質を増加させたい。そのためには、会員登録施策も必要だし、登録したユーザーのパーソナリティーを知るアクションも必要になる。マーケティングオートメーションも欠かせないだろう――山積する課題をアドビに相談したところ、1枚のスライドに、さまざまな施策を盛り込んだ資料を提示された。「まさに『これがやりたかったんだ!』ということが1枚にまとまっていて、今すぐ実施したいと思いました」と阿部氏は振り返る。

アドビがドームに提案した資料

 ドームがやりたかったことをまとめて実現したのが、21年7月のシークレットセールだ。では、具体的にはどんな施策を実施したのか。

 まず、シークレットセールの申込数を最大化するために、母数となるメルマガ登録数を増やした。具体的には、Adobe Targetを活用し、メルマガ登録をしていないユーザーがWebサイトにアクセスした際にポップアップが表示されるようにした。広告流入ですぐに離脱してしまうようなケースでも「購入まではしないが、メルマガ登録だったらしてもいい」という人が結構いるそうで、こうしたユーザーを逃すことなく獲得できるようになったという。

 その後、Adobe Campaignを使い、メルマガ会員に向けたシークレットセールの案内を実施。合わせて、Adobe Targetにより会員がWebサイトやアプリにアクセスした際に、マイページにシークレットセールの情報を表示することで、より多くの会員が開催を知り、申し込みフォームに誘導できるようにした。申し込みフォームにアクセスしたユーザーの入力完了率は95%を超えたというから驚きだ。

 「以前は、シークレットセールの告知を見逃すユーザーも多く、セールが終わってから『そろそろシークレットセールの季節だがいつ開催するのか』といった問い合わせをいただくこともありましたが、今回は、『セールをやっていたことを知らなかった』という声を聞くことがかなり減りました」(阿部氏)

 申し込みフォームでは、ユーザーが興味のあるカテゴリーもヒアリングしており、その情報をAdobe Analytics上で計測、そのデータを基にクラスタリングし、顧客ごとに訴求すべき商品のレコメンデーションデータを生成。そのデータから、シークレットセールの期間中は毎日異なる内容のメールをユーザーに送信した。適切な商品をすすめることで、毎日セールに来てもらう導線を確保したのだ。

アドビの橋本翔氏(カスタマーソリューション統括本部 Experience Business Services部 シニアコンサルタント)

 「シークレットセールに登録したユーザーには、サイト内のさまざまなページやメールでパーソナライズされた商品のレコメンドを行っています。また、カートに商品を入れたまま離脱した方に対して配信している『お買い忘れはございませんか』というリマインドメールにより、短期間での売上最大化に大きく貢献できました。

 また、シークレットセールは目標売り上げが決まっており、達成率を日々モニタリングしながらチューニングする必要がありました。そこでAdobe Analyticsでリアルタイム性の高いダッシュボードを用意し、会期中の全施策の情報を見えるようにしました。これにより、会期の前半でAdobe Targetを使ったUIのA/Bテストを行い、後半では良かった方を100%配信とするなど、コンバージョン率も最大化できました」(橋本氏)

参加者が34%増 セール対象外商品の売り上げは200%アップ!

 では、このような施策の結果どんな効果が生まれたのだろうか。間瀬氏によると、メルマガ登録ユーザーが10%増加しただけでなく、シークレットセールの参加者は前回比で34%も向上したという。レコメンド施策にも注力した結果、ユニークユーザーが増えただけでなく、1ユーザーごとの来訪回数も増えた。

 売り上げにも効果が出ている。シークレットセール対象商品の売り上げは、前回開催と比べて「若干の増加」にとどまったものの、セール対象ではない商品の売り上げが200%もアップした。リアル店舗であれば、そもそもセール対象ではない商品を見に行くことはあまりないだろう。デジタルだからこそ、売り場に縛られずユーザーへレコメンドできるというのは、販売側にとっても客側にとってもWin-Winの事例といえるだろう。

 シークレットセール終了後も、ユーザーにフォローメールなどを送っており、継続的なコミュニケーションも実現できている。シークレットセールを成功させたことはもちろん、今後の資産となるユーザー基盤も構築できた点に、ドームでも大きな手応えを感じている。今回のシークレットセールについて、ドームの両氏は次のように話す。

 「シークレットセールを通して顧客基盤を構築できたのは、アドビさんのおかげですし、アドビさんでなければできなかったと思います。何より、ユーザーをしっかりパーソナライズして、ブランドとしてのストーリーを提示できたのが非常に大きいですね。施策を積み重ねていけるので、投資コストは変わらず、売り上げを長期的に積み上げていけるのも、ありがたいです」(阿部氏)

 「ちょっと要望を伝えただけで、その要望以上の施策を実現いただいたので助かりました。特に、専門知識がない中でも、ページの閲覧履歴などを基にリアルタイムで分析できるのが大きかったです。今回実施したものは次回以降、自走できるようにサポートいただいているのもありがたいですね」(間瀬氏)

Adobe Experience Cloudで「こんなこと、やってみたい」を実現しよう

 ドームでは、オンラインとオフラインの融合にも着手しており、実店舗側の購入履歴からオンラインで商品をすすめる、といった施策も始めているという。ただ、あくまで主眼は「ユーザーとのコミュニケーションをいかに深めるか」だ。

 「もちろん、OMO(Online Merges with Offline)やEC拡大といったデジタルマーケティングのキーワードはあるのですが、それよりもアンダーアーマーというブランドの旗をいかに多くのアスリートの心に立てられるか、というところに注力したいと考えています。

 ユーザーとのコミュニケーションで重要なことは、全員に同じ情報を流すのではなく、必要なタイミングで、必要な情報を届けることです。その点から、いろいろなツールを使い分けるよりも、Adobe Experience Cloudに一元化して、PDCAを回すことで効果を最大化できると実感しています」(阿部氏)

 今回は、ブランドの壁とコロナ禍に直面したドームが「やりたい」と思うことを全てAdobe Experience Cloudで実現し、デジタルシフトに成功した事例を紹介した。デジタルマーケティングで重要なのは、いかにユーザーとのコミュニケーションを重ね、そのユーザー基盤を生かして高速なPDCAサイクルを回せるかどうかだ。「デジタルでこんなことがやりたいんだけど、できるだろうか」、そう悩む企業であれば、ぜひAdobe Experience Cloudを活用してみてはいかがだろうか。

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提供:アドビ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月3日

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