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» 2021年10月04日 10時00分 公開

不足するIT人材課題に対する「即戦力人材」以外のソリューションはあるのか人材のプロに聞く

DXが大きなテーマになる中、IT人材が不足している。多くの企業は「即戦力」となる人材を求めがちだが、変化の激しい時代においてIT人材不足に対応するには「即戦力」頼りではない、重要なポイントがあるという。それは一体何か?

[PR/ITmedia]
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 IT領域において、急激に高まりを見せる「DX化」のあおりを受け、人材不足が深刻化している。理想的なのは、自社の人材を教育し、一人前にすることだが、なかなかそこまでの余力がある企業は少ない。そこで「即戦力人材」を欲する企業も多いが、十分に教育する環境が整っている企業はそう多くない。

 そんな中、「われわれは、IT人材の母数を増やす取り組みに着手している」と話すのが、IT人材の市場動向に詳しいマンパワーグループの深水裕二氏(専務執行役員 エクスペリス事業本部本部長)だ。多くの企業が、喉から手が出るほど欲する即戦力人材。敢えて即戦力人材ではなく、「学び」をベースとしたIT人材の育成に力を入れている真意は、どこにあるのか。

 今回の記事では、「人材のプロ」であるマンパワーグループの深水氏に、IT人材を巡る現況と課題について変化の激しい時代を生き抜くためのヒントを聞いてゆく。

マンパワーグループの深水裕二氏

「DDI」を軸に人材領域でイノベーションを起こす

 マンパワーグループは、グローバルに展開する総合人材サービス会社。世界75カ国・地域に2000以上の拠点を有する米国マンパワーグループの日本法人として、1966年に創立された。同社が掲げる理念に「働く世界に力を与える」というものがある。そのために策定し、実践しているのが「DDI戦略」だ。

 「DDIとは、『ダイバーシティ』『デジタル化』『イノベーション』の頭文字を合わせた言葉です。一般的に人材ビジネスは、各国でさまざまな法的制約があるため、イノベーションを起こすのが難しい領域だといわれています。それでも私たちは、既存の発想から切り口を変えて、多角度的にモノを見て、世の中を見渡しながらイノベーションを起こしていこうという、そんな思いを表現しているのがDDI戦略です」(深水氏)

 この言葉に表現されるように、マンパワーグループの人材ビジネスは他とは一線を画している。同社では、事務系の派遣を中心に行う「マンパワー」、BPOサービスや採用支援、採用代行、人事コンサルティングを提供する「タレントソリューション」、そしてITに特化した人材派遣、及びアウトソーシングを展開する「エクスペリス」の3ブランドを展開。深水氏は、この「エクスペリス」事業を取りまとめている。

 いずれの事業領域でも、特徴として挙げられるのがグローバルカンパニーであることの優位性だ。外資系企業との取引が多く、国内人材系企業の中でも、早い段階からITアウトソーシングを手掛けてきた。その中で、深水氏は目まぐるしく変化するIT人材市場を目の当たりにしてきたという。

 「日本でも、DXを推進するという国の施策に反応し、『変化しなければならない』という意識が広がってきているのは間違いありません。もちろん、新型コロナウイルス感染拡大の影響もかなり大きかったといえます。例えば、コロナ禍を機にリモートワークが浸透したことで、そのためのペーパーレス化など業務プロセスの見直しが余儀なくされました。まさに、デジタル化が進む中でレガシーからアドバンステクノロジーにモダナイゼーションする、という移行期に来ています」(深水氏)

IT人材は「コンサルタント」になっていく?

 こうしてデジタル化の領域が広がり、DXが大きなキーワードとなる中、IT業界に属する企業に限らず、事業会社も含むありとあらゆる業種でIT人材が渇望されるようになっており、市場が万年人材不足の状態になっているわけだ。

 さらに、テクノロジーやツールが目まぐるしく変化し、求められるスキルもこれまで以上に速いスピードで変わっていることだと深水氏は指摘する。

 「世の中が目まぐるしく変わっていく中で、求められるスキルが変化していくということは、みなさんご存じだと思います。しかし、“何をすべきか”を確定させるのは難しい。それは社会環境やテクノロジーの進化で都度変化しますし、世の中にはたくさんの職種があり、働き方やスキルの身に付け方もさまざまなパターンあるからです」

 特にIT人材の変化については、次のように話す。

 「IT人材、特にエンジニアなどは、特定の業務範囲だけではなく、これからはデジタルに精通し、広くビジネスに通ずるような知識の重要性が高まってきています。

 また、リモートでのコミュニケーションが増えてきたことから、コミュニケーション力がこれまで以上に求められています。加えて、プロダクトを作るために複数の企業との連携が必要となるケースが多く、調整力も必要となっています。今後、IT人材は『ジョブディスクリプションに記載された仕事をする』というイメージから、よりコンサルタントに近い立ち位置になっていくと思います」

「学び」をベースとしたIT人材の育成 その真意

 こうしてITを巡る環境が日々変化する中では、「即戦力人材」であっても、数年先、あるいは数カ月先にはそのスキルが陳腐化してしまうことが十分あり得る。そうした観点から、IT人材の母数を増やすために重要となるのは、「時代や変化に対応するために学び続けること」だといえるのではないか。

 「ITスキルは年々、短い周期でアップデートされていきます。こうした中で『これが必要だ!』と固定するのは難しいですし、リスクがあります。従って、これから重要なことは、人材が継続的に学習する習慣を作り、育成していくことです。日々このことをお客さまにお伝えしています。

 われわれは『Learnability(ラーナビリティ、働く世界で活躍するために、継続して新しいスキルを習得する意欲と能力のこと)』というキーワードを使っていますが、広く浅くでもいいですし、何か一つのことを深掘りしてもいいのです。まずは何かを学ぶ習慣を身に付けてもらう必要性があります」(深水氏)

 一方で、こうした学習することの重要性を多くの企業、人材が既に理解しているのも事実だろう。最近では、「リスキリング」というキーワードも注目を集め始めている。それなのになぜ、実践できないのだろうか。深水氏は、単純に個人の資質の問題ではなく、構造上の問題があると解説する。

 「大きな要因は、日本にオープンイノベーションのカルチャーが根付いていないことだと考えます。北米や欧州では、お互いの資産を共有してビジネスにつなげていく取り組みが活発です。日本の市場はまさにこれからの状態です」

 また、日々の業務で、まだ普及していない新しい技術が求められる比率が低く、目の前にないことも学習が定着しない要因だと深水氏は指摘する。リスキリングに必要なのは、業務と学習を反復的に繰り返すことだが、日常業務の中では「今」あるいは「過去」に必要だったスキルが求められるケースも多い。

「教育」を通してIT人材問題を解決

 「IT人材の教育」はすなわち「先を見越したアクション」となるが故に、技術トレンドを的確にキャッチアップして、会社の方向性と照らし合わせた上で、この先必要になる技術は何かを予測し、そして先行投資をしていく――そんな難しい施策の実行を余儀なくされている企業に対し、マンパワーグループが提供しているのが、クライアントと一緒にIT人材戦略を描く「ビルドタレントモデル」と呼ばれるプログラムだ。

 具体的には、マンパワーグループが一定のIT教育を施した人材をクライアントに送り出し、現場での経験と同社でのフォローアップを通し、クライアントが求めるIT人材として育て上げていくプログラムだといい、「エンジニア経験者向けのスキルアッププログラム」と「IT未経験人材を育成するプログラム」の2つに分かれる。

 経験者向けのプログラムはクライアントに特化したオーダーメイド型で、それまでの経験に新たなスキルを装着し、早期戦力化を目的としている。未経験者向けのプログラムは、将来に向けたIT人材の確保が目的だ。ITに関する基礎教育を行った上で、さまざまなプロジェクトでのOJTを経てキャリアアップを実現する。未経験であっても、何らかのスキルを身に付ければIT人材として活躍できる人は世の中にたくさんいる。そうした人に対して、就業と学習を同時に提供しながら、企業と社会の抱える課題を解消している。

 「このプログラムは、われわれが人材のフォローアップ研修をしつつ、お客さまにもOJTで実践教育を人材に提供していただきながら、お客さまが必要とされるIT人材のピースを埋めていく、これまでに培ってきた採用と教育の強みを活かした、当社ならではの施策です。

 一昔前までは、IT業界と聞くと『大変な仕事』とイメージする人も多かったのですが、最近ではこうした認識が変わりつつあります。また、コロナ禍で他業種からキャリアチェンジする人も増えてきました。こうした方たちを正社員として採用し、就業機会と教育機会を同時に提供しながら、IT人材不足の解消につなげています。

 もちろん、これまでIT未経験だった方も多く、お客さまのご理解も必要なプログラムですが、非常に多くの領域で活用いただいており、採用コストの最適化と業務の品質維持・向上というメリットをご提供しております」(深水氏)

 特にオファーが多いのが各企業の情報システム部門なのだとか。コロナ禍を受け、多くの企業や団体で慣れないテレワークやリモート授業が導入され始めたことから、Web会議ツールに不具合が起きたときなどに問い合わせるITヘルプデスクの需要が高まっているのだという。

「人」で次世代を切り開く

 少子高齢社会となりつつある中、人手不足に悩まされているのはIT領域ばかりではない。マンパワーグループでは、人材が不足している業界があれば、既存の手法はなくても、海外事例も活用しながら施策を考え、クライアントと一緒にチャレンジするというスタイルを貫いてきた。

 「当社はマーケットインの手法で、事業を立ち上げています。

 例えば、介護業界です。介護人材の派遣サービスを開始したのは2年前ですが、未経験者であっても、どのような条件をクリアすれば企業は人材を受け入れてくれるのか。あるいは介護職で働きたい方が少ない中、どのようなインセンティブがあれば、働いてくれるのか。

 こうしたことを考えながら、あらゆる業界において、需給のニーズに見合った形でマッチさせることを、時代に合わせて繰り返し行ってきたのです」(深水氏)

 今後も、クライアントが抱える課題を「人」と「教育」をベースに解決していきたいという話す深水氏。そのためには、オープンイノベーション、育成プログラムの共有が必要だと力説する。こうした姿勢に共感し、人材教育に手を貸すIT企業も増えてきているという。

 「われわれの事業はITをカバーしておりますが、あくまで人材会社です。皆さまと協力し合いながら、『人』でどのように次世代を切り開いていくのかに注力していきたいですね」(深水氏)

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提供:マンパワーグループ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月3日