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» 2021年11月19日 10時00分 公開

失敗するクラウド移行のパターンは? アクセンチュアのキーマンが語る「クラウド移行の判断基準」最新版

[PR/ITmedia]
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 経営環境の変化が激しく将来の予測が難しい中、クラウドを活用した迅速で柔軟なビジネス展開が求められている。特に近年は「ハイブリッド/マルチクラウド」をキーワードに、ビジネスの価値創出、コスト削減など「成果」を獲得する上で、パブリッククラウドをいかに活用するかの重要性が高まっている。

 そこでポイントとなるのが「クラウド移行の判断基準」だ。クラウドが短いスパンでアップデートされるように、「移行の判断基準」も変わり続けている。今や「最新の判断基準」を知っているか否かが、成果を得る前提条件だといえるだろう。

 では最新の判断基準はどこなのか、どうすれば「真に成果を出すクラウド移行」が実現できるのか。

 日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)が「クラウド移行の本質と選択肢を再検証 最新版『クラウド移行の判断基準』」と題して実施したオンラインセミナーでは、アクセンチュア社インテリジェントクラウド・アンド・インフラストラクチャー組織日本統括の西村雅史氏と、HPE Pointnext事業統括 GreenLakeビジネス開発本部長の酒井睦氏、同シニアコンサルタントの寺倉貴浩氏が登壇し、具体的な事例を交えながら「成果を得るためのクラウド移行の基準」が語られた。セミナーの内容をレポートしよう。

クラウド移行がうまくいく企業、失敗する企業

アクセンチュアの西村雅史氏

 クラウド移行のプロフェッショナルである西村氏は、「今後数年でクラウド移行はさらに加速する」と分析する。その背景にあるのは、経営層がDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを加速させ、CIOが既存システムから新システムへの移行を投資テーマとして捉えている点にある。また、コロナ禍を始め社会環境が激しく変化する時代において、柔軟な対応が可能なシステム設計が求められるようになったことも理由にある。

 しかし、クラウド移行が「うまくいく企業」と「失敗する企業」に分かれている事象は見逃せない。例えば、複数の部署で異なったプラットフォームが導入・検証され価値創出まで至らない。そもそもクラウド移行の目的が周知されず、移行そのものが目的化してしまう――などの状況では、運用効率性が落ちるだけとなってしまう。

社会環境の変化に対応するため、「クラウド移行は待ったなしの状態」(西村氏)

 西村氏は「クラウドは本来、ビジネス価値に貢献する目的のために取り組むところが大多数のはずです。これらが起きてしまう背景に、われわれは2つの根深い問題意識を持っています」と明かす。

 「クラウド移行に踏み切ったところ、想定以上に初期投資がかさみ、投資回収に5年から8年かかるケースもある。完全なクラウド移行を断念した結果、データが分断されプラットフォームが増え、インタフェースが複雑化してしまうというケースがあります。これは継続的に変えていくものであるクラウド移行を『データセンター移設の単発案件』として捉えてしまっているので、発想の転換が必要です」(西村氏)

 西村氏が考えるもう1つの問題意識は、求める成果があいまいな中でクラウド移行そのものが目的化してしまった企業が少なくないことだ。クラウド移行の先にある本当の目的が明確でなければ、クラウド移行は成果や満足度の低さに直結する。アクセンチュアが実施した日本企業を含めた世界的な市場調査によると、「クラウド移行による成果を得られた」と答えたのは平均37%、クラウド活用への満足度は平均45%にとどまっている。

 また、クラウド化によりIT人材には新たなデジタルスキルが質・量ともに求められるほか、IT部門とマネジメント部門のガバナンスの壁もある。こういったさまざまな障壁がある中、テクノロジー起点で成果を創出するには「単発移行案件として判断するのではなく、クラウド移行の先にあるイノベーションやDXの推進を目指す必要があります」と西村氏は語る。

 「IT部門は『クラウド投資は経営資源の再配分である』と考え、将来的なビジネス価値の創出という観点でクラウドへの投資を説明していくことが重要です。また、事業戦略・クラウド・データ活用を起点とし、個社別の文脈でどういった価値創出ストーリーを描いていくかがポイントとなります」(西村氏)

第3の選択肢「ハイブリッドクラウド」

 西村氏自身も、近年ではフルクラウド化よりも、クラウドとオンプレミスを併用するハイブリッド化を推奨するケースが多いという。その理由を西村氏は「競争環境の変化があるから」だと説明する。

 「デジタルビジネスは、いち早くマーケットに参入し大きく動くことでシェアが取れるという“勝者総取り”の構図です。競合がレガシーを持たない新規参入者だと、自社のレガシーが足かせになり機会損失につながってしまうこともありました。しかし、コアなビジネスを支える既存のプラットフォームと、新規ビジネスモデルを実現するためのプラットフォームは区別して考えればよいのです。オンプレミスとクラウドのハイブリッドで運用し、どこにどんなプラットフォームを配置するかがポイントとなります」(西村氏)

 既存のしがらみのないスタートアップ企業はフルクラウドでも問題ないが、その一方で安定性や信頼性が重視される企業も少なくない。データ管理上の問題で、どうしてもクラウドに移行したくないデータは個別判断でオンプレミスに残しておくという判断のほうが合理的な場合もある。「今は柔軟性を備えたソリューションがあるため、クラウドに移行する“備え”をするだけでも競争には堪えうる、そういった環境変化が生まれています」と西村氏は分析する。

HPE Pointnext事業統括 GreenLakeビジネス開発本部シニアコンサルタントの寺倉貴浩氏

 安定性が求められる代表的な業種といえば社会インフラだが、ここで寺倉氏が、中電グループ傘下で70社以上のグループ企業向けにICTサービスを提供する中電シーティーアイ社の事例を紹介した。同社はグループ各社の要件に沿うシステムを設計から運用まで担っている。

 寺倉氏が挙げた事例では「顧客からの要求が年々高度化・短納期化し、従来のような年度計画に基づくインフラ増強ではタイムリーな対応が難しくなってきた」ことが大きな課題になっていたという。そこで2020年、プライベートクラウドを増強する際に、HPEが提供するクラウドサービス「HPE GreenLake」を採用した。

 HPE GreenLakeはオンプレミス環境でありながら、パブリッククラウドと同じようなスピード感と柔軟性を持った運用が可能なITサービスだ。ストレージやソフトウェアなどの各種機器を、バッファーと呼ぶ予備リソースを含めて顧客のオンプレミス環境に設置し、クラウドサービスのように月額・従量制で使った分だけ後払いする。オンプレミスの制御性とクラウドのメリットを併せ持ったITサービスとして、世界中で急速に支持を集めている。

 一般的に、多くの企業はクラウドファーストを基本路線としているが、一方でデータグラビティやコンプライアンス、アプリケーションの依存関係、耐障害性といった観点から、パブリッククラウドに適合しないシステムも多い。移行するとなれば、移行プロジェクトに対する大きな初期コストや人的投資、プロジェクト期間も必要になってくる。

ワークロードの変革には何が必要か。その解はハイブリッドクラウドにあると寺倉氏

 そこでポイントとなるのが、クラウド移行の「本当の目的」だ。企業が「クラウドファースト」の方針において、真に求めるものは「クラウドそのもの」ではなく、リソースの柔軟性や俊敏性、コスト効率といった「クラウドのエクスペリエンス」である。

HPE Pointnext事業統括 GreenLakeビジネス開発本部長 酒井睦氏

 同社がHPE GreenLakeを採用した理由は、そういったクラウドのようなメリットをプライベートクラウドであっても享受できる点だ。

 従来はリース方式でサーバ導入していたが、予備リソースである未使用のサーバにもコストが発生していた。一方、HPE GreenLakeは従量課金制のため、20%の予備リソースについては、使われていない期間のコストがかからない。サーバリソースの需要予測が難しくなる中、「必要なときに必要な分だけ支払うというシンプルなコスト効率によってビジネスへの柔軟性と俊敏性が向上した」と酒井氏は説明する。

クラウドの体験をオンプレミスでサービス化して提供するHPE GreenLakeの特徴。HPE GreenLakeはすでに世界50カ国以上で販売され、900社超の販売パートナーを抱える巨大なエコシステムになっている

クラウド移行の本当の目的を考える

 この事例からも分かるように、クラウドシフトのためにはクラウド移行する真の目的を明確にし、「単発の移行案件」としてではなく中長期的な視点でロードマップを描くことが重要となる。

 実際の移行にはさまざまな壁があり、一朝一夕で変えることは難しい。しかし、その現実を受け止めた上で、できる範囲からスモールスタートし、地道に小さな成果を引き出していくことが大きなビジネス変革につながる。本来の目的を捉え直し、いま一度クラウド移行の選択肢を見つめ直すことが必要だ。

 「クラウド化の主軸は『何を実現すべきか』です。その目的を障壁がある中でどう解決していくか自社のシナリオに落とし込み、移行後は価値を生み出す準備に取り組んでいただきたいと思います」(西村氏)

 HPE GreenLakeの巨大なエコシステムにはアクセンチュアも含まれており、両社の協業を通じて広範なテクノロジーポートフォリオを提供している。小規模構成から始められクラウドライクに使えるHPE GreenLakeは、来るDX時代に向けた第一歩として有力な選択肢の1つといえるだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月7日

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