データドリブン、Excelのままでいいんです! DXを加速する「脱」ならぬ「活Excel」への道

属人化しやすい、共有しづらい、最新データを把握しづらいなどといった課題を持つExcelだが、長くオフィス御用達のツールであるだけに、そう簡単に「脱Excelは図れない」――という企業も少なくないだろう。こういった脱Excelできない企業の悩み、課題を解消する「i-MATRIX」とは、どのようなソリューションなのか? i-MATRIXを使った「活Excel」、その先にあるデータドリブンへの道筋を日立ハイテクソリューションズに聞いた。

» 2021年12月09日 10時00分 公開
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 世は「データドリブン戦略」の時代。働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大に後押しされ、日本企業のDXは一気に加速したが、その影でやや肩身の狭い思いをしているのが「Excel」である。

※Microsoft Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です

 Excelは、シンプルなリスト作成から関数を使った複雑な計算、それらを基にしたピボットテーブルによるデータ分析、さらにはプログラミング言語「VBA」を使ったマクロ操作まで行える“優等生”。多機能であるものの、各自のリテラシーに合わせた使い方ができる柔軟性も併せ持つ。

 しかしその反面、個々がオフライン上かつファイル単位で管理することが多いため「共有しづらい」「データ統合に時間がかかる」、多機能であるがゆえに「属人化しやすい」、加えて手作業によって「ヒューマンエラーが発生しやすい」といった課題も抱えている。データファイルでありながらも「DXの時代にはそぐわない」という見方から、“脱Excel”の考え方が広まりつつあることも事実だ。

 しかし、Excelは本当に「時代遅れ」であり、手放すべきものなのだろうか?

「脱Excelできない」そのワケは?

 Excelの課題点は理解しつつも、「脱Excelできない」という企業は多い。初期バージョンから使っている企業なら、それこそ30年以上は業務の必須ツールとして常に活用してきたわけだから、手放せないという声も理解できる。しかし、課題を解消しないままでは、いつまでもDX推進を阻害する存在のままだ。

 そこで普及し始めているのが、Excelを手放すことなく、Excel業務を自動化・効率化するという“活Excel”ソリューションである。中でも「i-MATRIX」は、Excelのインタフェース、使用感を踏襲しながらより高度なデータ分析を“オンライン上で”行えるスグレモノ。i-MATRIXのパートナー企業であり、またユーザーでもある日立ハイテクソリューションズは、i-MATRIX導入によって実際に大幅な業務改善を果たしたという。

Excel業務で残業続き――想像以上の消費労力

 日立ハイテクソリューションズでは、自社製品のほか商事品も扱っており、管理下にある品種の数は膨大。単価で見ても、システムやソリューションなら数千万円、フィールド機器や分析計なら数百万円、保守用パーツなど細かいものなら数百円と幅が広い。

 「事業企画部門では、営業担当者が保有するこれら大量の引き合い・取引データを基に、経営判断指標をまとめています。細かい製品群別の収支を計算し、どこに注力していくかなどの判断材料にするためですが、その月次報告資料を作成する際に欠かせないのがExcelです」。そう話すのは、OTソリューション統括本部 事業企画部の張田谷雅夫氏だ。

photo 日立ハイテクソリューションズでOTソリューション統括本部 事業企画部 部長を務める張田谷雅夫氏。自身も長く営業畑を歩んできたという

 全国の営業担当者が個々にExcelシートで製品群別に切り分けて、案件管理表を月別展開で作成。続けて、全国の営業課長が課員を招集し、長時間会議室にこもり案件情報の集計会議を行う。既定の月別展開Excel表に落とし込み、さらに営業部長が部単位の月別展開Excel表に再集計し、事業企画部が総出で数日かけ本部の数字を確保する――。書き出すだけでもへきえきする、このような作業を毎月行ってきたのだという。

 「最終的には、大量にある製品群を10ぐらいのメッシュに分け、かつ売り上げ、経費、営業利益別にレポートを作成します。その上でクオーターごとの業績予想、年度の予算概算――など、案件情報を使いさまざまな形で数値資料を出すのですが、これに掛かる労力といったら……」。自身も営業職のマネージメントを務めてきたという張田谷氏は、当時を振り返り苦々しく笑う。

 多くの部署に散らばる多くの人員が、膨大な時間と労力を使って手作業で行うデータ集計。長く続けられてきた非効率な習慣に一石を投じたのは他でもない張田谷氏だ。

 現在、所属する事業企画部で、月初の集計作業により業務が肥大化。毎日のように残業が続くチームの現状を打破するため、そして営業時代の経験から現場の苦労を熟知していたこともあり、改善のための運用変更に乗り出した。そこで、社内のICT事業統括本部に紹介されたのがi-MATRIXだったのだという。

 導入を決めた後は、OTソリューション統括本部 事業企画部内のメンバーを中心にi-MATRIX導入チームを結成。「短期間でのシステム導入、周知、運用開始を実現した」と、張田谷氏は話す。

ExcelファイルをワンDB化! 誰でも高度にサマリー成形

photo ICT事業統括本部 デジタルエンジニアリング部 主任の小森谷良平氏。張田谷氏にi-MATRIXを紹介した

 そもそもi-MATRIXとはどのようなものなのか? これについて、ICT事業統括本部の小森谷良平氏(デジタルエンジニアリング部 主任)は、「既存のExcelファイルを、プログラミングの知識は不要でデータベース(以下、DB)と連携できるようにするもの」と説明し、以下のように続ける。

 「ブラウザ上にExcelが埋め込まれている――インタフェースとしてはそのようにイメージしていただければと思います。まず、ローカルに保存されている既存Excelファイルをi-MATRIXのサーバー上に登録していくと、それらが蓄積されDB化できます(DB化する情報はi-MATRIX上からも入力可能)。続いて、見たい切り口でDBからセルや項目を呼び出して編集することで、複数のExcelファイルを基にしたサマリーを生成できます。

 この際、複雑なプログラミング操作は一切不要であり、編集は全てマウスのドラッグ&ドロップで行えます。使い慣れたExcel画面・機能をそのままに、簡易操作だけで大量にあるExcelファイルを使い高度なデータ分析ができる、それがi-MATRIXです」

photo i-MATRIXなら、自由度の高いExcelの機能性を維持したままDB管理ができる

 データ分析というとBIツールと比較しがちだが、i-MATRIXの特徴は「複数ファイルを収集した上でDB化できる」点にあるという。

 Excelは、個々が複数ファイルをローカルで管理しているため、集計する際にはまずファイルを回収して、一つのシートにコピー&ペーストしながらまとめることになる。しかし、張田谷氏の話にもあった通り、これは非効率的であり、手作業ゆえのトラブルも付きまとう。

 「複数人が作成したExcelファイルで、セルをリンクさせたり関数を使って計算したりしていると、いつの間にかリンクが切れている、関数が壊れている――こういったトラブルは、多くの人が経験済みだと思います。

 実際に弊社でも、壊れたセルを発見すると作業を中断し、ファイルの管理担当者が一生懸命原因を探して直していたのですが、その間、大勢の手が止まるのでかなり時間をロスしていました。『あ、またセルを壊したヤツがいる』なんて会話は、それこそ毎月ありましたね」(張田谷氏)

 i-MATRIXでは、個々が保有していたExcelファイルが、いわばサマリー生成のための素材となる。それらを1カ所に集約し“みんなのデータ”に変えることで、全社員が同じ素材を活用できるようになり、さらに作業は共通のシステム上で行われるため、素材ファイルが壊れたり、サマリー内容がリテラシーに左右されたりすることがない。DB上のExcelファイルに誤りがあれば該当箇所にチェックを付けて、登録者に対しDB上で修正を促すこともできるという。

photo インタフェースはExcelのデザインをそのまま踏襲

 「Excel職人とされるような方が退職してしまい、誰もそのファイルのメンテナンスができないという話もまた、非常によく聞きます。しかし、DBと連携させることにより、簡単な操作で多様なサマリーを成形できるi-MATRIXなら、そういった属人化リスクもありません」(小森谷氏)

 ブラックボックス化しがちなExcelファイル管理をDB化して共有、見える化することで従来の課題を解消できる。この点こそ、i-MATRIXの真価と言えそうだ。

柔軟なフォーマット設計 Excelライクな使用感

 Excelライクな使用感としては、「柔軟性も魅力」だと張田谷氏は話す。

 例えばBIツールなど新しいシステムには、多くの場合イニシャルのフォーマットがある。それに準拠した形で業務を当てはめるのは手間も教育コストもかかる上に、何より自社固有のデータ分析が実現できない。

 「i-MATRIXは、データに入れたい情報や区分などをExcelのように柔軟に設計でき、われわれが実現したいフォーマットを自由に作成できました」。張田谷氏はそのように話し、そのカスタマイズ性の高さと導入時の負荷が軽い点を強調する。

 日立ハイテクソリューションズで扱う大量の製品をExcel上だけで管理するのには限界がある。全て書き出すと果てしなく長く見づらい表組になるためだ。同社では、Excelに落とし込んだ資料を「紙」で印刷して確認に回す文化が根付いていたこともあり、印刷することを考えるとせいぜいExcel上で表現できるのは「上位の大口5件ずつぐらい」(張田谷氏)。結果的に、ざっくりとしたデータを基にした大味な経営判断指標資料になりがちで、「正しい経営判断に役立てられていたのか懐疑的だった」(張田谷氏)という。

photo DBから必要なセルや項目を呼び出し、サマリー上のカラムとしてどう使用するかは「i-META」と呼ばれる画面から設定する。i-METAは、いわばデザイン編集画面だ

 しかしi-MATRIXでは、例えば案件入力をする際に、顧客名、販売店、品名、分類IDに業種ID、地域、確度など、任意で多様なフィルタ設定をしDB化できるので、製品群別や確度別など細かな粒度でソートをかけられ、経営層からの多角的なオーダーにも正確かつ迅速に応えられるようになった。

 今までなら実現できなかったような切り口でデータ分析が可能となり、「われわれが想定している以上に、新たな活用方法が出てきています」(張田谷氏)。

Excel業務改善で年3000時間を超える効率化に寄与

 日立ハイテクソリューションズでは、月次報告資料や予算管理資料など、合計約60枚の帳票作成作業をi-MATRIX上へ移行。Excelによる機能制約、数値リンク管理トラブルを解消したことで作業負荷の大幅な軽減に成功した。

 結果的に、予算管理資料作成の際、年3000時間を超える工数を削減でき、非常に大きな効果を生み出せたという。

 印刷文化がなくなったことでペーパーレス化にも寄与し、リモートワークの阻害要因も解消できた。また、従来であればメールのファイル添付で情報を共有していた工場部門に属する設計や技術者にも、オンライン上でDBを共有。生産計画を立てるのにも役立っている。i-MATRIX上で編集したデータは、全く同じ形式でExcelファイルへエクスポートできるというから、その活用方法は無限に広がる。

 Excelの使用感、利便性は生かしつつ、一方でExcelの“限界突破”を果たすことで従来ミニマムに抑えざるを得なかった情報量を最大化できた同社では、「一つのDBにアクセスするだけで、各部署のさまざまな人間がさまざまな切り口でデータを活用できるようになった」(張田谷氏)という。

誰でもデータサイエンティストになれる、次世代のExcel活用を

 DXがせかされる今、目が向きがちなのは基幹システムだ。しかしその裏で、Excel業務は「後回しにされているのでは」と、小森谷氏は推察する。

 「Excelの入力作業は、各担当者レベルで“頑張って何とかしてきた”分野であり、DX推進に向けた改善戦略から取りこぼされているのではないかと感じています。しかし、関わっている人間が多いだけに、消費されている労力は想像以上に大きいものです。i-MATRIXによるExcel業務の効率化は、DXの一翼を担う、デジタルシフトの大きなステップになるのではないでしょうか」(小森谷氏)

 一方、張田谷氏は営業目線からExcel業務の課題点を次のように指摘する。

 「営業パーソンにとっての資産は『時間』です。それをいかに生み出し、お客さまとの接触機会へつなげるのか――これが営業の本分であるはずです。しかし最近ではデータドリブン経営が主流となり、より細かなメッシュで情報を整理し、経営層へ説明する機会が増えました。その業務のため、多くの営業パーソンが本業に充てる時間を削られているのは弊社だけではないはずです。

 i-MATRIXでコーポレート業務を改善できれば時間配分をコントロールして、本来注力すべき業務に時間を充てられるようになります。これは将来的な業績拡大、伸長につながると確信しています」

 DXを目指す上では、営業のみならず全社員が経営戦略に真に役立つ情報を生み出せるデータサイエンティストになることが重要だ。Excelだけでもデータ分析は頑張れる。しかし、「今やれているから、このままでいい」と考えてしまえば、永遠に変革は起こせない。i-MATRIXでExcelから始めるデータドリブン戦略。ぜひ試してみてはいかがだろうか。

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提供:株式会社日立ハイテクソリューションズ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月15日