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» 2021年11月22日 10時00分 公開

「文系ひとり情シス」でもDXを諦めない 今注目のローコードプラットフォームが見せる可能性モバイル運用環境も「3分」で実現できるHCL Notes/Dominoとは

DXの機運が高まる中、経営層と現場の意識の乖離が、日本企業を悩ませている。その根本は、ノウハウの蓄積不足や、システム導入にかかる費用や工数などのコストだ。こうした点を解決し、「ひとり情シス」のような企業であってもDXを実現できるようになるツールがあるという。キーワードは「ローコードプラットフォーム」だ。

[PR/ITmedia]
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 DXの機運は高まっているものの、いくつものハードルを抱えている企業は多い。例えば、レガシーシステムが使い続けられ、新たに登場するITサービスと連携できず、業務のガラパゴス化が進んでいるケースがあげられる。こうしたケースでは保守費用だけがかさみ、IT投資をしても新たな価値を生み出すことが難しい。社内システムの運用を外部のSIerに頼りすぎて、社内にノウハウを蓄積できない、と悩む企業もあるだろう。

 何より高いハードルが、経営者と現場で生まれている意識の「ズレ」だ。具体的には、経営層がDXに前向きな一方、現場レベルでは先述したような課題が山積しており、このギャップを埋めなければ日本企業のDXは停滞してしまう。

 この課題を解決できるキーワードが、ローコードプラットフォームだ。ローコードプラットフォームを活用すれば、プログラミングなしで業務に必要なアプリケーションを開発できるので、システムの内製化が可能になる。膨大な予算と時間を投入しなくても、業務の変革を現場主導で進められるようになるのだ。

 そこで本記事では、アイティメディアが10月25〜29日に開催した「ITmedia DX summit vol.10 Digital Back Office Week 2021」の中から、ローコードプラットフォームを活用したDX推進事例として、エイチシーエル・ジャパンの松浦光氏(HCL Software デジタルソリューションズ テクニカルリード)によるセッションのレポートをお届けする。

エイチシーエル・ジャパンの松浦光氏(HCL Software デジタルソリューションズ テクニカルリード)によるセッション「バックオフィスからのDX推進事例 柔軟なワークフローで現場を強化」の模様をお届けする

2万社が導入 世界中で愛される「高コスパ」のプラットフォーム

 今回松浦氏が登壇したセッションは、エンタープライズ向けのアプリケーションプラットフォーム「HCL Domino」とその高機能クライアント「HCL Notes」の導入事例だ。同ソリューションの歴史は古く、ルーツは1989年にリリースされた「Lotus Notes」にある。その後、95年にIBMが買収し、長らく「IBM Notes/Domino」として世界中で愛用されていたが、2018年にエイチシーエル・ジャパンの親会社であるHCLテクノロジーズへの売却が発表。19年からは、「HCL Notes/Domino」という名称になり、今年で2周年を迎えている。

 「HCL Dominoはアプリケーションプラットフォームで、IT部門だけではなく、ビジネス現場の方が開発でき、ローコード開発からプロコード開発まで対応できるソリューションです。特長は、ワークフローやビジネスプロセスの課題を解決する、堅牢なアプリケーションを迅速に構築できる点です。豊富な導入実績を持ち、オールインワンでアプリケーションを動かせることから、高い人気を博しています」(松浦氏)。導入実績は、世界で2万社以上。1000万以上のアプリケーションが作られ、活用されているという。また、導入企業におけるTCO(ITコスト)削減は25%、ROI(投資利益率)は300%だというから驚きだ。

「ひとり情シス」でもワークフロー構築をHCL Notes/Dominoで手軽に実現

 今回のセッションで事例として登場したのは、神戸市に本社を構える広瀬化学薬品。1947年に設立され、現在の従業員数は108人と小規模ではあるが、2500社のメーカーから、4000万件以上という膨大な商品を取り扱う商社である。驚くべきは、何とその規模のビジネスを回している情報システム要員が1人しかいない、いわゆる“ひとり情シス”企業である点だ。

 同社の事業領域を巡り大きな変化が起こった。いわゆる薬機法の改正だ。これにより、従来販売できていた薬剤などの商品を、一部顧客へ販売できなくなったのだ。例えば、クリニックや大学の研究室では扱えても、許可のない小売店や法人には販売できないというケースが出てきた。そこで、不適切な販売を防ぐために、申請ワークフローを作ることになったのだが、当初は紙ベースでの作成を進めていたという。

 新たな申請ワークフローの登場人物は5人だ。まず担当営業が起票して、上司である管理者とメーカーから仕入れる際の担当者と上司、そして管理薬剤師という5人全員の承認となつ印をもらわないと見積もりを出したり、受注したりできない仕組みを考えたのだ。

 当初のワークフローについて、松浦氏は「紙の場合、物理的な紙のバトンリレーが発生して、一人ひとりの作業が終わらないと次の行程に進めません。納期が遅くなり、競合との競争激化が予測できました」と振り返る。こうした課題に直面した営業部門からバックオフィスに相談が寄せられたことで、ワークフローの見直しに着手した。

 広瀬化学薬品では、既にグループウェアとしてHCL Notes/Dominoを導入済みだった。HCL Dominoであれば業務や環境、企業文化に合わせたワークフローを構築できるし、その際の追加ライセンスなども不要である。既に使っているソリューションなので、ユーザー教育が必要ない点もメリットだ。試しに、ワークフローアプリのプロトタイプを作成してみると、わずか30分で構築できたという。その後、営業部門の要望や薬剤師のアドバイスなどを基に、機能をブラッシュアップしてリリースにこぎつけた。

電子化したからこその豊富なメリット

 完成したアプリケーションには、紙の帳票の内容以外にいくつもの工夫が凝らされていたという。例えば、4000万以上もある商品の情報を手入力することは現実的ではない。そこで、別途用意している商品マスターと連携し、商品コードなどで取得・入力するようにした。

 ワークフローとしては、承認する5人の欄を用意し、担当者がそれぞれチェックを入れられるようになっている。当初の構想にあったバトンリレー方式ではなく、起票されたら全員がいつでも並行して承認できるようになったことで、誰がまだ承認していないのかを画面で確認できるようになり、業務スピードがアップした。その上、どこでも承認できるので「ハンコ出社」もなくなったそうだ。

 「ワークフローをデジタル化することで、過去の履歴を見ながら『この商品であればこのお客さまに販売できるな』といった予測もできるようになり、営業の効率が向上しました。また、意外と大変な紙のファイリングなどの管理業務から現場が解放されたとお聞きしています」(松浦氏)

 ここまでは見積もり・受注に関するワークフローを見てきたが、受注後の工程もシステム化した。受注後、商品をメーカーから仕入れて、納品する際に紙で届く受領書をスキャンしてPDF化、そしてそのファイルをファイルサーバに保管し、注文をトリガーとした管理台帳を作成するシステムを開発した。メーカーへの発注や入荷、納品、ロット番号、有効期限を保管するPDFファイルの場所を一元管理できるようになったため、監査の手間も軽減できているという。ひとり情シスであってもここまでできるのは、まさにHCL Dominoならではのメリットだといえるだろう。

モバイル運用も専用アプリを活用し「3分」で実現

 コロナ禍においては、在宅勤務やリモート勤務、時短勤務といった働き方の多様化をはじめ、不要不急の外出自粛、移動の制限という理由で、ビジネスにおけるモバイル活用のニーズが広がっている。広瀬化学薬品でも同様だ。

 広瀬化学薬品では以前から営業や管理職にタブレット端末を配布しており、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)環境でPCを扱えるようにしていたが、小さな画面でデスクトップPCのウィンドウを操作するのは難しい。コロナ禍を受けてこうした課題が前景化し、役員などから改善を求める声が上がったことから、状況のヒアリングを実施した。すると、メールや情報の収集や発信、売り上げ数値のチェックなど、HCL Notesで行っている作業が中心だということが分かった。

 そこで、HCL Notesで行っている挙動をほとんどそのまま変わらずスマートフォンやタブレット端末で実現できるアプリ「HCL Nomad Mobile」の導入を決定。役員が利用している端末へ、アプリストアからアプリをダウンロードするところから、サーバへの接続設定やログイン、画面説明までがものの3分程度で済んだというから驚きだ。売り上げ数値の確認だけはブラウザから行う必要があるというが、その他の業務はほとんどアプリ上で完結できるようになり、導入翌日から在宅勤務へスピーディーに移行できたという。

専用アプリ「Nomad Mobile」を使えばPC用クライアントと変わらない使用感でモバイル利用が可能に

 やりたかったことがタブレット端末から簡単かつ便利に行えるようになったことに感銘を受けた役員が中心となり、他の役員や社員へのモバイル利用の促進もなされた。多くの企業では、せっかく新しいITシステムやモバイル端末などを導入しても、なかなか定着しないというケースをよく聞く。そうした課題に対して、まずトップ層に利便性を訴求し、そこからトップダウンで推進していくという広瀬化学薬品の事例はぜひ参考にすべきだろう。

 ここまで、広瀬化学薬品の事例を紹介してきた。ポイントは、現場主導で手軽にアプリ作成ができ、PCだけでなくモバイル端末などデバイスを問わず利用できる点だ。ビジネス環境の変化が激しい昨今、リアルタイムで変化に対応し、業務のアップデートを図る上では、まさに欠かせないツールだといえるだろう。

セキュリティにも強み 直近バージョンアップで追加した豊富な機能

 広瀬化学薬品の事例では、主にアプリ拡張の利便性やモバイル活用のメリットについて紹介したが、HCL Notes/Dominoの強みはそれだけでない。例えばセキュリティに関しては定評がある。「HCL Dominoはハッキングされたことがありません」と松浦氏は胸を張る。

 直近のバージョンアップとなる「V12」では新たに二要素認証のTOTP(Time-based One Time Password)をサポートしたり、SSL通信に欠かせないTLS認証局の証明書をバンドルすることで証明書を自動更新できるようになったりと、セキュリティに惜しみなく投資している。

 V12での機能追加における「目玉」として紹介されたのが「Nomad Web」だ。これは「ブラウザで使えるHCL Dominoの軽量クライアント」と考えると分かりやすく、ブラウザ内でアプリをすぐに起動し、使い始められる。これまではインストールモジュールが大きく、導入や更新に時間がかかるなどの不便さがあったが、Nomad Webの登場によってより使い勝手が高まるだろう。

 広瀬化学薬品の事例で活躍した「Nomad Mobile」もV12で強化した機能だ。iPadやiPhone、Android版のHCL Notesクライアントという位置付けで、各アプリストアからダウンロードできる。モバイルアプリなので、GPSやカメラ機能なども利用でき、アプリ開発の柔軟性がより高まる機能だ。

 その他、別プラットフォームとの連携も強化しており、AD(アクティブディレクトリ)とのパスワード同期やAPIによるアプリケーション拡張を実装した。API連携の一例として、セッションでは「Siri」との連携デモが紹介された。デモでは、ロンドンに出張を計画している人が、Siriの音声認識機能によって日付や宿泊施設、飛行機の便などを決め、さらにその申請をMicrosoft Teams上のワークフローに投げて、承認してもらうという流れが紹介された。

 HCL Dominoは、クラウドネイティブが進む昨今において重要な役割を担っている。「HCL Dominoはお客さまの任意のクラウド環境で動作します。Google Cloud PlatformやAmazon Web Services(AWS)、Microsoft AzureなどのIaaS環境はたまに止まることがありますが、一部のお客さまでは、マルチクラウド化することで、クラウドのベンダーロックインを避けて、ダウンタイムを極小化しようという試みも始まっており、この観点でもお役立ていただけると考えています」(松浦氏)

専門知識がなくても使いこなせる

 DX推進を阻むさまざまな課題に対して、豊富な機能を備えたHCL Notes/Domino。多機能なことから「使いこなせるか不安」と感じる人もいるかもしれない。しかし、そうした人でも使いこなせるのが、ローコードプラットフォームの強みだ。

 実際、事例で紹介された広瀬化学薬品に登場したひとり情シスは、文系大学の出身でIT関連にはそこまで詳しくなかったという。それでも、HCL Notes/Dominoを活用し、ワークフロー改善やモバイル活用などを実現できたのだ。

 人手不足や新規システムのコストなどに悩む企業であれば、ぜひHCL Notes/Dominoをチェックしてみてはいかがだろうか。

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提供:株式会社エイチシーエル・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年11月28日