人が戻り始めたオフィスをどう使う? 今問われる次世代オフィス空間の在り方とハイブリッドなコラボレーション“インフラ”の築き方「働き方」は新たな局面へ

コロナ収束に期待が高まっているが、ビジネスパーソンは引き続き「働き方」を問われる生活を送っている。そんな中で、新たに注目を集めているのが複数の場所で、複数の働き方が併存する「ハイブリッドワーク」だ。人が戻り始めたオフィスを「コラボレーションスペース」へと昇華させ、柔軟な働き方と高い生産性を維持するためには何が必要なのか? SB C&S主催のウェビナーから探る。

» 2021年12月10日 10時00分 公開
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 コロナ禍で静かに幕を開けた2021年は、振り返ると激動の1年であった。休む間もなく発令が続いた緊急事態宣言。世界的なスポーツ大会と並行して進んだワクチン接種が功を奏して、ようやく第5波もピークアウトを迎えた今――日本のアフターコロナは現実味を帯びてきたといえるが、その一方で「働き方」もまた、新たな局面を迎えている。

 コロナ感染拡大以降、いつでも注目の的だったのはテレワークで、オフィスはどことなく日陰の存在。しかし出社する人が増えてくる今後は、オフィスを「働く場」から「コラボレーションスペース」へとアップデートし、次世代の働き方であるハイブリッドワークを推進しようという動きが活発になってきているのだ。

今のオフィス、「ウィズリモート」に対応できますか?

 SB C&S主催のウェビナー(2021年11月8日[月]〜 12月20日[月]開催)である「Return to officeにむけて-働き方は新しいPhaseへ-」は、まさにそんなハイブリッドワークに向けたオフィスの在り方を問うものであった。

 セッションには、ビデオ会議システム「Zoom Rooms」を提供するZVC Japan(以下、Zoom)、そしてオンライン会議専用ソリューション「ThinkSmart」を提供するレノボ・ジャパン(以下、レノボ)が登壇。両社のディストリビューターを務めるSB C&Sと3社で描く“新たな働き方”が提案された。

 まずオープニング後、始まったZoomのセッションで解説されたのは「ハイブリッドなオフィス空間」だ。

photo ZVC Japan(Zoom)で、Zoom Rooms セールススペシャリストを務める谷健次氏

 登壇した同社のZoom Rooms セールススペシャリストである谷健次氏は、20〜21年にかけて定着したテレワークを「ステップ1」と表現し、今後はコロナで学習したリモートでの働き方の経験を使う「ステップ2」への移行が必要であると解説。「急激にケイパビリティが上がった在宅ワークは、コロナ禍以降かなりのレベルまで達した。次は、その間、放置されてきたオフィスをバージョンアップする時期ではないか」と指摘した。

 同社セッションのポイントは、ウェビナー内で語られた「今後、オフィスで行われているほとんどの仕事はウィズリモートになる」という言葉にある。谷氏に詳細を問うと、「特に会議や打ち合わせで、この先リモート参加者がゼロになることは考えにくい。これは、多くの企業で既に認識されている不可逆ポイントである。サテライトオフィスの拡充を検討している企業も多く、ハイブリッドワークに向けた環境づくりは各所でスタートしている」と話す。

 しかしオフィスに目を向けると、そのような時流に対応できていない現状がある。谷氏がいうように、この約2年は在宅での仕事が増え、その間オフィスのアップデートが止まっていたからだ。

 谷氏は「オンライン会議に必要なデバイスはコロナ禍をきっかけに買いそろえたが、それが果たして部屋に適しているのか。今後、ハイブリッドワーク下で効率的に会議を進めるためには、場所に最適なデバイスの選定が必要である」と説いた。

 ではどうすればいいのか。Zoomがウェビナーで提案したのは、コミュニケーション・プラットフォームの常設だ。

まずはオンライン会議“あるある”を解消するところから 

 10人以上など、大勢が参加するオンライン会議では、いかにリアルな空間を構築できるかが何より重要だ。オフライン参加者とリモート参加者が混在する会議では、特にそうである。

 「会議室から複数人がオンライン会議に参加すると、誰が何を話しているのかよく分からない。時には会議室の中だけで話が展開してしまい、リモート参加者とのコミュニケーションが分断されるという現象は、既に各所で発生している」(谷氏)

 そこで登場するのが、同社のコミュニケーション・プラットフォーム、Zoom Roomsである。Zoomといえば「Zoomミーティング」を想像する人が多いだろう。PCやスマホから場所を問わず参加できるZoomミーティングに対して、Zoom Roomsは会議室など“部屋に常設して使う”ビデオ会議システムに当たる。

photo Zoom Roomsの概要(同社ウェビナー資料より)

 ビデオ会議システムは多数存在するが、Zoom Roomsの優位性として注目すべき点は、さまざまな部分で起きる“分断”を解消できる各種機能だ。

 例えば、「Smartギャラリー」。通常、リモート参加であれば自動的に参加者の顔のみアップで表示されるが、複数人が同じ会議室から参加すると、3人も5人も1枠に表示されるため、誰が話しているのか分かりづらい。

 しかしSmartギャラリーでは、会議室にいる全員の顔を判別して“個別枠に”抜き出し表示できるという。これにより、画面から読み取れる表情といった情報量はみな均一に。コミュニケーションが分断されにくくなり、共有レベルもフラットになる。

photo Smartギャラリーでは、通常1枠内で表示される同じ会議室にいる人の顔を、抜き出して表示できる(同社ウェビナー資料より)

 また、各アプリの相互接続問題も一つの“分断”に当たるが、Zoom Roomsならそこの境界線も取り払う。オンライン会議アプリには、Microsoft Teams(以下、Teams)、Cisco Webex Meetingsなど多数種類があるが、基本的に相互接続はできない。

 その点、会議室にZoom Roomsが導入されていれば、例えば「Zoom RoomsからTeams会議へ」入ることができる。谷氏は、「先方から送られてくるTeams会議など外部アプリのインビテーションを開封し、自社のZoom Roomsを“参加者”として追加することで相互接続可能となる。このとき、必要となるのはZoom Roomsのライセンスのみであり、相互接続先アプリのライセンスは不要である」と説明する。

既存デバイスも無駄にしない 柔軟に“今”を生かすZoom Rooms

 セッションではほかにも、既存テレビ会議システムを使ってZoomミーティングへ接続できる「Room Connecter」や、3画面表示、同時通訳機能などが紹介された。

 Room Connecterは、そのままでは本社と支社など、社内会議しかできない既存テレビ会議システムから、Zoomミーティングへ参加できるようになるという“救済策”。Zoom Roomsとはまた別のソリューションになるが、今あるデバイスを有効活用できる、非常にありがたいサービスだ。

 3画面表示はZoom Rooms独自の機能で、物理的に3つのディスプレイ表示が可能となるもの。「資料2+参加者1」といった使い方や、「資料1+発表者1+その他参加者1」といった使い方ができるため、オンライン会議上での情報量を拡大できる。

 そして同時通訳だが、これは実はZoomミーティングでも利用できる機能(プランに制限あり)。Zoomミーティングから新たに会議スケジュールを組む際、言語別に通訳者を指定してインビテーションを送信。これだけで、世界中に散らばる通訳者が一つのオンライン会議に参加でき、会議中は、画面から言語を切り替えながら同時通訳を聞ける――そんな環境を構築できるという。同時通訳は利用したことがないとピンとこないかもしれないが、「グローバルに事業を展開している企業さまにとっては、非常に有用な機能である」と、谷氏は利便性を強調する。

photo 同社が推奨する、次世代オフィス空間のイメージ図。あらゆるスペースを活用し、オンライン会議に“最適な形で”接続できることが理想だ(同社ウェビナー資料より)

「緊急対応」であるがゆえに置き去りになったものは――

photo レノボ・ジャパンからは、同社でワークスタイル・エバンジェリストを務める元嶋亮太氏が登壇した

 一方、「場所に最適なハードの選定」をガイドするのは、レノボだ。谷氏に続いて登壇した、同社のワークスタイル・エバンジェリストである元嶋亮太氏が展開した講演テーマは「ハイブリッドワーク時代のリモートコラボレーション基盤」。

 元嶋氏は前提として、「今までオフィスに行くのは当たり前。その常識を疑うこともなかったが、新しい働き方としてハイブリッドワークを見据えたとき、今後オフィスは目的を持って行く場所――コラボレーションハブとしての機能を担う場所へ変化していくだろう」と解説。その上で、「オンライン会議は一過性のものではなく、“点と点”をつなぎコラボレーションを促すものとして今後、ますますニーズが高まるはずだ」と説明する。

 18年と比較して、オンライン会議の普及率は3倍弱まで上がった。これはテクノロジー分野で見ても異例の広がり方だと元嶋氏はいうが、多くの企業が“一時的な緊急対応”であったことは否めない。そのため、「オンライン会議の『従業員体験(EX)』が置き去りになっている」と、同氏は指摘する。

※ウェビナー内、レノボ調査より

photo レノボが指摘する、置き去りになった従業員体験(EX)。鍵を握るのは3つのポイント(同社ウェビナー資料より)

 ここにおけるEXとは、誰でもオンライン会議に参加できるデバイスの「直感的な操作感」や、ハイクオリティな「音」そして「映像」だ。

 例えば、不慣れな社員がデバイスの接続管理や画面操作に手間取ってスムーズに会議へ参加できない。または、音質や画質の問題でリモート参加者に情報が届かずコラボレーションを阻害する――こういったEXを損なうオンライン会議“あるある”は、「誰もがオンライン会議に参加しなければいけない時代に直面した今こそ、立ち戻って考え直す必要があるのではないか」。元嶋氏はそう語気を強める。

ハドルルームから大規模会議室まで「場所」で選べるThinkSmart

 EXを考える上でレノボが重視するのは、Zoomと同様に利用するデバイスが「場所に適していること」だ。セッションでは、そんなニーズに応えるものとして、同社のThinkSmartシリーズが紹介された。

ITレベルに左右されることなく扱える「直感的な操作感」

 まずThinkSmartに共通しているのが、EXを向上させる「直感的な操作感」だ。ここにはZoom Roomsが大いに関係している。

photo セッションでは、実際にThinkSmartからワンタップでオンライン会議に参加する動画も紹介された(同社ウェビナー資料より)

 ThinkSmartはZoom Roomsをプリインストールしており、コントローラーとなるデバイスからワンタップで会議に参加できる。事前にZoom Roomsで会議を予約しておけば、そのあと必要となる操作は「会議室に入り、ThinkSmartのコントローラー画面から予約した会議を探してスタートボタンをタップするだけ」(元嶋氏)。その後の画面共有なども全てタッチパネルから行えるため、誰でも簡単に扱えるという。

 また、Zoom Roomsを介した画面共有も、ThinkSmartから接続されたHDMIケーブルをPCにつなぐだけで完了。プロジェクターに投映する感覚で、同じ会議室にいる人間にはもちろん、リモート参加者にも手軽に手元のPC画面を共有できる。

コラボレーションを阻害しないハイクオリティな「音」と「映像」

 続いてハイクオリティな「音」と「映像」については、「ThinkSmart Hub」「ThinkSmart Core」、機種別に詳細が語られた。

 ThinkSmart Hubは、スピーカー、マイク、そしてタッチ式のコントローラーが1個の端末に収まっているオールインワン仕様。コントローラー上部に4つのマイクを搭載することで、「小・中規模な会議室のどこに座っていても声をキャッチでき、リモート参加者へ臨場感ある音を届けられる」(元嶋氏)という。

 一方、「コの字型」レイアウトや大規模な会議室では、ThinkSmart Coreが活躍する。ThinkSmart Coreは、スピーカーとマイク(Bar)、カメラ(Cam)、タッチ式のコントローラーが全て分離された状態で用意されている、ThinkSmart Hubとは真逆のコンセプトの製品だ。

 ThinkSmart Coreには、オールインワン・キット「Core Full Room Kit」と、既存のオーディオやカメラ資産を活用できる小規模構成「Core + Controller」が用意されている。前者に含まれる「ThinkSmart Bar」は、ディスプレイ下部などにマウントでき、同梱された2個のサテライトマイクを使用することで単体で約8m先まで、最大約10mの範囲で集音可能。広い会議室のすみずみまで声をキャッチし、相手へ届けられるという。

ThinkSmart Hub(左)はオールインワンの卓上タイプ、ThinkSmart Core(右)は各デバイスが分離されて提供される(同社ウェビナー資料より)

 そしてカメラとして提供されるのは「ThinkSmart Cam」だ。ThinkSmart Hubを導入する場合であっても、カメラは既存の導入済みデバイスもしくはThinkSmart Camを使うことになる。

 ThinkSmart Camのポイントは、AIプロセッサを内蔵している点だ。会議室にいる人数をAIで把握して適した画角に自動調整。また、話している人に追従してフォーカスを当てるといった機能を持っている。元嶋氏は、「従来、こういった映像調整はリモコンで行っていたが、日々のオンライン会議では手間になり、映像体験が操作する人に依存する。何もしなくても常に最適な画角をキープできることは、今日のテクノロジーで十分可能になってきた」と話し、ThinkSmartが提供するEXの価値向上について解説を締めくくった。

「愚直に」追求し続ける従業員体験の価値向上

 ウェビナー後、元嶋氏にあらためてThinkSmartの特長を聞くと、「愚直に」ユーザーの声を拾い開発に生かすというレノボならではの工夫が多く詰まっていると話した。

 例えば、ThinkSmart Hubに繋がっているケーブルは1本だけ。正確には、各種ケーブルが1つに束ねられた状態で本体からのびており、セキュリティワイヤーロックをかけることで誤って外してしまうリスクも回避できる。セキュリティワイヤーロックはThinkSmart Coreでも採用されており、また同モデルでは開閉できる筐体のフタ内側に端子を納めることで意図しない接続トラブルを回避しているという。

photo ThinkSmart Hubのケーブル設計。複数のケーブルを1つに束ねている(同社ウェビナー資料より)

 セッションの中では、その理由について「ケーブルマネジメントを第一に考えた専用設計」だと説明されたが、詳しく聞いてみると「お客さまが持つケーブルマネジメントへの課題を基に検討を重ねる」ことで、反映されたのだと元嶋氏は話す。

 また、誤操作で電源を落とさないように“あえて”押しにくい電源ボタンデザインを採用したり、ThinkSmart Hubでは前モデルと比較して待機中・参加中・ミュート中といったステータスがひと目で把握できるよう分かりやすいLEDランプが搭載されたりなど、目立たない場所に隠された改良ポイントは挙げればキリがない。

 このようなマニュアルには書かれていない部分は、決して独りよがりな「こだわり」ではなく、世界を代表するPCメーカーとして日々法人ユーザーと向き合うレノボだから成せる、見えない「気配り」ともいえるだろう。

オンライン会議は新しい働き方のインフラへ 

 オープニングで、ウェビナー主催を務めたSB C&Sの菅沼一雄氏(エンドポイントデバイスマーケティング部PC課)は、「働き方は今まで通りではなく、テレワークを交えた多様なスタイルが生まれてきている」と語った。今後、その多様な働き方――持続可能なハイブリッドワークを実現するためのカギとなるのは、フェイストゥフェイスに極力近いコミュニケーションの質であり、それを支えるのはほかでもないオンライン会議だ。

 SB C&Sは、Zoom、レノボと協業することで多くの企業の新しい働き方を支援するとし、「Zoom相談センター」を設置。技術サポートから運用方法まで、幅広く相談に乗るという。ソフトもハードも今までにない視点を持って選定し、オンライン会議という新たなインフラを構築する。そのためにもまずはSB C&Sに相談する、その第一歩から始めてみてはいかがだろうか。

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提供:SB C&S株式会社、ZVC Japan株式会社、レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2021年12月22日