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» 2021年12月17日 10時00分 公開

実業の知見とAI技術で不動産業界を変革 SREホールディングスが展開する金融、物流を含めたDXの推進デジタル時代を先導

[PR/ITmedia]
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 不動産をはじめとする従来の商習慣や非効率な手続きが残る業界を、AI技術を活用したデジタル化で変革しているのが、ソニーグループ発ベンチャーのSREホールディングスだ。2014年にソニー不動産として創業し、AIクラウド&コンサルティング事業として、不動産だけではなく他の業界のDXも進めている。

 同社の革新的なビジネスモデルは評価も高い。経済産業省と東京証券取引所が選んだデジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄2021)で「デジタル時代を先導する企業」として最高賞であるグランプリを受賞した。SREホールディングスが進めるDXによるさまざまな業界の変革とその展望について、執行役員DX推進部門長の清水孝治氏に聞いた。

清水孝治(しみず こうじ)SREホールディングス執行役員DX推進部門長。2001年に大手ネット企業に入社後、約50のネットサービスの企画、事業開発に従事。16年よりAIベンチャー企業で取締役に就任し、新規事業の開発を担当。21年よりSREホールディングス株式会社に参画。社内DXと不動産をはじめとした各業界のDXを推進するためのクラウドビジネスとAIコンサルティングビジネスの統括を行っている

不動産テックとAIクラウドで急成長

 SREホールディングスは、不動産テックとAIクラウド&コンサルティングの2つの事業を柱に急成長している。14年にソニーでコーポレート企画を担当していた西山和良氏がソニー不動産として創業し、AI技術によるDXを不動産だけでなく他業界にも進め、19年6月に現在の社名に変更した。

 DX推進部門長の清水氏は、社内向けと社外向けのDXを統括している。もともとの事業は自社の不動産仲介ビジネスをDXすることからスタートした。それが、なぜ社外のDXをビジネスにするようになったのか。創業から現在までの変化を、清水氏は次のように説明する。

 「自社のビジネスにDXツールを活用することから始めて、18年からは新たなビジネスとして、競合でもある他の不動産仲介会社向けに、不動産業務をDXするクラウドサービスの販売を始めました。これまでに1500社弱と契約し、かなりの勢いで伸びています。

 さらに、金融機関からもAIを使ったDXツールを使ってみたいとの声が寄せられるようになりました。本格的に販売を始めたことで、AIクラウド&コンサルティングのビジネスが急拡大しています。クラウドビジネスは販売数が増えても固定費は変わりませんので、利益では不動産ビジネスを逆転しました。

 おそらく自社のDXだけを目的にしていたら、そこで成長は止まっていたと思います。開発したツールを外部販売することは創業当初には考えていませんでしたが、社内DXの追求を通じて実業の知見とAI技術をうまく融合させられたことで、外部販売も急成長させられたのではないでしょうか」

 SREホールディングスが社内外に広げるDXは、単にデータ化して業務を効率化するだけではない。その目的は、ビジネスモデル自体を変えることだ。

 「データ化を進めるデジタライゼーションに取り組む企業は多いです。しかし、DXの本質はデジタル化を進めた結果、企業のビジネスモデル自体を変革し、競合優位性を築くことにあります。そこまでできている企業はそれほど多くないですよね。当社が不動産業界からスタートしたのは、マーケットが大きいのにデジタル化による改善の余地が残されていた業界だったので、AI技術を持つアドバンテージを生かせると考えたからです」

2014年にソニーでコーポレート企画を担当していた西山和良氏がソニー不動産として創業(写真提供:ゲッティイメージズ )

AIによる不動産査定で満足度が向上

 SREホールディングスは不動産業界をどのように変えてきたのか。その核となるのは、同じソニーグループの研究所が開発したAI技術だ。不動産の査定には、多くのデータが介在する。ところが、業界の慣習では営業担当者が属人的に参考事例を選択し査定をしていた。この査定にAIを投入したのが画期的な点だったのだ。

 「営業担当者が属人的に不動産価格を査定していると、Aさんが査定した結果と、Bさんが査定した結果で、どうしてもずれが生じます。査定の時間も、査定書の作成も含めて3時間ほどかかっていました。それが、AIを導入したことで査定時間は10分ほどで済み、不動産の知識がなくても査定価格と成約価格の誤差が4~6%と、精度の高い査定ができます。

 精度が高まる理由は、AIに数百を超えるパラメータを学習させているからです。築年数や駅からの距離だけではなく、その地域の水害のリスクが分かるハザードマップや、警察が公開している犯罪率など、不動産の価格に影響するあらゆるデータを活用して、人が査定するよりも高い精度を実現しています」

 AI査定を用いた不動産仲介サービスの顧客満足度は、外部機関の調査で95%近い数字が出ている。ただ14年頃は、まだAIに対して半信半疑な雰囲気が一般の人にはあった。それがスマートフォンの顔認証などが普及したこともあり、AIは徐々に市民権を得る。18年に不動産業界向けにAI査定のツールを販売してからは、顧客の不動産仲介会社から手応えを感じる声が寄せられているという。

 「AI査定を導入していることをWebサイトに記載すると、引き合いが3倍に増えるなど、営業機会が拡大したと話す不動産会社の声もあります。当初は大手から導入していただきましたが、現在は中小企業への営業に力を入れています。現在1500社弱まで契約を伸ばしていますが、不動産の仲介業をしている会社は全国に数万社あるので、私たちが獲得できるマーケットはまだまだ大きいと感じています」

 AI査定と合わせて従来の商習慣を変えたのは、売りと買いのそれぞれに別の担当者がつく「片手取引」を基本にして、公平性を保っていることだ。不動産業界では売りと買いの両方を手掛けて、両方から手数料を受け取る「両手取引」が今でも主流だ。SREホールディングスでは、万が一両方の依頼を受けたときには、売主と買主との間で覚書を交わして、お互いが利益相反になる可能性があることをあらかじめ確認する。「片手取引」とAI査定を組み合わせて透明性を高めたことが、業績拡大の要因となっているという。

 AI査定などのクラウドツールを開発しているのは、自社の数十名規模のエンジニアチーム。不動産事業の会社でこれだけのエンジニアが社内にいる会社は珍しい。今後はさらに増員する方針で、清水氏は求める人材を次のように説明した。

 「当社のエンジニアの特徴は、ものだけを作って満足するのではなく、開発したツールで業界を変えようと考えるビジネスマインドを持っていることです。10年後の当たり前を創るという当社のビジョンに共感して、大手の会社の内定を断って入社してくれる方もいます。やはりビジョンは重要です。会社の知名度も上がってきましたので、優秀なエンジニアの方を積極的に採用していきたいと考えています」

AI不動産査定書サービスのイメージ

金融や物流など他の業界もDXで変革

 エンジニアを多く抱えることで、不動産業界のために作ったAI技術を、他の業界に応用できることもSREホールディングスの強みだ。その一つが金融業界。金融機関には不動産に関わる業務が一定の割合で存在することから、AI査定で培った技術を生かしたソリューションを提供している。

 「不動産を担保にした融資や、住宅ローンの審査などに、不動産価格を査定するAIをカスタマイズして提供しています。金融業界もこれまで人の力だけで査定をしていましたので、当社のツールで効率化を実現できます。さらに金融機関の他の業務にもAIを導入するニーズが高まっています」

 もう一つは物流業界。提供しているのは画像を分析するAIエンジンだ。物流の倉庫に同AIを導入することで、充填状況を分析できるようになった。清水氏は、画像分析は不動産業界のDXとは違うアプローチから生まれたと明かす。

 「画像分析のAIも、ソニーグループの研究所が開発したものです。この技術をどの業界に応用できるのかを市場調査したところ、物流業界で倉庫内の荷物の充填率を正確に把握したいというニーズがあることが分かりました。画像分析によって業務効率は格段に上がる見込みであり、既に大手の企業にもご利用いただいています。

 当社はソニーグループ発の会社ですので、研究所が開発したAIを包括ライセンスによって使用できます。ゼロからAIを開発すると、どうしても時間がかかります。その時間をかけずにグループのアセットを使えることは、当社の競争優位性です」

倉庫充填率可視化ソリューションのイメージ

 金融業界と物流業界以外にも、需要に応じて料金を変動させるダイナミック・プライシングのAIを旅行業界向けに提供する。部屋食や家族風呂の貸し切りなど、多様で複雑なオプションが存在する旅館に特化して、AIで最適な料金を瞬時に提示できるシステムを作っている。

 さらに現在検討を進めているのは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを企業が進めるためのツールだ。20年10月に政府が「50年までにカーボンニュートラルを目指す」と宣言したことで、大企業が中心となって取り組みを進めている。この取り組みをAI技術でサポートしようと考えているのだ。

 「カーボンニュートラルを進めるためには、企業内の活動でどれだけ二酸化炭素などが排出されているのかを可視化するデジタライゼーションが最初のステップです。ただ、そのためのツールは日本ではまだ少なく、大企業の皆さんからは、大手のSlerに発注するとかなりのお金と時間がかかるという悩みを聞いています。

 このツールをより簡便な形で提供できれば、企業が早く導入ができることに加えて、システムへの投資がしづらい中小企業でも安価に導入が可能です。日本のカーボンニュートラルの取り組みをDXで進めることができると考えて開発を進めています」

業界でDXのトップシェアをとっていく

 AIの技術を使ったクラウドサービスは、不動産業界向けから提供が始まって、さまざまな業界に展開されている。国内ではDXが進んでいない業界がまだまだ多くあり、大きな可能性がある。清水氏は今後の展望について「各業界でDXのシェアをとっていく」と語った。

 「不動産業界のDXに力を入れてきましたが、不動産の仲介会社が全国に数万社あることを考えると、ポテンシャルはまだまだ大きいです。不動産業界でのシェアトップを取ることは早期に実現したいと考えています。

 大きな市場があり、DXで改善する余地がある業界は不動産以外にもまだまだあります。そういう業界にAIをカスタマイズして提供し、業界の共通課題に対してソリューションができると確信が持てた段階で、業界向けのクラウドサービスをビジネス化していくことがミッションです。不動産に代わる第2の主力分野を早く確立していきたいですね」

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