電帳法にも対応! コンテンツクラウド「Box」と業務システムをつないで情報資産管理を変革するべきこれだけの理由今こそ見直すべき文書管理の在り方

令和3年度の改正により大幅に要件が見直された改正電子帳簿保存法。ついに1月1日に施行されたが、急な対応を迫られ勝手が分からない、うまく対応できない――といった声も根強い。混乱が続く電帳法対応のベストプラクティスはどこにあるのか? Box Japanとアステリアに話を聞くことで、情報ガバナンス強化にもつながる新たな電帳法対応へのアプローチが見えてきた。

» 2022年01月14日 10時00分 公開
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 2022年1月1日、改正電子帳簿保存法(以下、電帳法)が施行された。いくつかある要件変更の中で、特に注目度が高かったのは「電子取引の義務化」だろう。

 電子取引とは“電子データで受け取った”国税関係書類は、電子のまま保存しなければならないというものだ。国税関係書類には、請求書、見積書、納品書、領収書……などが該当する。

 日々やり取りをする請求書や領収書を今までのように保存できないとあって、あらゆる企業に大きなインパクトを与えた電子取引の義務化。昨年12月、突如「2年の宥恕(ゆうじょ)措置を設ける」旨が政府与党により発表されるなど多少の混乱も見られたが、この宥恕措置が適用されるのは23年12月31日まで。未対応の企業は引き続き対策を検討する必要があるが、ではどのように準備を進めるのがベストなのだろうか。

「ファイル管理」から実現するスムーズな電帳法対応とは?

 電帳法に対応するためには、定められた保存要件を満たさなければならない。既存の業務システムが要件を満たしていなければリプレイスまたは改修が必要になるが、稼働している各システムに手を加えるのは多大なコストと労力がかかる上、定着している業務プロセスにも影響が出る。

 そこでBoxとアステリアが提案するのが、既存環境を生かした「ファイル管理起点の電帳法対応」だ。

一つのユースケースとして見る電帳法

 電帳法には、「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」、そして義務化になる「電子取引」と主に3種の区分がある。このうち電子帳簿等保存はクラウド会計ソフトが普及していることもあり、既にデジタル化が進んでいる企業は多いだろう。電帳法への対応も「紙に出力せず電子データのまま保存すればいい」だけなので簡単だ。

※「電子計算機処理システムの概要書等の備付け」=システムのオンラインマニュアルなどを用意すること、「PCやディスプレイ、プリンタなどを用意して、求められれば速やかに出力、表示できること」「求められればダウンロードできる状態にすること」などの要件は満たす必要がある

photo Box Japanの阿部貴氏(アライアンス・事業開発部 シニアビジネスデベロップメントマネジャー)

 しかしスキャナ保存と電子取引は、メール添付ファイル、スキャンした紙やEDIなど入口が異なるファイルが対象となる上、その入口ごとに要件が変わるなど複雑だ。対応が進まない企業が多い原因もそこにあると見る声が多いが、「根底にあるのは、電帳法対応の複雑さそのものではなく、『国税関係帳簿書類をはじめとするファイルをどう管理しているのか』にある」。そう指摘するのは、Box Japanのアライアンス・事業開発部でシニアビジネスデベロップメントマネジャーを務める阿部貴氏である。

 「電帳法対応は、ファイル管理が包括する一つのユースケースである。われわれはそう考えています。ペーパーレス化や各種クラウドサービスの普及により、今後、企業の情報資産の電子化は加速する一方です。そんな中で、情報資産をいかにセキュアな環境で管理していくべきか――電帳法のような法制度を含め、先を見据えて柔軟に対応していくためにも、そこには一貫性が必要です。使い慣れたシステムをリプレイスするのではなく、生かすことで新たなファイル管理方法を確立できれば、予測不能な時代にスムーズに順応していく企業力を養えるはずです」(阿部氏)

Boxで電帳法対応、ASTERIA Warpでデータ連携、その意味は?

 「ファイル管理起点の電帳法対応」とは、今ある業務システムからファイル(コンテンツ)を一カ所に集約し、その中で電帳法対応を済ませるというシンプルな手法だ。それを可能とするのが、コンテンツクラウド「Box」と、アステリアが提供するノーコード開発によるシステム間のデータ連携ツール「ASTERIA Warp」の併用である。

ログ取得とメタデータ機能で保存要件をカバー

 最初に、Boxにおける電帳法対応について整理をしよう。結論を言うと、電帳法対応はBoxだけでもできる。

 電子取引、スキャナ保存の保存要件でポイントになるのは「改ざん防止措置をとること(真実性の確保)」と「検索機能を有すること(可視性の確保)」だが、Boxでは以下、表のように要件を満たせるという。

ALTALT Boxが対応する、電帳法の要件(出所:同社提供資料より。なお、上記はBox社の見解としての記載であり、電帳法を満たしていることを保証するものではない)

 「真実性の確保」について、タイムスタンプを押せないと対応できないと考えている人もいるかもしれないが、この点は今回の改正法で緩和された。自社でタイムスタンプを押せない、または受領した請求書にタイムスタンプが押されていなくても、「訂正削除の記録が残る、または訂正削除ができないシステム」であれば問題ない。Boxでは「操作ログの取得」や「ファイルの編集権限設定」により該当要件をカバーする。

 一方「可視性の確保」で重要となる「検索機能」は、以下3つに対応している必要がある。

・(1)「取引年月日」「取引金額」「取引先」を検索条件に設定すること

・(2)「日付」または「金額」は範囲指定の上、検索できること

・(3)2つ以上の項目を組み合わせて検索できること

 (1)についてBoxでは「メタデータ」機能で対応できる。メタデータとは、ファイルごとに任意のキーワードを設定できる“検索キー”のこと。これにより、「取引年月日」「取引金額」「取引先」を電帳法対象となるファイルに設定すれば要件を満たせる。(2)(3)は、税務職員から求められた際ファイルダウンロード要請に対応できればそれをもって代替可である。そのため、ファイル名に「取引年月日」「取引金額」「取引先」を入れておけばBoxでも対応が可能だ。

ASTERIA WarpでBoxの電帳法対応をよりラクに、スムーズに

 Boxだけで電帳法対応できるなら、なぜASTERIA Warpが必要になるのか。これについてBoxとアステリアは3つの回答を用意する。1つ目は、「要件を満たすための作業を自動化できる」ことだ。

 Boxで検索要件を満たすためのメタデータ付与は、基本的に手動設定。そのため人的ミスが発生する可能性がある。また、すでに業務システムが稼働している場合は、例えば請求書なら管理システム上に請求書ファイルを保存し、さらに電帳法に対応させるためにBoxに保存するといった無駄が発生してしまう。

photo アステリアの遠藤秀幸氏(営業本部 パートナー営業部)

 アステリアの遠藤秀幸氏(営業本部 パートナー営業部)は、「ASTERIA WarpはEAIやETLに分類されるソリューションの一つでありながら、業務の自動化・効率化にも貢献できる」と説明し、以下のように話す。

 「ASTERIA Warpは、企業内にあるシステムアプリの統合、データ連携を可能とするツールです。最大の特徴は、ノーコードでスピーディーに開発ができること。必要な処理をアイコン化した『フローデザイナー』により、マウス操作でアイコンを並べるだけで、フローチャートを作るようにデータ連携処理を設計できます」

 ASTERIA Warpは、Boxはもちろん、クラウドストレージ、データベース、グループウェア、会計、人事、労務など100以上の豊富なデータ連携先に対応しており、それらの連携処理を一つ一つの“アイコン”としてGUI上で操作できる。例えば、「業務システムからファイルを抽出する」アイコンと、「Boxに保存する」アイコンを用意してGUI上でつなげば、それだけでシステム→Boxへのファイル保存や、システム→ファイルとメタデータの元になる情報を抽出→メタデータを付与した上でBoxへファイル保存……といった自動処理の連携フローを構築できるという。

ALTALT ASTERIA Warpの「フローデザイナー」概要(左)と、対応する連携先ソリューション(右)。なお、業務自動化のくくりで考えるとRPAとの違いは何なのか気になる人もいるだろうが、その点について遠藤氏は「人の画面操作を代行して作業を自動化するのがRPA、システム内のデータに直にアクセスしてデータ処理を直接自動化するのがASTERIA Warpであり、これらは共存して活用できるものである」と説明する(出所:同社提供資料より)

 業務システム内のどこからデータを抽出するか、Box内のどのディレクトリに保存するかといった条件指定はフロー上に設置したアイコンごとに設定できる。固有の複雑なフローでなければ、テンプレートを選ぶだけで必要なアイコンが並べられた状態からスタートすることも可能だといい、「情シスだけではなく、『業務を知っている現場の人間』であれば誰でも簡単に扱える」と遠藤氏は強調する。

今ある業務システムは据え置きで! 現状を生かす対応策

photo ASTERIA Warpで利用できるBoxアダプター(出所:同社提供資料より)

 2つ目の理由は、「従来の業務プロセスを変えずに済む」こと。ASTERIA Warpには連携先別に「アダプター」が用意されており、これはいわゆるAPIに当たる。つまり、Box⇔ASTERIA Warp(+Boxアダプター)⇔各種業務システムといった構図で、システムとBoxを自動連携させた電帳法対応が可能となる。Boxと業務システム間でのファイル取得、移動やコピーはもちろん、Box上にあるファイルにメタデータを追加、変更、検索……など、専用のBoxアダプターの主な機能は25種以上と豊富だが、ここでポイントになるのは全てが“ファイル起点”の機能であることだ。

photo BoxとASTERIA Warpの連携イメージ(出所:同社提供資料より)

 阿部氏は「一般的な業務システムが対象とするのはデータ管理であって“ファイル管理”ではありません。電帳法の保存要件はファイル管理に対するものなので、ここにギャップが生まれてしまいます。しかしASTERIA Warpがあれば、データ管理に特化した業務システムの機能をそのまま生かして、ファイル管理に特化したBoxをつなげられます。普段使っている業務システムは変えずに済むため、プロセスにも変更が生じません」と話す。

 部署ごとで業務システムもプロセスもバラバラとはよくある話だ。電帳法対応のために、全部署でプロセス統一を図るのは現実的に難しいケースもある。しかし、BoxとASTERIA Warpを組み合わせれば、今の業務を変えることなく自動でファイルをBox上に保存し一元管理、さらにメタデータ管理で検索性を向上させることにより電帳法対応まで済ませられる。電帳法のために専用ソリューションを新規に導入したり、業務システムの改修やリプレイスをしたりすることを負担に感じている企業にとっては、非常にありがたい話である。

政府機関お墨付きのセキュアな環境で全ファイルを守って活用

 そして3つ目の理由は、「情報ガバナンス強化ができる」ことだ。ASTERIA Warpで各業務システムからBoxへファイルを集約すれば、ファイルの二重管理を防げるほかセキュリティリスクをも軽減し、おのずと情報ガバナンス強化を果たせる。これは電帳法に関係なく大きな利点だ。

photo 阿部氏(左)と遠藤氏(右)

 そもそもBoxはクラウドストレージではなく「コンテンツクラウド」。ファイルを「守り、一元管理し、活用する環境そのもの」(阿部氏)である。

 「『ストレージ』はいわば保管庫です。大事な情報資産をしまって、カギをかけておける。それだけでも利用価値は高いのですが、われわれがいう『コンテンツクラウド』はその先の活用に注力するものです。

 セキュアな環境に置いたファイルを必要に応じて取り出し、ファイルにレビュー(コメント)をつけて社内外へ共有することもできます。その間の編集履歴を追うこともできますし、活用期が過ぎれば破棄まで担います。このように、編集、共有、コラボレーション、保存に破棄まで一貫して一つのプラットフォーム上で行う。これがコンテンツクラウドです」と、阿部氏はBoxの特長を説く。

 保存、破棄は電帳法対応にも関係してくる。国税関係帳簿書類の保存期間は、原則7年、欠損金の繰越控除を受けるなど事情がある場合は10年だ。Boxはその保存期間を満たすだけではなく「保存期間を過ぎたら自動的に削除」といった設定も可能(Box Governanceオプションが必要)。年度ごとにアーカイブし直したり、編集や削除権限管理を見直したりといった緻密(ちみつ)さも兼ね備える。

 活用(使用)期間が過ぎれば長期保管用に別のストレージに移す……のではなく、Boxという一つの場所で最初から最後までライフサイクルをカバーできる。これは、まさにコンテンツクラウドを名乗るBoxならではの価値だ。

 セキュリティ面については、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度「ISMAP」の認定も取得。政府機関お墨付きともいえるセキュアな環境下で、情報資産を強固に守れるという。

電帳法からはじめる「ベスト・オブ・ブリード」

 デジタル化が加速する中で、今後どういった要件で、どのくらいの量のファイルをシステム管理しなければならないのか判断するのは難しい。しかし、遠藤氏は「Boxを既に活用している場合でも、電帳法が関係してくるような電子文書は業務システム側で管理している、という企業さまは多いのではないか」と予測する。

 「SaaS、IaaSやPaaSなどは普及が進んでいますが、日本企業ではまだ基幹系を含めクラウド一辺倒になっていません。カスタムメイドした業務システムがひっ迫すれば、そのたびにシステム設計を見直さなければならない、これは大きな負担です。オンプレの業務システムも、国産会計ソフトも、外資系のクラウドも関係なくつなげられるASTERIA Warpを通して、Boxであらゆるファイルを管理、活用することは、電帳法対応、情報ガバナンス強化、そしてコスト削減にも大きく寄与するはずです」(遠藤氏)

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 「ベスト・オブ・ブリード」という言葉がある。これは、それぞれ固有に強みを持つ各ベンダーの良い部分を組み合わせマルチに活用するというIT用語だ。これだけ多様なソリューションがあふれている中で、ワンベンダーにこだわる業務環境は相応しくない時代になりつつあるのかもしれない。

 コンテンツクラウドで業界をリードするBox、そして境界を超えてデータ連携を果たせるASTERIA Warpを組み合わせることで、柔軟かつセキュアにファイルを管理する。まずは電帳法対応をきっかけに、そんなフレキシブルな情報資産管理をはじめてみてはいかがだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2022年3月13日