“惹きつけて売る”その先へ オラクル×デロイトがデザインするロイヤルティマーケティングの成功戦略先進事例に学ぶ

今、ロイヤルティマーケティングの機運が高まっている。新規顧客獲得だけに注力するのではなく、いかに既存顧客のエンゲージメント、ロイヤルティを高めるか――熱量の高いファンを獲得し、再購入率や継続利用率につなげることが主な狙いだ。グローバルでロイヤルティマーケティング支援に取り組むオラクルとデロイト トーマツに、今、日本企業が持つべき“価値提供”の視点について話を聞く。

» 2022年07月19日 10時00分 公開
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 昨今、ビジネスにおいて注目されているキーワードに「顧客体験(CX)向上」がある。企業には「売って終わり」ではなく、顧客ロイヤルティを高め、ビジネスを成長させながらLTV(顧客生涯価値)向上を目指すことが求められている。

 しかし、データを利活用し、次世代のロイヤルカスタマーを獲得・維持・育成していく取り組みは国内ではまだ限定的だ。企業は今後、どのようなカスタマーに対し、どのように特別な価値を提供して顧客ロイヤルティを高めていくべきなのだろうか。

 この課題を解決するのが、オラクルの顧客ロイヤルティプラットフォーム「Oracle CrowdTwist」だ。同社はインプリメントパートナーであるデロイト トーマツと協業し、Oracle CrowdTwistを活用したロイヤルティマーケティングの支援を行っている。

photo デロイト トーマツ コンサルティング 小売・流通・卸&鉄道・ホスピタリティ・サービスユニットにてディレクターを務める鳥越海平氏(左)。日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 CXクラウド事業本部 第三営業部 部長の東裕紀央氏(右)

 日本企業が抱えるCXの課題や、ロイヤルティマーケティングの可能性について、デロイト トーマツ コンサルティング 小売・流通・卸&鉄道・ホスピタリティ・サービスユニットでディレクターを務める鳥越海平氏と、日本オラクルでCXクラウド事業本部 第三営業部部長を務める東裕紀央氏に話を聞いた。

ロイヤルティマーケティングは旧来の「おもてなし」の延長線上にある

photo 鳥越海平氏

 現在のマーケティングを語る上で大きなポイントとなるのが、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスの普及だ。リテール業界は店舗中心の販売構造が長らく続いているが、「デジタルデバイスの普及に伴う顧客体験の変化は、今後ますます加速していくという仮説を私たちは持っている」と鳥越氏は語る。

 店舗でのリアルな顧客体験のみから、デジタル活用も組み合わせた顧客体験へ。国内では代表的な施策にポイントサービスが挙げられるが、ちまたにはポイントサービスがあふれていて、もはや差別化要因ではなくなってきている。

 そこで、デロイト トーマツが提唱するのがロイヤルティプログラムだ。企業のアセット(資産)を活用し、商品やサービスの特定のファン=ロイヤルカスタマーに特別体験を提供する手法である。今までは従業員の力量に依存していた特別体験を、ロイヤルティプログラムで仕組み化すれば、顧客との関係性を深化させることができる。

 ロイヤルカスタマーと一般カスタマーを区別したCXの提供は、デジタルシフトによってより実現しやすくなった。例えば、これまではロイヤルカスタマーと一般カスタマーに分けてチケットを販売しようとすれば、システムの大きな改修が必要だった。しかし、デジタルの普及によってモバイルを通じた限定販売などは昔よりハードルが低くなり、販売方法も多様化している。

 企業の価値をあらためて見直せば、実は顧客が喜ぶ小さいサービスはたくさんあるはずで、大規模な取り組みである必要はない。例えば、接客の際、顧客データに基づいてロイヤルカスタマーに対しては名前を呼んで対応したり、レストランでトッピングをサービスしたりするだけで特別感を演出できる。それを長年勤務するベテラン従業員でも、新人従業員でも同じレベルで提供できるようになるのが、デジタル時代のCXだ。

 「デジタルというと身構えてしまいますが、提供する顧客体験は“おもてなし”の延長線上にあるものです。デジタルデバイスの普及やテクノロジーの発展によって、今は顧客体験をより高度に発展させられるフェーズに来ているのです」(鳥越氏)

VUCA時代は高速でPDCAを回せるプラットフォームが重要

 特別な顧客体験を提供していくには、Oracle CrowdTwistが有用だ。機能としては、顧客データの収集とプロファイルの作成、ゲーミフィケーション要素の追加、ロイヤルティプログラムの設計、カスタマーのセグメンテーション、顧客報酬プログラムの管理、プログラムの分析レポートなどを利用できる。シンプルなUIのSaaSだが、ロイヤルティマーケティングに必要な機能が一通り搭載されている。

photo Oracle CrowdTwistのUI。エンゲージメントの向上からプログラムのレポートと分析まで、多様な機能を備える(上図はレポート画面)

 導入企業は世界中で多岐にわたり、化粧品、ゴルフ、酒類などさまざまな業種で、Oracle CrowdTwistを基盤にコアなファンを増やしていく取り組みが行われている。その結果、Oracle CrowdTwist利用企業の会員プログラム利用メンバーは、平均して40%もLTVが向上しているというから驚きだ。

レッドブルにレゴ――Oracle CrowdTwistでロイヤルティマーケティングを実現した企業は?

 レッドブル・レーシング・ホンダは、Oracle CrowdTwistを活用し無料のロイヤルティプログラム「Red Bull Racing Paddock」を立ち上げた。このプログラムでは、レースのハイライトを見たり、クイズに答えたり、友達に紹介したりすると、ポイントが付与される。貯めたポイントに応じて会員ランクが上がるほか、リワードとの交換も可能だ。プログラム開始から1週間で、Webサイトのアカウント数は390%増加。1カ月後には620%増、メール受信に同意するファンも382%増となった。

photo レッドブル・レーシングは、オラクルソリューションによって熱烈なロイヤルカスタマーを多く抱える

 レゴは2010年から「VIPリワードプログラム」を展開していたが、ファンを惹きつけるコンテンツは少なく、ブランドエンゲージメントに欠けていた。そこで、Oracle CrowdTwistの予測分析とAI技術を活用し、パーソナライズされたコンテンツを提供するようアップデートした。

 例えば、ターゲットを絞ったキャンペーンや、セグメントによるメッセージのパーソナライズ化を実施。モバイル領域にも着目し、モバイルウォレット機能を11カ国語でリリースした。レゴのモバイルサイトからVIPカードを起動すると、ポイントの更新がリアルタイムで分かるようになったほか、特典へのアクセスが容易になった。パーソナライズされたキャンペーンによる体験型リワードを通じて顧客ロイヤルティを向上させ、顧客エンゲージメントを高めることができたという。

photo 東裕紀央氏

 しかも、これまでのVIPリワードプログラムはオンプレミスで10年間かけて開発、実行してきたが、「Oracle CrowdTwistの導入によって、1年間で過去10年分以上のリワードプログラムを実行できるようになった」(東氏)という。SaaSで常に最新の機能を活用していくことによる効果がいかにビジネスに影響を与えるか、あらためて実感できるエピソードだ。

 今後は不確実なVUCA時代において、市場に合わせて変化しながら、顧客のロイヤルティを高めていくことが求められる。その際に要点となるのが、Oracle CrowdTwistのようなSaaSを活用し、「PDCAを高速で回していくことだ」と東氏は説き、こう続ける。

 「変化が激しい時代に、オンプレミスで各社ごとにいちからシステムを構築していては、市場の変化に追いつけません。その点、Oracle CrowdTwistはグローバルで成果を出せている顧客ロイヤルティプラットフォームのひとつです。『車輪の再発明』に時間をかけないことが、エンゲージメントに注力する上で重要なポイントになることは間違いないでしょう」

データドリブンでマーケティングを構築していく

 日本では「購入の機会は平等に与えられるべき」と考えるカルチャーが強かったが、「今後は欧米同様、ロイヤルティの高い顧客には特別な体験を提供しようと考える企業は増えていくでしょう」と鳥越氏は予測する。

 しかし、その一方で、カスタマーのロイヤルティを高めるためには、プロダクトやサービスそのものが“素晴らしいもの”であることが前提となる。カスタマーは低品質な商品に信頼や愛着を抱けないからだ。経営者はロイヤルティと商品の質、双方に対して、どのようなバランスで投資していくべきだろうか。

 「たしかに商品の質は競争力の源泉となるので、企業のアイデンティティに対する投資は続けていく必要があります。とはいえ、上位10%のカスタマーが売上の50%を占める一方、広告宣伝費の80%は新規カスタマー向けに使われているというデータもあります。例えば、新規カスタマー向けに使っている広告宣伝費の一部をロイヤルティマーケティングに使う、カスタマーをセグメンテーションしてより効果的なプロモーションを届けるなどの方法が考えられます」(鳥越氏)

 世界には商品やサービスがあふれ、コモディティ化しているが、日本企業の多くは「いいものづくり」にフォーカスしすぎている部分があるかもしれない。そこで視点を少し変え、ロイヤルティマーケティングによって顧客関係を深め、再購入率や継続利用率を向上させることで、収益性を高めていく姿勢も求められているのではないだろうか。

 それをゼロから自分たちだけで取り組むのでは、市場の変化に対応しきれない。だからこそ、Oracle CrowdTwistのようなツールを活用し、デロイト トーマツのようなプロフェッショナルに頼ることでPDCAを高速で回していくことが求められる。

 「なんとなく会員プログラムやリワードプログラムを作るのではなく、より体系立ててカスタマーの動きをデータ収集し、データドリブンのカルチャーを作っていく必要があります。その設計はデロイト トーマツのようなコンサルティング企業と経営レベルで合意していくことが重要です」(東氏)

 「私たちは顧客のビジネスの成功を支えていくことが使命であると考えています。既にファンを獲得している企業でも、よりエンゲージメントを進化させたり、データを分析したりすることで、潜在的な支持者を含めて発見し、売上・利益向上に貢献していける余地はあると考えています。ビジネス成功の支援を定義し、それに向けてロイヤルティプログラムを整理して仕組みを作る。そして、PDCAを回して永続的に根付かせ繁栄につなげていく――今後も多くの企業さまのロイヤルティマーケティングを支援してまいります」(鳥越氏)

 国内市場が縮小していく中で、いかに熱量のあるファンと継続してつながることができるかは、企業にとって今後の重要な課題となる。ロイヤルティマーケティングで深いエンゲージメントを構築していくためにデータドリブンで改善していくことが、DXの重要なポイントだ。ロイヤルカスタマーとの関係深化を目指す企業には、オラクルのOracle CrowdTwistとデロイト トーマツのタッグは強力な味方となるだろう。

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