ハイブリッドな働き方が進む日本企業 Google Cloud の技術力・信頼性を武器にソリューションを飛躍させる SaaS 企業たち

» 2022年10月06日 10時00分 公開
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 今や業種や事業規模を問わず、日本企業の重要課題となっているのが DX(デジタル トランスフォーメーション)だ。市場でのニーズの高まりに商機を見いだし、業務効率化ツールや DX 関連サービスを提供する企業が国内でも続々と誕生している。

 しかし、ゼロからサービスを開発するには多くの開発費と時間がかかる。サービス開発の助けになるのが、Google が提供するクラウド サービス「Google Cloud」だ。Google Cloud には、Google Cloud と協力してサービスを提供できるパートナー プログラムがあり、パートナーになれば Google Cloud のツールや知恵を借りながらサービスをブラッシュアップできる。

 具体的に何が実現できるのか。グーグル・クラウド・ジャパンの ISV Partner Development Manager である坂本真紀氏に聞いた。また、パートナー プログラムを活用する rakumo(ラクモ)社長の御手洗大祐氏と取締役 CTO 兼 プロダクト部長の石田和也氏、バベル社長の杉山大幹氏に活用事例やメリットを語ってもらった。

ハイブリッドな働き方を支援する Google Cloud

 コロナ禍以降、世界中でデジタル変革を推進する動きが加速しており、Google Cloud のニーズはさらに拡大した。そういった背景から、2022 年以降、パートナー エコシステムを強化し、投資額を 2 倍以上に拡大させることを年初に発表。パートナー プログラムがさらに力を入れていく分野であることを明らかにしている。

 パートナー プログラムには Sell、Service、Build の 3 つのカテゴリがある。Sell は販売チャネル パートナー向け、Service はコンサルティングや SIer 向け、Build は ISV 向けで、rakumo やバベルは Build パートナーとなる。

グーグル・クラウド・ジャパンの ISV Partner Development Manager、坂本真紀氏

 パートナーになれば Google Cloud と二人三脚でマーケティングを進めることが可能だ。無償で提供されるパートナー向けのテクノロジー勉強会や技術支援プログラムも活用できる。

 パートナーにもレベルがあり、新規申し込み企業が対象となる「メンバー」レベルでは、アドバイザーによるオンライン サポートが受けられる。

 rakumo とバベルは、Google Cloud のパートナーとして Google Workspace と連携した SaaS ソリューションを提供しており、Google Cloud 上で運用もしている。こういった Google Workspace 連携のパートナーの多くは、日本特有の商慣習に合わせた業務ビジネス アプリケーションを提供している。

 近年はリアルとオンラインのハイブリッドな働き方が浸透したことで、オンラインのデータを利活用するソリューションが増えている。しかし、Google Workspace の機能では日本の商慣習と合わない部分も出てくる。そこで、日本特有の需要に合わせて、ある種ローカライズするような形でソリューションを提供しているのがパートナーだ。

 「最近ではリアルとオンラインの融合によって働き方が変わってきたこともあり、オンラインの情報をリアルの社員教育に生かすといった、オンライン上のデータを利活用するソリューションも増えてきました。働く環境が加速度的に変わる中で、われわれが展開していないコンテンツをパートナーにはご提供いただいています。今まで DX が進んでいなかったような老舗企業にも Google Workspace をご活用いただくなど、ユーザーの裾野が広がってきています」(坂本氏)

日本の商慣習を踏まえた設計でソリューションを提供

 では、日本のパートナーは具体的にどのようなソリューションを提供しているのか。今回は rakumo とバベルの事例を紹介する。

rakumo 社長の御手洗大祐氏

 rakumo は 10 年にサービスの提供を開始。08 年のリーマンショック後、プラットフォームを自分たちで作るよりも、すでにあるサービスを利用する風潮が広がりつつある時期だった。当時、御手洗氏は「Google のアプリはネット上の OS になっていくだろう」と予測。先進的なクラウド技術を持つ Google についていきたいという思いもあり、Google Cloud とセットで安価に使えるサービスの開発を始めたという。

 同社が提供する「rakumo」シリーズは、Google Workspace や Salesforce とシームレスに連携するアプリケーションで、仕入や生産から営業活動まで一気通貫で管理できる。スケジュール管理や勤怠管理、経費精算、稟議申請などを効率化する。Google Cloud との連携によって、Google Workspace を国産グループウェアのように使えるようになる点も大きな強みだ。

 現在は 45 万ユーザー、100 万以上のライセンス数まで広がり、導入は 2200 社に及ぶ。近年は教育機関でも Google Cloud が採用されつつあることから、民間企業以外でも引き合いが多い。市場でこれだけの支持を得ている背景には、日本企業のユーザーの声を取り入れたサービス開発がある。

 日本の商慣習は米国とは大きく異なる。例えば、rakumo シリーズで最も契約数が多い「rakumo カレンダー」は、「部門全体でメンバーの行動を把握したい」という日本企業特有のニーズに合わせてリデザインしている。

 「グローバルでは働き方は個が中心となり、自分と関係性のある人のスケジュールだけ把握する発想が強いですが、日本では経営層も含めて俯瞰的にスケジュールを確認したいというニーズが根強くあります。そのため、rakumo カレンダーでは個人ごとのスケジュール表示だけではなく、部署ごとの一覧性のある UI で部門全体のスケジュールを把握できるような機能を搭載しています」(御手洗氏)

rakumo 取締役 CTO 兼 プロダクト部長の石田和也氏

 Google Workspace と連携するメリットは、シームレスな同期だけでなく、Google Cloud の持つ強みを活用できる点もある。Google Cloud の技術力やプラットフォームの堅牢性、安定性がすでに認知されているため、サービスへの信頼を構築しやすい。また、パートナー プログラムの再販パートナーが付加的な商材として rakumo を提案するなど、Google Cloud のコミュニティの中でビジネスを広げていける点も大きなメリットだ。

 「開発面においても、先進的な機能や便利な機能が備わっているので、一から構築せずとも日本企業に適したサービスを提供できます。Google Cloud のセキュアな設計なら安心して使っていただけますし、開発側もリスクを抑えることができます。API の提供が多いので開発しやすい環境ですし、UI や UX に集中してリソースを投下できます。Google Cloud と協力することでより合理的に仕事ができ、安価でサービスを提供できるようになります」(石田氏)

顧客と向き合う時間を創出する仕組みづくり

 一方、バベルは日本語オンライン商談に特化した商談解析クラウド ソリューション「ailead(エーアイリード)」を 21 年 7 月から提供している。ailead は、ITreview の「カテゴリーレポート」でも顧客満足度の項目で最も高いスコアとなっている(22 年 6 月末時点)ソリューションだ。「コロナ禍以降、自分たちもオフィスに出社できない状況で、どうやってチームをまとめ、メンバーに力を発揮してもらうか悩む中で、サービスのアイデアが生まれました」と杉山氏は開発の経緯を振り返る。

ITreview カテゴリーレポート 2022 Summer「セールスイネーブルメント」

 日本の営業生産性は質・量ともに低い。顧客対応に 1 日 1〜2 時間しか使えておらず、社内共有や議事録作成の方に時間がかかっている。コロナ禍によって営業の教育体制も変わり、OJT やオフィスで先輩のやり方を見て学ぶ、といったリアルな学びの場が減少。営業の育成期間や受注までのリードタイムが延びるという問題が起きている。

 そこで、ailead では、AI と人間の役割分担を進め、人間のアウトプット向上を目指す。例えば、Google Meet での商談が終わると、動画が ailead のクラウドに自動的にアップ・解析され文字起こしされる。抽出した情報は Salesforce などの CRM に自動記入されるため、商談内容をスムーズに社内共有できるようになる。有益な動画をプレイリストに蓄積していくことも可能だ。

 動画データは顧客の声としてニーズの収集に活用できるだけでなく、トップセールスの知見を収集し、育成に役立てられるようになる。実際に、育成期間が 4 か月から 2 か月に半減し、マネジャーが部下の育成に充てる工数を半分に削減、マネジメント コストも月 3 分の 1 にできた事例もあるという。

バベル社長の杉山大幹氏

 「商談の成功事例と失敗事例を動画を使って分析することで、営業のベスト プラクティスが集約されていきます。それをもとに育成していくことで、営業人材の立ち上がり速度が向上します。マネジャーは忙しいこともあり部下のロールプレイングに毎回付き合うのは大変ですが、動画なら好きなタイミングで視聴し、自分で練習することができます。商談結果からプロセスに戻って学ぶ環境を作ることができます」(杉山氏)

 ハイブリッドな働き方によって、商談の場もデジタルに移行しつつある。多くの企業が Google Workspace を採用しているため、Google Workspace と連携した ailead の活用は顧客にとっても大きなメリットだ。

 「Google カレンダーを使う企業であれば、予定を作成すると Meet の URL が発行され、そこからアクセスすると自動で ailead の録画が始まり、自動で文字起こしデータが残ります。Google Workspace と連携したサービスを使えば、新しいツールが増えても新しい仕事が増えることにはなりません。ワークフローを変えずに使えるこのシームレスな体験は、Google Workspace と連携したサービスならではのメリットではないでしょうか」(杉山氏)

パートナー プログラムの活用がソリューションを飛躍させる

 Google Workspace と連携するソリューションを提供する両社の事例からわかるように、Google Cloud のパートナー プログラムでは、さまざまなパートナー企業のソリューションを下支えし、成長と発展を促進している。今後もその活用の幅は広がっていくだろう。

 rakumo やバベルのように SaaS や ISV 企業として成功したいのなら、「車輪の再発明」をしていては市場の変化に追い付けない。Google Cloud とパートナーを組めば、ゼロからサービスを生み出す必要がなく、パートナー エコシステムの中でさまざまなメリットを享受しながら、自社サービスの開発に専念できる。

 また、コロナ禍以降はハイブリッドワークにおける業務の生産性向上や、DX 実現に向けたバックオフィス業務の効率化へのニーズが高まっている。その第一歩として Google Workspace は最適なツールとなる。しかし、使っていくうちに細かなニーズが生まれてくるだろう。そこで、日本の商慣習にフィットするツールで機能を拡張すれば、よりスムーズな DX が可能となる。日本企業の DX 促進とともに、Google Cloud や Google Workspace をフル活用し、ビジネスの成長を実現する企業も増えていくはずだ。

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