インボイス制度でますます重要に! 煩雑な経理業務を効率化する「全銀EDIシステム」で生産性向上へ

» 2022年11月01日 10時00分 公開
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 ペーパーレスが進まない、書類確認に時間がかかる、業務が属人化している――。経理部門でそのような課題を抱えている企業は少なくない。DX・デジタル化による経理業務の効率化が、多くの企業にとって喫緊の課題になっている。

 しかし、特に中小企業では、なかなかデジタル対応が進んでいないケースも多いだろう。特に、取引先との書類や情報のやりとりは、自社だけでは変えることが難しい。請求書などを紙で確認したり、取引先に電話で問い合わせたりする対応がなくならず、生産性向上の妨げになっている。

 そのような課題がある経理業務の効率化に役立つ仕組みが、2018年12月に始まっている。一般社団法人 全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する「全銀EDIシステム(ZEDI、ゼディ)」だ。企業間の振込電文に支払通知番号などの電子データ交換(EDI)情報を添付できるシステムで、経理業務の大幅な効率化につながる。

 ZEDIを利用すると、煩雑で時間がかかりがちな経理業務は大きく変わる。デジタル化によって業務を効率化し、生産性向上を図るDXの一端を担う仕組みだ。ZEDIに対応したERP・会計ソリューション(EDIサービス)を提供する2社のサービスを例に解説する。

生産性向上を妨げる、問い合わせ業務

 経理担当者にとって重要な業務の一つに「入金消込」がある。企業間の取引では、受発注に基づいて、振込などのお金のやりとりが発生する。代金を受け取る側の企業では、取引先からの振込入金明細と帳簿の請求データを突き合わせて債権の残高を消していくことが必要になる。この作業が入金消込だ。

 ただ、振込と請求データの突合確認をするのは、非常に煩雑な作業になる。多くの企業が月末締めで支払いをとりまとめ、複数の取引の代金を合算して振り込むため、個々の請求データとの照合が複雑になるからだ。なかには、請求金額と実際に入金された金額が合わなかったり、支払い代行会社が振り込んでいるため振込依頼人名と取引先企業名が異なっていたりと、すんなりと確認が進まないケースもある。

 そういったときにはどうするのか。多くの場合、社内の営業担当者や取引先の担当者などに、電話やメールで取引について照会し、金額が合わない理由などを調べる必要がある。そのため、支払った側の企業でも、問い合わせに対応する作業が発生する。つまり、支払い側、受け取り側双方で経理や営業の担当者に負担がかかっている。

 そんな消込業務を効率化できる仕組みが、ZEDIだ。従来、振込の際に添付できるEDI情報は20桁までだったが、XML電文に対応したZEDIを利用すれば、月末締めで取りまとめた複数の請求書番号や取引情報など、より多くのEDI情報を添付できるようになる。

 振込の際に添付されたEDI情報を活用して、請求データなどと突合すれば、消込業務を効率化できる。多くの取引情報がデータ化されているため、他部署や取引先に照会しなければならないケースが減るからだ。問い合わせする側と対応する側、双方の負担軽減につながる。

ZEDIによって、振込にEDI情報を添付できるようになり、消込業務を効率化できる(提供:全銀ネット)

受発注データを活用、振込や消込を効率化

 18年12月のZEDI稼働以降、接続する金融機関は増え、現在では全国1000以上の金融機関でZEDIを利用した振込に対応できるようになった。さらに今後は、23年10月に導入されるインボイス制度によって、従来、紙でやりとりされていた請求書などのデジタル化が重要になり、その過程で、代金の支払い(決済)を担うZEDIの重要性はますます高まっていくと考えられる。

 ZEDIの重要性を見通して、開始当初からZEDIに対応したEDIサービスを提供しているのが、グローバルワイズ(名古屋市)だ。同社が提供するクラウド型EDIソリューション「EcoChange」は、企業間取引において、受発注から請求・決済まで一気通貫のデータ連携を可能とする。また、「中小企業共通EDI」に準拠したサービスに認定されており、受発注データを中小企業の取引に最適化した標準フォーマットに変換して活用できる。

グローバルワイズの伊原社長

 同社の伊原栄一社長は「EDIの分野では、企業間取引の全てを網羅してサービス提供したいと考え、ZEDIにも当初から対応しています」と説明する。EcoChangeのオプション機能として提供するZEDI連携サービスでは、受発注業務で作成したデータをそのまま活用してEDI情報を添付した振込電文を作成し送付することができる。受け取り側では、ZEDIのデータを活用してワンクリックで入金消込ができる。

 「経理部門は月末・月初など、特定の時期に業務が集中しがちです。ZEDIに対応したERP・会計ソリューションを利用すれば、請求書発行や入金確認、売掛金消込などの業務を効率化できるため、生産性を高める業務に集中できるようになります」(伊原社長)

 現在、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応をきっかけに、中小企業においてもデジタル化を進める動きが活発になっている。グローバルワイズでも、電気設備や鉄鋼など、業種単位でEDIの導入機運が高まっていることを実感しているという。「これまでは大手中心でしたが、中堅・中小・零細までアナログからデジタルへ変えていく機運が高まりつつあります。今後、ZEDIのような仕組みがますます必要になってくるでしょう」と伊原社長は話す。

地元企業の“困りごと”に対応、食材の受発注を効率化

 一方、総菜販売事業者の困りごとに対応するためにZEDI対応のソリューションを開発したのが、ミライコミュニケーションネットワーク(岐阜県大垣市)だ。同社は、総菜や弁当を販売する事業者向けの受発注管理アプリケーション「惣菜EX」を提供している。

ミライコミュニケーションネットワーク 内部監査部マネージャーの上野氏

 同社内部監査部マネージャーの上野麻記子氏は「地元のお総菜販売企業が経理業務で困っていたため、何かお手伝いできないか、と考えたことが開発のきっかけでした」と振り返る。その企業では数年前まで、主に電話やFAXで受発注業務を行っていた。独自のEDIを導入していたものの、取引先の端末にインストールする作業が必要だったため、一部の大企業にしか対応してもらえていなかった。結果として、デスクには書類の山ができており、FAXを送るための人手もかなり必要だったという。

 そのような業務課題の解決を支援するため、同社は食品を扱う事業者に適したクラウド型ソリューションを開発した。「食材の発注では、単価として登録できない不規則な時価があったり、納入される数が発注時から変更されたりして、煩雑になることが多くあります。そのため、単価や数量などの途中変更もデータ化し、スムーズに確認できるようにしました」(上野氏)。受注側も、受注内容の確認や納期の回答をタブレット端末などから手軽に行えるため、情報共有や状況確認がしやすくなった。

 振込の際には、全銀ネットが制定する金融EDI情報の標準項目である「S-ZEDI」の形式にデータを出力できるため、あらためて口座番号などを入力する必要はない。受け取り側では、添付されたS-ZEDIのデータを読み込むことで、入金消込の作業に活用できる。

 惣菜EXを導入した企業では、紙の購入代や印刷代が減少。FAXを送る作業も激減し、別の業務に充てる人手と時間を確保できるようになった。また、クラウド型システムの導入により、ほぼ全ての取引先にEDI対応してもらえたという。加えて、需要の変化に応じた小まめな発注をしやすくなったため、今後はフードロス削減につながることも期待できる。

ZEDI対応サービス開発に助成も

 2社のソリューション事例から分かるように、ZEDI対応によって、企業間取引に伴う経理業務は大きく変わる。さまざまな場所にある書類やデータを確認したり、取引先企業に問い合わせたりしていた作業を1つのシステムで完結できることは、ZEDIの大きな魅力だ。DXの必要性が高まる中、ZEDI対応は決済に関するDXの一環として重要な位置付けとなる。

 全銀ネットでは現在、「デジタルインボイス・決済連携サービス開発助成プロジェクト」の対象事業者を募集している(22年11月30日締め切り)。デジタルインボイスやZEDI連携に対応したERP/会計ソリューションなどを開発する事業者に開発費用を助成する。当該事業者にとっては、インボイス制度と併せてZEDIへの対応も進めることで、企業の経理業務を格段に効率化できるサービス提供が可能になる。それを後押しする取り組みだ。

 グローバルワイズの伊原社長は「ZEDIの利用は、振込業務の効率化にとどまらず、その先のデータ活用にもつながってきます。データ活用はビジネスモデルの変革には欠かせません。まずはZEDIのさらなる普及を目指し、関係各所と連携して取り組んでいきたいと考えています」と意気込む。

 業種や企業規模に関係なく、全国の全ての企業にとって有用といえるZEDI。ERP/会計ソリューションなどを提供する企業にとっては、今後はユーザー企業からZEDI対応を求められることが増える可能性もある。日本企業全体で生産性を向上させるためにも、ZEDI対応はますます重要になっていくだろう。

企業向けオンラインセミナー

全国銀行協会、全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)が、オンラインセミナーを開催いたします。セミナーでは、手形・小切手の全面的な電子化をテーマとし、ZEDIに関する説明も予定しております。

開催日時:

2022年11月16日(水)〔1〕午前10時〜11時 〔2〕午後2時〜3時 (申込期限:11月14日)

2022年11月22日(火)〔1〕午前10時〜11時 〔2〕午後2時〜3時 (申込期限:11月18日)

詳細は、でんさいネットWebサイトをご確認ください。


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