i-Constructionのキーワードは「3次元化」 長野の建築業界をリードする、いとうの挑戦

» 2022年12月13日 10時00分 公開
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 働き方改革やDX推進によって、事業規模や業界、地域にかかわらず、働き方が大きく変容している。建設業界でも国土交通省がICTの全面活用によって生産性向上を図る「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を推進するなど、テクノロジーによる業務効率化や働き方の変化が顕著だ。

 長野県で建設業界向けの機器やシステムを販売する企業「いとう」も、地域企業が抱える建設業界ならではの課題を解決すべく、ICTを活用したビジネス支援を行っている。地域の建設業界では今どのような変革が起きているのか、システム営業部営業課の清水晃治課長と、営業本部営業企画課の横山公一郎課長に聞いた。

人や機材に頼る業界からテクノロジーを活用する先進的な業界へ

 いとうは1919年に時計と眼鏡の小売から始まった老舗企業だ。現在は長野県内と東京に5つの拠点を構え、長野県内の中小企業向けに、土木測量や建設業向けの機器および専用システム、オフィス機器の販売・保守を行う。

 「建設業、特に土木や測量業では、属人化していた業務をICTによって効率化する動きが最近のトレンドです」と清水課長は語る。その背景にあるのは、慢性的な人手不足だ。ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は6.56倍で、全体の有効求人倍率1.34倍に対して高い倍率となっている。新規求人倍率は10.02倍に達しており、建設技術人材需給の逼迫が続く。

システム営業部営業課の清水晃治課長

 技術者の高齢化も深刻だ。2020年時点での建設業就業者は、55歳以上が36%を占める一方、29歳以下は11.8%にとどまっている。若手人材の確保・育成とともに、次世代への技術承継が喫緊の課題となっている。

 「建設業はこれまで『きつい、汚い、危険』のいわゆる“3K”のイメージがあり、若年層の人材が集まりづらい状況でした。しかし今は、国交省の指導で労務管理もしっかり見られますし、ICTや先端技術の活用が企業評価の点数に反映されるようになっています。今はむしろブラックな現場は少なく、どちらかといえば『スマートでかっこいい』業界に変わりつつあります」(横山課長)

営業本部営業企画課の横山公一郎課長

 建設業におけるICT活用でキーワードとなるのが「3次元化」だ。従来の施工では、熟練の職人が紙の図面を元に、どのような測量や設計施工をすればよいか、脳内で完成物をイメージし工事を進めていた。これには複雑な2次元の情報を脳内で正確に3次元化する高い技術が必要で、若い世代の職人にすぐに継承できるものではない。そこで、今はPC上で3D CADを使い、設計施工を3次元で再現することで、手戻りやミスの減少につなげる事例が増えている。

 公共工事の場合、近年では住民説明会で3次元データだけでなく、AR(拡張現実)で建造物を再現することもある。「完成後の住民トラブルを減らし、お客さまに満足してもらう意味でも、3次元を使った提案は増えたと思います」と横山課長は話す。ソフトウェアがさらに進化すれば、いずれバーチャル上で現実世界を完全再現するようなデータを短時間で作ることも可能となるだろう。

高負荷な処理を支えるハイスペックPC

 データの3次元化に伴って必要になってくるのが、3Dデータを高速処理できるハイスペックなPCだ。いとうでは2012年ごろからマウスコンピューターと取引を開始し、ハイスペックモデル「DAIV」シリーズなどを取り扱っている。

 近年は、「図面を3次元化するための機器が正確に計測できているか、現場で確認したい」という声から、ハイスペックなノートPCのニーズも高い。顧客が発注者や取引先との打ち合わせで、3次元化したデータをノートPCで見せるケースも増えている。

 「マウスコンピューターはコストパフォーマンスの高さ、納期の早さが魅力です。一時期、半導体不足で納期が数カ月先というPCメーカーもありましたが、マウスは同時期でも納期が4日前後となっていて、部品調達がうまいなと思いました。お客さまによってはすぐにPCが必要な場合がありますし、納品できなければわれわれの売り上げも立たないので、納期が見える点は大きなメリットです」(清水課長)

 「お客さまとの商談でグラフィックボードを変える話が出ると、PCメーカーによっては機種自体を変えて組み直さなければならない場合があり大変です。その点、マウスは機種そのままでパーツだけを変えて組むことが可能です。カスタマイズの幅が広く、スペックがチョイスしやすいので、見積もりを作るときもマウス製品を選ぶことが多いですね」(横山課長)

顧客への提案に際してマウスコンピューターの強みを語る清水課長と横山課長

 横山課長はデスクPC、ノートPCともにマウス製品を使っており、「ほぼノントラブルなので、安かろう悪かろうのイメージは全くない」と語る。納入台数に対するトラブル数も少なく、万が一の故障の際も国内のサポート体制が充実しているので安心だ。カスタマイズでその場で修理を行う「オンサイト修理」も選択できる。「修理に出すのではなく、現地で直せる強みは大きい」と横山課長は評価する。

 ICT活用による業務効率化の成果は著しい。例えば、新たに道路を作る際、これまでは測量機器を使って建設予定地の地形を人力で測っていたため、広い現場では計測だけで1週間かかっていた。そこで、建設予定地をドローンで空から数百枚撮影することで、現場での計測時間を20分程度に短縮できたという。

 写真同士の特徴点を全て照合し、それぞれの写真から焦点距離を計算して座標を出すことで、解析後は3Dデータとしてグルグルと現場全体を見渡せるようになる。しかし、2次元の写真を元に3次元の点群を作る写真解析にも膨大な時間がかかる。例えば、とある会社では写真から計測した7億〜10億にも及ぶ点群の解析に1週間もの期間がかかっていた。

解析後の点群データの画面。点群は場合によっては10億にもおよび、その処理には多大なPCパフォーマンスを要求する

 そこで、いとうはマウスのハイスペックPCを提案。導入した結果、1週間の解析が3日で終わるようになり、残り4日を別の業務に割けるようになった。それほどデータ量が多くない解析でも、一晩中かかっていた作業が2時間で終わるようになり、仮に設定を失敗した場合でもすぐにやり直しをかけられるようになった。

 「マウスのDAIVノートPCにはパフォーマンス切り替え機能があり、それを行うと超高パフォーマンスモードに入るので、写真解析がさらに高速化します。あるお客さまには『重めの作業の際は、その高パフォーマンスモードの方が他メーカーのデスクPCより速いので、解析もマウスのノートPCでやるようになった』という方もいらっしゃるほどです」(横山課長)

建築業界で人気なのは高性能なDAIVのノートPC

「餅は餅屋」DXに必要な情報資源を提供していく

 公共工事の発注者は国交省や都道府県といった行政となる。国交省がi-Constructionを推進し、ICT活用に消極的な業者は入札に参加できない流れが起きつつある今、建設業界のDX化は既定路線だ。とはいえ、建設業者はITの専門家ではない。「だからこそ、餅は餅屋で、われわれは中小企業における情報資源の活用アドバイザーとして、お客さまが必要としている情報を提供していきたい」と清水課長は展望を語る。

 「われわれが提供する情報やサービスによってお客さまが成長し、それと共にわれわれも成長していきたいと考えています。お客さまに伴走する存在として、強力なパートナーでありたいですし、お客さまと一緒になって地域の発展に尽力していくことが当社の使命だと考えています」(清水課長)

 「PCメーカーはいくつかありますが、地域発展の視点で言えば、長野県の企業であるマウスコンピューターを応援したいです。成長を目指すなら、海外メーカーではなく国内メーカーと一緒に目指せたらいいですよね。マウスさんには現状のラインアップや販売の仕組みを維持していただきつつ、パートナーとして一緒に地域を盛り上げていきたいと考えています」(横山課長)

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提供:株式会社マウスコンピューター
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年1月11日

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