用途が広がるモバイルルーター インフラ整備での導入時に押さえたい3つのポイントを徹底解説

DXの大波があらゆる企業に押し寄せる中、インフラの整備でモバイルルーターの利用が急増している。しかし業務に大きな影響を与えかねない見落としがちな課題も存在する。その課題とは。企業はその対応に向けどんな製品を選択すべきなのか。

» 2023年02月20日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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 企業が進めるDXの本質は、ITを活用してビジネスを変革することだ。その対象はあらゆる業務に及ぶが、基本的な取り組みは「IT環境の整備」「データの活用」に集約できる。しかし前者は、働く場所がオフィスに縛られなくなったことで一律での環境整備が難しくなっている。後者については、IoT/M2M(Machine to Machine:機械が相互に通信して連携する仕組み)ソリューションの活用が必要だが、コストやノウハウの制約によって一筋縄ではいかないケースも多々ある。

 これらの課題を解決するツールとして注目を集めているのがモバイルルーターだ。持ち運べるのでロケーションの問題を解決でき、設置も容易に済む点で“現実解”といえる。テレワークでの利用だけでなく、5G(NSA/SA※1)やローカル5Gの普及を追い風に、工場での製造設備や自動販売機の管理、建設機械の遠隔コントロールといった産業分野でもIoT/M2Mの基盤として広く使われ、今後もさらなる用途の開拓が見込まれる。

※1 NSA(Non Stand Alone):4Gのコアネットワークにより4Gの基地局と5Gの基地局を連携させて動作させる方式。SA(Stand Alone):5Gのコアネットワークを活用して5Gの基地局を単独で動作させる方式。2021年度より順次切り替えを進めている。

 また、独自サービス型SIM、いわゆるMVNO※2 SIM市場におけるIoT用途の成長もモバイルルーターの利用を後押しする要因といえる。MM総研の発表によると、MVNO SIM市場のIoT向け回線比率は2025年3月末時点で48.2%に達すると予測されている。よって、今後さらにMVNO SIMを挿して使用する「SIMフリー」のモバイルルーターの活用シーンが増加すると考えられる。

※2 MVNO(Mobile Virtual Network Operator):日本語では「仮想移動体通信事業者」と訳され、大手通信事業者(キャリア)から通信回線を借り受け、サービスを提供している事業者。

モバイルルーター モバイルルーターは産業分野でもIoT/M2Mの基盤として広く使われている(画像はイメージ)

 一方、IoT/M2Mの基盤として使う際には事前に押さえておくべきポイントがいくつかある。それをおろそかにしては導入後、無用な手間やコストが発生するばかりか、せっかく構築したインフラが使えなくなる可能性もある。注意したいポイントは次の3つだ。

モバイルルーターのIoT/M2M利用で押さえておくべき3つのポイント

 1つ目は「十分な通信速度と安定性」だ。現状は4Gによる通信が主流で需要も高いが、今後、より高速で大容量な通信を実現するためには5G(NSA/SA/ローカル5G)や最新のWi-Fi通信規格「Wi-Fi6」の対応が必要となる。また、対応周波数(バンド)や搭載アンテナの性能による安定性も重要だ。

 2つ目の注意点は「通信障害のリスク」。しばしばニュースで報じられる通り、どの通信キャリアのサービスでも障害のリスクはゼロではない。IoT/M2Mは業務を支える基盤だが、通信障害時には稼働停止は免れない。ひいては業務停止も招きかねず、事前に対応策を準備しておく必要がある。

 3つ目は、IoT/M2Mの基盤として常時稼働する場合に懸念される「バッテリーの劣化問題」である。モバイルルーターは通常、持ち運ぶことを想定してバッテリーを内蔵している。一方、IoT/M2Mなどの利用では24時間365日常時稼働させるため、電源に接続したまま利用することが一般的であり、これはバッテリーの劣化を早める要因の一つとなる。その結果バッテリーが膨張するなど変形し、モバイルルーターを物理的に壊す可能性もある。そうなれば通信障害時と同様、業務に支障をきたしてしまう。

 こうしたIoT環境の構築に5GのMVNO SIMの使用を前提とするなら、5G対応のSIMフリー製品を導入することが必須となるが、まだほとんど市場に出回っていない。そのため選択肢が少なく、上記の3つの課題観点においても、ローカル5Gに対応していない、通信障害対策が図れない、バッテリーが取り外せないなど、製品が要件に沿わない可能性があるのも事実だ。

システムの継続稼働に向けた「+F FS050W」の3つの独自アプローチ

 モバイルルーターをIoT/M2Mの基盤として利用する際は、これらの課題を踏まえた製品選定が肝要だ。それらのいずれにも極めて高いレベルで対応した新製品が、富士ソフトのモバイルルーター「+F FS050W」。本製品がその3つの課題にどう対応しているのか説明しよう。

モバイルルーター 富士ソフトの5G対応モバイルルーター「+F FS050W」

 まず1つ目の課題である「十分な通信速度と安定性」について。+F FS050W は、5G対応のSIMフリー製品であり、NSA/SAおよびローカル5Gに対応している。また、Wi-Fi 6にも対応しており、Wi-Fi接続機器との高速な通信が可能だ。対応周波数も各キャリアをカバーしており、高性能2ストリームアンテナによる安定的な通信ができる。これらを考慮すると、+F FS050Wは、IoT/M2M利用で十分な通信速度と安定性を備えた製品といえる。

 既存のネットワークに頼らず工場の敷地内などにローカル5Gネットワークを構築することで、高速で大容量、かつ低遅延な通信環境を整備でき、重機の自律施工や遠隔制御、遠隔監視カメラによる不審者の追跡、震災予兆の監視などがより高い精度で可能となる。富士ソフトでは、ローカル5Gの利用促進に向け自ら無線局免許状を取得し基地局を構築。22年10月には秋葉原オフィスに「ローカル5Gラボ」を開設した。製品の開発と共に、ローカル5Gの導入に向けたサポートを進めている。

 2つ目の「通信障害のリスク」について+F FS050Wは、SIMカードとeSIMのデュアルSIMでカバーする。メイン回線の通信トラブル発生時にはバックアップ回線に切り替えることで、通信インフラをいつでも確保できるため、業務停止を招きかねない通信障害への対策として最適だ。回線は、本体操作のほかにWi-Fi通信圏内であれば専用のスマホアプリから簡単かつ迅速に変更可能だ。

モバイルルーター バッテリーを取り外して電源ケーブルによる稼働もできる(画像提供:富士ソフト)

 さらに+F FS050Wは、バッテリーレスでの運用が可能。バッテリーを外した状態で電源ケーブルにつないで稼働すれば、+F FS050Wは3つ目の課題である「バッテリーの劣化問題」にも対応でき、バッテリー劣化に起因する障害リスクも払拭できる。これにより、24時間365日の常時稼働が可能となり、IoT/M2M利用に最適である。

IoT/M2M用に設計された+F FS050Wならではの特長がいろいろ

 上記で示した3つの課題を解決するだけでなく、その他にも+F FS050WにはIoT/M2M用に設計されたさまざまな特長がある。

 まずは先述したeSIMを採用している点だ。eSIMとは、従来SIMカードに格納していた固有番号や電話番号、回線契約情報を、端末内の部品にソフトウェアで書き込む「組み込み型(Embedded)SIM」のこと。富士ソフト プロダクト事業本部 M2M事業部 事業部長の中村真吏雄氏は「eSIMは振動や熱への耐性が強く、過酷な環境での使用が想定されるIoT/M2M利用においては重要なメリットになります」と利点を強調する。

 また、専用ドライバーによる接続設定やATコマンドによる制御ができる「モデムモード」で使用できる点や、富士ソフトが提供するクラウド型のMDM(Mobile Device Management)サービスに近く対応する点も見逃せない。同社が展開するMDMサービスを利用することで、+F FS050Wの遠隔操作や設定変更、接続デバイスの状態監視や管理が可能となる。

あらゆるビジネスシーンに対応する機能も搭載

 もちろん、多様化するワークスタイルに応じたビジネス利用の機能も忘れていない。国内システムインテグレーターの老舗として富士ソフトが蓄積してきたノウハウもしっかり継承し、ワークスタイル変革の支援ツールとしての機能も搭載している。自宅や自動車内、外出時など、利用場所に適したモードに切り替えられる。

 据え置きモードでは5GHz帯の電波を使った高速通信を行い、モバイルモードでは消費電力を軽減するためにWi-Fi出力を抑え長時間利用を可能にする。さらにカー・モードでは、エンジンのON/OFFと連動して本体の電源が入るといった具合である。

モバイルルーター 富士ソフト プロダクト事業本部 M2M事業部 事業部長 中村真吏雄氏

 コロナ禍でリモートワークが広がる中、富士ソフトには数千台規模での発注が大手企業を中心に寄せられている。企業の導入判断を後押ししているのが、顧客への手厚い導入支援だ。

 「導入前の検証やお問い合わせに関する技術サポートはもちろん、導入時のキッティングサービス、さらに当社の強みであるシステムインテグレーションまで、幅広く柔軟に対応しております。+Fシリーズの製品はお客さまの“痒いところに手が届く”ように機能や品質の追求、各種ツールの準備に加え、こうしたサービス面も強化しております」(中村氏)

 富士ソフトでは今後、多様化しているワークスタイルや IoT/M2Mでの利活用拡大のため、+Fシリーズの製品と関連サービスを両軸に拡販に取り組む計画だ。中村氏が期待を寄せるのが、冒頭に述べた5Gを追い風とするIoT/M2Mソリューションのさらなる多様化。

 「通信は10年周期で世代交代を繰り返し、5Gにより大きな変革期を迎えています。5Gは産業変革を促しDXを加速させる技術としても注目されており、当社ではいち早く関連技術の支援や開発を進め、ローカル5Gラボの構築から5Gデバイスの開発も進めてきました。当社が展開する+Fシリーズは『Future(未来)』『Fun(楽しみ)』『Fit(ちょうどいい)』をコンセプトに、最新技術と高品質を武器に展開し、おかげさまで累計販売台数は100万台(23年1月時点)を超えています。

 +F FS050Wはこうして培ったノウハウに加え、5GやeSIMといった新技術、IoT/M2M利用での豊富な導入実績やお客さまから頂いたご意見を凝縮した最新製品です。今後も質の高い製品を提供するとともに、技術支援やシステムインテグレーション、関連サービスをトータルに提供し、IoT/M2M利用のさらなる活性化や企業のDX促進に取り組んで参ります」(中村氏)

 モバイルルーターも含めてDXの仕組みの一式の提案と高度化に力を入れる富士ソフト。モバイルルーター導入を検討している企業はぜひ一度、+F FS050Wを検討してみてはいかがだろうか。これからのデジタル時代、頼れるパートナーになるだろう。

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提供:富士ソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年2月28日