埼玉県で見つける「新しい人生のきっかけ」 リモートワークを生かした「地域貢献」の姿とは

» 2023年02月14日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルスの影響で人々の働き方が大きく変化し、テレワークや副業といった新しい働き方が普及し始めました。この動きは、東京都に隣接する自然豊かな埼玉県への移住促進や、地域と多様に関わる関係人口の創出にとって追い風となっています。

 一方県内には、行政の力だけでは解決できないさまざまな課題を抱えている市町村があります。そこで埼玉県では、さまざまな企業に継続して地域に関わってもらい、地域課題の解決につなげる「テレワーク・副業×地域ミッション」事業を2021年度から実施しています。

 この事業は、主に都内企業に勤務するビジネスパーソンやフリーランスとして働く人を対象としています。参加者には一定期間、各市町村に滞在してもらい、地域の魅力を発信しながら住民と共に課題の解決に取り組んでもらいます。

関係人口を生み出す鍵は、丁寧なニーズのマッチング

 21年度は「テレワークするなら埼玉」というキャッチフレーズを掲げ事業を展開しました。22年度は、地域課題の解決に関心のある企業に広く周知したいとの思いから「きっかけ探しは埼玉で!」というキャッチフレーズを掲げて事業を実施しています。

 この記事では、22年度本事業に参加している行田市、羽生市、横瀬町にフォーカスし、どのような参加者がこの地を訪れ、地域課題に取り組んでいるのかを紹介します(記事の内容は23年1月時点のものです)。

行田市:地域活性の要である「マルシェ」を盛り上げたい

埼玉県 在来青大豆で作った豆腐や湯葉を試食し、加工品開発に取り組む(出所:埼玉県)

 埼玉県行田市は“さいたま”の由来ともなる「さきたま古墳」や「古代蓮の里」「蔵造りの建物」などがある、歴史文化にあふれる街として有名です。街の中心には、古くから病や悪いくせ、夜泣き、かんの虫を封じる“封じの宮”として知られる「八幡神社」があり、毎年多くの参拝客でにぎわいます。

 その神社の近くでは、毎週日曜日に「行田はちまんマルシェ」が開催されています。市内の生産者や工芸作家などが集まり、農産物や手工芸品、加工品などを販売し、地域住民からも愛されるイベントです。当初は、人気の観光スポットの近くということで多くの観光客が来場していましたが、コロナ禍による自粛や出店内容の恒常化により、このままの形態で開催し続けることに危機感を感じていました。

 そこで、行田市にとって地域活性の要ともいえるこのマルシェをいかに地域内外へ広め、継続できるものにするか、来訪者や出店者も楽しめる企画や運営について一緒に考えてくれる人を募集しました。

 まず手を挙げたのは、都内で観光事業に取り組むスタートアップのたびふぁん(東京都港区)でした。同社の社員に長期滞在してもらい、テレワークをしながら地域の視察をする中で、マルシェへの誘客につながるコンテンツの作り方、リピートしたくなる企画の発想方法など、さまざまなアイデアを市の担当者へ提案してもらいました。マルシェ担当課だけでなく観光分野の関係者も巻き込み、企画と情報発信の両軸をどう動かすかについて取り組むこととなりました。

 イベント企画を手掛けたPro-SPEC(東京都中央区)からは、行田市が課題として挙げている「行田在来青大豆」と「行田在来えだまめ」の販路拡大に関するPR方法についてアドバイスをもらいました。在来えだまめの即売会を量販店で実施する他に、売り場の様子や演出方法について意見をもらい、香りがよく甘みが濃い在来えだまめのポテンシャルを生かした加工品開発や製品の刷新に取り組んでいます。

 在来青大豆で作った豆腐や湯葉を試食する中で次々と新しいアイデアが生まれ、企業マッチングへと動きだしています。

羽生市:商店街を中心とした「羽生らしいエリアの形成」を支援してほしい

埼玉県 MALL DESIGNの活動拠点となる“まちのえき”「MD Library(エムディー ライブラリー)」(出所:埼玉県)

 羽生市は埼玉県の東北部に位置し、製造業を柱として発展してきました。街の中心部には地元消費の受け皿となるいくつかの商店街があります。しかし商店街を取り巻く環境は時代と共に厳しくなり、街の活気も失われつつあります。

 空き店舗の増加や若手の流出、稼ぐ力の低下、路線価の下落などが影響し、最近では解散する商店会が出るなど状況は深刻です。そんな状況を打破すべく地元の若者が中心となって立ち上げたチーム「MALL DESIGN」が、20年に活動を開始しました。その活動拠点となるまちのえき「MD Library(エムディー ライブラリー)」も22年春に始動しています。

 羽生市内の商店街では、空き店舗の増加に歯止めがかからず、空き店舗オーナーとの関係構築も並行しながら、商店街の魅力づくりと若年層の担い手を呼び込むことが急務となっています。

 MALL DESIGNは、地元の多岐にわたる有志が集まり時間をかけて作り上げてきた組織です。本格的な活動は始まったばかりですが、空き店舗を活用し、市外から来た若手が起業する事例も生まれ、その流れをもっと加速させたいと考えています。そんな新たなうねりが生まれている羽生市の商店街で、MALL DESIGNと共に「エリアブランディング」「ストック活用」「地域の内外交流」に向けた活動ができる企業を募集しました。

 この取り組みに賛同したのは、アート制作を通じて障害者と社会の関係構築を進めるクロス・カンパニー(東京都世田谷区)。地元の障害者施設と共に、MD Libraryでのワークショップを計画し、アートを活用して街や商店街の活性化を目指しています。

 また、MD Libraryを核として商店街に多くの人を呼び込むため、フリーランスとして働く人やアーティスト、ミュージシャンと協力し、商店街が市内外との交流の場となるような活動提案、羽生らしい特徴を出せるコンテンツづくりの検討が進んでいます。

横瀬町:地域の顔となる新たな特産品の開発にチャレンジしたい

埼玉県 テレワーク参加者が、立教大学と十文字学園女子大学が開催した「横瀬産どぶろくの野外での楽しみ方提案イベント」の様子を取材(出所:埼玉県)

 “日本一チャレンジできる町”を掲げる横瀬町は、人口わずか8000人の町ながら、各方面から注目を集めています。都心部から電車で最短72分とアクセスも良く、さわやかな山の空気と清廉の河川が多くの人を魅了するこの地では、企業や大学との連携も盛んで、ユニークなプロジェクトが次々と生まれています。

 日本家屋の特徴である縁側の名を冠した「チャレンジキッチンENgaWA」では、地域おこし協力隊員が開発した新商品が毎週のように提供され、狩猟体験プログラムである「カリラボ」も人気です。

 住民でなくても「手を挙げた人は、誰でも応援する」というスタンスが根付く横瀬町では、新鮮な農産物や針葉樹・広葉樹などの木質資源、豊かな植生をはじめとする生物が育む森林空間を活用した商品・サービスの開発にチャレンジしたい人を募集しました。

 この地を訪れたのは、テレビや雑誌などのフードコーディネートや調理器具を販売するClocca(東京都文京区)。道の駅や駅前食堂、チャレンジキッチンENgaWA、棚田など地域の食に関係する資源の見学を行い、地域の特産品を活用した商品の試作に取り組みました。

 例えば、地域おこし協力隊と共に、地域住民が使い道に困ったプラムと、そば粉を使ったガレットを組み合わせたメニューを考案した他、地元の味噌づくりの達人が考案するレシピを基に、横瀬産大豆などの原料をセットにした「味噌作りキット」を発案するなど、可能性を感じられる取り組みが生まれています。

埼玉にあふれる「きっかけ」の数々

 今回紹介した一つ一つの取り組みは小さな「点」かもしれません。ただ、「地域課題を解決する」という共通のテーマのもと地域に継続して関わる人が増えることで、点が線となり、人と人とがつながる事で着実に面へと発展し始めています。

 埼玉県は都内からのアクセスの良さに加え「地域の課題解決にチャレンジしたい」という思いを持つ人が、能力や経験を十分に発揮できる環境があります。世の中は常に変化しています。せっかく普及したテレワークという働き方を最大限生かし、新たな活動を始めるきっかけを探しに埼玉を訪れてみませんか。

この記事は埼玉県から提供された原稿を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集したものです。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年2月20日