未経験者がITエンジニアを目指すとき意識すべきことは? 転職サービス「doda」編集長×NTTデータ採用担当部長が語る転職市場のリアル

» 2023年03月09日 10時00分 公開
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 パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が実施した調査※1によると、ITエンジニア職の転職求人倍率は11.2倍(2023年1月時点)。DX人材やIT人材不足といわれて久しいが、売り手市場の今、企業の採用方針にも変化が見られるようだ。転職市場で今何が起きているのか。そして、ITエンジニアへの転職を考えているビジネスパーソンや採用を強化したい企業はこの現状をどのように捉えるべきだろうか。「doda」の編集長 大浦征也氏と、NTTデータ 人事本部 部長 岩村光浩氏に転職を取り巻く今について聞いた。

※1:dodaビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査 第5回「ITエンジニア職」

ITエンジニア (左から)転職サービス「doda」編集長 大浦征也氏、NTTデータ 人事本部 部長 岩村光浩氏

売り手市場で変わる「求められる人材像」

――転職市場の現況をどのように捉えていますか。

大浦氏(以下、敬称略): 転職マーケット全体で見ると、ITに関わらず非常に活況です。売り手市場なので、転職希望者からすると求人案内が多く、企業からすると採用が難しい状態にあります。転職サービス「doda」で独自に算出した転職求人倍率は23年1月時点で2.3倍、ITエンジニアに限れば11.2倍になっています(図1、参照)。すなわち「doda」にご登録いただいている転職希望者の1人あたり10件以上の内定が出る、ともいえるまさに異常な状態です。企業側はITエンジニアを筆頭にとにかく人が足りない状態が続いており、求人の数も増え続けています。

ITエンジニア 職種別doda転職求人倍率の推移

――IT人材のニーズが多様化しているということでしょうか。

ITエンジニア

大浦: SIer(以下、SI)といわれる日本独特のフィールドで昔からITエンジニアが求められていましたが、後にゲーム会社やWeb関連の企業でエンジニアの採用が増えてきました。そして今では金融業や人材業など、これまでITエンジニアを直接採用しなかった業界までエンジニアを雇用するようになりました。

 一昔前には事業会社のエンジニアは社内情報システム部門で「社内SE」といわれてきましたが、その言葉が死語になるくらい、事業会社が内部に直接エンジニアを置いています。これはかなり大きな変化です。

岩村氏(以下、敬称略): その変化はNTTデータも実感していますね。少し前まではSIの競合社と併願する転職希望者が多かったのですが、最近は、当社のお客さまである事業会社を併願先にする人も増えています。事業会社のDXポストと、NTTデータでDXを扱うことをフラットに比較されることが非常に多いですね。

大浦: 根本的な課題であるエンジニア不足は解消されないまま、さまざまな業界がITエンジニアを求める状態がしばらく続くのは間違いありません。その中で、エンジニアではなかった人が訓練を受けて、未経験エンジニアとして転職したり、キャリアを積んだりする流れが生まれてきました。また、副業として徐々にスキルアップしてエンジニアになるといった変化も少しずつ出てきましたね。それは、彼らの間で今のマーケット状況であれば「ITスキルを手にしていれば、どのような業種でもどのような会社でも活躍できる可能性がある」という考えが浸透したことが影響していると思います。

 この動きを表すように、「doda」が扱う求人票の中で、ITエンジニア職「未経験歓迎」求人※2の割合は、21年1月と比較すると約3倍(23年1月時点)に増えています(図2、参照)。ITエンジニア職の転職において、未経験または経験が浅い方を対象にした採用が広がりをみせているといえますね。

※2:転職サービス「doda」が扱う「エンジニア(IT・通信)職」の求人のうち、「職種未経験歓迎」の表記がある求人票

 先日「doda」が実施した調査では、転職に関心・興味のあるITエンジニア職未経験者(過去にITエンジニアとして働いていた人を含む)の約7割以上が、1年前と比べて「ITエンジニアとして働くことへ興味・関心が高まった」と回答しています。企業・ビジネスパーソンの双方から注目が集まっていることを感じます(図3、参照)。

ITエンジニア 「doda」に掲載されているITエンジニア職の「未経験歓迎」求人数の伸び
ITエンジニア 1年前と比較したITエンジニア職で働くことへの興味関心度

岩村: 未経験に似た観点で、「文系出身者がITエンジニアになれるのか」と聞かれることもよくあります。答えはYesです。私の同期で、文系出身でエンジニアになり、自己研さんを重ねて現在では700人体制のアジャイル開発・クラウド開発責任者を務めている人だっています。もちろん、本人の努力あってのものですが。文系出身者が得意とする文章力などは、仕様を認識の齟齬(そご)なく表現するのにうってつけのケイパビリティです。また最近は、テクノロジーに興味があれば簡単に試せる世の中になり、ローコード開発なども発展しITがより身近な存在になりました。大浦さんが話す通り、企業の内製化が進んでいることも後押ししていますね。

 非IT人材のニーズが現場で高まり始めた転換期は、IT人材の呼び名がDX人材に変わった頃と同じ時期だと思っています。IT人材は、経営や業務から導き出される課題の本質を理解し、仕様に落とし込んでシステムとして具現化していきます。一方で、DX人材には経営や業務とITを最初からつなぎ合わせることが求められます。それぞれを理解しながら仮説を立て、アジャイル的なアプローチで効果検証しながら解を見いだしていきます。

 近年、特に業務変革にはITを使うことが前提となり、お客さまは自社でエンジニアを多く抱えてその変革の主導力を高めようとしています。そこに私たちがパートナーとして携わり、経営や業務について同じ目線で提案を続けることが求められます。その動きを加速させるため、当社が求める人材像も大きく変化しています。経営や業務といった視点は非IT人材でも十分に活躍できるフィールドがありますし、実際に非IT人材の採用も加速させています。

非IT人材がIT現場で活躍するには

――どのような意識を持った非IT人材がNTTデータの門戸をたたくのでしょうか。

ITエンジニア

岩村: 前職の業務で携わったプロジェクトをきっかけにITの可能性を知った人や、プロジェクトを通じてIT領域に向いていると感じた人、新卒の頃はIT業界を視野に入れていなかったものの社会人になってDXの実態に触れ、「ITの力で世の中を変えられるかもしれない」と期待を持った人などが多いです。

 これまで非ITの仕事をしていたとしてもITを意識する瞬間があり、自分にもできることがあるかもしれないという目線を持てる人ほど可能性が高いように感じます。

 非IT人材であれば、職務経歴書に記載されている業務経歴から、その業界のビジネスモデルやバリューチェーンを大きく変えるようなプロジェクトの経験があるか、またその中での役割などを見ています。例えば、リーダーであればどのような課題に取り組みどんなステークホルダーを巻き込み、具体的に成果を出したのかエピソードトークで掘り下げていきます。逆に、失敗したとしてもその経験を通じて何を学んだのかなども掘り下げます。

 先ほど説明した経営と業務、ITという3つの中で、NTTデータとしてより知見を求めていきたい経営と業務については経験者の方にその専門性を求める傾向があります。前職で課題認識や変革意識を持って取り組んでいれば、IT未経験でも間違いなく当社で活躍できる人材です。社内のIT専門家たちと共に、変革を実現してくれるのではという期待を感じます。

大浦: まさに岩村さんが仰る通り、ITエンジニアが未経験で飛び込む時に重要なのは、自分が経験してきた業務や経営の感覚をどれくらい持っているかです。技術力も大事ですが、それは入社後の研修や訓練によりある程度カバーできます。最近はテクノロジーそのものが商品となるケースもありますが、根本的にITは手段なので、ITで何を解決したいのかという意識を持つことが重要です。

 一方、意識だけでは難しい側面もあります。忘れてはいけないのは、自分がその企業に何を持ち込めるのかという視点です。志望企業に無いものは何か、そこに自分がどう貢献できるかを突き詰めること、そしてIT領域についてどれくらい勉強してきたのかを定量的に伝えることで、その意志や情熱を示すことができます。

デパート型のアプローチで未経験でのITエンジニア転職を支援

――非IT人材はどのような不安を持っているのでしょう。そしてその不安をどのように解消すべきだと思いますか。

大浦: テクノロジーの進化は激しく、未経験で入社した人が学んでいる間に情報が古くなる可能性があります。入社後の現場がアジャイル型で、キャッチアップし切れず不安を感じる人もいます。

 変化が激しい時代に何を学ぶべきなのか、確かに判断は難しいですね。ただ、何を学ぶのかよりも、なぜ学ぶのかを意識することが重要です。「ITエンジニアになって何を解決したいのか」という原点に立ち返れば、自ずと道が見えてくるはずです。しかし、未経験でITエンジニアに足を踏み入れる手前では自分の可能性を正しく理解することは難しいのも確かです。そんな時にはキャリアアドバイザーに相談するのも有効な手段といえます。

 「doda」にはIT専門のキャリアアドバイザーや営業部隊が数多くいます。IT専門の人材会社もありますが、「doda」はありとあらゆる業種や職種を取り扱う“デパート型”でやってきたことがポイントの一つです。ITエンジニアを求めるのがSIだけだった時代はその領域だけに詳しければ良かったのですが、今は業界や職種を超えてニーズの幅が広がっています。そのため、これまでの経験や知識がどのような会社で生かせるのかを横断的に判断することが必要です。

 縦方向に「ITの専門家としてこのような技術を学んだ方がいい」というアドバイスだけではなく、横方向に「この業界にもこんな可能性がある」という提案ができるのは、デパート型でかつITの専門知識もある私たちの強みです。グループには副業系のサービスがあったり自社でもエンジニアを採用していたりするので、多角的かつ立体感のあるアドバイスができます。

岩村: 未経験で不安になる気持ちはとてもよく分かります。IT業界のど真ん中にいる私たちでさえも、刻一刻と変化するトレンドを常に追いかけている状況です。入社後に当社の社員と一緒に模索できますし、誰かが調べた情報に社内ですぐにリーチできます。なので、そこまで不安に感じなくても良いかと思います。それよりも、世の中のビジネスをどう変えていきたいかのイメージが大事です。最近テクノロジーによって変わった事例を調べてみると、ITエンジニアとして働くイメージが湧きやすいかと思います。

ITエンジニア

――最後に、これから転職を考えている読者へのメッセージをお願いします。

岩村: ITをとりまく業界の構造や人材像は変化していますが、ITの可能性自体は無限大です。今の役割で課題感を持っていて、それをできるだけ広いところで生かしていきたい、変革したいという野望を持っていれば、IT業界に転職するのはとても良いキャリアプランだと考えます。

 また、DXとは最初に与えられる正解がない状態からトライアンドエラーしながら解を作っていくもので、人材の多様性が極めて重要です。全く異なる業界の知見やDXの事例からヒントが得られることも非常に多いです。経験者採用の募集要項を見て、「自分とは違う業界だから向いていない」「IT経験がないから採用されない」なんて思わずに、大きな期待を抱いて見ていただきたいです。

 NTTデータはそうした多様な人材を最も重要な資産と捉え、「人財」という言葉を用いています。経営×業務×ITのケイパビリティを持つ「人財」に成長させ、アウトプットとして世の中の変革に関わる機会を提供できる会社だと自負しています。ぜひ、NTTデータへの入社を検討してみてください。

大浦: 日本古来の文化やナショナリズム、伝統工芸など“日本らしいもの”にはアナログの良さがあります。ただ、逆にいえばそれらはIT化する余地があります。欧米のようなITのダイナミズムを完全にまねするのではなく、日本らしさをIT技術に乗せることで、大きな可能性も見えてくると思っています。日本が便利に元気になっていくための「日本らしいモノづくり」があるはずです。その感覚をもってエンジニアを志してもらえたら、企業も転職希望者もそして私たちもワクワクしますね。

 私個人の、また「doda」編集長としての視点からいえば、自分のキャリアを自分で切り開く“キャリアオーナーシップ”を後押ししたいとの思いがあります。特にIT領域は自分の技術やスタンス次第で会社との雇用関係もフラットにできる。ですから、自分なりの“何のために=Why”を見つけて、自分のキャリアを切り開いてほしい。そのお手伝いを「doda」に任せていただけたらうれしいです。

――本日はありがとうございました。

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提供:パーソルキャリア株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年3月21日