“売れない時代”こそ顧客の体験価値が重要 UX/CXデザインによるサービス価値の高め方とは?売り手の自己満足で終わらせない!

近年、耳にする機会が増えた「ユーザーエクスペリエンス/カスタマーエクスペリエンス(UX/CX)デザイン」。サービスの差別化が難しくなる中、売上向上策としてその大切さが強く叫ばれるようになった。しかし言葉の捉え方の難しさもあり、UXデザインに取り組むことは決して容易ではない。そうした中、UXデザインの支援で豊富な実績を誇るTDCソフトの取り組みが注目を集めている。その具体的な中身とは。

» 2023年03月16日 10時00分 公開
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 現代は商売の原点である“モノを売る”ことが極めて難しい時代といえる。その原因としてよく挙がるのが、消費者ニーズの多様化や代替商品やサービスの氾濫だ。また、デジタルの台頭によって、これまで手本とされたビジネスモデルが急速に陳腐化してきたこともある。

 とはいえ、企業にとってあらゆる状況においても売上や利益の向上は重要な課題だ。その観点から注目を集めるキーワードが「ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン」である。「人の主観的体験、サービスによってもたらされる一連の体験価値を向上してサービスの魅力を高めよう」という考え方を端的に示す言葉だ。

 言葉だけを聞くと少し難しく感じるが「本質は『顧客本位』という商売の基本に立っている点で、理解は決して難しくありません」と語るのは、TDCソフト CX&UXデザイン推進室の酒井美彩都氏だ。

UXデザイン TDCソフト CX&UXデザイン推進室 HCD-Net認定 人間中心設計専門家/UXデザイナー 酒井美彩都氏

 「消費者がサービスを利用する動機は、何らかの欲求や期待をかなえることにあります。それが何かを把握し、顧客と関わるあらゆる面で体験価値を提供し、さらにフィードバックから“カイゼン”を続ける。これがUXの向上、つまりUXデザインにおけるアプローチになります」(酒井氏)

 従来のサービス企画では、提供者視点や技術を重視するあまり“売り手本位”のアプローチも散見された。だが、それだけでは顧客の満足につながらず、売り手側の自己満足で終わってしまう。

 対してUXデザインでは、顧客の立場からサービスの魅力向上にとことんこだわるのがポイントだ。顧客が持つサービスへの期待、使用したときの感動や喜びの極大化に取り組み、より多くの顧客を呼び込むという好循環の創出を目指すのである。

豊富な実績を誇るUXデザイン支援サービスとは

 顧客の支持を得るために、今やあらゆるサービスでUXデザインの採用が進んでいる。とりわけスマホアプリなどのデジタル分野でその動きが顕著だ。酒井氏はそれは必然な流れだと強調する。

 「デジタル技術を使ったサービスの場合、機能だけで差別化を図るのは困難です。そのため、UXデザインを取り入れて顧客の新たな体験価値の創出、向上を目指すのが差別化の現実解です」(酒井氏)

 社会のデジタル化が進み、顧客との接点としてシステムの重要性は高まる一方だ。その中にあって、UXデザインはいずれの企業も無視できない存在となっている。

 別の見方もできると酒井氏は続ける。企業には業務がいくつも存在し、DXを背景にそれらのデジタル化も加速する。UXデザインを取り入れ業務プロセスの変革やカイゼンを続けることで効率化や従業員エンゲージメントの向上、ひいてはコスト削減、利益向上に直結する。つまり、UXデザインは“攻め”だけでなく“守り”にも効くのだ。

 ただ、その意義は理解できても実践は一筋縄にはいかない。多くの企業で知識やノウハウが不足していて、何から着手していいか戸惑う企業も多いはずだ。

 そうした中、創業60年を迎えたTDCソフトは、企業のUXデザイン支援に先進的に取り組んできた会社だ。2019年から「UXデザイン」サービスを開始。以来、製造業や流通業、情報通信、金融・保険業、教育機関など、幅広い業界で数多くの実績を積み上げてきた。

 酒井氏によると、UXデザイン実践に関する企業の悩みは「社内にノウハウ・人材が不足している」「アウトプットをどう判断していいか分からない」「最終的なゴールや各プロセスの関係性が分かりづらい」「期間、時間がかかり過ぎる」「部署間、サービス間が分断していて一貫した体験を作るハードルが高い」など極めて多岐にわたる。

 金融ビジネスデザイン事業本部の横井美咲氏は、担当する銀行のサービスにおいてもその悩みが表面化していると話す。

UXデザイン TDCソフト 金融ビジネスデザイン事業本部 金融サービス事業部 第3システム部 横井美咲氏

 「銀行では、営業店の端末やATM・インターネットバンキング、最近ではスマホアプリなどで複数のユーザー接点を持っている場合が多いです。金融業界はサービス範囲が広く、既存のサービスがあるため、全てを一気に1つの体験へ変革していくのが大変です。

 また、以前はUXという考えがあまり浸透していない状態でシステムを構築した経緯もあり、現状は身近なUI(ユーザーインターフェース、顧客接点)のカイゼンを行っている企業が多いです。UIは全体のUXを壊さないために必須のものですが、今後はさらにUXの向上を追究していくことになると思います」(横井氏)

 最近はUXの認知が高まってきたこともあり、横井氏は、銀行のシステムを構築する大手のSIerなどからの相談も増え始めていると話す。

「調査」から「仕組化、カイゼンアクション」までを伴走しつつ一貫フォロー

 これまで培ってきたUXデザインに関する豊富な知見を持つTDCソフト。酒井氏は、同社のUXデザインサービスの強みとして「企画立案からシステム開発、さらにユーザー評価・調査によるカイゼンサイクルの仕組化までを一気通貫で後押し、その中で多様なUXデザイン課題の解決を支援します」と胸を張る。

 では、具体的なサービスの中身とは何か。大まかに見ると、従来のシステム開発「企画から設計、開発、保守まで」とそう変わらない。UXデザインのプロセスで決定的に違うのがユーザー把握のための「調査」と、調査結果に基づく仮説の効果を検証する「評価」のフェーズが最初と最後に設けられている点だ。さらにTDCソフトでは、最後に独自の「仕組化・カイゼンアクション」を設けており、持続可能なUXデザインを追究している。

UXデザイン TDCソフトのUXデザインでは最後に「仕組化・カイゼンアクション」が設けられる(出所:TDCソフト)

 UXデザインにおいて調査は出発点と位置付けられる。酒井氏は「UXとUIを勘違いする方が多いです。確かにUIはUXに包含されるほど大切なものです。だた、UXで目指すべきはシステム全体を通した体験価値の最適化です。そこでユーザーインタビューを実施し顧客の潜在ニーズ(表面的で顕在化しているニーズではなく無意識の言語化できないニーズ)を見つけ出し、ペルソナ(ターゲットユーザーの価値観や属性、行動などを明確にしたもの)、サービスブループリント(ユーザーとステークホルダーの状況や行動を時系列で表現したもの)などを作成しつつ、現状の体験をできる限り精緻に洗い出します」と活動を解説する。

 その結果を基にどう理想の体験に落とし込むかを明確化することがUXデザインでの最大の山場だ。このフェーズでの「顧客や業務のノウハウを持つ企業の知見が不可欠」(酒井氏)なことを踏まえた策が共同ワークショップの開催だ。本来の狙いや顕在化している課題について、TDCソフトが知見やアイデアを提供しつつ対応に向けた議論を深め、目指すべきUXを共同で企画する。

 ここまで来れば、その後の実装までは一般的なシステム開発と同様だ。その上で、最終的に出来上がったサービスをユーザー視点で検証する評価を通じて、次なるカイゼンにつなげるのである。「UXデザインでは、企業自身でしか判断できないことが多くあります。UXデザインサービスでは各プロセスやゴール、前プロセスとの関連性、判断基準を初心者の方でも分かるようにかみ砕いて説明しつつ、伴走型で一連の判断を支援します」(酒井氏)

新サービス立ち上げからレガシー刷新、DXまで発揮

 すでに指摘した通り、UXデザインに関する理解は企業ごとに差があるのが実態だ。TDCソフトではその中で作業を円滑に進めるべく、同社が主体となって活動を進めたり、企画自体を支援したり、アドバイザーに徹したりなど、UXデザインサービスの実施方法をいくつも用意する。UX理解のための研修サービスも提供しており、UXデザインサービス内ではOJT形式による教育サービスも行っている。

UXデザイン UXデザインのサービス一覧(出所:TDCソフト)

 これまで培ってきたUXデザインの知見を基にした同社のサービスは、すでに多くの企業で多様な成果を上げている。例えば、機械メーカーのA社。機器の機能や性能で差別化が難しくなる中、サービス全体で差別化を目指そうと新規顧客獲得やアップセルを狙いにしたサービスの立ち上げを目指していた。しかし、自社で顧客情報を持っておらず、何から始めたら良いか分からない状況だった。

 そこでTDCソフトは、現状の把握からユーザー調査・分析、UXデザインの研修、体験設計ワークショップ、プロトタイプ作成などを支援。サービスリリースに向けた作業と同時進行で長期的なプラン作成も支援し、売り上げと顧客満足度の向上へと進んでいる。

UXデザイン 機械製造会社向けのUXデザイン支援(出所:TDCソフト)

 DXにUXデザインを用いる企業が食品卸のB社だ。同社では、デジタル時代に合致した既存業務の刷新という経営判断の下、業務のあるべき姿の見直しをゼロベースで進めている。

 「現行システムの刷新には、過去の否定という困難な取り組みを避けては通れません。そのために、まずは社員が感じている現状の不満や要望を拾い上げて共有し、その解決策を共に導き出す手法で心理面の課題を乗り越える必要があります。もちろん業務刷新の道のりは長く、何度もサイクルを繰り返しながら新たなカイゼンに乗り出すことになります」(酒井氏)

 UXデザインサービスの支援内容や開発規模はさまざまだ。ただ、いずれのプロジェクトでも最初の調査から評価までは、1サイクルあたり長くとも3カ月ほどで完了する。

“身近なところから始める”のがUXデザイン推進の一番の近道に

 TDCソフトではノウハウのさらなる蓄積と合わせて、SIerとしての開発品質の向上に向け、社内でもUXデザインの浸透に取り組んでいる。UXデザインを浸透させる社内横断のチームを設置し、そこで育成したエバンジェリストが現場に知見を広げている。

 エバンジェリストとなった横井氏は「設計通りに間違いなく作るのが従来の最優先事項。それが、システムの最終ユーザー対して、どう体験価値を高められるかに気を配るようになりました。最初はエバンジェリストからメンバーにUXデザインを浸透するための山場はありますが、UXデザインのマインドがみんなの当たり前になると、開発品質の底上げにつながっていくと考えています」とその成果を語る。

UXデザイン

 UXデザインへの企業の取り組みは始まったばかり。成果をより大きなものとすべく、試行錯誤が今後本格化することはほぼ間違いない。

 「IT部門では対応が難しい顧客と企業の関係の変革や業務の変革といった問題にUXデザインを活用できます。今後は現場や経営でもデザインの重要性が高まるはずです。難しく考えることなく、まずは身近なところで試し、それを積み重ねていくのがUXデザインの推進に向けた一番の近道といえます」(酒井氏)

 TDCソフトはUXデザイン導入に向けた貴重な“知恵袋”。ファン数や満足度を高めたいと考える企業にとって、伴走型の支援を続けるTDCソフトは強力なパートナーになるはずだ。

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提供:TDCソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年4月12日

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