どうせなら経理DXの検討を! “法制対応+データ管理の柔軟性”が「電帳法」「インボイス制度」の対応ツール選定の鍵に

» 2023年03月17日 10時00分 公開
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 法制対応は厄介な作業だが、期日までに完了させることは企業の責務だ。万一、遅れや誤りなどが生じた企業には、結果的に何らかのペナルティーを課されかねない。この観点から、改正電子帳簿保存法(以下、電帳法)、インボイス制度の対応に追われている企業も多いはずだ。2023年10月にはインボイス制度の施行が控え、電帳法の要件の一つ、電子取引に設けられていた宥恕(ゆうじょ)措置も、24年1月には終了する。期間は1年を切った。

 このような中、富士通Japanとウイングアーク1stでは「令和5年 改正電子帳簿保存法/インボイス制度 法対応だけでなく今一歩DXを進めるためのポイントを徹底解説します」と題したオンラインセミナーを23年2月に開催。SKJ総合税理士事務所 所長で税理士の袖山喜久造氏を講師に招き、業務DXを目的とした電子化の検討ポイントについて解説した。本記事では、その内容について紹介したい。

 袖山氏は、電帳法対応のポイントとして「取引書類などをデータで授受した場合には、電子取引データとして法令要件を満たした状態で保存することが必要です。令和3年度(21年)の改正により、企業で広く実施されてきた、電子取引データの紙による保存は原則として認められなくなります」と解説する。

 一方のインボイス制度は、適格請求書(インボイス)を保存する新たな消費税仕入税額控除の方法である。税務署に登録された適格請求書発行事業者だけがインボイスを交付でき、インボイスの保存がされていなければ、原則として買い手は仕入税額控除をすることができない。

電帳法 セミナーに登壇した袖山喜久造税理士

 制度対応の必要性については、企業の認知度は高いものの、対応準備が終了している、または準備を進めている企業が少ないのも悩ましい。背景には、対応の仕方が企業の規模や業態により異なり、一律にどの進め方がいいのか釈然としないことも挙げられる。袖山氏はその現実的な策として、企業規模や業態に則した電帳法やインボイス制度に対応したITツールの活用を挙げる。

 「特に電帳法のデータ保存要件に対応するには法令要件を満たしたシステムやツールの活用は効果的。ただし、それらを“どの業務/処理”に“どこまで”使うかといった方針は、各企業が何を目的とした電子化を行うのか、自身で決定するほかありません」(袖山氏)

“最低限”と“DX”のどちらを目指すか

 各企業が方針を決めるアプローチはいくつかある。確実な作業完了を目指し、対応が必要な範囲を明確にすることもその1つだ。例えば電帳法(電子取引)でデータでの保存が義務付けられるのは「データで送付や受領した取引書類や取引に関する情報のみ」に限られる。郵送や対面で受領した見積書や請求書など紙の書類の扱いは、紙書類を保存しておけば法的に問題は生じない。「電子取引データの保存を優先して対応することで作業負荷は軽減できます。一方で、社会のデジタル化が急進する中、範囲を限定した対応は、メリットが限定的となります」と袖山氏。

 その点を踏まえて袖山氏が推奨するのが、電帳法やインボイス制度の対応を「経理DXの一環」と捉えるやり方だ。いずれの企業も経理DXを推進するタイミングは遠からず訪れる。法制度対応を面倒な作業ではなく、DXの好機と捉えるのだ。

 「法制度へ対応する時間は限られています。しかし、DXの意識さえ持っていれば、その後の経理DXにつながる電子化の糸口もつかみやすい。将来を見据えれば、優先度に応じてまず経理が扱う請求書や領収書の処理や保存を電子化し、その後に他の業務を電子化するといった段階的な検討が妥当といえるでしょう」(袖山氏)

「3つの電子化」が切りひらく次世代経理の姿

 袖山氏は、経理DXを進める場合、3つの側面からの検討が必要であると話す。まずは「業務処理の電子化」だ。紙ベースでの業務処理はリモートワークへの移行を難しくさせるなど、効率化の足かせとして指摘されてきた。社内の業務処理を電子化する場合、電子ワークフローシステムの導入は必須だがRPA、OCRなどを活用すれば、入力や処理業務の作業効率は格段に高まる。人手のミスや意図的な行為の一掃を通じ、処理適正化やガバナンス強化も期待できるはずだ。

 次は「証憑保存の電子化」。社内の業務で処理する取引書類は紙やデータで授受されているが、これらをデータで処理する場合、証憑をデータで保存する必要がある。書面で授受された書類をデータで保存する場合、データで授受されるデータを保存する場合に対応が必要なのが電帳法である。証憑保存の電子化では電帳法の法令対応の検討が必要である。

「業務DXでは取引データをどのように活用するかがポイントです。業務効率化だけではなく処理の適正化や、業務管理をデータで行うことによるガバナンス強化も電子化の目的となるはずです」(袖山氏)

 最後は「取引書類の授受方法の電子化」だ。発送業務や受け取り後のデータ入力を伴う点で、紙での授受は手間とコストを要する。電子化を通じて1つ目の「業務処理の電子化」と同様の効果を見込め、同時にペーパレス化も推進できる。

 それらの先に袖山氏が描くのが、業務高度化のための多様な検索/分析を実現する次世代の経理業務像だ。

電帳法 法令対応を契機に、デジタル社会を見据えた業務改革を(セミナー資料より引用)

経理DXの下準備として脚光を浴びるITツール

 インボイス制度の対応では、電子インボイスの標準化されたフォーマットである国際規格「Peppol」に準拠した日本標準仕様「デジタルインボイス」の策定も大きい。「標準仕様のデジタルインボイスにより、APIによる各種システムへの取り込みが容易に行えるようになるだけではなく、振込依頼の自動化や、発行側の請求情報と入金情報の消込作業を自動化できるシステムも出現し、経理業務でのデータ活用の促進が期待されます」(袖山氏)

 なお帳簿については、電帳法では「訂正削除履歴の確保」「相互関連性の確保」「検索機能の確保」「関係書類の備え付け」「見読可能性の確保」の5要件を満たして作成/保存したデータを「優良電子帳簿」と定義。税法で規定される国税関係帳簿が優良電子帳簿であり、事前に所轄税務署に特例適用届出書を提出している企業に対して、過少申告加算税の5%軽減の特例を定める。

 「経理業務のDXだけでなく、税制面からも真実性の高い帳簿を保存している場合にはメリットがあります。企業として取り組まない手はないのです」(袖山氏)

 こうした中、経理DXの本格化の下準備として、経営数値を管理するERPとともに、証憑データを扱う販売管理システムの再検討の動きがすでに盛り上がりつつある。その急先鋒が、国産ERPとしての40年の開発実績を基に、すでに多くの販売実績を誇る富士通Japanの販売管理パッケージ「GLOVIA iZ 販売」だ。

電磁的記録の保存要件を満たすアプローチとは?

 GLOVIA iZ 販売が評価される理由は、ウイングアーク1stの電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」との機能連携により、電帳法で定める3種類(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存する「電子帳簿等保存」、紙で受領・作成した書類を画像データで保存する「スキャナ保存」、24年1月に宥恕措置が切れる「電子取引」)の、電磁的記録の保存に対応しているためだ。

電帳法 電子帳簿保存法上、電磁的記録に保存は大きく3 種類に区分される(セミナー資料より引用)

 前述の通り、過少申告加算税の5%軽減の特例を受けるには、国税関係の帳簿が優良電子帳簿であるのが前提だ。しかし、「多くのERPパッケージは会計モジュールが集計データのみを管理し、販売モジュールが明細データを管理する仕組みにより、優良電子帳簿としての法令要件を満たせていません。その点、GLOVIA iZ 販売では、この課題を早くから解消しています」と富士通Japanの福山龍一郎氏は胸を張る。

 残るスキャナ保存と電子取引のデータ保存で力を発揮するのがinvoiceAgentだ。両保存に対応するには法令要件である「真実性の確保」と「可視性の確保」のための、「データへのタイムスタンプの付与」「システムの概要書/仕様書/事務処理マニュアルの用意」「検索機能の用意」などを満たした環境整備が求められる。

 それが電帳法対応の本来的な難しさだ。対してウイングアーク1stの仲谷紘明氏は「データや紙を問わないあらゆる証憑の『受信』『保管/データ化』『配信』を一気通貫に管理する機能を備えるinvoiceAgentは、企業間でやりとりする文書のゲートウェイ、さらに文書管理システムとして機能することで、法令要件に満たす仕組みを容易に実現します。すでにJIIMA認証(電帳法の法的要件を満たしたITツールに対する認証)を取得済みで、スキャナ保存の要件も満たしています」と語る。

電帳法 invoiceAgentではあらゆる証憑の「受信」「保管/データ化」「配信」を一元管理する(セミナー資料より引用)

GLOVIA iZ 販売×invoiceAgentで加速する経理DX

 帳票の活字や手書き文字を読み取り、システムに取り込む「AI OCR」、帳票仕分けから保管、検索、他システムとの連携まで実現する「文書管理」、帳票の送受信から管理までを一括で行える「電子取引」、電子契約における確認・署名・管理のための「電子契約」の4つのラインアップから成るinvoiceAgentは、文書にまつわる多様な業務効率ニーズに応え、豊富な採用実績を誇る。

 インボイス制度の対応に目を転じれば、GLOVIA iZ 販売もすでにインボイス制度に対応済み。invoiceAgentと組み合わせることで、インボイスを含めたあらゆる文書のやりとりの効率化や電子化にも乗り出せる。

 富士通のGLOVIA iZ 販売とウイングアーク1stのinvoiceAgentの連携を通じ、企業の経理DXは今後、さらに加速することになりそうだ。

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