【事例取材】HR×IT部門が共創する「ハッピーな働き方」 キンドリルに聞くデジタルワークプレースの最適解

» 2023年08月21日 10時00分 公開
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 アフターコロナが現実となり、新しい働き方を確立するべきタイミングが訪れた。デジタル技術を生かして柔軟な働き方を実現する「デジタルワークプレース」の構築は、多くの企業にとって急務だといえる。しかし「IT戦略という視点だけで施策を検討するのは早計」――こう警鐘を鳴らすのは、デジタルワークプレースサービス(以下、DWS)を提供するキンドリルだ。

 本記事では、自社でもデジタルワークプレースを構築し、その効果を検証しているキンドリルのDWSグローバルリーダーであるイバン・ドプレ氏と、キンドリルジャパンDWS日本リーダーの秋吉香織氏を取材。デジタルワークプレースが組織に与える影響と、今必要な価値観の変革について話を聞いた。

従業員エンゲージメントはなぜ重要か?

 イバン氏は最初に、コロナ禍が収束しようとしている現状を「新しい世界」と表現しこう話す。

photo イバン・ドプレ(Ivan Dopple)氏。キンドリル Global Practice Leader Digital Workplace

 「リモートワークはコロナ禍で強制的にスタートしたものであり、計画的ではなかった。しかし私たちは、それによってさまざまなドアを開き、多様なケイパビリティ(能力、可能性)に目覚めた。人間の暮らしがどうなったのかを幅広い観点で考えたとき、もう歯車は戻せない。

 一部の企業は、リモートワークで従業員との接点が失われることを懸念している。しかし重要なのは従業員がどうしたら生産的に働けて、どうしたらハッピーになるのかを思い描くことだ。全員出社していても、働き方の柔軟性を損なえば生産性が低下することもある。一方で、完全にフレキシブルな働き方にする場合は非常に深い従業員エンゲージメントが必要だ。

 リモートと出社を両立するハイブリッドワークを成功に導くには、企業活動に従業員を巻き込むための投資、そして個人の可能性を十分に発揮できる自由を与えて従業員エンゲージメントを高めることを意識した投資が必要だ」(イバン氏)

 キンドリルは、デジタルワークプレース構築には従業員エンゲージメントが重要だと考える。イバン氏は「今は非常に難しいマクロ経済環境下である」とし、「多くの企業がこの状況を乗り越えようと尽力している。そして従業員や顧客エンゲージメントは、企業の成功と直結しているということがすでに証明されている」と強調する。

photo 秋吉香織氏。キンドリルジャパン Practice Leader Digital Workplace

 秋吉氏もまた「従業員エンゲージメントは企業成長のキーファクター」と話し、イバン氏に同意する。

 「従業員エンゲージメント向上のベースにあるのは『従業員をいかに大切に思っているか』示す姿勢だ。信頼している、存在価値を認めていることを認知させるためにも従業員が最適に働けるIT環境――デジタルワークプレースを提供することが今後、企業の責務になる」(秋吉氏)

「デジタルワークプレース=IT×HR」が企業成長を促す

 ではどのような戦略でデジタルワークプレースを構築すればいいのか。イバン氏は「横断的に戦略を立てて行動を変えていく必要がある」と説く。具体的には、ITインフラの選定や運用を担うIT部門と、従業員エンゲージメント向上策を担うHR部門の壁を取り払い「どのようなIT戦略、HR戦略で従業員をサポートしていくか定義すること」(イバン氏)が大切だ。そのためにも、IT部門とHR部門の連携は欠かせない。

 加えてユーザー部門に目を向けると、柔軟性を欠いているという課題がある。秋吉氏は「企業は部門でミッションや必要な体制が異なる。そのため『最善』の形もそれぞれだ。ゆえにツールやプロセスのサイロ化が進む」と指摘。

 それを防ぐには「従業員を軸として物事を考える役割を持つ人や部門を、社内に横軸で存在させるべきだ。そこではイバンが話すようにIT戦略だけではなくHR戦略、つまり働き方について人事や従業員視点で考える必要がある。それをもってデジタルワークプレースを構築することでエクイティー(公平公正)な組織に近づけるはずだ」(秋吉氏)と話す。

キンドリル、数千あった利用ツールをグローバルで大幅に削減中 その効果は?

 例として、キンドリルのデジタルワークプレース事例と効果を見てみよう。前提としてキンドリルはハイブリッドワークを推奨し、どこで働いても構わないというスタンスをとっている。

 「キンドリルのデジタルワークプレースでは、時間や場所を問わず同じデータやプロセスにアクセスできる。この環境により、従業員は時間を無駄にせず生産的に働ける、そしていつでもクリエイティブに仕事ができる。そのことは顧客の望む結果を達成することにもつながっている」(イバン氏)

 キンドリルは2021年にIBMのインフラストラクチャ・サービス部門からスピンオフした企業だが、23年中には拠点、IT環境含めて完全独立することを目指しながらデジタルワークプレース構築を進めている。秋吉氏は「当初、キンドリルはグローバル全体で数千種類ものツールを使っていたが、現在、大幅な削減を目指している」と説明する。

 具体的にはMicrosoftの製品群に全ツールを集約。かつ領域別に利用ツールのスリムアップに努め、サイロ化していたIT環境を横軸で整理し直した。例えば人事であれば採用からキャリアマネジメント、スキル管理を1つのツールにまとめるといった具合だ。これにより相当なコストカットを見込んでおり、従業員調査の結果によると、二桁ポイントも満足度がアップするという効果をすでに得ている。

従業員が「何にどう貢献できているか」を示す、コミュニケーションの価値

 同時にキンドリルでは、エンゲージメント向上のために企業と従業員間のコミュニケーションを第一に考える。これは最適なデジタルワークプレース環境を維持していくためにも欠かせない。

 「CEOから始まって、人事やビジネスユニットのリーダーが定期的にチームに対して一貫性のあるメッセージを発信している。ただ単にハイブリッドワークの環境下に人を配置するのではなく、従業員を巻き込んでいくこと。どういう目標があって彼らがどう貢献できるのかを明確にコミュニケーションして、それをサポートするためのインフラを提供すること。これがキンドリルのデジタルワークプレース基盤だ」(イバン氏)

 22年に実施した従業員調査では、自由参加だったにもかかわらず「高い回答率を得ることができた」とイバン氏。デジタルワークプレースに対する満足度の高さや、自社への貢献を実感しているなど好評価だったといい「メッセージの浸透具合や、的確なサポートが提供されている様子を確認できた」(イバン氏)

新しい働き方、「課題は誰にでもある」 その内容と解決策は

 その過程に課題はなかったのか? そう問うとイバン氏は「もちろん、課題はある」と回答し、新しい環境に対する抵抗勢力が少なからず存在したと明かす。

 「私たちはグローバルカンパニーとしてフラットな組織を目指している。フラットになることで迅速(ファスト)な業務や意思決定が可能になり、顧客の課題にフォーカスできる。それは既存のヒエラルキーを尊重しつつも、あえてつくり出すことはしないことを意味する。

 デジタルワークプレースを構築する過程では、中間管理職というフィルターを通さないことへの違和感、各部門でサイロ化していたインフラを見直すことへの不安感などの課題があった。しかし私たちは、彼らが持っていた価値を取り上げるわけではない。『フラット』『ファスト』『フォーカス』という新しいカルチャーがキンドリルを特別な存在にする。そのために今後はオープンな組織づくりが必要なことを、コミュニケーションを図り理解してもらう、お互いに協力することを心掛けた。

 キンドリルという組織全体をうまく統合していくためには、これまでの経験をベースとした『学び』を続けていかなければならない。現在もまだ、そのプロセスの途中にある」(イバン氏)

ライフイベントのフォローアップで「人生を豊かに」

 キンドリルのデジタルワークプレースは、同社が掲げるID&E(インクルージョン、ダイバーシティー&エクイティー)の推進にも寄与している。みなに同一の働く(IT)環境を提供することで、育児や介護など個人の事情に寄り添い、仕事とプライベートの両立を支援する。秋吉氏は「その点は大前提だ」として、続ける。

 「私たちDWSチームがID&Eを実現するためにしていることは、例えば働くママやパパが集う自社のコミュニティーに対して、ITをこう使うことでより最適に働けるといったアイデアを提供すること。または、プライベートの事情で業務を柔軟に調整したり、子どもがビデオ会議に映り込んだりしてもウエルカムなカルチャーを醸成することだ。

 デジタルワークプレースは『いつでも仕事ができる環境を整えたのだから、より多く働け』と受け取られることもあるが、そうではない。サイロ化して閉じられた仕事環境が常態化していると、育児や介護などの事情により異動したとき環境がガラリと変わることになる。結果、自信が持てない、不安がぬぐえないといった従業員が出てくる。デジタルワークプレースは、何か事情があったとしても働きたいという意欲をフォローするものであり、キャリアの自由度を高めることにも貢献する。

 人事施策で従業員を守りながら『生産性高く働きたい』という意欲を後押しするIT環境を用意する――これが、私たちが推奨するIT戦略×HR戦略を基にしたデジタルワークプレースであり、今後もロケーションフリー、デバイスフリー、リミテーション(時間や行動などの制限)フリーを重視していく考えだ」(秋吉氏)

デジタルワークプレースで生きること、働くことをハッピーに

 キンドリルは自社の経験を企業へのアドバイス、支援に生かしている。そこに含まれているのは、プロセスやインフラ基盤、またはカルチャーを変革していくためのコンサルティングなど幅広い。

 「全てがデジタルに置き換えられる時代になっても、私たちは人間だ。企業はそれを意識しながら環境整備、インフラサポートを行うことが重要である。キンドリルが望むのは、多くの企業の従業員がより生産的に、自信や会社への誇りを持って働けること。そして、それが企業成長につながることを、自社を手本に示して支援することだ。ぜひ私たちにそのジャーニーを追う手助けをさせていただきたい」(イバン氏)

 「多くの会社がデジタルワークプレースを構築し、従業員エンゲージメントを高めることができれば日本企業はきっと強くなる。ChatGPTを筆頭に最近ではAIの進化が目覚ましいが、そのような新しい技術を企業が安心して活用できるよう、キンドリルジャパンのDWSを通し貢献していきたい」(秋吉氏)

 企業と人間、そしてITがより良いバランスで統合することは、今後の組織づくりにおいて不可欠になる。これからの組織の在り方、働き方を模索しているなら、ぜひ一度キンドリルに相談してみてはいかがだろうか。

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提供:キンドリルジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2023年8月27日