デジタル広告の“前線”に立つエンジニア 博報堂テクノロジーズで生まれた新しい開発チームの在り方

» 2024年02月21日 10時00分 公開
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 テクノロジーの急速な発展によって、デジタルシフトへの対応が急務になっているマーケティング領域。マーケティングツールの利用が広がる中で、アプリケーションやSaaSの開発を担うエンジニアの活動領域も年々広がっている。その中でも数多くのプロダクト開発を担うのが、日本有数の広告代理店である博報堂DYグループのエンジニアが集まる博報堂テクノロジーズだ。

 テクノロジーの力を生かして「嬉しい広告」の実現を目指す同社のプロダクト開発センターは、自社でエンジニアを抱えてデジタル広告向けのアプリケーションやSaaSの開発に注力している。実際の開発環境とエンジニアとして働く魅力を、Amazon広告の自動運用ツール「Commerce Flow(コマースフロー)」の開発者に聞いた。

受託は開発後に「解散」 品質向上を目指せるチームに転職

 博報堂テクノロジーズは、マーケティング×テクノロジーの力で社会と生活者に新しい価値や体験を提供することを掲げている。博報堂DYグループの開発体制を集結、各企業に散らばっていたエンジニアたちを集めて、体制強化や進化を目的として2022年4月に設立された。現在400人近い社員が博報堂DYグループとクライアントの課題解決に向けたDX支援やプロダクトの開発、研究開発など幅広い領域で活躍している。

 プロダクト開発センター アプリケーション開発部に所属する伊藤邦彦さんは、プロダクトエンジニアとしてCommerce Flowの開発を担当する。Commerce Flowはアプリケーション開発部の前身組織であるnegociaが開発したツールだ。negociaは19年に、博報堂DYグループのアイレップとのM&Aによってグループの一員になった。伊藤さんはエンジニアとしてのキャリアを次のように説明する。

photo 博報堂テクノロジーズ プロダクト開発センター アプリケーション開発部 プロダクトエンジニア 伊藤邦彦さん

 「新卒で受託の開発会社に入って、10年間ほどWebアプリケーションの開発に関わってきました。受託の場合は、プロダクトが完成すると開発チームが解散することもあります。エンジニアの立場からもっと事業に関わって、サービスの質向上や売り上げへの貢献を目指したいと考えて21年にnegociaに転職しました。それからずっとCommerce Flowに携わっています」

 伊藤さんは転職後、スクラム開発の進行役であるスクラムマスターなどを経て、現在はCommerce Flow開発のチームリーダーを務めている。チーム自体はコンパクトで、開発に関する全ての事柄を全員で決めている。

 「開発メンバーは私も含めて社員が3人、業務委託が1人です。品質担当のQAエンジニアも業務委託で1人います。その他に、プロダクト企画部からプロダクトオーナーとカスタマーサクセスの担当者が1人ずつ入っています。

 全員が参加する朝会を毎日オンラインで開いて、その日に進める内容や課題の確認などを話し合います。新たな開発項目(エピック)を検討するのも朝会です。開発項目の価値や緊急性、工数感などをチーム全員で見積もるなど民主的な組織体制であることが特徴です」(伊藤さん)

Amazon広告の運用を自動化するCommerce Flow 国産ツールでシェア拡大

 Commerce Flowは博報堂DYグループをはじめとした広告代理店、または国内外のEC事業者向けにAmazon広告を自動運用できるツールとして開発された。リリース開始からおよそ4年、国産ツールとして着実にシェアを拡大している。

 「Web広告の運用はGoogleでは自動化が進んでいますが、Amazonはそうではありません。入札額の調整など、自分で細かな設定をしなければ運用できません。しかも、マーケティングやAmazon広告の運用知識が必要になるため、広告以外の在庫管理や売上管理などを担うECご担当者さまにとっては参入障壁が高くなっています。そこで、設定や運用を自動化して人の負担を減らせるツールとしてCommerce Flowを開発しました。

 Commerce Flowが目指しているのは、マーケティングや日々の運用に時間を割けない事業者でも商品が売れるようになることです。良い商品を正しい形で世に出すことによって、広告を見る人が良いものに触れることができる『嬉しい広告』につなげていきたいと考えています」(伊藤さん)

 Commerce FlowはAmazon広告の運用方法が分からない、または運用の成果が思うように出ないといった悩みを解決する。商品を自動でグループ化して適したキャンペーンを設定する他、実績を上げているキーワードなどを自動で入稿。目標が達成できるように、入札額や日ごとの予算を最適化する機能もある。

ALTALT Commerce Flowの主な特徴(同社資料より、以下同)

 独自の機能として特に注目されているのが、広告を出す時間帯の調整だ。売り上げが伸びる夜間や土日などに多く広告を配信したいと考えた場合、一般的な方法では配信したい時間にAmazonの広告運用ツールを操作しなければならない。Commerce Flowを使えば、事前にスケジュールを設定して希望の時間帯に絞って広告を配信できる。

photo 時間調整機能により、人力に頼らない広告配信を実現

 こうした多様な機能を、画面のガイドに従って設定するだけで使える点がCommerce Flowの大きな魅力だ。伊藤さんによると、利用する事業者は大きく2種類に分かれるという。

 「一つは広告費をそれほど多く出せないけれども、Amazon広告を最適化したい事業者です。広告代理店に全て任せる場合、相場として20%程度の手数料が必要ですが、Commerce Flowは広告費の5%の利用料で済みます。もう一つは社内のマーケターが運用する事業者ですね。いずれにしても運用コストを抑えられます」

エンジニアが自律し、オーナーシップを持って開発

 伊藤さんのチームは、システムの改善や新しい機能の追加を日々検討している。開発担当者によるシステムを良くするための提案を、カスタマーサクセスが持つユーザー情報と合わせて議論し、全員が納得した上で決めていく。伊藤さんはエンジニアの意見をしっかり反映できる開発体制が魅力だと語る。

 「受託で開発していたときは、『もっとこうした方がお客さんが増えるのではないか』と思っても、エンジニアが意見を言える場がありませんでした。今は、開発メンバーでありながらビジネスをしている感覚やサービスを作っている実感があるので楽しいですね。

 チーム内の議論も活発です。一度決めた機能を練り直すこともあります。私を含むエンジニアがシステム改善を提案して、全員で価値を見積った上で採用するかを決めています。チームで1つのプロダクトに集中しているので、全員がオーナーシップと責任感を持って進めていくことを大切にしています」

 伊藤さんのチームでは、新卒で入社して半年ほどの社員がシステムのパフォーマンス向上によるコスト削減を目標にした改善を提案し、成果を上げている。チームのメンバー全員が開発項目を理解しているので、誰かが急に休んだとしても開発が止まることはない。自律的に業務を進めるのは、博報堂テクノロジーズに根付いている文化でもある。

 「機能ごとに主担当を置いて、その人に設計をしてもらいます。その上で、全員でレビューを実施。細かくタスクを分解して依存関係がないようにしているので、基本的にはバラバラに作っても機能が成り立つことを意識しています。そのため、休めないといったプレッシャーもありません」(伊藤さん)

フルリモート勤務、出社の交通費は月15万円まで支給

 伊藤さんのチームはフルリモートで開発を進めていて、メンバーが住んでいる場所は全国各地に散らばっている。伊藤さんが暮らしているのは富山市。子どもが生まれたのをきっかけに前職で出身地に移住し、そのままnegociaに転職した。宮城県や岡山県に住むメンバーもいるという。

 博報堂テクノロジーズでは、週2回以下の出社をする社員が約8割と働き方の自由度が高い。また、新幹線や飛行機などを使って朝9時30分までに出社できる場所であれば、どこにでも住むことが可能だ。月の交通費の上限も15万円と手厚い。

 全社的な勤務時間は朝9時30分から午後5時30分。伊藤さんは子育ても含めてバランスの取れた生活が送れていると話す。

 「裁量労働制なので、毎朝子どもを保育園に送って9時ごろから仕事を始めています。トラブルがなければ長時間働くことはありません。チームのメンバーも残業は多くないと思います」

 フルリモート勤務を選択しているエンジニアが多いため、リアルで会うことはほとんどない。そこで、エンジニア同士のコミュニケーションを図るとともに技術的な知識を習得する場として、技術書の輪読会を週に1回、勤務時間中に開催している。

 新入社員にはアジャイル関連の輪読会を開いている他、教育プログラムの受講や海外のカンファレンスに参加する費用などを会社が負担する制度もある。エンジニアにとって幅広いキャリア形成が可能だ。

 「業務の幅が広いエンジニアが多いという印象ですね。私自身は前職でプロダクトオーナー(PO)やアジャイルコーチに携わった経験があります。アプリケーション開発からAI開発にキャリアチェンジした人もいますし、サービスを立ち上げた経験が豊富な人もいます。フロントエンドからバックエンドまで幅広い業務があるので、自分が力を入れたい仕事にチャレンジできる環境です」(伊藤さん)

 Amazon広告はまだまだ成長すると予想される。Commerce Flowを海外の事業者向けに展開するなど今後もシステムの改善や機能の追加が続くことから、伊藤さんのチームもメンバーを増やしていきたいと考えている。

 「納得感を持って、主体的に“自分たちのプロダクト”を作れる。エンジニアにとって、これに勝るやりがいはありません」。伊藤さんはこう語り、笑顔で続ける。

 「博報堂テクノロジーズには、ソフトウェアエンジニアがすでに持っているスキルを深めるだけではなく、新たな言語や領域に挑戦して扱える技術を広げられる環境があります。プロダクトが抱える課題に対して、柔軟に適応できる力を得られる――技術スタックに囚われない“フルスタックエンジニア”として活躍できる機会が豊富にある企業です。この先出会うメンバーにも、この環境を生かして自身の経験やスキル、そしてプロダクトを磨いていってほしいですね」(伊藤さん)

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提供:株式会社博報堂テクノロジーズ
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