通勤の「常識」が変わる? 働きやすさ向上と経費削減を同時に実現する「オフピーク定期券」とは

» 2024年03月15日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行したことで、外出自粛などの対策は企業や個人の判断に委ねられることになった。コロナ禍をきっかけにテレワークを導入した企業は多かったが、コミュニケーションやマネジメントの難しさが浮き彫りになったこともあり、出社勤務に回帰する動きが顕著になっている。その結果、首都圏では平日朝の通勤ラッシュが戻ってきた。 

 通勤電車の混雑緩和は、鉄道事業者の長年の課題だ。出社回帰が進む中で東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)は、東京の電車特定区間を対象に通勤時間のピークを避けることで定期券が約10%引きになる「オフピーク定期券」を2023年3月に開始した。同社いわく「IT企業などの従業員を中心に利用が広がりつつある」というオフピーク定期券は、ポストコロナの通勤スタイルをどのように変えるのだろうか。

オフピーク定期券の概要(提供:JR東日本)

東京都心の通勤ラッシュはコロナ禍前の約80%に

 新型コロナウイルス感染症が23年5月に法律上の区分で「5類感染症」に移行したことで、企業の出社回帰が進んでいる。ITmedia ビジネスオンラインが23年7月に実施した読者調査(※1)では、46.9%が「新型コロナ5類化以降、出社率が増えた」と回答。48.3%は「勤め先の出社率が80%以上」であると回答している。

新型コロナ5類化以降の会社方針の変化(ITmedia ビジネスオンライン「ハイブリッドワークに関する調査」23年7月)
※1:ITmedia ビジネスオンライン「ハイブリッドワークに関する調査」23年7月(有効回答数は495)。

 この影響は東京都心の通勤ラッシュの変化にも表れている。JR東日本管内で通勤時間帯の混雑が激しい区間とされているのが、東海道線の川崎駅から品川駅の間だ。同社によると、同区間の22年度の乗客数はコロナ禍で乗客が減少した20年度の117%まで増加したという。23年度の数字はまだ出ていないものの、通勤電車の乗客数はコロナ禍前の80%くらいまで戻っているとJR東日本ではみている。

柔軟に働きたい従業員とのミスマッチ 従業員の負担を少しでも減らすには?

 「テレワークの導入は一時的な対応だった」と考えて勤務体制をコロナ禍前に戻している企業もあれば、テレワークの定着を目指したもののコミュニケーション不足や管理が難しいといった理由で取りやめた企業もあるだろう。しかし企業が出社を求めることは、従業員のニーズとのミスマッチを起こしていると言えるのではないだろうか。

 ITmedia ビジネスオンラインが22年6月に実施した調査(※2)では、テレワークによって「業務に集中できる」「通勤ストレスがなくなった」などの声が上がっている。子どもの送迎などに対応しやすいのも、子育て世代にとっては大きな利点だ。むやみに出社することを求めてテレワークを阻害することは、従業員エンゲージメントの低下を招く可能性がある。

※2:ITmedia ビジネスオンライン「リモートワークに関する調査」22年6月(有効回答数は451)。

 出社回帰がさらに進めば、首都圏の朝の通勤ラッシュがコロナ禍前の状態に戻ってしまうという課題も出てくる。JR東日本が進めてきた路線の延伸や車両の増備などの輸送力強化により、かつてのように駅のスタッフに押し込まれながら乗車することはほとんどなくなった。とはいえ、立っているだけで大変な満員電車による通勤はストレスや疲労の原因になる。

 時差出勤の導入などによってピーク時間帯の通勤を避けられるようにするだけでも、従業員の働きやすさの向上につながるのではないだろうか。

通勤時間を少しずらすだけで約10%値下げ 「オフピーク定期券」

 東京都心の通勤時間帯の混雑緩和や多様な働き方の後押しにつなげるべく、JR東日本が開始したのがオフピーク定期券だ。SuicaとモバイルSuicaの利用が対象で、東京の電車特定区間内(以下の図参照)のみを利用する場合に購入できる。

東京の電車特定区間(提供:JR東日本)

 オフピーク定期券は通常の通勤定期券よりも約10%値下げされている。横浜駅から東京駅の通常定期券(6カ月)が7万350円なのに対してオフピーク定期券は6万2600円となり、7750円安くなる。同額のオフピーク定期券を200人の従業員が利用したと仮定すると年間の差額は310万円となり、企業の経費削減にも貢献する。

 オフピーク定期券の「オフピーク」とは、具体的にどの時間帯を指すのだろうか。JR東日本は、平日朝のピーク時間帯を駅ごとに設定している。主な駅のピーク時間帯は以下の図の通りだ。平日朝のピーク時間帯以外、つまりオフピークに定期券として利用できる。

主な駅のピーク時間帯(JR東日本 オフピーク定期券の公式サイトより)

 ピーク時間帯は入場時に判定される仕組みになっている。例えば通勤区間が立川駅から新宿駅の場合、ピーク時間帯の前に乗車する場合は午前6時44分までに立川駅の改札を通過していればオフピーク定期券が有効となる。

 ピーク時間帯の後に乗車する場合は午前8時16分以降に立川駅の改札から入場すればよい。ピーク時間帯の終了後すぐに電車に乗った場合、新宿駅には午前9時頃の到着となる。フレックスタイムや時差出勤の制度があれば通勤に大きな影響はなく、ほんの少し通勤時間をずらすだけでオフピーク定期券が使えるのだ。

 ピーク時間帯に使った場合は普通運賃が発生するが、1カ月に2回か3回程度ピーク時間帯に乗車しても、オフピーク定期券の方がおトクになる。JR線と私鉄、地下鉄線にまたがるSuica通勤定期券(連絡定期券)でも、JR線は電車特定区間のみを利用するのであればオフピーク定期券を購入できる。

通勤手当を抑制し、経費削減に貢献する「オフピーク定期券」(提供:JR東日本)

「時差出勤しにくい雰囲気」の打開策にも 働きやすさ向上と経費削減を同時に実現

 JR東日本によると、オフピーク定期券は23年12月の時点で約20万人が利用していて、定期券利用者の約8%を占める。この利用率が約17%まで伸びると、ピーク時間帯の混雑緩和がある程度実現すると見込んでいるという。

 同社が23年6月に実施した利用者アンケートでは、利用者の勤務先はサービス業、流通・小売業、IT(ソフトウェア・通信)関係の順に多いことが分かった。現時点では、もともとピーク時間帯以外に勤務している人やフレックスタイムなどの制度が導入されている企業で働く人が通常の定期券から切り替えたケースが多いようだ。

 同アンケートによると「オフピーク定期券を購入したことによる意識の変化」はポジティブな回答が大半を占めた。「オフピーク通勤を積極的に取り入れようと思った」と答えた人が約76%を占めた他、「気兼ねなくオフピーク通勤できるようになった」と答えた人が約62%いた。

 フレックスタイム制を導入している企業でも、部署によっては普段より遅い時間に出勤することがはばかられるケースは多い。それが、会社がオフピーク定期券の購入を認めることによって、結果的に時差出勤しやすくなったという声も集まっているという。

 人事制度を見直して時差出勤を導入し、時差出勤の利用者にはオフピーク定期券代を支給するなど、企業が従業員にオフピーク定期券の活用を促す。そうすることで、企業は通勤手当の抑制によって経費を削減できるだけでなく、柔軟な働き方への変化を促すきっかけにもなり得る。

企業価値向上につながるオフピーク通勤 多様な働き方の導入で採用力の強化も

 通勤時間帯のピークを避けることで通勤による負担が軽減され、生産性の向上が期待できる。その結果、健康経営の実現や従業員のウェルビーイングにもつながっていく。

 企業が得られるメリットはそれだけではない。就職先や転職先を選ぶに当たって、柔軟な働き方を認めている企業なのかどうかを重視する人が増えている。人材不足が深刻になっている中で、働きやすい環境を整えていることをアピールできれば採用力を強化できる。

 社会課題の解決という観点でも、オフピーク通勤が果たす役割は大きい。エッセンシャルワーカーなど、通勤時間を変えることができずピーク時間帯を利用するしかないという人たちも多い。通勤時間を変えることができる企業が積極的にオフピーク通勤を認めることは、通勤ラッシュという社会課題の解決にも結び付く。

 このように、オフピーク定期券の導入は、環境や社会への配慮、健全なガバナンスなどによって企業の持続可能な発展を目指すESG経営と合致し、企業価値の向上も実現する。社会への貢献、従業員の働きやすさの向上、さらには経費削減も可能にするオフピーク定期券の導入を検討してみてはいかがだろうか。

オフピーク定期券がさらにおトクに

 24年3月25日有効開始分から、オフピーク定期券購入金額に対して「5%」のJRE POINTの還元が開始される。さらに、24年10月よりオフピーク定期運賃が通常の通勤定期運賃より約15%割安となり、JRE POINT還元と合わせると最大約20%おトクになる。

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提供:東日本旅客鉄道株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2024年3月28日

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