「おにぎりといえばセブン」に納得の開発努力 「おいしさ」だけじゃない「付加価値」をどう生み出しているか

» 2024年03月28日 10時00分 公開
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 2024年3月5日〜19日にかけてセブン‐イレブンのおにぎりがリニューアルされた。定番商品から高価格帯のこだわり商品まで、具材も含めてアップデートを図った。

 日本人には欠かせないファストフードだけに、コンビニ各社の「おにぎり戦争」は激化しているが、中でも高い人気を誇る「セブンのおにぎり」にはどのような開発努力が隠れているのか。セブン‐イレブン・ジャパンでおにぎりの商品開発を務める、金(キム)マーチャンダイザー(以下MD)に話を聞くと「おいしさと社会的価値の両立」を軸にした同社の“持続可能な”経営戦略が見えてきた。

変わる消費者ニーズ 「セブンのおにぎり」があらためて評価されるワケ

 新型コロナウイルスのまん延による巣ごもり需要が、新しいニーズを開拓したことは記憶に新しい。「健康」「高級」志向が高まり、より体に良いものやおいしいものに価値を見いだす消費者が増えた。金(キム)MDは「家で食事をする機会が増加し、全国各地から銘柄米を取り寄せる人が増えたほか、高機能炊飯器も普及した。結果として『手軽においしい炊きたてご飯を食べたい』というニーズが高まった」と分析する。

photo 取材に答える、セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部の金(キム)MD(マーチャンダイザー)

 消費者の価値基準が変わる中で、セブン‐イレブンのおにぎりへの評価も上がっている。同社が実施したアンケート調査(回答数5万1403人)によると、米、具材、海苔いずれも「おいしい」という回答数が22年実施時から増加した。特に米(ご飯)に対しての評価値は大きく伸びているという。

 この結果に貢献したのが、23年3月に協業をスタートした「八代目儀兵衛」監修のブレンド米だ。八代目儀兵衛といえば、米卸売業を行うほか京都祇園と東京銀座に米料亭を構えていることでも有名。八代目儀兵衛が持つ目利きやブレンド技術は、24年度のリニューアル商品にも継続して生かされている。

おにぎり開発に50年 時代に左右されない味の追求

 誤解がないように補足すると、セブン‐イレブンのおにぎり開発へのこだわりは現在の消費者ニーズの変化に起因しているだけではない。同社は約50年にわたりおにぎり開発を継続してきた。米はもちろん、海苔や具材それぞれ原料にこだわって毎年1〜2回のリニューアルを欠かさない。特に米については、精米センターには自社専用の精米機を設置。米農家とダイレクトコミュニケーションを取って、長年にわたって産地とのつながりを築きながら品質向上を追求してきた歴史がある。

 「セブン‐イレブンにとっては、どのようなトレンドが訪れても『おいしさ最優先』。そこは時代に左右されない基準だ」(金〈キム〉MD)

24年度リニューアルの中身は? おいしさと付加価値を両立

 24年度のリニューアルのポイントはいくつかあるが、特筆すべきは「米のさらなるおいしさ向上」だ。八代目儀兵衛監修のブレンド米を採用している点については23年度と同様だが「24年はさらに産地まで踏み込み、ブレンド米に使う米を選定した。それにより、23年度以上に粒立ちや甘味が際立った、うま味が強いご飯を実現できた」(金〈キム〉MD)

photo 24年にリニューアルされた手巻おにぎり。八代目儀兵衛監修のブレンド米を使用し、具材も品位が向上している(具材については後述)

 八代目儀兵衛監修のブレンド米は、24年度のリニューアル品の中でも「手巻おにぎり」シリーズと同社が“こだわりおむすび”と呼ぶ高価格帯の商品群に使用している。産地まで足を運んで厳選した米は70種類以上。八代目儀兵衛が持つ評価基準を用いて、全て炊いた状態での見た目や甘さ、粘りや食感、喉越し等を含めて味を確かめ“黄金比率”を構成した。

「良質な米が減少」 八代目儀兵衛監修のブレンド米に自信

 同社がここまで米にこだわるのには、温暖化等によって米農家を取り巻く環境が年々厳しくなっていることが大きく影響している。特に猛暑続きだった23年の収穫状況は深刻だ。農林水産省の発表によると、23年産米の1等米比率は9月時点で59.6%と過去最低であった。
※農林水産省「令和5年産米の農産物検査結果(速報値)(令和5年9月30日現在)」より

 「作付から栽培の過程、管理、収穫方法を産地に直接足を運び確認する。現在与えられた環境下で、生産者さまがどのように最高のパフォーマンスを発揮して米作りに取り組まれているのか――実際に見て米を選定することには大きな意味がある。

 この取り組みに際しては、前向きに試行錯誤されている生産者さまから米を購入するために、産地情報をデータ化して独自のカルテも作成した。体系的な基準を持った確認ができる環境づくりを進めるという、従来よりも一歩踏み込んだおにぎり開発につながった」(金〈キム〉MD)

 昨今の気候状況により、銘柄米と呼ばれる米もそれ単体ではコンディションに不足が感じられるかもしれない。だからこそセブン‐イレブンは、それぞれの米が持つ「良さ」を組み合わせるブレンド米にこだわる。

消費者の声を反映、具材も品位向上

 具材の品位向上も24年度のリニューアルのポイントだ。まず手巻おにぎりについては、ツナマヨネーズ、紅しゃけ、昆布、辛子明太子、梅という定番商品の具材を見直した。ツナマヨネーズのコクと口どけをさらに追求する、紅しゃけの炭火の風味を増すなど、それぞれ品位向上を図っている。

photo 24年にリニューアルされた“こだわりおむすび”。上記5種に加えて肉みそ(名古屋コーチン使用)がラインアップに加わった

 こだわりおむすびは、米に合う定番具材をあらためて選定し直した。熟成いくら醤油(しょうゆ)漬け、サーモンハラス、紀州南高梅 おかか添え、炭火焼さば、北海道産炙(あぶ)りたらこ、肉みそ(名古屋コーチン使用)といった6種を打ち出している。金(キム)MDは「いつの時代も求められる定番の味わいを取りそろえながら、お客さまに喜んでもらえるラインアップを整えた」と話す。

消費期限延長の実現で「おいしさの安定供給」を目指す

 24年度は、味だけでなく「誰でも」「いつでも」おにぎりを買える安定供給に関しても新しい取り組みを進める。設備の見直しなど、3年以上の検証を重ねて平均8時間の消費期限の延長を可能にした。

 手巻おにぎりの定番5品に適応される消費期限の延長は、首都圏での提供からスタートして順次全国拡大を図る。「機会ロスを減らし、同時にサステナビリティの観点で食品ロス問題にも対応する」(金〈キム〉MD)狙いだ。

 サステナビリティの面では、「みらいデリ」シリーズのラインアップも更新。既存のツナマヨネーズ、和風ツナマヨネーズに加えて新たに「直火焼つくね」を投入した。

 みらいデリは、今後の世界人口増加、気候変動、輸入品の逼迫(ひっぱく)の可能性などを背景に23年7月から同社が展開する、持続可能な原材料を使用した商品群。金(キム)MDは「今すぐに肉や魚が食べられなくなるというわけではないが、将来の想定リスクとして無視できない。ツナの原料のマグロはすでに貴重な食材になりつつある。みらいデリはこのような課題に対して、強い環境メッセージを発信できる商品になると考えている」と話し、未来を見据えた商品価値を強調する。

 代替原料として使用されるプラントベースプロテイン(植物由来のタンパク質)の開発には2年以上の時間をかけ、消費者が「おいしくない」と感じるポイント「匂い」「食感」をより本物の食材に近付けるための技術開発を行った。また、一般的に代替原料は大豆などから作られるというイメージがあるが、セブン‐イレブンではうま味成分が強く、匂いの少ない発芽黄エンドウ豆を栽培して、原料として使用している。粒度や固さなどからくる食感にも配慮して「従来のプラントベースプロテインとは一線を画したおいしさに仕上がっている」と金(キム)MDは自信を見せる。

ALTALT 左:みらいデリおむすびシリーズの新商品「直火焼つくね」/右:機能性表示商品にもニューフェースが加わる。人気の「ツナ明太マヨネーズ」に肌のうるおいを維持する効果が期待できる自然由来の乳酸菌を配合した。スキンケアへの関心が高まっている消費者ニーズに応える狙いだ

「おいしさ最優先」のおにぎりを、これからも

 おいしさだけではなく、健康や環境といったテーマを基に多様な商品開発を続けているセブン‐イレブン。23年に50周年を迎えた同社は、現在「健康」「地域」「環境」「人財」の4つのビジョンを掲げて「明日の笑顔を 共に創る」ことを目指している。

 「おにぎり売場を見るだけで、当社が掲げるビジョンを感じてもらえる『おいしさ最優先』の商品ラインアップを常に追求している。24年度のリニューアル商品である手巻おにぎり、こだわりおむすび、そしてみらいデリはまさにその一つの答えだ。多くのお客さまに手に取ってもらい、米と具材のおいしさ、そして持続可能な世界の実現に寄与する付加価値を感じてほしい」(金〈キム〉MD)

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提供:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2024年4月16日

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