生活者のニーズやインバウンド需要の高まり、物価高騰など、ビジネス、生活環境が大きく変化する中、小売業やサービス関連業ではさまざまな対応が求められている。その一つが決済方法の変革だ。
経済産業省の算出によると、2023年のキャッシュレス決済の比率は39.3%(126.7兆円)に達した※。政府はキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度にするという目標を掲げている。昨今の外国人観光客の急激な増加も考えると、キャッシュレス決済への対応は小売業やサービス業にとって必須と言える。
※出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html)
一口にキャッシュレス決済と言ってもさまざまなサービスがある。店舗内で決済端末を利用するケースも多いが、タクシーや屋外の店舗、出張修理サービスなど、決済端末を持ち運ぶ必要がある業種であれば、どんな場所でも通信できるか、操作がしやすいか、可搬性に優れているかなど、気にすべき点が多くある。また、決済端末を利用する際には“通信”が不可欠だ。導入に当たっては決済端末だけでなく、セットで利用する通信回線も選定する必要があるため、導入のハードルが高くなる。
そんな小売業、サービス関連業にとって有力な選択肢となりそうなのが、楽天ペイと楽天モバイルがタッグを組んだ決済サービスだ。本記事では楽天ペイメントの決済端末「楽天ペイ ターミナル」と楽天モバイルの通信サービスを導入した沖縄県のタクシー事業者、ナップルタクシーに話を聞いた。
ナップルタクシーは、社員約150人、59台のタクシーを保有する沖縄県の中堅タクシー事業者だ。これまでは別の決済サービスを利用していたが、端末がクレジットカードにしか対応しておらず、コード決済のブランドごとに別の機器や二次元コードを設置したり、端末の他に通信用のルーターを用意したりする必要があった。
顧客の利便性や乗務員の操作性などを考慮し、新しい決済サービスを導入しようと検討する中で候補に挙がったのが、楽天ペイメントのサービスだ。
“すべてをひとつに”をコンセプトとする「楽天ペイ ターミナル」は、決済機能の他にタブレットやプリンタ、通信機能を搭載している。
決済機能は、楽天ペイと「au PAY」のコード決済、「VISA」「Mastercard」「JCB」など主要6ブランドのクレジットカード決済(タッチ決済含む)、「楽天Edy」や「iD」などの電子マネー、交通系ICに対応できる。プリンタ機能も搭載しているため、別の機器と接続せずに領収書を印刷できる点も魅力だ。楽天モバイルのSIMカードが挿されているので、楽天モバイルの通信エリア内であればどこでもつながる。なお、ナップルタクシーではSIMを利用しているが「楽天ペイ ターミナル」はeSIMにも対応する。
「楽天ペイ ターミナル」の利便性もさることながら、「他の決済事業者と比較検討した上で楽天ペイメントを選んだ理由はコストの低さでした」と説明するのは、ナップルタクシーの運行管理者、宮脇秀幸氏だ。
他事業者の決済端末をレンタルで利用していたときは、毎月1000円程度の利用料や定期的な更新手数料がかかった。「楽天ペイ ターミナル」は端末代金のみの買い切りで毎月のレンタル料や更新手数料もなく利用できる。
「楽天ペイ ターミナル」の通信には、楽天モバイルのハンディーターミナル向け通信プランを利用する。「国内データ通信が、月額450円で月3GBまで利用できます※。ターミナルが送受信するデータ量は少ないので十分足りる通信量です。契約年数の縛りなどはありません」と楽天グループの大城正貴氏(モバイル営業推進部 九州・沖縄営業課)は説明する。
※別途事務手数料 3000円、ユニバーサルサービス料:2円(税別)/月、電話リレーサービス料:1円(税別)/月がかかります。
ナップルタクシーは59台の車両に決済端末を載せるため、端末レンタル料や通信料の1台当たりの差が少額であっても総額にすると無視できない金額になる。
ナップルタクシーを担当する楽天ペイメントの羅卿均氏(楽天ペイ事業本部 mPOS部 沖縄営業開発チーム)によると、ナップルタクシーは「楽天ペイ ターミナル」と楽天モバイルの通信を組み合わせたことで、以前の決済サービス使用時と比較して「年間約96万円のコスト削減につながった」という。
導入を決めてから使い始めるまでの流れもスムーズだったと宮脇氏は振り返る。ナップルタクシーの場合、サービスの説明を受けてから約1カ月という短期間で利用を開始できた※。
※利用開始までの期間は状況に応じて異なります。
法人あるいは個人事業主なら、「楽天ペイ ターミナル」の申込自体はWebサイトから簡単にできる。必要事項の入力は5分程度。その後、加盟店審査としてクレジットカードブランドやコード決済事業者による審査が行われる。これには多少時間がかかることもあるが、最短なら3日程度だ。その後「楽天ペイ ターミナル」が最短3日で発送され、「楽天ペイ ターミナル」が届き次第、利用開始可能である。別途送られてくるSIMカードをターミナルに装着し、ターミナルのディスプレイに表示されるガイドに従って初期設定を行えば使えるようになる。
「ナップルタクシーは2024年4月から『楽天ペイ ターミナル』を車内で利用していますが、特に問題もなく順調に使っています。バッテリーの持ちも良く、数日充電しなくても大丈夫です。営業中に通信がつながらなくて困ったことは今のところありません※」(宮脇氏)
※沖縄県那覇市の場合。公平なサービス提供または環境により速度低下する場合あり。
高齢の乗務員もいるが、「楽天ペイ ターミナル」はAndroidベースの操作画面でスマートフォンと同じ感覚で使えるため、乗務員が使い方で迷うことは少ないという。
「楽天ペイ ターミナル」はスマートフォンと同様に、アップデートすることで機能を追加できる。決済ブランドや新機能が追加されると自動的にアップデートされるため、導入企業が特別な操作や申し込みなどをする必要はない。ターミナルでインボイス対応の領収書を発行できる「UNITEインボイス」など幾つかのアプリが用意されており、ダウンロードして利用できる。
サポートは楽天ペイ加盟店のサービスセンターが土日祝日も含めて午前9時30分から午後11時まで対応する。取材時点までで、ナップルタクシーでは操作に迷うことや困ったことが特に起きず、問い合わせをする必要がなかったのでまだサポートを利用したことはないという。
各タクシーの売り上げが管理画面にリアルタイム表示され、データはCSV形式でダウンロードできるので、会計処理も楽になった。以前は各タクシーの売り上げ明細を紙で出して集約していたので経理担当者の負担が減っているという。
「楽天ペイ ターミナル」はどの銀行口座でも振込指定口座に設定することが可能だ。楽天銀行の口座開設は必須ではないが、楽天銀行を振込指定口座にした場合は前日分の売り上げが毎日入金され、振込手数料が無料というメリットがある。他行の口座の場合は、管理画面で入金依頼をすると3日後に振り込まれる。
SIM/eSIMは楽天モバイルの法人向けWeb管理ツール「my 楽天モバイル Office」で管理できる。ターミナルの盗難や紛失があった場合は、SIMカードの再発行も可能だ。
羅氏によると、タクシー業界にとどまらず決済端末を使う業種全般で「楽天ペイ ターミナル」の導入が増えているという。SIM/eSIMと一緒に利用するのは、タクシー業界、レンタカー業界、キッチンカー、期間限定ショップ、出張修理サービスなど、移動して営業する事業者が多い。光回線が引けない場所にある店舗や事業者が「楽天ペイ ターミナル」と楽天モバイルの通信のセットプランを導入するケースもある。
「光回線は導入コストが高いので、データ3GBまで月額数百円の楽天モバイルのSIMを入れる企業もあります。建物が建ったばかりで光回線が通っていないので、開通までは『楽天ペイ ターミナル』にSIMを入れたいという飲食店さんもいました。光回線の導入には1カ月以上かかることがありますが、『楽天ペイ ターミナル』と楽天モバイルの通信のセットならSIMカードも含めて短期間でお届けできます」(大城氏)
キャッシュレス決済の導入率が高くなりさまざまな決済サービス事業者がある中で楽天ペイメントが選ばれる理由の一つは、宮脇氏が指摘したように利便性とコストの安さだ。その上で羅氏は、手厚いサポート体制もあると強調する。
「『楽天ペイ ターミナル』と楽天モバイルの通信をセットで導入する企業には、必要に応じて楽天ペイメントと楽天モバイル両社から1人ずつ担当者が付きます。両社は緊密に連携しているので、通信の話でもターミナルの話でも、どちらに連絡していただいても対応します。もし不具合や通信しにくいスポットがある場合は2社で連携して迅速に調査・対応します」(羅氏)
サービス開始当初と比べ、楽天モバイルは大幅な通信品質の向上とエリアの拡大を実現している。
「パートナー回線のローミングなども活用しながら、全国でも沖縄県内でも人口カバー率は99.9%、那覇市内は100%です※。基本的に県内全域で問題なくお使いいただけます。『楽天ペイ ターミナル』導入企業も含め、那覇市内で楽天モバイルの通信を利用した企業から外で使えなくなったという声は聞いていません」(大城氏)
※2023年8月時点。人口カバー率は、国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出。
持ち運べるキャッシュレス決済端末が必須な小売業、サービス関連業であれば、1台で多様な決済方法やブランドに対応できて領収書も発行できる「楽天ペイ ターミナル」と、通信品質が向上してエリアが拡大した楽天モバイルの通信の組み合わせは有力な選択肢となるだろう。
■Opensignal社データについて
※2023/7/1〜2023/12/27の期間に記録されたモバイル測定値によるOpensignalデータにおいて、楽天モバイルは評価項目「一貫した品質」でRank1を獲得した都道府県数が、4キャリアTOPの36府県。
※「一貫した品質」とは、一般的なモバイル・アプリケーションの要件をサポートするのに十分なネットワークであるかどうかを測定するもので、ユーザーが自分のデバイスでさまざまな典型的なタスクを維持(または完了)するのに「十分」なレベルであることを意味しています。
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提供:楽天モバイル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2024年9月16日