会員サイトをラクラク構築 管理も一元化できるサービスとは

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　顧客との関係を深める上で、会員サイトの提供は大きなアドバンテージになる。「企業サイトに自分のための場所が用意されている」と顧客の心をくすぐり、企業へのロイヤルティーを養う一助になるからだ。

　ただ、会員サイトの構築には、人材、時間、費用といったコストがかかる。ベースとなる顧客や企業情報が既存の社内システムに蓄積されていても、会員登録やログイン、顧客管理などは一般的なWebサイトの制作よりも専門的な知識を要する。ならばCMSがすべてパッケージになったサービスを選べばいいかというと、かえって機能過多になりかねない。

　会員サイトの構築にはどのような方法が最適なのだろうか。解決策の一つが、業務改善プラットフォーム「kintone」のプラグインで会員サイトを構築できる「Kanal-WEB」だ。

kintoneの情報をそのまま使って会員サイトを構築できるKanal-WEB（提供：ビットリバー）

会員サイトを「kintone」のプラグインで構築

　Kanal-WEBであれば、kintone上のデータを生かして直感的に操作できる会員サイトをフルスクラッチよりもスピーディーに構築できる。ビットリバーの吉川衆平氏（Kanal-WEB事業マネージャー）は次のように語る。

　「kintoneを操作するだけで会員サイトが出来上がります。ログインする顧客はWebサイトをいつも通り閲覧している感覚で操作でき、kintoneで作られたことは一切分かりません」

　デザイン性も大きな特徴だ。Kanal-WEBはオリジナルデザインを組み込めるので、ブランドイメージを尊重した、コーポレートサイトと統一感のあるデザインを反映できる。「顧客と企業の接点となる会員サイトで、お客さまがページを開いたときの第一印象は重要です。企業やサービスのブランドを損なわないデザインで、会員サイトの信頼性を担保することはポイントです」と吉川氏は強調する。

　Kanal-WEBは、会員サイトの開設に必要なログインフォームや問い合わせフォーム、メールの作成機能を標準装備する。

　費用はプランに応じた月額定額制。登録できる会員数に上限はない。サーバは大規模アクセスに耐える設計なので、一時的に高い負荷がかかるイベントやキャンペーンなどにも対応できる。

　オプション機能も充実している。「行動履歴」は会員サイトのマイページ内における顧客の操作履歴を蓄積する。「LINE連動マイページ」は、LINEのログイン接続とメッセージ配信ができる。「独自ドメイン接続」は、完全に自社ドメインで動いているように会員サイトを構築できる機能だ。

kintoneにプラグインとアプリテンプレートをインストールすれば、既存データも一元管理できる（提供：ビットリバー）

企業や自治体で広がる導入

　すでに多くの企業がKanal-WEBを活用し、顧客管理の深耕を図っている。建材事業会社が工務店向けに開設したWebサイトの事例を紹介しよう。

　これまで同社は、施工事例や動画・画像素材などの販促ツールをクラウドストレージサービスやメールで加盟工務店に提供していた。しかし、工務店はPCが仕事のメインツールではないためなかなか仕組みが定着せず、デバイスを選ばずIDとパスワードだけで直感的に必要な情報にたどり着ける仕組みが必要だった。

　販促ツールをアーカイブできる仕組みをつくるために、同社はKanal-WEBを採用。kintoneを使用していたことも導入を後押しした。Kanal-WEBで構築したサービスサイトで、工務店は必要な最新情報に24時間いつでもアクセスできるようになり、同社への問い合わせ数が減少。通常ならフルスクラッチになる工程を約半年で構築できた。

　地方自治体の例もある。定額減税補足給付金などの給付金制度が進み、多くの自治体が住民向けに制度の紹介やフォームによる登録、給付申請状況確認といったサービスを提供している。このようなサービスにもKanal-WEBが採用されているケースは多い。

建設資材を扱う企業が工務店向けに構築したWebサイトの事例

既存のIT資産を生かしてサクッと構築

　ビットリバーはKanal-WEBのオプション機能として「オンライン決済」を2024年内にリリースする予定だ。新規顧客向けに活用方法などを紹介するセミナーの開催、導入や運用サポートを行うコンサルティングのキャンペーンも実施する。

　「今後、保有している情報を顧客に開示するニーズはさらに高まるでしょう。会員サイトを作ろうとすると思ったよりコストがかかります。既存のIT資産を生かしながら、コストを抑えつつスピード感を持って構築するのは有効な解決法です。Kanal-WEBでkintoneと整合性のある会員サイトをサクッと構築し、顧客との関係性や自社ブランドの強化に役立ててほしいと思います」