韓国のグローバルIT企業NHN Corporationの日本法人であるNHN JAPAN。スマートフォン向けのゲームやアプリの開発・運営、コミックプラットフォームや企業向けのITインフラソリューションなどを提供するグループ企業を抱えて、「Next Human Network=インターネットに広がる無限の可能性を活かした人と人とのつながり、豊かな社会の実現」を理念に価値ある事業の創造を目指している。
その理念を具体化したのが、同社とグループ企業が入居するオフィスビル「NHN アトリエ」だ。2023年8月にオープンした。ロビーや会議室などのデザインやエントランスのロゴデザインは著名な建築家やグラフィックデザイナーが手掛け、1階のカフェには美術品が多数展示されている。まさに“アートに包まれたオフィス”だ。
NHN JAPANの矢野洋輔氏(業務支援室 IT支援チーム マネージャー)は、NHN アトリエのコンセプトを次のように説明する。
「クリエイターとして良いもの、良いサービスを作ってほしいという願いから、日常的にアートに触れて脳を刺激するようなオフィスに仕立てました。福利厚生も充実しており、トレーニングジムやマッサージルーム、安価に飲食できるカフェを備えています。全てのスタッフに、NHN アトリエをセカンドホームのように感じてほしいと考えています」
矢野氏が所属するIT支援チームのミッションは、NHN アトリエで活動する全てのスタッフが安定して業務ITを利用できるようにすることだ。ITインフラやコミュニケーションインフラを統合管理するなど設備の拡充や強化に努めている。コミュニケーションインフラの強化も、NHN アトリエ設計時の重要な施策の一つだったという。
同社はNHN本社とつないだオンライン会議を頻繁に開催するため、イントラネットを介したテレビ会議システムを利用していた。ところがコロナ禍でインターネットを介したWeb会議の需要が爆発的に増え、従来のシステムでは対応しきれなくなった。
旧オフィスの大会議室には会議用の常設PCやカメラ、スピーカーホンを導入したものの、準備に時間を要してしまうことが問題視されていた。矢野氏と同じくIT支援チームに所属する向後慎太郎氏は「特に重要な経営会議では、声をしっかり収音するためマイクの設置場所に苦慮していました」と当時の課題を説明する。
「Web会議の大きな課題は音質でした。移転前のオフィスは安価なスピーカーホンを導入していて、スタッフから『音質が悪い』『声がよく聞こえない』という指摘を頻繁に受けていました。部屋の反響音も課題でした。NHN アトリエへの移転を控えていましたが、現状の音響設備を改善したいと映像システムに相談したところ、Shureのソフトウェア型プロセッサ『IntelliMix ROOM』を提案されました」
音響設備の選定や導入を支援したAVソリューション専門企業である映像システムの経塚彩乃氏(営業統括部 営業1課)は「IntelliMix ROOMは、既存の会議用PCに導入できるソフトウェアで、大掛かりなシステムをインテグレーションするよりもライセンス料を抑えられます。NHN アトリエに移転するまでは、音質の問題を解決してスムーズなWeb会議の実現を優先すべきと考えました。導入した結果は良好で、他の部屋にも次々と導入していただきました」と振り返る。
音質の問題は解決したものの、“マイク”という大きな課題が残されていた。NHN JAPANと映像システムは当初、ハンドマイクを使って話した音声のみをIntelliMix ROOMで処理してWeb会議システムへ送信するという仕組みを構築していた。しかし、話者が議論に熱中してマイクを持つのを忘れてしまったり、マイクの本数が足りずに受け渡しが必要になったりという運用上の問題があった。
そこで、NHN アトリエへの移転に合わせてユーザビリティの向上やオペレーティングの改善を目的とした会議室音響の全面的な強化に乗り出した。旧オフィスで経験したIntelliMix ROOMによる音質の改善効果や、天井埋め込み型のシーリングアレイマイクに注目していたことから、「MXA920 シーリングアレイマイクロホン」の導入を決めた。
「シュア・ジャパンが開催するウェビナーの視聴などを通してShureの収音技術に注目していました。オフィスのレイアウトやスタッフの使い勝手を考慮して、いかにシンプルな仕組みを構築できるかを意識していたため、シーリングアレイマイクの設置にも関心がありました。ただ、シーリングアレイマイクは試してみないと納得できないと思い、シュア・ジャパンのショールームに出向きました。体験したところ、小声で話しても自然な音で相手に届くことに驚きました。窓の方を向いて話しても間違いなく伝わるのです。利用者に『つぶやきも収音しますよ』と注意しなければならないほどの品質が、むしろすばらしいと感じました」(向後氏)
NHN JAPANのIT支援チームは、最新の技術や製品をスタッフに提供し続けたいという思いから、IT技術を導入する際は「10年後も最新であり続けるもの」を高く評価する方針がある。Shureの音響技術がそうであると確信したIT支援チームは、セミナールームと大会議室にMXA920を中心としたShureの音響設備の採用を決め、イベントやパーティーに備えてカフェにハンドマイクを導入した。
オフィスのレイアウトを邪魔しないデザインも導入を決めた理由の一つだ。黒い天井が特徴のセミナールームには、部屋の意匠に合わせてブラックのMXA920を導入した。
「機能面はもちろん、オフィスインテリアに溶け込む主張しすぎないデザインも気に入ったポイントです。NHN アトリエの設計を担当した建築事務所からは機器の色などの指定がありましたが、部屋の意匠に合ったデザインの機器を設置できました」(矢野氏)
拡張性の高さも評価できる点だ。映像システムの福島昂大氏(施工管理統括部 システム調整課 係長)は「Shureの音響ソリューションは拡張性が高く、将来的に音響設備を強化する場合も柔軟に対応できます。今回当社は、タッチパネルで簡単に操作できるシステムとして構築しました。本体はネットワークを介したサーバに展開されるため、設備のアップデートも容易です。IPアドレスを使った設定が簡単で、他のネットワーク機器とスムーズに連携できます。私たちのノウハウを反映しやすい点を気に入っています」と評価する。
MXA920をはじめとしたShure製品を全面的に採用して、セミナールームやカフェ、大会議室など広いスペースの音響設備を大幅に強化したNHN アトリエ。旧オフィス時代にIntelliMix ROOMで音質の課題を解決した経験もあって、「期待通りの音響を実現できた」と矢野氏は笑顔を見せる。
スタッフからの評判も良好だ。2024年の入社式は、映像と音声を社内に配信した。旧オフィス時代の配信は音声がクリアに届いているか気掛かりだったというが、「Shure製品のおかげで不安はなかった」(向後氏)という。
「Shure製品の収音性は非常に高く、IntelliMix ROOMの『AI Denoiser』や『Automatic Mixer』などは高度な音質向上技術だと感じます。シーリングアレイマイクとハンドマイクを組み合わせて利用しても音質に問題は生じず、クリアな声を配信できて多人数が参加する会議も話者をしっかり判別できました。旧オフィス時代は、スタッフから音質に関する要望を寄せられることもありましたが、Shure製品を設置して以降は、そのような要望を寄せられることはなくなりました」
NHN JAPANは、NHN アトリエを社内外のコミュニケーションの中核と位置付けて人と人とのつながりを強化する。Shureの音響ソリューションは、同社の取り組みを強力に支援することだろう。
「会議室の音にこだわりたい企業のオフィスは、Shureの音響設備が適していると考えます。他のシステムと連携して、会議室の規模や利用シーンに応じてスタッフが使いやすい仕組みを構築できます。まさに、企業が目指す理想のオフィスの実現に貢献するはずです。
私たちが言う『10年後も最新であり続けるもの』は、新しい機器という意味だけではなく“新しいことにチャレンジできる、進化できるもの”を指しています。Shureの製品やサポートはそれを実現してくれると確信しています」(矢野氏)
この記事はシュア・ジャパンの協力のもと、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集したものです。
BANDAI SPIRITSが進めた会議室改革! 「業務負担の軽減」と「公平な会議の実現」に貢献した音声デバイスとは?
小さな会議室にも良質な音響機器を! 簡単なセットアップで主要なWeb会議サービスに接続できるShureの新製品を徹底解剖
「音声」が業務を変える――AI音声認識を最大限に活用するための音響設備とは
素早い意思決定を促す会議室はこうやって生まれた イトーキがこだわった“マイク”選びの要はCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:シュア・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2024年12月27日