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AI投資の成否は“音質”で決まる Shureが示す「次世代ビデオバー」とはAI時代のビデオバー

ビジネスの成果を左右するようになったオンライン会議の音声品質。設置や運用が容易なビデオバーを導入する企業も多いが、「後方の席の声を拾えない」といった課題がある。そのような課題を解消する製品が、音響機器メーカーのShureから登場した。その特徴を紹介する。

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 ハイブリッド会議が定着し、多くの企業の会議室で「ビデオバー」を見かけるようになった。カメラやマイク、スピーカーを内蔵した一体型ビデオバーは、トレーニングなしに使いこなせる利便性と設置の容易さによって会議室の標準装備になりつつある。

 その半面で、課題も浮き彫りになってきた。「広い会議室では後方の席の声を拾い切れない」「前の人に重なって後ろの人が見えない」という音声や映像に対する不満だ。

 AIを使った文字起こしや議事録作成機能の普及も、音声の役割が重要になった理由だ。どれほど高度な生成AIであっても、音声が不明瞭であれば出力されるテキストの精度は低下する。AI時代の会議において、音声品質は単なる聞き取りやすさの問題ではなく情報の正確性と意思決定のスピードを左右する技術的な基盤と言える。

 こうした市場背景を受けて、音響機器メーカーのShureが同社初のオールインワン型ビデオバー「IntelliMix Bar Pro」を発表した。

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Shure初のオールインワン型ビデオバー「IntelliMix Bar Pro」。中〜大規模会議室に対応する(提供:シュア・ジャパン)

ビデオバーの限界を超える

 これまで同社の会議用オーディオ製品といえば、役員会議室や大規模なホールなど極めて高い音声品質が求められる環境において、ユーザーの理想にどこまでも寄り添い、卓越した収音性能と高度な柔軟性によって最高品質の音声を実現する。そんな要求に対して選択されることが多かった。同社の会議用AVソリューションを代表する天井埋め込み型のシーリングアレイマイクロホンなどは、その象徴的な製品だ。

 しかし、こうした高品質の音声体験に対するニーズは、今や特別な会議室だけのものではない。リモート参加者を交えたハイブリッド会議やAIを駆使した文字起こし、議事録作成、リアルタイム翻訳などが常識となってきた今、従業員が日常的に使う会議室においても、コミュニケーションを阻害せず、正確なAI処理に寄与する高い音声・映像品質が求められる。

 同社はこの市場の変化を「最高品質の音声や映像をよりシンプルに、より多くの部屋に届ける好機」と捉えた。これまで培ってきたオーディオ技術を、簡単に設置・操作できるパッケージにして提供する――。これこそ同社がIntelliMix Bar Proに込めた思いだ。

 では、その思いをどのように製品に落とし込んでいるのか。4つのポイントに絞って紹介する。

ポイント1 音響設計と指向コントロールの技術

 IntelliMix Bar Proの最大の特徴は、何といってもその「音」にある。マイク部分には、最新鋭の技術によって精密な指向コントロールを可能にしたShure独自のアレイマイクロホン技術が搭載されている。

 会議室には空調設備やプロジェクターから発せられるノイズや残響音など、多くの不要な音がある。遠隔参加者にクリアな音声を届けるためには、この不要な音を排除して、コミュニケーションに必要な声だけを収音する技術が欠かせない。IntelliMix Bar Proに搭載されたマイクは、会議を妨げる不要な音を収音段階で効率的に排除する。加えて、本体に内蔵されたデジタル信号処理機能により、排除しきれなかったノイズや残響音を抑制する。

 このクリアな音声こそが、AIツールによる文字起こしや話者識別の精度を最大限に引き出す鍵になる。

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(提供:シュア・ジャパン)

ポイント2 設置、運用管理の工程をシンプルに

 導入の検討から設置までのプロセスが簡潔に完了する点もポイントだ。同製品は、必要なアクセサリーを全て同梱(どうこん)したパッケージ形式を採用。ハードウェアの点数やケーブル数を最小限に抑えた設計によって配線作業の工数を大幅に削減した。

 デバイスに設定専用のWi-Fiアクセスポイントを内蔵した「Wi-Fiダイレクトコネクト機能」によって、外部の施工業者が社内ネットワークにアクセスすることなく、独立した環境で初期設定を完結させられる。

 多拠点に多数のデバイスを導入する企業にとって、運用管理の効率化とセキュリティの担保は避けられないポイントだ。IntelliMix Bar Proはその基盤としてMicrosoftの最新プラットフォーム「Microsoft デバイス エコシステム プラットフォーム」(MDEP)を採用している。

 MDEPのメリットは、Androidベースの柔軟な操作性を維持しつつMicrosoftの厳格なセキュリティ基準をハードウェアレベルで満たしている点にある。セキュアブートやデータの暗号化、迅速なセキュリティパッチの提供が保証されており、IT管理者はセキュリティに関する懸念を払拭できる。

 Microsoft Teams Rooms Pro管理ポータルを通じたデバイス管理にも対応している。これによってIT管理者はデバイスの稼働状況をブラウザでリアルタイムに監視・管理できる。Shure独自のクラウドプラットフォーム「ShureCloud」を使用すれば、リモートでの設定変更やファームウェアのアップデート、トラブルシューティングの一括対応も可能だ。

ポイント3 4つの4KカメラとAI技術で、話者を見逃さない

 オーディオブランドとしてのイメージが強いShureだが、IntelliMix Bar Proは映像面でも新しいアプローチを採用した。それが、筐体の中央に2基、左右両端に1基ずつ4Kカメラを配置したマルチレンズ方式だ。

 一般的なセンター配置カメラは、前方の人が後方の人の顔を遮ってしまうとカメラが話者を捉え切れず円滑なコミュニケーションを阻害する恐れがあった。IntelliMix Bar Proは、4基のカメラ映像をAIが常に解析して、話者が隠れていると判断すると別のカメラ映像に切り替えて常に最適なアングルを維持する。

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筐体にはミュート状態やプライバシーモードを一目で確認できるインジケーターが搭載されている(提供:シュア・ジャパン)

ポイント4 空間を美しく保つシンプルなデザイン

 さまざまな会議室のデザインに溶け込むシンプルなデザインを採用。カラーバリエーションは、会議室のデザインになじみやすいブラックとホワイトを用意した。

 特筆すべきは背面パネルの設計だ。デバイスを会議室に設置する際の課題にケーブルの露出がある。本製品は、コネクターを横向きに配置することでケーブルをどの方向にも逃がすことができ、モニター下に設置した際もケーブルの露出を最小限に抑え、美観を損なわない施工を可能にした。

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(提供:シュア・ジャパン)

AI時代に向けた会議室インフラの再定義

 AIが会議の生産性を左右するこれからのビジネス環境において、ビデオバーの役割は単なる通信機器から高品質なデータを生成するインフラに進化しつつある。音響や映像技術にこだわってさまざまな会議のコラボレーション加速を目指すShureの参入は、ビデオバー市場における性能評価の新たな基準を示すものと言える。

 IntelliMix Bar Proの日本国内での発売は、2026年春ごろを予定している。続報を期待してほしい。

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提供:シュア・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年3月19日

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