長期試用リポート
「NEX-5N」第1回――「5」から「5N」に買い換えて
ソニー「NEX-5」は筆者自身、2010年に一番使ったカメラだったように思う。
最初は不格好に思えたデザインも、使っていくうちにレンズとセンサー、液晶というミラーレスカメラに必要なパーツを限りなく無駄を省くことで行き着いたと実感でき、ついにはそのシンプルさが好ましくも思えていた。このボディサイズながらAPS-Cという大型のセンサーを搭載しており、画質にも満足できた。
そんな筆者だが、操作性だけはどうもなじめなかった。正確に言えば、細かい設定を施しながら撮影する気になれず、いつしか基本フルオート撮影、たまに絞り値を変える程度しかしなくなっていた。ファームウェアアップデートによってソフトキーへ任意の機能を割り振れるようになったが、それでも、積極的に設定を変えながら撮影することはなかった。
極限までボタン類をそぎ落としたデザインは気に入っていたが、素早い操作性のためにはもっとボタンが欲しい――そう感じていたのは開発側も同じだったようで、改良型にあたる「NEX-5N」ではボタンの追加こそは行われなかったが、タッチパネルによる操作インタフェースがあわせて導入された。正直、外観のほとんど変わらないカメラへ買い換えるという行為に抵抗は感じたものの(センサーも新型になり、ISO感度も高められているが)、操作性の向上を求めて買い換えた。
NEX-5Nの長期試用リポート、まずは買い換えユーザーから見た操作感の違いを書いてみたい。
ボタンの数は変わらずとも、操作性は向上
NEX-5の操作インタフェースは非常にシンプルで、3つのボタンとロータリーダイヤルのみ。後日に行われたファームウェアアップデートで3つのボタンへ任意の機能を割り振るキーカスタマイズが可能となったが、撮影時に少し細かな設定を施そうと思うと、結局のところメニューを開いて、何度もキーを押したり、ダイヤルを回す必要があった。
細かくいうとNEX-5のキーカスタマイズには制限があり、ソフトキーA/B/Cのうち、初期設定では「撮影アシスト」が割り振られているBと「背景ぼかし」あるいは「撮影モード」が割り当てられているCに任意の機能を割り当てることができる。ソフトキーCには3つの機能を割り当てられる(ソフトキーBは1つ)が、ソフトキーBとCでそれぞれに割り当てることのできる機能は異なっている(ボタンカスタマイズについてはこちらも参照のこと)。
NEX-5Nでもボタン/ダイヤルの数は変わっていないので、実はこのあたりに大きな変化はないのだが、NEX-5Nではフラッシュを装着しない限り意味を持たないコントロールホイール右にも任意機能が割り当て可能となったほか、ソフトキーCにも5つまでの機能が割り当て可能となった。
この変更によって、ロータリーダイヤル左に割り当てられているドライブモード、下に割り当てられている露出補正とあわせ、合計8つまでの設定項目がメニューを介さず呼び出せることになり、操作性の煩雑さはかなり軽減された。加えて、タッチパネルを搭載したことで、画面タッチと物理的なボタン/ホイールを併用しての操作が可能となっている。これは地味に思えるかもしれないが、実際に使ってみると快適さはかなり向上していることに気が付かされる。
NEX-5ではボタン/ダイヤルが撮影時の本体右側に集中しているため、操作は自然と右手親指で行うことになってしまい、それが窮屈さを感じさせていた側面もあるのだが、NEX-5Nではタッチパネル併用となったことで左手の指も操作に参加させることが可能で、例えば「右手親指でダイヤルを回し、左手親指でタッチして決定」といった操作も自然に行えるようになった。
大型レンズを装着していると本体保持の関係上難しいが、標準ズームやパンケーキならば装着した状態でも十分に片手で保持できる重量なので、左手操作はかなりスムーズに行える。特に液晶を上方に開いてのウエストレベル撮影だとありがたみを感じる。
ちなみにこうしたカスタマイズを行えるのは、P/A/S/Mの各撮影モード時。フルオート撮影に当たる「おまかせオート」だとキーカスタマイズは無効となり、ソフトキーAがメニュー、Bがヘルプ、Cが各種効果の呼び出しに固定される。ソフトキーCからは画面上の触れたところにピントを合わせるタッチAFの各効果を呼び出すことができ、「何となくこんな感じにしたい」という要望へ感覚的に応えてくれる
画面上の触れたところにピントを合わせるタッチAFも搭載するが、せっかくのタッチパネルなのだからもっと活用して欲しかったとも感じた。使っていて気が付いたのだが、おまかせオート時は画面アイコンに触れるとその項目の値を変更できるものの、P/A/S/Mの撮影時、画面下へ標示されているシャッタースピードや絞り、露出補正、ISO感度は表示されているだけで、触っても各値の変更は行えない。
UIの不統一とまではいわないが、おまかせオートで撮影した後にPモードなどで撮影を開始すると、ちょっとした違和感を覚えてしまった。画面サイズとの関係もあるとは思うが、メニューを開いて設定できる項目は画面上のタッチからでも行えるようになっているほうが、より、直感的といえるのではないだろうか。
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