画質と操作性を徹底追求、こんなに進化した「G」のフラッグシップ――キヤノン「PowerShot G1 X Mark II」(3/3 ページ)

» 2014年03月17日 17時30分 公開
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「PowerShot G1 X Mark II」開発者からのメッセージ

 PowerShot G1 X Mark IIはどんな狙いで開発されたのか。ここでは開発者たちの声を聞いてみよう。

――PowerShot G1 X Mark IIのコンセプトは?

商品企画担当: PowerShot G1 X Mark IIは、キヤノンのPowerShotシリーズのフラッグシップモデルであるPowerShot G1 Xの後継機種として最高の画質を追求したモデルです。現在のキヤノンが持つ最高の技術を注入し、さまざまなシーンに対応できるオールラウンドな1台の実現を目指しました。

――前モデルから大きな仕様変更がありますが、その狙いは?

商品企画担当: 従来のGシリーズでは光学式の外部ファインダーを搭載してきましたが、コンパクトの場合は一眼レフとは異なり、構造上どうしても視差(パララックス)が生じてしまいます。また、鏡筒による視野のケラレが起きてしまうという問題もあり、必ずしも光学ファインダーがユーザーの満足につながるわけではありません。EVFは、この問題を解決するために導入した仕様です。100%の視野率がありますし、さまざまな撮影情報を表示させることもできるEVFは、PowerShot G1 X Mark IIが目指す操作性に最適な仕様と考えました。

photo 電子ビューファインダー「EVF-DC1」を装着した状態

 EVFをのぞきながらの撮影を前提に考えると、レンズまわりに操作系がまとまっている方が撮影に集中しやすくなります。デュアルコントロールリングは、こうした背景のもとに企画された操作系です。後方のリングは、露出のパラメーターやTv、Av値をカチカチと変えられる「クリックリング」、前方のリングはなめらかに動く「スムーズリング」で、マニュアルフォーカスのように微調整が必要な操作で大きな力を発揮します。特にフォーカスでは、今回搭載されたEOSと同様のフルタイムマニュアルフォーカスとあいまって、一眼レフに近い操作感を実現しています。

――バリアングル液晶からチルト液晶に変更した理由は?

商品企画担当: バリアングル液晶からチルト液晶への変更も、操作性を追求した結果です。バリアングル液晶であった場合、液晶パネルがリング操作をする左手とぶつかってしまいます。そこで、バリアングルではない方法で、幅広いアングルからの撮影を可能にするために搭載したのが今回の可動域の広い上側180度/下側45度のチルト液晶でした。また、横位置で撮影した場合、光軸と液晶のズレがないことはチルト式のメリットです。より自然な操作で構図をつくりあげることができます。

photo チルト式のタッチパネル液晶を装備

――コンパクトボディを保ちながら、レンズのスペックアップを実現できた理由は?

レンズ設計担当: PowerShot G1 X Mark IIでは、キヤノンのコンパクトカメラ史上最多となる6群構成を採用しています。PowerShot G1 Xのときは4群構成でしたから、そのぶんレンズ配置の自由度は増え、設計のバリエーションは大幅に広がりました。14枚におよぶレンズ1枚1枚の形状やガラス材料、配置、コーティングに至るまで最適なものを導きだしたことで、全方位でのスペックアップを実現しました。

photo 新開発の光学5倍ズームを搭載

鏡筒設計担当: 鏡筒の面から見ると、敏感度の高い構成を確実に制御できるようにメカの部分でしっかり抑えこんでいます。従来のやり方では求められる精度が実現できなかったため、今回の調整はかなりシビアな作業でした。アルゴリズムの開発部門とも連動しながら、独自の方法を採り入れてレンズの制御を実現しています。また、工場での製造にあたっても新しい方法が必要でした。高い精度を出すために、PowerShot G1 X Mark IIの鏡筒生産は通常よりもはるかに多い工程が必要となっていますが、新規に導入した装置などによって、ミクロンオーダーでの精度を保った量産を実現しています。

――マクロやボケへのこだわりは?

レンズ設計担当: 最短撮影距離についてもユーザーの方々から多くの要望があった点ですので、どこまでのスペックを目指していけるかという点は徹底的に話し合いました。最短撮影距離を短くするためには、フォーカス群の移動量を減らす必要があります。そこでたどりついたのが、従来のリアフォーカス方式からインナーフォーカス方式への切り替えでした。

鏡筒設計担当: 各焦点距離での性能のバラつきを抑えるために、鏡筒部ではしっかりとレンズ群の動きを制御して、遠景から至近までキレイに撮影することができるように調整しています。また、インナーフォーカスの実現によってフォーカス群の移動量を抑えることができたため、AFについても大幅なスピードアップを果たすことができました。

レンズ設計担当: 大型センサーならではの美しいボケ味は、開発にあたって一番こだわった部分でもあります。これについては、開発の前段階からさまざまな実験を重ねて、大口径化について議論を重ねてきました。その結果、PowerShot G1 X Mark IIでは1.5型という大型センサーを可能な限り生かせるF2.0〜3.9というF値を実現しています。

――新エンジン「DIGIC 6」の特長は?

エンジン設計担当: 前機種PowerShot G1 Xの映像エンジンはDIGIC 5でしたが、PowerShot G1 X Mark IIでは新たにDIGIC 6を搭載しました。これにより、画質面では解像感やノイズリダクション性能の向上を実現しています。静止画撮影におけるノイズリダクション性能は処理を見直すことにより、DIGIC 5に比べて約2.4倍の高速化を実現しています。また動画撮影におけるノイズリダクション性能においては、DIGIC 5に比べて約9倍の情報量を処理することでテクスチャーとノイズを的確に切り分け、ISO1600でDIGIC 5のISO400に相当するノイズ量まで低減することが可能になりました。また、フルハイビジョンでの30p対応やMP4記録が可能になっています。

センサー設計担当: センサーの基本的な土台は前機種PowerShot G1 Xの1.5型大型センサーを踏襲しています。しかし、より明るくなったレンズや新エンジンに対応するために新規にチューニングを行ったり、AFをより高速化するためにAF用のセンサー駆動モードをスピードアップさせたりするなど、PowerShot G1 X Mark IIに合わせた改良を施しています。また、一番の特長は、一眼レフユーザーのニーズに応えて3:2画角でも4:3画角でも同じ焦点距離で記録できるマルチアスペクトを採用できたことですね。

――デザインのコンセプトは?

デザイン担当: Gシリーズはこれまで、PowerShotシリーズの最上位機種としてふさわしい品位や質感、操作感を追求してきましたが、今回のPowerShot G1 X Mark IIでは、新しいユーザーにも手に取って楽しんでもらいたいという思いがあったため、Gシリーズとしての伝統は引き継ぎつつも、より洗練されたイメージをつくり出すことを目指しました。

 全体としてシンプルなイメージになっていると見受けられるかもしれませんが、単にシンプルなデザインを狙ったのではなく、今回の特徴であるレンズの存在感や緻密さを強調して、デザインにはメリハリをつけました。全体の佇まいとしても、新しいPowerShot G1 Xのポテンシャルを存分に感じていただけるデザインを実現できたと思っています。

――操作性については、どんな追求したのでしょう?

デザイン担当: 人間工学的な視点にもとづいて、操作性には強くこだわっています。特に、今回初めて搭載されたデュアルコントロールリングについては最適な操作感、材質を追求していきました。例えば、クリックリングはレンズの根本をしっかりと持って回せるようにローレットの幅を広くしています。また、前方にあるスムーズリングを操作するときには、後方のリングを誤って動かしてしまわないように先端にだけローレットを刻んで、ふたつのリングの間にスペースを確保しています。

photo 多機能ながらシンプルにまとまった操作部

 こうした細かな感覚的な部分を理解したうえで調整していくため、試作を繰り返して何度も改善を重ねていきました。回したときの感覚やリングに刻まれるローレットについても同様に試作を重ね、それぞれに最適なものを選んでいます。これまでの開発のなかでも、これだけの試作を重ねたケースは初めてですね。

――ユーザーには、どんな体験をして欲しいですか?

開発チーフ: レンズの焦点距離が広角側も望遠側も広がりましたし、F値も明るくなりました。どんな場面にも使えるので、出かける場所どこへでも持って行って、使い倒していただきたいですね。その高い光学性能に加えて、他にもたくさんの機能を実現したカメラですが、やはり特筆すべきはその画質です。撮った写真を見て、その仕上がりに感動していただけたら、うれしいですね。

※本稿では「PowerShot G1 X MarkII」のベータ機を使用しており、外観など製品版とは仕様が異なる場合があります。また、掲載している作例は長辺を580ピクセルに縮小したものとなっています。

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提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia デジカメプラス編集部/掲載内容有効期限:2013年3月30日

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