荻窪圭が聞く ナノレベルの技術から生まれる“ZUIKO(ズイコー)”レンズの秘密(2/2 ページ)

» 2015年12月01日 10時00分 公開
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 さてカメラのレンズには「球面レンズ」と「非球面レンズ」の2種類があり、球面レンズは研磨によって、非球面レンズはプレスによって作る(高温でガラスを軟らかくして型で挟んでプレスする)のだが、最新の技術で、非球面レンズもナノメートルレベルの面粗さを実現できるようになった。特にガラス製の非球面レンズに関しては技術革新があり、「今までも高いレベルだったが、さらに数段上がっています。オリンパスの技術はすごいと誇れるレベル」(宮田氏)になっているという。

関博之部長代理

 「ガラス成形レンズは金型を必要としますが、その金型の表面の磨きがすごいのです。非球面形状のため、それぞれのカーブに応じて磨き方を最適化する必要があり、社内で開発した測定器で精密に測りながら磨き方を決めています」(関氏)

 その一例が、2014年に登場した「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」だ。全域F2.8の望遠ズームで、35ミリ判換算だと80mm〜300mmのF2.8相当になる。望遠レンズは特に遠くの被写体をディテールまでしっかり捉える必要があり、レンズによって解像力の差が出やすいのだ。


M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのカットモデル

なぜオリンパスのレンズ加工技術はすごいのか

 オリンパスのレンズ加工技術がすごい理由。それは長年の蓄積があるのみならず、顕微鏡や内視鏡のトップメーカーでもあるという強みもあるという。オリンパスは、1919年(大正8年)に顕微鏡の国産化を目指して創立された会社なのである。

 顕微鏡や内視鏡のレンズはそもそもすごく小さなものを観察するため、高度な技術が必要で、スーパーEDレンズも顕微鏡での採用が先だった。

 ただカメラのレンズは顕微鏡のレンズより直径がずっと大きいので、その分製造が難しい。レンズの直径が倍になると、細かな傷の確率は4倍に増える。その上で精度の誤差は半分以下が要求されるのだという。

 今や進歩した加工技術により、より大きなレンズを必要とするカメラ用レンズでもナノレベルの面粗さを実現している。そしてカメラ用レンズは、顕微鏡や内視鏡に比べて製品のライフサイクルが短いため、技術をどんどん磨いていけるというメリットがある。

 複数の分野のレンズを手がけているからこそ、オリンパスのZUIKOレンズは高精度で高画質なのである。

オリンパスのレンズの特徴は機動性と描写力の両立

 オリンパスのレンズ技術について伺ってきたが、ユーザーにとって大事なのは最終的にどんな描写をしてくれるかだ。オリンパスレンズの特徴として宮田氏は「中心から周辺まで高い光学性能を維持しつつ小型軽量で機動性が高い」ことにあるという。

宮田正人課長

 「描写力と機動性はトレードオフが大きいですが、その両方を高い次元で両立させています。それはオリンパスの光学設計とものづくりで支えられています」(宮田氏)

 オリンパスレンズの1ユーザーとしても、確かに周辺部まできっちり描写してくれるし、絞り開放から使える描写力だし、性能の割にコンパクトだ。

 もちろんそれを実現しているPROレンズは、プロ向けのハイエンドレンズで口径も大きいので低価格なスタンダードレンズに比べると大きくて重いが、それでも一眼レフのレンズに比べるとすごく小さくて機動力が高い。だから撮影時の体力的負担がすごく減る。

 オリンパスレンズと一口にいっても、小型軽量重視の薄型ズームレンズから、プロ向けの大口径レンズまで幅広いのだが、両方を使い比べるとその差はすぐわかる。

 同じ設定で同じカメラで撮っても、PROシリーズのレンズはディテールの描写力、周辺部の画質、コントラストの高さ、背景のボケのきれいさが違うのだ。光の条件が悪いとゴーストやフレアが出たりコントラスト低下が起きがちだが、それも可能な限り低減されている。

 宮田氏は「スペックに現れない描写力を高めるノウハウが我々にはあります。『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』につぎ込んだ技術、『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO』につぎ込んだ技術、そして『M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO』につぎ込んだ技術を味わっていただきたいと思います。今までこだわってきた技術と、実際の写りとの関係がつながっており、空気感や立体感といった数字に表れない描写性能を持っていますから」と語る。

 オリンパスのレンズにはM.ZUIKO PRO、M.ZUIKO PREMIUM、M.ZUIKOの3つのシリーズがある。

 個人的にはぜひPROシリーズのズームレンズや、PREMIUMシリーズの中でとくに「ハイグレード」と書いてあるレンズを使ってみて欲しいと思う。「空気感」や「立体感」といわれてもピンとこないかもしれないが、実際に使えば、レンズが違うと写りもこれだけ違うんだということを感じてもらえるはずだ。

 積み重ねられた歴史とノウハウに裏打ちされた、高い技術力から生み出される、目を見張るほどの精度と画質の高さを持ったオリンパスのレンズ。性能の高さの秘密は、聞いてみれば納得の理由なのだった。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia デジカメプラス編集部/掲載内容有効期限:2015年12月14日