「ママビデオ」ヒットの予兆:ビデオカメラ販売ランキング(2010年7月12日〜18日)
パナソニックのビデオカメラ「HDC-TM35」にヒットの兆しだ。フルHD録画モデルで最軽量という性能面の訴求はもちろん、「女性=ママに支持される製品を目指した」という立ち位置の明確さにポイントがありそうだ。
GfK Japan調べによる、ビデオカメラの販売ランキングをまとめた。先週に引き続き、ソニー「HDR-CX370V」「HDR-CX170」が1・2位をキープしてるが、パナソニック「HDC-TM35」が6位から3位へと順位を上げた。
パナソニック「HDC-TM35」は6月に発表、7月より販売開始された新製品。フルハイビジョン(1080i)録画に対応しながらも185グラムという「世界最軽量」(同社)の軽さが大きな特徴(→世界最軽量、女性視点のビデオカメラ「HDC-TM35」)。しかし、機能面・性能面よりも注目すべきは、本製品が「女性(ママ)に支持されること」を明確な目標に据えたことだろう。
軽量化を図ることで持ち歩きの負担を軽減し、ボディ細部の凹凸を減らすことで、小さなバッグにもしまいやすくした。グリップベルトのデザインにも気を配り、男性に比べて手の小さな女性でも構えやすくなっている。
本体のカラーはホワイト(ピュアホワイト)、バイオレット(モードヴァイオレット)、ゴールド(クラシックゴールド)、グレー(シャイニーグレー)の4色。いわゆるAV機器的なカラーリングではなく、女性(ママ)が手にしても違和感を感じにくいカラーが採用されている。
これまでにもカラーリングを充実させる、軽量化を進めるなどの手法で女性層の取り込みを狙った製品は存在した。HDC-TM35の前身にあたる「HDC-TM30」も「1080i方式AVCHD民生用デジタルビデオカメラとして世界最軽量」をうたって登場したが、カラーリングはシルバー(プラチナシルバー)、レッド(クランベリーレッド)、ブラック(オニキスブラック)の3色で、AV機器的なトーンから抜け出していなかった。
AVCHD/フルハイビジョン撮影が当たり前になった家庭用ビデオカメラにとって、もはや機能的な差別化は図りにくいのが現状。HDC-TM35のように「どの層へ使って欲しいか」の明確なメッセージが込められた製品がこれからはヒットを呼ぶのかもしれない。
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