レビュー
高倍率スリムデジカメ7機種を比較する(後編)――夜景とHD動画、独自機能を見比べる(3/4 ページ)
いわゆる“高倍率スリムデジカメ”を比較する本稿、前回は7機種のテレ/ワイドの写りを見比べた。今回は各社コンデジが力を入れる「夜景」「HD動画」に着目した。
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ダイナミックレンジ拡張
ダイナミックレンジを広げて撮る機能も今年のトレンドのひとつ。従来から「暗部補正」という形でシャドウ部を持ち上げることでダイナミックレンジを広く見せる機能を搭載した製品はいくつかあったが、2010年からは露出を変えた複数枚の写真を合成して広いダイナミックレンジを得る「HDR」を採用するカメラも増えてきた。手持ちでのHDRを可能にするには高速連写が欠かせず(ゆっくり連写していたのでは1枚目と2枚目のずれが大きくなってしまう)、今回の7機種ではDSC-HX5VとCX4の2機種が利用できる。
それと、FinePix F300EXRのEXRを使った高ダイナミックレンジを合わせて。かなりハイコントラストになる構図で試してみた。
DSC-HX5V。左が通常撮影、右が逆光補正HDR。逆光補正HDRは露出をかえて撮影した2枚を合成する。合成の精度は高く効果も大きい。効果が大きい分、どんよりした不自然な絵になりやすいという欠点はあるけれども、効果は大きい
CX4。左から通常、DR強(ハイライト部優先)、DR強(シャドウ部優先)。CX4はクリエイティブ撮影モードにある「DR」がHDR機能。オートのままだとあまり大きな差は出ないが、HDRのかかり具合を調整できるのがCX4の面白さ。とにかく細かく調整させてくれる。かかり具合のみならず、ハイライト部を残すのかシャドウ部を残すのかも指定できるのだ。これは面白い。また通常撮影の写真も同時に残してくれるのもうれしい
FinePix F300EXR。左が通常撮影、右が高ダイナミックレンジでの撮影。高ダイナミックレンジにすると600万画素相当に画素数は落ちるがダイナミックレンジが広くなる。暗部が少し持ち上がっている感じ
パノラマ撮影
ソニーがはじめた、カメラを横方向に振るだけでパノラマ写真が撮れてしまう「スイングパノラマ」。富士フイルムも「ぐるっとパノラマ」という名称で同等の機能を搭載してきた。しかも360度まで撮れる(ソニーは最大約281度)。
両者で撮り比べ。
どちらも手にカメラを持って撮影したので、当然、撮りながらカメラが上下に揺れる。DSC-HX5Vは多少の揺れは吸収して上手につないでくれるが、FinePix F300EXRは途中で何カ所がうまくつながってないところが見受けられた。360度は魅力的だが、より気軽に使えるのはDSC-HX5Vのほうといえる。
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