「高級コンデジ」の現在地を確認する(前編):レビュー(4/4 ページ)
コンデジと一眼レフの中間に位置する製品として、一定の地位を築くのが「高級コンパクト」と呼ばれる製品群だ。ミラーレスの躍進で立ち位置の希薄化も懸念されるが、そのメリットも無視できない。「PowerShotG 12」「COOLPIX P7000」「GXR+S10」の3機種を比較した。
GXR+S10
GXRは、前述の通りカメラユニットを交換することでさまざまな撮影を可能にする、レンズ交換式カメラに近い機能を備えたカメラだ。その内、高級コンパクトデジカメライクに利用できるのはカメラユニット「S10」を装着した場合だ。
GXRのボディは、クラシックなカメラライクのデザインで、この辺りはほかの2機種と同様。しっかりとしたグリップも備えており、構えやすい。
GXR+S10のレンズは、35ミリ換算24〜72ミリの光学3倍ズームレンズで、F値はF2.5〜F4.4、非球面レンズ4枚4面を含む7群11枚構成となっている。ズーム倍率は3機種中最も小さいが、ワイド端が24ミリと広角側に振られている。S10の手ブレ補正はセンサーシフト方式だ。最短撮影距離は、通常時でワイド端30センチ、マクロ時は1センチとなっている。液晶サイズは3型約32万ドット液晶で大型かつ見やすい。


ホットシューを備えるところは3機種に共通したポイント。この辺りの拡張性も高級コンパクトのメリットだろう(写真=左)、本体上部にはモードダイヤルがあるだけでシンプル。ダイヤルロックがあるのはGXRだけだ(写真=中)。背面も比較的ボタンは少なく、シンプル。ホットシューの部分は液晶ビューファインダーを接続することもできる(写真=右)ほかの2機種に比べるとボタン類はシンプルにまとまっており、本体上部にはモードダイヤルとシャッターボタン前方にアップダウンダイヤルを装備。背面にはADJ.レバー、ズームボタン、マクロボタン、十字キーといったボタンを配置している。
ADJ.レバーには5つの機能が割り当てられており、その内4つまでの設定を変更できる。設定できるのは露出補正やホワイトバランス、ISO感度、画質、フォーカス、画像設定など。ADJ.レバーを押し、レバーを左右に倒して項目変更、アップダウンダイヤルで設定変更が素早くできる。
十字キーの割り当てが固定されていないのも特徴で、十字キー左右のFn1、Fn2には自分で設定を割り当てられる。割り当てられるのはAF/MFやJPEG/RAW切り替え、露出補正、ホワイトバランス、ISO感度、ステップズームなど。十字キーの上下の+/−では、ダイレクトの露出補正に加え、フラッシュ調光補正やマニュアル発光の設定を割り当てできる。
露出を変えるには、S/Aモードでは前面のアップダウンダイヤルでシャッタースピードや絞り値を変更する。Mモード時はアップダウンダイヤルで絞り値、ADJ.レバーでシャッタースピードを変更する。ADJ.レバーは回転式ではなく、左右に倒すだけなので、ダイヤル式よりも少し手間がかかるが、倒し続けると連続で数値が変わるので、一長一短という感じもする。
後編では、これら3機種について画質を比較していく。
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