第138回 桜の花と撮り方の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
春といえば桜。その日の天候、背景の選び方、レンズの選び方、光の向き、などなどで桜はいろいろな表情を見せてくれる。いろいろな撮り方できるのが面白さでもある。
明るい単焦点レンズでほわほわに
最後に花にフォーカスして撮ってみる。
実はどちらも同じ花を撮ってるのだが撮るときの高さを少し変えてある。少し高い位置から緑を背景にしたものと、少し低い位置から桜の木を背景にしたもの。前者の方が背景が遠くて単色なので花もほんわりと写る。背景は大事なのだ。
上の2枚はズームレンズを使って、85ミリ/F5.6で撮影。
でも、ほんわり感を出すには、明るい単焦点レンズが一番。そうすればソメイヨシノならではの、柔らかくてはかなくてこの世から一歩引いたような非現実感を撮れる。50ミリの単焦点レンズを使い、F2.0とF1.4で撮り比べてみた。
ボケ具合が全然違うのがわかると思う。F1.4までいっちゃうと、メインの花びらですら部分的にぼけてるくらい。
あまりにピントの合う範囲が狭いので、ちょっとした風や手のブレでピントの山がずれてしまうから、思い切り明るいレンズで撮るときは何枚も撮っておくといい。F2.0くらいの方が花の感じが残っていいけど、F1.4までいって幻想的にしちゃうのもいい。
さらにF1.4で背景を他の桜の花びらにしちゃうとこうなる。背景があまりに大きくぼけるので枝の濃い色が溶け込んじゃってるのだ。
こういう構図では思い切ったプラスの補正をしちゃうといい。上の写真は+1.3の露出補正をかけている。最後は同じく+1.3の補正をかけてめいっぱい花びらを明るくし、F2.8で撮った。
その日の天候、背景の選び方、レンズの選び方、光の向き、その他もろもろの条件で桜はいろんな表情を見せてくれる。そのときの桜が自分の目にどのように見えたか。それによって撮れる写真も変わってくる。どれがおもしろさでもあるのだ。
関連記事
- 今日から始めるデジカメ撮影術:第137回 早春の花とメジロの関係
まだ寒い日も多いが、花の姿も見えるようになってきた。早春に楽しめる菜の花と梅園の梅、そしてメジロを撮りましょうという話。レンズ選びの話も少々。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第136回 雪景色と寒さの関係
当たり前だが冬は寒い。寒いといえば雪である。年末年始は全国的に雪模様だったが東京はスルーされてしまったので、雪景色を撮影しに日帰り旅行である。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第135回 デジ一眼とHD動画の関係
いつの間にか、デジカメへの動画機能搭載が当たり前になっている。手持ちのデジタル一眼にHD動画機能が付いていたら、たまには使ってみよう。一般のビデオカメラとは違った、クオリティの高い動画が撮れるはずだ。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第134回 イルミネーションと人物の関係
今回はイルミネーションと人物を撮る話。都会の夜は結構明るいので、ストロボや三脚がなくても以外とキレイに撮れるものだ。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第133回 秋と草花と紅葉の関係
草花や木々がしっとりとキレイな秋は、カメラを手にぶらぶら散策したくなる。さあ、一眼レフを持って出かけよう。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第132回 秋の空と表情の関係
毎日、毎刻違う表情を見せる空。素敵な一瞬を見つけたらカメラを向けて撮ってみよう
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.