ズーム連動式ファインダー搭載、プレミアムコンパクト「X10」
富士フイルムから「FinePix X100」の遺伝子を受け継ぐ「X10」が発売される。4倍ズームレンズとズーム連動式光学ファインダーを備え、「ファインダーをのぞいて撮る」楽しみを味わえる製品だ。
富士フイルムは10月5日、コンパクトデジタルカメラ「X10」を10月22日より販売開始すると発表した。価格はオープンで、実売想定価格は7万円前後。
3月に販売開始された「FinePix X100」(レビュー)に通じる外観と質感を備えたコンパクトデジタルカメラ。X100の大きな特徴である、光学式ビューファインダーと電子式ビューファインダーのメリットを融合させた「ハイブリッドビューファインダー」こそ搭載しないが、“フジノン”4倍ズームレンズとズーミングに連動する光学ファインダーを備え、「ファインダーをのぞいて撮る」楽しさを提供するモデルとなる。
フジノン4倍ズームレンズは35ミリ換算28〜112ミリの焦点距離となっており、放送機器でも使用される「スーパーEBCフジノンレンズ」を採用した、非球面レンズ3枚(6面)、EDレンズ2枚を含む9群11枚構成。絞り値はF2.0-2.8と十分な明るさを持つが、「明るさより全域での解像性能を重視し、MTFもX100とほぼ同等」(同社)した設計方針が採用されている。
ズーミングはあえて手動としたほか、ズームリングは電源スイッチも兼ねており、素早い撮影操作と撮影開始を可能としている。手ブレ補正機能も搭載しており、レンズ群を3つに分けてそれぞれを駆動するレンズシフト方式とすることで、解像力を維持しながら、シャッタースピード約4段分の補正効果を実現している。ズームリングに連動する光学ファインダーはガラスプリズムおよび非球面レンズ3枚の採用により、小型ながらも十分な明るさと視野角の広さを実現した。
撮像素子は2/3型 有効1200万画素 EXR CMOSセンサー。EXR CMOSセンサーは「FinePix F600EXR」などにも搭載されているが、新製品は2/3型と大型化が図られ、1画素あたりの面積も広くなっている(FinePix F600EXRは1/2型 有効1600万画素)。EXR CMOSセンサーの特徴である、撮影シーンに応じて「高感度低ノイズ」「ダイナミックレンジ優先」「高解像度優先」と3通りの撮像方式を切り替える「EXR技術」も搭載されているが、A/S/P/Mの各撮影モード時にはフル画素記録の高解像度優先方式となる。
オート撮影時のパターン認識数はFinePix F600EXRと同様の99通りで、ISO感度は100〜12800まで設定可能(ISO12800時は記録画像サイズが小さくなる)。設定したISO感度で適正露出を得られない際、100〜3200までの間でカメラが適切なISO感度を自動設定する「ISOオート」設定も施せる。連写についてはフル画素時で約7コマ/秒となる。フルハイビジョン動画撮影機能も搭載する。
そのほかフィルムシミュレーションも搭載しており、リバーサルフィルム調のVelvia/PROVIA/ASTIAのほか、3種類のフィルター効果など、全8種類が用意される。RAW撮影も可能で、カメラ内RAW現像も行える。
ボディ天面と底面はマグネシウム合金、モードダイヤルやレンズリングはアルミ削り出しで作られており、外装は合成皮革によるレザー調。各種パーツの質感はもちろん、操作時のクリック感や重みについても細部にわたるチューニングが施されている。シャッター音はX100と同種の音源(3種類)が採用されている。
背面液晶は2.8型/46万画素で、ポップアップ式のストロボも搭載する。サイズは117(幅)×69.6(高さ)×56.8(奥行き)ミリ、約350グラム(撮影時重量)。
関連記事
- 富士フイルム、熟練スタッフが1枚1枚仕上げる「X100プリント」
富士フイルムが「FinePix X100」に最適な大伸ばし印刷を行う「X100プリント」を提供する。「熟練のプリントアーティスト」(同社)が写真の内容を判断しながら、1枚1枚仕上げていく。 - LightroomとCamera Rawに最新アップデータ、「FinePix X100」など対応
アドビシステムズは「Lightroom 3」ならびに「Camera Raw」のアップデータを公開した。キヤノン「EOS Kiss X5」「EOS Kiss X50」、富士フイルム「FinePix X100」、ニコン「D5100」、オリンパス「XZ-1」などをサポートする。 - 富士フイルム、「FinePix X100」の新ファームウェア提供開始
富士フイルムはデジタルカメラ「FinePix X100」の新ファームウェア(Ver.1.01)を提供開始した。 - 矢野渉の「金属魂」的、デジカメ試用記:「金属魂」的、FinePix X100のある生活(金属と皮の濃密な関係)
絶対買うと意気込んでいたわけではないが、手にするしかないと思った。カメラマン 矢野渉氏と、「革」を注ぎ足したFinePix X100の生活は始まったばかり。 - フィルムカメラ風の高級コンパクト機――富士フイルム「FinePix X100」
富士フイルム「FinePix X100」は、明るい単焦点レンズを搭載した高級コンパクト機だ。光学式と電子式が融合した新発想のファインダーや、レンズに合わせて最適設計されたAPS-CサイズのCMOSなど見どころは盛りだくさん。 - 狙うは写真の原点――富士フイルム「FinePix X100」
富士フイルムが発表した、クラシカルなボディに最新技術を集結する高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」。そのコンセプトを尋ねた。 - 新ファインダーシステム搭載の高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」
富士フイルムは光学式と電子式のメリットを融合させた新ファインダー「ハイブリッドビューファインダー」を搭載した高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」を2011年春に販売開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.