第149回 雪と氷と光の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
まだまだ寒いけれども、もう春を見据えなきゃいけない、そんな時期なのだけど、今回のネタは思い切り冬。雪や氷を撮る話。ちょっと時期を逃した感はあるけどお付き合いのほどを。
雪もいいけど氷もカッコよかった
奈良井宿は標高900メートル以上に位置するので、雪は少なくても気温は低い。かなり低い。軒先には普通につらら。雪はプラスの補正が基本だが、つららは背景次第。背景が青空の時は普通に撮っても誰も困らない。
でも屋根や壁を背景にすると、それらは暗いので肝心のつららが白飛びしてよい結果にならない。そういうときはマイナスの露出補正を。そうするとつららの微妙な凹凸がちゃんと表現できる。これは-2.7とかなりマイナスの補正をかけている。
寒い上に、山間からのわき水が豊富なので街の至る所に水場があり、水路を水が流れており、それが夜間に片っ端から凍るのである。それがきれいなのだ。1キロほど続く宿場町にはほぼ等間隔で水場が用意されている。わき水が豊富なので、すごい勢いで水は流れっぱなしである。止めることはない。まあ流しっぱなしにしないと凍結しちゃうし。
でも近くでよく見ると、はねたり垂れた水が夜間の冷え込みでこんなになっちゃうのだ。たとえばこんな場所を発見。
ここへぐぐっと寄って撮ると、まさに氷の世界である。
自然が作る造形美でしょう。2枚目なんて、長高速シャッターで噴水の水を止めた状態でそのまま凍ったような。ちなみに、1/4000秒で動きを止めて撮った水はこう。
さっきの氷とほとんど変わらない。自然はすごい。
冷え込みははんぱじゃないので水路も凍る。
1枚目はオートで。青くて暗い。2枚目は日陰モードにして+1.3の補正で。凍ってます。さらに別の水路を。+1.7の補正で撮影。
水が流れる姿のまま凍っております。でも山から水はしみ出てくるわけで、新たな水はこの氷の屋根の下をさらさらと流れているわけ。これはすごい。
そんなわけで、冬にあえて標高の高いところへ行く、というのもなかなか乙なものでありましたですよ。
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