iPhone 4Sから着実にレベルアップ――「iPhone 5」のカメラをねっとりと試す:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/4 ページ)
iPhone 5が発売された。カメラの画素数はiPhone 4Sと同じ800万画素だが、iOS 6になったことでパノラマ撮影が利用可能になった。ではハードウェアに依存する処理速度や画質はどうか。iPhone 4Sとの作例も交えながらiPhone 5のカメラ性能をチェックした。
HDR撮影が苦手なシーンは「AF/AEロック」を活用
では上記以外のカメラ機能について作例とともに見ていこう。まずはおなじみのHDR。HDRをオンにすると露出を変えて3枚連写して合成するのだが、処理速度が上がった分、連写も速くなったのか、ズレて写る確率が減った感じ。HDRの効能は「つぶれてしまったシャドウ部を復活させる」&「白飛びしてしまったハイライト部を復活させる」の2つ。ハイライト部が飛んでしまうときはこんな風に上手に補ってくれる。空の真っ白なところが復活してる。
逆に全体にアンダー目になったときはシャドウ部をうまく持ち上げてくれる。これは花にピントと露出を合わせるためにそこをタップしたら、全体にアンダー目になってしまったのを、HDRが調整してくれたというケース。
ハイライト部もシャドウ部もキツいハイコントラストな構図だと、ちゃんと両方を補正してくれる。空も復活したし、影になっている拝殿もちょっと明るくなった。いい感じだ。
なんだかんだいって、よくできてるのだ。HDRをオンにしたときは、3枚のうち、標準露出のものを別途保存してくれる機能があるので(上記はそれを使ってる)、そうすれば常にイメージ通りに撮れている方を使えばよいのでたいへんありがたい。わたしは常にオンにしている。
ただ、HDRでもうまくいかないことがある。例えば暗いところにぽつんと白い被写体がいて、その白い被写体を撮りたいとき。
HDRオンだとかなりマシになるが、それでも白い猫が不自然な感じ。普通のカメラなら露出補正を使うが、そんな機能はiPhoneにはない。
そういうときはAF/AEロック機能の出番。もっと暗く撮りたいので、明るいところ(このケースでは日向)にカメラを向け、同じような距離のところを長押しする。するとそこでピントと明るさがロックされるので、そのまま、メインの被写体にカメラを向けて撮るだけだ。画面に「AF/AEロック」と表示されるので分かる。そうすればこんなシチュエーションでもちゃんと撮れるのだ。
これを使いこなすと撮影の幅が広がります。撮影最短距離は7センチちょっとくらい。まあ普通にぐぐっと寄った撮影が可能な感じだ。
おまけでうちの猫の写真。
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